〔仮説社PublicRelations〕No.161

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〔仮説社PublicRelations〕No.161
2014年10月2日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』9月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部に,すぎませんでした。
 それを,今後,この「仮説社メールマガジン」でご紹介できるよ
うになりました。まだ全ての方から「公開」のご了解をいただいて
いるわけではないのですが,ご了解をいただき次第,順次,ご紹介
していきたいと思います。

 板倉編集代表はいつも,みなさんからのおたよりをとても楽しみ
にして読んでいます。そのおたよりは,これまでも月に一度の「編
集会議」では全文が読めるようにプリントしたあったのですが,そ
れはつまり「たいていの人は(編集委員であっても)読めない」と
いうことでもありました。
 だから,「すごくもったいないなあ!」と,いつも思っていまし
た。
 長年の夢がかなって,とてもほっとしています。

 「他の人がどう読んだか」ということは,とても興味深いことだ
と思います。
 すでに10月号が出ているのですが,これを機会に,前の号を読
み直したくなるかもしれませんね。
 今回は,とりあえず,12人分のおたよりです。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


2014年9月号(425号)広がれ!科学の輪
編集委員からのおたより9月29日現在,32名の集計

(行頭の数字は,言及されている編集委員の数です)

18◆板倉聖宣「〈科学的〉であるために」
17◆中村 文「ミルクを飲むと赤ちゃんの体重は重くなるか?」
16◆小川 洋「良い授業ってどんな授業?(育成日記7)」
16◆小原茂巳「新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉」
13◆山路敏英「〈どうして?〉と聞かれたらどうする?」
13◆萠出 浩「植木鉢の底にある穴は必要か?」
9◆峯岸昌弘「おりぞめで〈天の川〉」
6◆山本俊樹「(おりぞめで作る宇宙)つながる模様 銀河 K」
6◆福島純子「愛するペット カメを描こう」
5◆佐々木敏夫「インドの紙幣と言語」
5◆鮫島麻美「(中学1年生と)科学劇「もしも原子が見えたなら」
4◆木村妙子「(手書き最終回)初心者と専門家の間をいったりきたり」
3◆二宮聡介・高橋善彦「おすすめ本」
1◆馬場雄二「表紙ウオッチング」
1◆大黒美和「ヒューマニズムを実感」
1◆湯沢(おたより)「車のまさつ」
1◆小沢俊一「『月のえくぼを見た男』
1◆板倉聖宣談/山田正男編筆「現代化と古代化」
1◆田中「(はみだしたの131〜134ペ)ジブリの文献」

 以下,順番は,およそ,到着順です。
 「読んだ」というだけで評価が不明のものは,上の表には入れて
いません。
 実際のおたよりでは,「ベスト3」とか,「特に記憶に残るも
の」などのように,取り上げている記事の数ははまちまちです。力
の入れ方も,まちまちです。したがって,上に示した順位は,「お
おまかな注目傾向」と考えたほうがいいと思っています。

1●中西 康(三重,小学校専科)
◆萠出「植木鉢の底にある穴は必要か?」
 萠出さんらしいレポートで,とてもおもしろかったです。
 〈萠出さんらしい〉と書いたのは,「1.身近で,2.でも誰も
実験していなくて,3.それでいて役に立つ内容」ということで
す。
◆福島「愛するペット カメを描こう」
 あ〜。カメは描いたことがないなあ。
 まだまだキミコ方式でやってないものがあります。いつか描きた
いと思わせてくれる記事でした。
 福島さんの文章はいつもとても読みやすいです。
◆中村「ミルクを飲むと赤ちゃん・・・」
 中村さんからDVDを購入して,昨日観てみました。
 スバラシイ!! 予想以上の内容に感激しました。
 月曜日から始める《ものとその重さ》が,どんな展開をたどっ
て,2部のこの問題に到達するのか,とっても楽しみになりまし
た。
◆山本「銀河K」・峯岸「おりぞめで〈天の川〉」
 おりぞめの進化・発展には目を見張る思いです。組織的な研究が
成果を出しているのだと思います。
◆板倉「「科学的」であるために」
 「自分自身の頭で判断することを根底に置きながら,しかも信頼
しうる専門家というものをたえず選択し,それに依拠しうる態勢を
もつこと」,これが「科学的だ」ということもできるのです。(71ぺ)
 なるほど。自分で「権威」と言えるものを,実験的に見つけてい
かねばならない,ということなのだと思います。

2●実藤清子(埼玉・中理)
◆1「科学的であるために」板倉さん
 この文章はとても分かりやすく,板倉さんの思いを伝えていると
思いました。
◆2「植木鉢の底にある穴は必要か」もだしさん
 上記板倉さんの思いを実行に移すと,萠出さんのこの試みになる
のかなと思いました。
◆3「良い授業ってどんな授業」小川さん
 教師をやっていると子供たちのザワザワは気になりますが,子ど
もたちは好奇心全開だからなんですね。子供の評価・感想で結果は
決まる。良かったですね。
◆4「どうして?」と聞かれたら 山路さん
 本当!山路さん,いいところついているなあと思います。
◆5「ミルクを飲むと赤ちゃんの体重は重くなるか」中村さん
 前半の中村さんのけなげな努力に,そうかこの問題もいろいろに
悩む人がいたかと思いました。私は中学校で500ccのジュースに
していました。この実験はやりたいという希望者が多かったです。
でも,だからですね。中村さんが赤ちゃんで実験したのは。赤ちゃ
んが授業に登場するのもいいし,小学生も中学生も喜びますね。
◆6「新人先生の〈たのしい原子分子の授業〉」小原さん
 《もしも原子が見えたなら》の仮説実験授業を目にしているよう
でした。有賀先生よかったですよ。
◇科学劇の鮫島さんの試みも面白いと思いました。

3●島 百合子(富山・小学校)
◇特集「一人ひとりが主人公」はいいですね。よく教育界では美し
い言葉だけで終わってしまうことが多いのですが,『たの授』は
即,実践・現実化できる記事が満載で,ありがたいことです。
 私も学習発表会は伊藤善朗さんの「磁石の国へ行こう」の科学劇
をします。教師も子供の楽しみながら練習できるのが嬉しいです。
◆萠出さんの「植木鉢の底にある穴は必要か?」は,私も子供の頃
からずっと疑問だったので解決して,とてもスッキリしました。
 やっぱり必要だったのですねえ。私もいらないんじゃないかと
思ってセロファンでふさいでやったみたことがあるのですが,きっ
と呼吸はできたのですね。今回の萠出さんの実験は明確で分かりや
すかったです。感謝,感謝。
 追加記事として盆栽の話も載せられたらいいと思います。盆栽の
植木鉢には穴がないこと,その鉢にピッタリ合った水をエサを与え
るようにしていかなければいけないことを私は初めて知りました。
こちらも驚きです。
◆長年の疑問が解決という点で,中村さんの「ミルクを飲むと赤
ちゃんの体重は重くなるか?」も拍手です。我が子が赤ちゃんの時
にやってみたいと思いながら,ほとんど母乳で実現しませんでし
た。誰かやってくれないかなあと思っていたら中村さんがやって下
さいました。疑問はもち続けるものですねえ。やっぱり赤ちゃんで
もこんなスッキリと実験結果がでるとは! 今まで≪ものとその重
さ≫では,子供たちに,たいてい「先生,これどうやって実験する
の?赤ちゃんにやってもらうの?」と質問されてきました。仮説社
のDVDを見せたり,子供に飲んでもらったりしていたのですが
「赤ちゃんでも本当になるの?」という淡い疑問はいつもありまし
た。今度から堂々と胸をはって(?)この赤ちゃんのDVDを見せ
てあげることができます。
◆小川さんの「良い授業ってどんな授業?」は根源的な話でいいな
と思いました。とかく教師サイドからものが見えやすいものです
が,あえて子供サイドから見ることができる目線が大切だなあと改
めて思いました。今,教育実習生さんが来ているので,ぜひ,『た
の授』をあげて紹介したい記事です。

4●日吉資子(佐賀,小学校講師)
 9月号の感想を。いつも目次を見て読み始めます。特におすすめ
の記事ベスト5を。
◆「〈科学的〉であるために」板倉聖宣さん
 「科学的に考えるとはどういうことか」。教師になって仮説実験
授業と出会うまで考えたこともありませんでした。今では,多少わ
かるようになりましたが,いつもそうできているとはいえません。
やはり,今でも思い込みや先入観を持って判断してしまうことの方
が多いかもしれません。自分の都合の悪い時ほど科学的に考える態
度が必要だ〜と自戒しながら読み進めました。
 何かを判断するときというのは,新聞,ニュースなどのメディア
を比較する,本で調べる,専門家の考えをネットで調べる,身近な
信頼できる人に聞く…とそのときどきによって違います。こういっ
た判断材料は,自分にとっての「権威」なんだと思いました。
 さまざまな情報を自分で選び取り「最終的には自分で判断してい
るんだ」と自覚をもち「予想を持って物事を見て結果を受け入れる
こと」。これはとても楽しいことで,だからこそ人々がこうした考
え方を生かして人類は進歩してきたと考えていいのでしょうか。
◆「良い授業ってどんな授業?」小川 洋さん
 「早めにお説教を打ち切って感想文用紙を配って本当によかっ
た…」と小川さん。これお説教で授業が終わっていたら,子どもた
ちにとって楽しかった授業を感想に書いてもらうチャンスを逃して
しまうわけですからね!こんなことの積み重ねが天国と地獄へ……
いえ楽しい教師への道を進めるかどうかの(笑)分かれ目かもしれ
ないです。
◆「新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉」小原茂巳さん
 授業のなかで先生が子供と一緒に驚いたり感動したりできるなん
て,ホントにみんなにとって幸せなことです。
 今回の《もしも原子がみえなたら》のように,子どもも大人も楽
しく学べる教育内容と,授業の運営方法が確立したものがあれば,
理科に自信のない先生にも楽しく授業ができるし,内容のすばらし
さを確かに伝えることは可能だということがわかる実践だと思いま
した。
 もしも小学校の先生の理科離れがあるとしたら,それは女の先生
に限ったことではないかもしれません。わたしの住んでいる地域の
学校では,4年生以上は,週に何時間かの授業を他の先生に担当し
てもらえることになっています。特に高学年では理科を希望して出
す先生が少なくないようでした。
 小学校では一人の先生がほとんど全部の教科を教えることが多く
て,実験や観察の準備(片づけも)が大変だということは一つの理
由であるのかもしれません。(なので,何年か前には6年生の理科
と算数の専科を担当するというラッキーな体験をすることができた
のですが)
 私の場合,理科は苦手ですが仮説と出会う前には「教科書には実
験結果も載っていて感動がないし,実験の仕方はテストに出るから
しないわけにはいかないし,面倒だ〜」と感じていたことは確かで
す。先生にとって「この授業がしたい〜!」と思えるだけでもすご
いこと。仮説実験授業を知らなければ,3年が限界でした。
◆「〈どうして?〉と聞かれたらどうする?」山路敏英さん
 授業書を始めたころに同じような疑問がわいてきたことがありま
す。また山路さんと同じように,聞かれてうれしくなって次の問題
の結果を言ってしまうということもありました(汗)。そんなこと
を経験しながらも講座や研究会で「先生は司会者に徹すればいい」
ということを教わってからは安心して授業を進めることができるよ
うになりました。これはまた違う話になるかもしれませんが,算数
の時間なんかに,ついつい説明しすぎてしまって「あ〜〜しつこく
なってる,楽しくなくなる〜」なんて自分で突っ込んでいたことも
思い出しました。「教えないことの大切さ」…とっても深いです!
◆「ミルクを飲むと赤ちゃんの体重は重くなるか」中村 文さん
 ビール350?缶を3本と考えると,無理なことでもなさそうな…
と一瞬思うけど,一度に1Lを飲むのは,やはり想像しただけでも
ツライですね〜。
 ちょうど100g体重が増えた赤ちゃんの写真は,わかっていても
「おぉ〜ちょうど増えてる!」と感心します。初めてワタシが授業
をしたときは,この実験のために体重計を買って,自分がお茶を飲
んで実験! 400gでやりました。岩波映画も持っていたので見て
もらいました。仮説社で赤ちゃんの体重が変化するのがわかる
DVDを540円で販売されてることもわかってGoodでした。
(余談ですが,今は入れ物に入れて量っても中身の重さだけ表示で
きるキッチンスケールもあるのでとても便利です)

5●肥沼孝治(埼玉・中学校,社)
 9月号で特によかったのは,次の3つです。
◆(1)新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉(小原さん)
 小原先生の紹介によって,さっそく4人の先生方が授業書《もし
も原子が見えたなら》を授業してくれました。
 子どもたちが高い授業評価をしてくれて,先生たちもおおいに自
信を付けたのではないでしょうか。そう,先生たちも子どもたちも
満足できる授業。それが仮説実験授業の素晴らしいところなのです
ね。
◆(2)植木鉢の底にある穴は必要か?(もだしさん)
 教室で植物を育てている先生は多いですが,ちょっとしたコツを
知らないために枯らせてしまったり,根腐れでダメにしたりという
ことがあります。もだしさんの素朴な疑問は,けっこう大切なもの
だと思いました。
◆(3)インドの紙幣と言語(佐々木さん)
 インドがたくさんの「公用語」を認めていることは知っていまし
たが,グラフで表されるとあらためて驚かされます。一番有名なヒ
ンディー語は,北部の人たちの言語だったんですね。

6●中村 文(福岡・小学校)
◆「科学的」であるために
 「科学的に考える」で注意しなくてはならないのは,「自分自身
の頭で,納得のいくまでよく考える」ということは,自分自身でわ
かってはいるものの,自分のことになるとどうかな?って思うこと
がたくさんあります。
 でも,そのあとの「予想と先入観と」という項目を読んで,「そ
うだよね」と思うけれども,じゃあ自分の生き方としては??とお
もうと「う〜ん」となってしまいます。流されやすいしなぁ。
 しかし,仮説をやっていると子ども達が授業の中で,本当に予想
の段階でいろいろ言うんです。だから,仮説の授業を思い出すと板
倉先生の言葉のイメージが広がっていきます。
 じゃあ,自分の生き方はというと…,なんですよね。うーむ…。
◆新人育成教員日記8(小川さん)
 実は,10月に中学校ブロックの公開授業があります。(卒業し
て同じ中学校にいく小学校の先生や中学校の先生が集まって交流す
る活動です。小学校3校・中学校1校なんですけど,夏休みにも交
流会があったり4年に1度公開授業が回ってきたりします。今年は
そのあたり年です)
 そこで,びっくりしたのが「中学校の先生たちは,授業のどこを
みていいのかわからないと思うので,学習規律も入れた指導を行い
ましょう」みたいなことを言ったんです。そして,10項目くらい
立てて,「これを10月までに子ども達に徹底させましょう」って
言われました。
 私,言い返そうと思ったんですけど,どうせ10月までの辛抱だ
と思って何も言いませんでした。そして,子ども達にもそんなこと
徹底させてません。普段通りにしています。(普段通りでも,結構
厳しいのかもしれない。あたし…)でも,学習規律がいいのがいい
授業なのか?って思うんです。いや,規律を作る?ことに対して,
それが悪いだとかそういうことを思っているわけではないんです
が,なぜ授業=学習規律にもっていくんだろう??とそのあたりが
疑問なんです。
 いい授業って,静かに集中していたか?活発な意見が出たか?と
いう条件に考えがちと小川さんも書かれていましたが,本当にそう
思います。
 「自分の知的満足度の問題」…本当にそうだよなーって思います。
○中学一年生と科学劇(鮫島さん)
 私の苦手とする事と言えば,学習発表会で劇をすることです。
 劇をすること自体,敷居が高くて高くて…。
 ですので,毎回合唱・合奏ばっかりしています。今年もそうなん
ですけど。
 そうはいっても,劇をやってみたいという気持ちもあるんです。
 今年の学習発表会は合唱とボディーパーカッションということに
しましたけど,やっぱりこの資料を読んで「科学劇をやってみた
い!!」と思いました!
◆どうして?と聞かれたらどうする?(山路さん)
 私も,子ども達から「どうして?」と聞かれると「どうしてで
しょうね〜」とか「するどいね〜」とか応えるんですけど,不意を
突かれた「どうして?」の時にはひどく焦っちゃうことがあります
(笑)。《世界の国旗》をやった時,モルドバ共和国の国章に,鳥
が十字架をくわえていたんです。それを見た子が「先生,十字をく
わえているってことはキリスト教ですか?」と聞かれたことがあり
ます。その時,ドキッとして(今まで自分が意識してみていなかっ
たから)「ほんとだ!!どうしてだろう??調べてくる!!」って
いったことがあって。
 竹内さんの言葉で「〈効果的でない時期には教えない〉というこ
とも含めて〈ものごとを考える〉ということなんです」という言葉
には納得。自分は仮説以外の授業でも言いすぎていることがある
な〜。子ども達に考える時間を与えてない気がしてきました(笑)。
 気を付けたいと思います。

7●橋本五郎(福島・元鍼灸師
◆今回の木村さんの記事のように楽しさが伝染するのはうれしいこ
とですが,デング熱のような病気の伝染には困りますね。もう直ぐ
蚊は,いなくなるからいいですが。
◆〈「科学的」であるために〉に「予想を立てて実験するような習
慣ができれば,科学を学ぶことはすばらしくたのしいことになるで
しょう」という言葉を見つけて,忘れていた「何をするにも…」と
いう言葉を思い出すことができました。「何をするにも仮説実験」
という言葉は知っていても,頭で分かっているだけで,体で,実感
として分かっている訳ではなかったのです。ほとんど使ったことが
ないのだから当然です。これを機会に,しかも,今まで抱いてきた
問題意識(問い)に対して予想をし,実験してみたいと思いまし
た。
 また,「この第一条件を認めてもらわないことには,話が前に進
みません」とあり,話を展開していく上で,前庭となる考えを示
し,これを認めてもらわないと話を前に進められないと書かれてい
ました。このところを読んで,「このような習慣が,今の日本の思
想界(社会科字分野)にはないのではないか。だがら,日本人は論
理的な議論が苦手なんて言われるのではないか」と思いました。ど
うなのでしょう?
◆「ヒューマニズムを実感」という夏の仮説実験研究会報告は,大
会の感動的な雰囲気が伝わってきて,とてもよかったです。来年は
東京だそうで,東京なら参加できそうで今から楽しみです。しか
し,木村さんの「たのしい研究・たのしい授業」を読んでいたから
気づいたものの,うっかり見のがしてしまうところでした。大会に
参加できなかった人のためにも,このような報告は,白いページの
前の方に掲載してほしいと思いました。もうちょっとページを増や
して。
◆「たのしい研究・たのしい授業」は,木村さんも,親子孫講座の
参加者も,結品づくりを楽しんでいる様子が伝わってきてよかった
です。スカイプを活用した本づくりのことも,「干潟べントスした
じき」ができる過程や〈貝の会〉まで楽しさが伝染し発展した過程
を楽しく読ませていただきました。

8●小野健司(徳島,大学)
◇いま沢柳政太郎『実際的教育学』をじ〜〜〜っくりと読み直して
います。100年ほど前のこの本が,いまだ色あせていないのは,悲
しむべきことなのでしょうか? いや,それだけやりがいのある仕
事がまだまだたくさんあるということなので,喜ぶべきことなので
しょうか?
 仮説実験授業が当たり前という時代になれば,『実際的教育学』
も古典となるんだけど。そう思うと,まだまだ時間はかかりそうで
すね。
◆萠出浩「植木鉢の底にある穴は必要か?」
⇒ボクの予想は,「必要だけど,1,2割は育つ」でした。なんと
全滅とは。萠出さんの目の付け所は,いつもステキだ。
◆福島純子「愛するペット カメを描こう」
⇒キミ子方式に関するレポートには,たまに「裏ワザ」が書いて
あって驚きます。今回は「色試し紙」には,驚きました。う〜〜
む。この「色試し紙」は,たとえば「もやし」なんかにも有効なん
ですかね?
◆中村文「ミルクを飲むと赤ちゃんの体重は重くなるか?」
⇒ちょうど大学院のゼミ(といっても学生1人です)で,DVDで
実験しました。学生は,チョー喜んでいました。ボクも予想以上に
たのしく鑑賞できました。「ジュースを飲む姿」を見るのはおもし
ろいのですが,授業書のなかでは本質的なことではないのだな,と
思いました。
板倉聖宣「正しい〈実験〉の条件」
⇒じつに鮮やかな「実験論」の文章でした。これから「実験とは何
か」という話をするときには,使わせていただきます。それにして
も,これは50年前の文章とは!仮説実験授業の根幹となること
は,50年たっても変わらない。これは科学だから当たり前なんだ
ろうけど,いまでも新鮮に感じられる。いつごろになったら,新鮮
さがなくなるのだろうか?
小原茂巳「新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉」
⇒この授業記録は,とても楽しく読むことができました。小原さん
の編集がうまいということもあるのだろうけれど,それ以上に,有
賀さんの授業の進め方がとていい!ボクなんかの《もし原》より
も,はるかにいい。子どもたちと対話するじで進んでいくのがすご
くいい。お話を読むときの「間」もいいんだろうな,きっと。すご
いぞ!有賀さんと《もし原》。

9●長沼麗子(茨城,会社員)
◆パスタで名札
 わあ,つくってみたいと思いました なかなかおしゃれなものづ
くりですね 職場のコルクボードに自分の作品を飾りたいと思いま
した。
◆愛するペット カメを描こう
 キミ子方式でイカは描きましたがカメは未経験なのでワクワクし
ながら読みました 子どもたちの質問や感想もなるほどなあと思い
ました同じものを見ているのに見方・とらえ方に個性が出てそれぞ
れちがったカメになるのも不思議でおもしろいなあと感じました
◆つながる模様 銀河K
◆おりぞめで天の川
 どちらも魅力的な模様で素敵だなあと感じました。おりぞめは何
度も紹介されていてきれいだなあやってみたいなあと思いつつ今日
まできてしまいました。サンシェードとして使うアイディアも素敵
ですね
◆良い授業ってどんな授業?
 知的満足度というキーワードを心に刻んでおこうと思いました
 子どもたちの感想文もウキウキ感あふれる内容で読んでいるこち
らも楽しい気持ちをもらえました。
◆江戸時代の天文学者
 『月のえくぼを見た男』,ぜひ読んでみたいと思いました。この
ような本の紹介は大変ありがたいです。
◆科学的であるために
 読んでいてなんだかとてもいい気分になる文章でした。先入観も
想像力も多いに働かせて科学的なものの見方,考え方,とらえ方を
しっかり身につけていきたいと思いました。

10●高野 圭(北海道・高校理)
◆植木鉢の底にある穴(萠出さん)
 読むまでは,まったく気になっていませんでした。
 題を読んだ瞬間,「そういえば最近わたあめのために植木鉢を
買ったな」と思いだし,一気に読みました。ボクにとってはタイム
リーで気になる資料でした。
 こういった「言われてみれば」という話,思い出せないけれど
いっぱいあるんだろうなと思います。
◆おたより「車のまさつ」(湯沢さん)
 車を持っていないのに,思わず「やってみたい!」と思える話で
した(笑)。
 生徒たちが驚く様子が想像できるし,ひっぱった子がヒーローに
なりそうで,女子高生にやってもらいたいと思わず思いました。
◆「科学的」であるために(板倉先生)
 今,高校で勤務している事もあって,この「高校生に語る」シ
リーズはとても興味,目的意識を持って読む事ができます。毎号た
のしみにしています。
 板倉先生が紹介するような根源的な話?深い話?を自分自身の言
葉でしゃべれたらいいなーと思っています。
◆「どうして」と聞かれたらどうする?(山路先生)
 最後の,竹内さんの話とつながる所,とてもいいなぁと思いまし
た。前にも山路先生からこの言葉を紹介してもらった事があるので
すが,違和感はなくて「なるほどねー」と感心はするものの,「そ
れは一体どういう時なんだろうな?」と思っていました。
 今現在も「どういう時が「教えるのに効果的でない時期」」なの
かはよくわかっていないし,それはケースバイケースなのかもしれ
ないけれど,授業書を通してこの言葉を再度紹介してもらう事で,
ちょっぴり少しだけですが附に落ちた(どういう時が,まだ伝えて
はいけない時なのか)気がしています。
◆良い授業ってどんな授業?(小川先生)
 小川先生のようなベテランが,「ザワつく授業」「ついお説教を
してしまった授業」を紹介してくれると,教師一年目のボクもなん
だか安心して読めます。「授業の評価は子どもが決める」という考
え方はもともと,とっても賛成なのですが,エピソードを交えて紹
介してくれると,なおさら附に落ちるし,こういった考え方に納得
していない人(子どもが決めるなんてトンデモナイ!という人)に
も,何か伝わるのではないかと思いました。
◆新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉
 自分でいうのもなんですが,最初読んで,我ながら「良いテープ
起こしだなぁ」と思いました(笑)。
 でも,自分自身のテープ起こしのままの原文に比べて,たの授に
載っている資料の方が読みやすいし,雰囲気も伝わりやすい。さす
が小原先生の編集です。と同時に,「どこをどう編集しているか」
というのを見比べてみる事ができてとても勉強になります。
 当時は「読者は誰か?」「この授業記録を通して何が伝えたい
か」というトコロまでは考えない中でテープ起こしをしましたが,
ポイントを「小学校の先生の理科離れ」というテーマで資料を書く
所,とても良いです。授業記録で飽きさせず,自己満足にならず,
伝えたいメッセージも一緒に伝えてくれる,とても素敵な授業記録
です。そして,それに関われた自分もステキです(笑)。

11●佐々木邦道(千葉・小学校)
◆1.科学的であるために
 ちょうど今,古本屋で『科学的とはどういうことか』をみつけて
読み直しているときだったので,興味関心が重なりました。仮説実
験授業に出会った頃の数年間は,「実験観」などにとても強い関心
を持っていたのを思いだしています。板倉さんの論文を読んで,目
から鱗が落ち,どんどんと板倉論文を追っていく人が,今でもいる
のでしょうが若い人たちからは,あまりそのようなことを聞きませ
ん。
 そんな中で,私が若い人にお勧めする板倉さんの出会いの本は
『楽しい科学の伝統にたちかえれ』(キリン館)です。もう絶版な
のでしょうか? その中で,一番好きな部分は「個別と一般をつな
ぐ〈任意〉」の話(p77)です。科学の法則が,どうして法則と
なり得るのか?という疑問に,論理的に答えてくれた観があるから
です。
 感動した板倉論文をもう一度読み直そうとするきっかけを与えて
くれた記事でした。
◆2.ミルクを飲むと,赤ちゃんの体重は重くなるか?
 授業書のお話通りの実験をやったところがすごいです。また,中
村さんのマンガも楽しかったです。最近,この授業書はやっていま
せんが,以前にやったとき子どもにジュースを1リットルのませ
て,実験結果が出た後もどしてしまった苦い経験を思い出しまし
た。
◆3.良い授業ってどんな授業
 たしかに,ざわざわして,意見を聞いていない状況が生まれるん
ですよね。私は,「友達が話し出したら,意見を言っている人の方
見てね」とお願いして仮説実験授業を行っています。ザワザワ間の
中で,授業をやるのは好きではないので…。

12●須崎正美(埼玉,定時制高・理,講師)
小原茂巳さんの「新人先生の〈たのしい原子・分子の授業〉」
 小原さんが理数フロンティア校で予想したように,「子どもを夢
中にさせるような科学の授業」が実現しました。新任の有賀先生の
子どもたちの気持ちに寄り添った授業が新鮮で,ステキです。
◆峯岸昌弘さんの「おりぞめで〈天の川〉」
 折染めで〈天の川〉ができるなんてすごいですね。教室いっぱい
の〈天の川〉,とてもきれいです。折染めもいろんな方面に広がっ
ていきますね。
板倉聖宣さんの「〈科学的〉であるために」
 この記事が書かれたのが1964年で,今から50年前ですが,とて
も新鮮に感じられます。「科学的考え方」の筋道がよくわかりま
す。是非,今の高校生にも読んでもらいたい文です。
◆中村文さん「ミルクを飲むと赤ちゃんの体重は重くなるか?」
 《ものとその重さで》で,先生が,水1リットルも飲んで実験す
るなんて面白いですね。実際に赤ちゃんにミルクを飲ませて体重の
変化を調べる画像は貴重です。
◆萠出浩さんの「植木鉢の底にある穴は必要か?」
 小さな記事ですが,自分が疑問に思ったことを実際に確かめる実
験をやるのがいいです。

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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
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