〔仮説社PublicRelations〕No.165

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〔仮説社PublicRelations〕No.165
2014年10月15日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』10月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に

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『たのしい授業』14年10月号(No.426)「繰り返しから広がる
世界」についての編集委員からのおたよりを紹介させていただきま
す。14人の方の感想です。
 原則として原文のままです。
 10月号は現在,発売中です。

1●片山 徹(高校,理科生物)
◆10月号の1番の記事は,(大内さんの)「初めての2年生担任」
です。最近の小学生に対して,若手の先生が色々悩みながらも,基
本(子どもの声を聞く)を守って,うまくやっておられるなと思い
ました。
◆その関連で,「空見上げて」(小川さん)も原則を大切に,困難
な状況で,成功されている気がしました。高校などでは,若手は無
条件で生徒に歓迎されていると思いますので,小学校のような難し
さはあまり無いかもしれません。
◆伴野さんの記事「自信のない自分自信のある自分」も,その関連
で読みました。基本となる軸を作らねばと,定年まで1年余しかな
いのにやっと思った気がします。
◇略地図・国旗は社会科なので,やはり関係ないなという感じがぬ
ぐえず,さっと読んだだけです。でも,調子よく読んでたのしく覚
えるは,理科でも使えそうな気がします。生物には本川さんという
大学教授が,自分で作詞作曲して歌って教える生物を試みられてい
て,CDまで販売されていますが,大学生とは違って,高校生の反
応はあまりよくありません。七五調で,替え歌にすればよいのかも
と思いました。
◆「○○○で順位が変わっちゃった?!」(高橋さん)は,面白い
結果でした。本当に,日本国内の教育は均一化している気がしまし
た。ただ,外国と比べたときはどうなのでしょうか? 文科省
は,「総合をまじめにやっている学校で学力が高い」とか,「新聞
などを取り入れていると学力が上がる」というようなデータもある
ようですが……。
◆「ぼくの生い立ち」は,とにかく字が読みやすい。内容も,次回
からに期待できます。

2●島 百合子(富山・小学校)
◆吉竹さんの「豆乳から作る簡単大豆作り」は興味があったので
真っ先に読みました。目次を見て,気になる記事から読むときと順
番に丁寧に読むときがあります。今回は前者でした。自分でも豆腐
作りは何回かして,上手くいったときとそうでなかったときがあり
ました。吉竹さんのポイントは湯煎ですね。私も「梅の花」でそれ
を見たことがあるのに「見れども見えず」とは,このことですね。
そこでちゃんと質問する吉竹さんはさすがです。落ちてきたぼたも
ちをちゃんと用意した棚で受け止めたようですね。私は棚をつった
ことさえ忘れていた感があります。また豆腐作りをやってみたくな
りました。
◆伴野さんの「自信のない自分自信のある自分」を共感して読みま
した。「何のための教育か」「何のための人生か」ということを改
めて思いました。若い人が次々と『たの授』に素敵なお話を載せて
くれるので「教育界の未来は明るいなあ」という気がします。職場
では「若いものにバトンタッチして大丈夫か」という不安がよく言
われますが,私は楽観しています。彼らは彼らなりに工夫してやっ
てくれています。
◆小川さんの「伝えたいことは1つだけ」も,「そう,若い人に伝
えたいのはこの1つ!」と思いました。新人さんが「毎日,学校に
来るのがとても楽しい。嫌だと思ったことがない」と感想を言って
いるのがすばらしい! こう言ってもらえるとは,小川さんは一緒
にいたかいがありましたね。
 私も先月,教育実習の人と一緒に3週間過ごしましたが,最も心
をくばったのは,彼女が学校が嫌にならないようにということでし
た。そして,できれば教師業を楽しんでもらえればと考えました。
それが私達,年寄の大切な仕事です。
 幸い,ニコニコと実習を終えられたので,よかったなあと思って
います。
◆淀井さんの連載「思えば遠くへ来たもんだ」が始まって嬉しく
思っています。うちのクラスでも,「先生,〇〇くんが笑っていま
す!すごい!」と報告されたことがあります。これからの淀井さん
のお話を楽しみにしています。

3●小田富生(和歌山,無職)
◆10月号,パラパラっと見てすぐに読み始めたのが,高橋さんの
「○○○で順位が変わっちゃった!?」です。
 それは,以前,数人で5年生の面積の授業の教材研究をしていた
ときのことです。算数の検定教科書は6社あるのですが,多角形の
面積の導入を「三角形から」というのが啓林館で,他5社はすべて
「平行四辺形から」になっているのを見つけました。そんなことも
あって,全国学力テストの結果が公表されたときに,ふと「使って
いる教科書会社によって各都道府県の正答率に違いがあるのではな
いか?」と思ったのです。ちなみに和歌山県はほとんどが啓林館で
す。そこで,上位である秋田県福井県,石川県,青森県富山県
で使っている教科書は何かをネットで見てみましたが,私が予想し
たような相関関係を見つけることはできませんでした。(おおざっ
ぱな見方ですが)
 そんな経験があったので,高橋さんのグラフ記事を真っ先に読み
ました。今回のテストでは,国語Aでそのことがはっきりと現れた
んですね。「見事」というほかありません。小学校は,この夏が教
科書採択の時期でしたが,学力テストの結果発表前には採択が決
まっていたと思うので,この記事による採択替えはなかったでしょ
うね。
◆吉竹さんの「豆乳から作る簡単豆腐作り」も参考になりました。
おもしろそうです。やってみようと思いました。また,絹こし豆腐
と木綿豆腐の違いは「こし布」の違いだと思っていたのですが,そ
うじゃないんですね。あとでネットで調べると,栄養分にも違いが
あるようでした。おいしくて参考になる記事でした。

4●北村知子(長野・中学校理科)
◆高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった!?」は,「使用教科書
がこんなにも影響するんだ」と,大変興味深く読みました。高橋さ
んの目のつけ所はすばらしい!!
◆小野健司「調子よく読んでたのしく覚える」
 福沢諭吉も五七調を採用していたとは!!そして,それはもっと
前の寺子屋の本を模倣したものであったとは!!つい最近,中3の
子たちに「日本歴史唱歌」と「地球の歴史唱歌」を教えて,とても
感謝されました。そんな伝統があったのですね。
◆根本 巌「歌って描く略地図」
 2年生の気象の授業では,何度も地図を描くことがあり,生徒た
ち相当苦労していました。次回からは,歌って描けるな〜と喜んで
います。

5●日吉資子(佐賀,小学校講師)
◆吉竹輝記さんの「豆乳から作る簡単豆腐作り」
 豆腐作りというと,ふつうとても手間がかかるというイメージで
すが,8月に吉竹さんの授業書講座に参加したときにそのイメージ
は一変しました。簡単でおいしい!さっそく〈お豆腐スイーツ〉と
して〈ホットプレートで作る簡単おやつ〉にアレンジしてみました
よ!
◆伴野太一さんの「自信のない自分 自信のある自分」
 前半は,「これは私のこと?」と思えるような日常の教室風景。
それでも伴野さんは,ある日,授業のなかで,ふだん気にしている
子どもさんの予想外な行動や表情を見つけてホッとしたり,静かに
感激したり…。そんなときに自信と勇気と元気がわいてくるのです
ね。
 そこに紹介されている「〈未来〉のために〈今〉を犠牲にしな
い」という言葉は,自分のことで迷ったり,子育てで迷ったりした
ときに思い出す言葉です。
◆中村文さんの「国旗から世界が見えた!」
 準備するものやちょっとした工夫が簡潔に書かれているところ
が,すごくよかったです。まだやったことのない私にもやれそう!
と思えます。国旗のデザインに込められた意味が小学生にもわかっ
て楽しく学べる……「こんな教材が他にあるでしょうか!」と力説
したくなります(笑)。
◆高橋善彦さんの「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 「学力テストと教科書の関係」という視点での調査結果は興味深
いです。いろんな読まれ方をするのかな〜と想像しながら読みまし
た。
◆大内瑞木さんの「初めての2年生担任」
 ボス的存在のじんくんには,次々と起こるトラブルについても,
〈話を聞く〉を基本にし続けたとのこと。ともすれば「また,じん
くん?」と注意してしまいそうですが,そこをぐっと我慢してやさ
しくわけを聞いてあげるところがよかったです。
 と同時に,じんくんが活躍できる場があることは,これからもど
んどん明るい見通しが持てそうで,そこがさらによかったです。超
スローなお子さんに対しても,「仮説実験授業を通してイイところ
を見つけられそう」という予想が持てることは,大きな支えになる
と思います!

6●中西 康(三重,小学校専科)
◆高橋「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 どの教科も最下位近くを低迷する我が三重県。学力向上施策が県
からも打ち出されてきている現状でしたから,溜飲を下げる思い
で,大変興味深く読ませてもらいました。ちなみに,三重県も国語
は大勢が光村です。
◆小野「調子よく読んでたのしく覚える」
 ボクは,図工・美術教育の分野で〈模写の教育〉の意義を探って
います。そのなかで,「大正時代に,画家の岸田劉生が「模写教
育」を高く評価し,学校教育で取りあげることを主張していたこ
と」を見つけました(中西「模倣と個性と独創」『たの授』No.
343)。
 しかし,現在の日本の図工・美術教育の分野では,模写を重視す
る人は,ほとんど見当たりません。しかし,模写の対象と,教え方
次第では,技術もうまく教えることができ,子どもたちもたのしく
学ぶことができるのではないか,とボクは考えています。
 それで,小野さんの論文を読みながら,「模写の授業」の教育界
での位置づけと,「暗記・暗唱の授業」の位置づけとをダブらせて
読みました。
 両者とも,「良い教材=テキストをなぞる」という点では共通し
ています。そして,おそらく反対者は,暗記の授業にも,模写の授
業にも「なぞるだけで,子どもに考えさせていない」という点で,
こういった授業の価値を認めないのだろうと想像します。
 ところで話は変わりますが,ボクの住む地区には,古い慣習が
残っており,お彼岸に〈数人で大きな数珠を回しながらお経を唱え
る〉=「百万遍(ひゃくまんべん)」という行事が残っています。
 百周,その大きな数珠をみんなで回すわけですが,それだけでは
退屈なので,調子の良いお経をみんなで唱えながら(唄いながら)
回すのです。
 長時間の正座はたしかに苦行ですが,お経を唱えること自体は,
無神論者のボクでも(?)さほど苦痛ではありません。みんなで
唄っているときは「楽しさ」さえ感じます。数え唄のようにもなっ
ており,人生訓を含んでいるので,自然といろんなことも考えま
す。
 ただ,お経をなぞっているだけなのですが,「唱える心地よさ」
や「思考する楽しさ」を実感できるのです。
 「唱える」といえば,「九九」にも,メロディーをつけた「九九
の歌」というのが何種類か作られています。掛け算よりも,〈九九
が覚えやすい〉のは誰もが認める所だと思いますが,さらに,「九
九の歌」になると覚えやすさは倍増しますから,この「九九の歌」
も普及するといいなあと思います。
 さらにまた,九九の暗記の教育意義については,けっこうみんな
が認めるのはなぜなのだろうとも思ってしまいます。

7●小谷内寿信(富山・小学校)
◆大内瑞木さん「初めての2年生担任」
 大内さんが書いていらっしゃること,これはすべての年齢層の先
生方に改めて読んでいただきたい内容だと感じました。現場にいま
すと,先生方は「正義」だと信じて行動していらっしゃることがほ
とんどです。そこには,「子供のため」という気持ちもあります。
しかし,そこに潜むのがズレ。大内さんが2年生の男の子のことを
決めつけずに聞き入れていらっしゃったからこそ,彼は変身したの
だと思います。いや,もともと変身する必要はなく,悪い方向に変
身させてしまったのが,教師のきめつけや思い込みによる「指導」
だったように思います。
◆伴野太一さん「自信のない自分自信のある自分」
 読む前に,副題に目が行きました。「〈未来〉のために〈今〉を
犠牲にしない」。この一文が,今の自分には共感を覚えました。ど
んな内容なのか,期待をもちながら拝読いたしました。授業を通し
て見せてもらえる子どもたちのステキなところ。それを見ることが
できるときって,教師としての幸せを感じます。そして,そういう
ときって,教師としてというよりも,人としての自分自身の自己肯
定感も上がります。伴野さんが引用された板倉先生のお話,これも
いいですね。「教育を将来の大人になったときの目的や手段として
考えるのは間違いじゃないのか,というのがぼくの議論の一つの出
発点でもあるのです」
私も大賛成です。子供たちには,わずか6年間しかない小学校生活
を最高に楽しいものとして生活してほしいというのが,教師として
の自分の願いです。
◆板倉先生「科学の生みの親」
 板倉先生が書かれた最後の部分,
「これまでの学校の理科の教科書でも,その根本になる原理が何で
あるか,そしてそれはいかなる事実によって証明されうるか,とい
うことを十分はっきりさせてくれないで,〔中略〕何がなんだか分
からなくなってしまって,理科が嫌いになってしまう人が少なくな
いようです」
が心に残りました。
 授業における「予想を立てることの意味」がここに集約されてい
るように感じました。予想を立てられるということは,「なんとな
く」という場合も含めて,自分の頭の中で論理的に考えていて,そ
の文脈の中で「こうすれば,こうなるだろう」という見通しが立っ
ている状態だと思います。
 しかし,こういったことは,実は自然なことのように思います。
だからこそ,仮説実験授業を子供たちは歓迎するのでしょうね。
◆高橋善彦さん「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 これはおもしろいと思いました。高橋さんがドキドキされながら
資料を調べられた様子がよーく伝わってきました。ただ単に順位に
一喜一憂することの無意味さも感じました。

8●高野 圭(北海道・高校理)
◆「調子よく読んでたのしく覚える」
 「おもしろいかなぁ…?」と正直最初は読み飛ばしてしまった小
野さんの記事。でも読んでみようと読み始めたら,たのしく読めた
し,七五調のスバラシサ,を知る事ができたし,「あの有名な福沢
諭吉も伝え方に悩んだりしたんだなぁ…」など新しく知る事ができ
て良かったです。
 他に好きな部分として,小野さん自身のエピソード,「授業の最
初で歌わせている」とか「メロディーに気を取られている自分」な
どの紹介の所がとても好きです。ためになる知識を提供してくれる
だけじゃなくて,小野さん自身のエピソードが入っていると,途端
に「ボクはどうだろう?」などといろいろ考えたくなるし,記事に
対して親近感を感じるように思えます。
 一方で気になったのは,「たのしい暗記の授業の研究の成果がは
たしてうまく伝わっているかどうか」という文章でした。若い?ボ
ク自身がよくわかっていないので,おそらくうまく伝わっていない
ような気がします。その上,「たのしい暗記の授業の研究の成果っ
てどこにあるの?どうやって探せばいいの?それともボクはもう目
を通した事があるの?」と〈研究の成果〉のありかが気になって仕
方ありませんでした。本になった『たのしくドリル,マッキーノ』
あたりの事でしょうか? 他にもたくさんありそうな気がします。
 記事の中で,「たの授のバックナンバーのこれとこれの記事を
知っているのでしょうか?」と投げかけられて,「いやフツーの若
い人はもう買えないじゃん,そりゃ知らないよー,もう入手が難し
いものに対して警鐘を鳴らされて(?)も困るよー」と思いまし
た。ところが「編集後記」を読んでいていると,ちゃんと仮説社に
在庫があって入手可能である旨と,一部の中身が紹介されていて,
「さすが仮説社だな」と感動しました(笑)。
(ボクはオークションで入手したので気軽に読むことができます
が,『たの授』133号を仮説社に注文する読者はどれくらいいるの
だろう…?)
 しかしまた,この『たの授』のバックナンバーの記事も「たとえ
ば」と紹介しているから,やっぱり「他はどこにあるんだ」と気に
なります。現在は入手が難しいものも含めて,知りたくなりまし
た。
◆「豆乳からつくる簡単豆腐づくり」
 自分自身が高校で化学を担当しているので,「どのタイミングで
豆腐づくりを実践しているのだろう?どんな風に高校で授業してい
るのかな?」と,本文に登場してきた高校の先生の実践具合が気に
なりました。
 最後で「キットが都会には売っているようだ」という話が紹介さ
れているけれど,たとえ都会に住んでいても,吉竹さんが試行錯誤
しながら検討を重ねてくれた豆乳豆腐の作り方でぜひ作ってみたい
と思いました。試行錯誤しながら良い豆腐作りに近づいて行ってい
る様子が,読んでいてとっても好きです。
 《だいずと豆の木》の授業書の中身を全然知らないけれど,単純
に豆腐作りを生徒と一緒にやるだけでもたのしそうかな? シブす
ぎるのかな? でも健康志向の女子高生にとってはいいのかな? 
など想像がふくらむ,いい記事でした。使う材料について,メー
カー名なども具体的に書いてある所もとてもいいです。
◆「国旗から世界が見えた!」
 ボク自身の担当が高校理科ということもあってか,《世界の国
旗》という授業書は読んだことも講座を受けたことも1回もなかっ
たのですが,中村さんの記事を読んでの一発目の感想は「高校生に
授業したらどんな反応になるんだろうなぁ〜?やってみたい
なぁ〜」ということでした。サッカーや海外旅行などに興味がある
人など,思いがけない子が活躍しそうな気がしました。
 そして次の印象は「登場してくる小学生たちって,こんなにいっ
ぱい意見・理由を言ったり感想文を書いたりするの〜!?いい
なぁ!すごいなぁ」ということでした。ただただ,うらやましい。
 もしかしたら中村さんは「仮説実験授業の運営法」というテーマ
も意識しながら書いた資料なのかもしれませんが,ボクには「うら
やましくて,仮説実験授業をやってみたくなる文章」です。
 最後のグッズや使う道具についての紹介・連絡先が細かく書かれ
ていて,中村さんの人柄(優しさ?丁寧さ?)を感じました。
URLとか個人の連絡先のメールアドレスが書いてあると,電話か
けるよりよっぽどハードルが低い気がしていて,道具が全部集まっ
ていない人も集めるモチベーションが保てる気がします。
 一方,本文で「必ずいるもの」と書かれている「国旗カード」も
あっさり「現在品切」と書かれていて「新しくはじめらたいと思っ
た人ができないじゃん!」と思ったのですが(そんなこと言っても
仕方ないのでしょうが…),最後に「改訂中だから」と書いてあっ
て急に納得する(許せる?)自分がいました。
◆「自信のある自分,自信のない自分」
 一度サークルで読んでいたのですが,二度目に読んで改めて思う
ことは,「なんでこんなテーマを思いついたり,板倉さんの講演記
録と結び付けて考えることができるのかなぁ?」ということです。
僕だったら「苦戦する子がいるけれど,そういう子も振り向いてく
れたよ」という資料でおしまいです。
 仮説実験授業を実践して,広い視野?多方面の視野?や何かテー
マを感じながら研究資料を書きたいと思わせる記事です。
 けれども,どこかで山路さんも言っていましたが,「基本は仮説
実験授業の授業記録なんだ」という気持ちも忘れずに,ゆっくりと
いろいろ考えて行きたいです。うーん,うまく言葉がまとまりませ
ん。
◆「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 今までの「グラフで見る世界」シリーズの中で一番驚きや感動を
持って読めました。
 一度読んだ限りでは,「今月号で一番!」です。高橋さんが指摘
するように,少なくとも故事成語に関しては,教科書が違うとこん
なに!……と思えてしまうのは自分だけでしょうか? 少しは「い
やいや,それ以外の要素もあるよ,その論調は飛躍しすぎだよ」と
いう考えもあるのでしょうか?
 学力調査なんてどうでもいいよ……という気持ちがある一方で,
順位が下位の地域,北海道で勤務しているボクにとっては,ちょっ
ぴり気になってもしまうのです。けれども,学力テストをじっくり
検討する気もないのです(汗)。なので今回の記事は,「学力調
査っていろんな要素があるんだな,全否定まではしちゃいけない気
もするけれど(学力調査というシロモノがよくわかってないの
で),本当に〈地域ごとの子どもの学力を調査〉できるかどうかは
わからないんだなぁ」と思わせてくれる内容でした。多くの人に読
んでもらって,その感想を聞きたい,そう思わせてくれる記事でし
た。

9●長崎平和(東京・塾講師)
◆小野さん「調子よく読んでたのしく覚える」
 ぼくは『たの授』での歴史唱歌の記事,町屋(平野)恵子さんが
紹介していたのを鮮明に覚えてます。
 僕は落語を好きになって,七五調のうたはとても身近になりまし
た。マクラでよく志ん生さんが七五調のうたを使ってましたね。志
ん生さんを敬愛する談志家元も。
 だけど,今の小・中学生には七五調はまったく身近なものではな
いようです。日本史の節目の4つの年号を七五調で教えてもイマイ
チぴんとされません(^^;)。見本で歌った水戸黄門の主題歌も,「日
本昔ばなし」の主題歌も,チェッカーズの「ギザギザハートの子守
唄」も,もはや誰も知らない〈懐メロ〉になってますから。でも
堂々と歌えば生徒さんたちは喜んでくれますけど。
 今の流行りのJ-POPには七五調の歌があまりないのですねェ。
 藤森良蔵の「子供の時にムジャキに覚えたことは一生でありま
す」というのはとても当たってると思います。が,これもお家でお
母さんが朗誦されるのが効果的で,それはなぜかというと「毎日朗
誦されるから」です。週一の授業でしか関われない塾ではまったく
効果がないのでしょう。しかも「塾に預けとけばなんとかしてくれ
る」と丸投げされちゃうと如何ともしがたいのです(^^;)。やはり毎
日通う小学校できちんとやってほしいなあ。でも,やってもらえな
いとこが多いから低学年から塾に通わされたりしちゃうんだろう
なァ。講師も生徒さんたちもしんどいです(^^;)。
◆伴野さん「自信のない自分 自信のある自分」
 最後の犬塚さんの引用文は,伴野さんの書かれている通り,40
年後の今でもその常識は変わってません。塾でも「宿題をやってこ
なかった子には厳しく対応」と上から言われます。でも「宿題を出
すために宿題を出す」なんて本末転倒なことがまかり通っているの
がぼくには気持ち悪くて,必要な宿題しか出しません。宿題出さな
いと怒って塾をやめられちゃう場合もあるので,そのあたり,いつ
も「生徒さん主体で考える」か,「保護者主体で考える」か,逡巡
します (^^;)。
◆高橋さん「グラフで見る世界(テストの順位が〜)」
 今回はとても痛快でした。高橋さんの予想が当たったところで
「お見事!すげー!」と叫びそうになりました。115ぺのグラフは
わかりにくかったけど(^^;)。
 「日本中の先生が教科書をちゃんと教えていて,生徒さんたちも
教えられたことはできるし,教えられてないことはできない」って
ことが証明された。まさにそうだなあと。今月号ではこれが間違い
なく1番おもしろかったです。
◆グリーンページの「アリがタイ(総合読本的な授業書づくり)」
 今月もキレっきれな板倉さんの話。すごい。そうか,「雑草のよ
うに強く」はまちがってんだね。これもとてもおもしろかったで
す。

10●木村 寛(鹿児島・中学校理)
◆大内さん「初めての2年生担任」
 じん君やスローな3人組の女の子たちとの関係が,仮説の授業を
通して,どんどん良くなっていくのを感じることができました。
 大内さんの「怒鳴らず,まず話を聞く」という姿勢がとてもよ
かったです。この姿勢も仮説をやってるからかな……。
◆根本さん「歌って描く略地図」
 黒板に簡単に地図が描ける人が羨ましかったのですが,これだと
自分でも描けそうです。
◆高橋さん「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 多くの学校で「全国学力調査」の結果に一喜一憂していますが,
この記事を読むと「結果なんて気にする必要はない」ということが
よくわかります。管理職に読ませたいぐらいです。
◆伴野さん「自信のない自分 自信のある自分」
 勉強ができなくて自信なさそうにしている生徒は,どこのクラス
にもいます。でも,そんな生徒が少しでも楽しそうに過ごしてもら
えるととても嬉しいものです。僕も伴野さんのように「今は常識で
はないこと=〈勉強は楽しいんだ〉と伝えること」をするために,
「仮説の授業」を続けてたいと思います。
◆小川さん「伝えたいことは1つだけ」
 いつも「小川さんのように若い先生と付き合えればいいなー」と
思いながら読んでいますが,高山さんも初任なのにいいセンスして
いるなーと感じます。

11●実藤清子(埼玉・中理)
◆1「科学の生みの親」板倉さん
 パスツールホイヘンスの例が良かった。彼らは何も知らなかっ
た。そこから出発した。その出発に当たって,〈想像の空間〉が拡
がっていたという所が良かった。
 パスツールはどう考えたのだろう。自分ならどう考えるか。
 ホイヘンスはどう考えたのだろう。自分ならどう考えるか。
 そう考えさせられる。ここが楽しい!
◆2「○○○で,順位が変わちゃった」高橋さん
 なぜ,順位が変わったのだろう。そもそも教科書の扱いが小さい
ではないか。
 学力テストを恨んだり,無視したりするのではなく,「もしかし
て教科書によって扱いが違うからではないか」そう前向きに仮説が
立った人がいて良かった。一人でもいて発表してくれる人がいて,
このような記事になるところがいい。たのしい授業誌のアンテナが
すばらしい!と思いました。
◆3「国旗から世界が見えた」中村さん
 授業記録をどう読むか。私は中村さんの授業記録に合わせて,授
業書『世界の国旗』を開きました。(以前貼った国旗シールがつい
ています)
 また,絵本版『絵解き世界の国旗』も開きました。これは理解し
やすい。
 中村さんのクラスの生徒の意見を聞きながら,〈国旗の分類〉を
通して「世界が見える」──こういう味わい方も楽しかったです。

12●橋本五郎(福島・元鍼灸師
◆「自信のない自分 自信のある自分」(伴野さん)
 思わず笑ってしまいました。「お子さまたつのり君」が,
「しょっちゅう鼻くそをほじくってはせっせとくちに運んでいま
す」というところです。そんなたつのり君や,わがままで授業中は
すっかり無気力になってしまうまみちゃん,勉強が苦手で,勉強と
なるととたんに小さくなってしまうもりお君など,個性豊かな子ど
もたちも,仮説実験授業によって少しずつ勉強に目覚めていく様子
は,何度読んでも感動的です。
 最後に引用してくれた板倉先生の文章もよかったです。そう言え
ば,勉強することが楽しかったら,「何で数学の勉強しなければな
らないの?」といった疑問はでてこないですね。
◆「科学の生みの親」(板倉さん)
 「科学」と「常識」は双方向性の関係にあるということが良くわ
かりました。例として紹介されていた「光は波動ではないか」とい
う予想の根拠が常識的な疑問にあったことは,意外でしたし,成程
と納得させる内容でした。改めて,身の回りの常識的な出来事に疑
問を持つことの重要性を学ぶことができました。しかし,「日本人
に合理的に考える習慣がなかった」ということは,もっと掘り下げ
て解説してほしかったです。日本人のそうした傾向が今の日本にど
ういう影響を与えているか興味あるところです。
◆「調子よく読んでたのしく覚える」(小野さん)
 江戸時代からの伝統に良く光を当ててくれたものだと思いまし
た。それにしても,五七五調だと,どうしてたのしく,覚え易いの
か,不思議です。日本語の特性というか特調が原因なのでしょう
か。それとも,俳句文化が一部の人のものでなく,長く庶民に親し
まれてきたということなのでしょうか。

13●佐々木邦道(千葉・小学校)
◆1「初めての2年生担任」(大内さん)
 この1年間,大内先生とは,いろいろな場面で研修を続けてきま
した。
 「せっかく山口の大会に行くのだから,今持っている2年生のこ
とをまとめて資料にしていくといいよ」とアドバイス。もともと,
センスのある文章を書く人なので期待はしていたのですが,書き上
がった文章を見て,「あ!これ,たの授の原稿に推薦できるよ」
と,最初から私は思っていました。
 私の予想通り,『たの授』にデビューできて,とても嬉しいです。
これからも,どんどん書いて,若手の期待の星として活躍して欲し
いなあ。「緑ページ」の執筆者としても,推薦したいです。
◆2「歌って書く略地図」(根本さん)
 私も「千葉県の姿」という授業プランの中で,「千葉県の絵描き
歌」というものを開発しました。授業で行うと,とても好評です。
略地図が書けると,イメージが広がります。
 また,明治時代から大正時代にかけて「唱歌教育」が盛んになっ
た経緯もあったとか。千葉県のプランを作っているときに,唱歌
育のことを調べたことがあります。「歌って覚える」とは,昔か
ら,盛んだったんですね。
◆3「国旗から世界が見えた」(中村さん)
 世界の国旗の授業記録がこんなふうにとれるんですね。私も,こ
の授業書は3回ほどやったことがあるのですが,色塗りが大変で,
意見もあまり出なかったような気がしています。でも,こんなふう
に記録をまとめてもらえると,自分が授業をするときにとても役立
ちますね。今度やるときには,この授業記録を参考にしながら授業
を進めたいと思いました。
◆4「科学の生みの親」(板倉さん)
 板倉先生のこういった論文が私は好きです。こういった哲学的な
文章が,どこかにちりばめられることを今後も期待しています。

14●肥沼孝治(埼玉・中学校,社)
 10月号で特に良かったのは,次の3点です。
◆(1)伴野さん「自信のない自分 自信のある自分」
 本当に子どもたちの未来のためになるのかわからないが,教育界
の常識をもとに指導しているが大半。私もそんな時「自信のない自
分」を意識します。そんな中〈仮説実験授業〉という素晴らしい内
容を授業をしているのは「自信がある自分」です。先生になって本
当に良かったと思える瞬間がそこにあります。
◆(2)小川さん「伝えたいことは1つだけ」
 長く続いている小川さんの連載ですが,その背景には,題名のよ
うな思いがいつもあるわけですね。「たのしい授業で行くしかな
い」……私もそう思います。
◆(3)根本さん「歌って描く略地図」
 私が埼玉県の教員採用試験を受けたのは30年ほど前ですが,そ
のころ,何年かに1度は出ていた問題が,「世界地図を描きなさ
い」というものでした。授業書ではないけれど,略地図は社会科の
先生として大変重宝してきました。それを少し練習しさえすれば上
手に描けるようになるというのは朗報です。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
スにお寄せくださいますようお願いいたします。
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