〔仮説社PublicRelations〕No.166

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〔仮説社PublicRelations〕No.166
2014年10月21日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』10月号 繰り返しから広がる世界の反響
 「編集委員のおたより」を中心に2

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


10月14から21日でまでにいただいた,編集委員20人の方のおた
よりをご紹介いたします(敬称略,原則として原文のままです)。


15太田一郎(熊本・小,理専)
◆大内瑞木「初めての2年生担任」
 私は教師になって5年目に仮説実験授業と出会いました。その頃
のことが思い出されます。そして,その後の様々な子どもとの出会
いが思い出されました。でも大内さんと同じで,仮説実験授業を通
して,いろんな子どもたちのいい面が見え,子どもたちを受け入れ
ることができるようになったなあと,つくづく思います。
◆小野健司「調子よく読んで,たのしく覚える」
 今までの教育史の中で,すばらしい実践が埋もれていることがあ
るんだなあと改めて感じました。それにしても,日本語では七五調
の文章はリズム感が出てきて覚えやすいというのは,実際にやって
みて実感できることですが,なぜなのでしょう。日本語だけの特徴
なのでしょうか?それとも,他の言語でも同じようなことがあるの
でしょうか?
◆根本 巌「歌って描く略地図」
 日本歴史年表にしろ,略地図にしろ,覚えておくと便利で役に立
つことがたくさんありますね。世界地図はあまり描く機会がないの
ですが,日本地図は子どもたちの前でよく描きます。なかなかバラ
ンスがとれないのですが,根本さんの描き方だといい感じです。練
習して描けるようになりたいなと思います。
◆吉竹輝記「豆乳から作る簡単豆腐作り」
 《だいずと豆の木》は,やったことがないのですが,改めて読ん
でみると,だいずだけでなく豆科の植物の話や植物の分類の話など
もあって世界が広がりますね。吉竹さんの資料を読んでみて,無性
に豆腐を作りたくなりました。豆腐作りセットは売ってあるみたい
ですが,セットに頼らずできるかな。
◆中村 文「国旗から世界が見えた!」
 《世界の国旗》を楽しむ子どもたちの姿がストレートに伝わって
きました。また,《世界の国旗》を学ぶことを通して世界のあり様
が自然と認識できるなあと改めて感じました。授業ノートとして
も,すばらしい出来上がりだと思います。子どもたち全員が評価が
5というのも,すごいですね。
◆伴野太一「自信のない自分 自信のある自分」
 よくわからないけど,子どもとのいい関係に自信があるのは,仮
説実験授業学派だけじゃないのかなあと思います。子どもを自分の
思い通りに動かすことができたことが教師の自信に結びついている
としたら,それは悲しいことですよね。だって,子どもたちのため
に教育はあるのですから……。最後の「〈未来〉のために〈今〉を
犠牲にしない」という板倉さんの文章が,とてもステキです。
板倉聖宣「科学の生みの親」
 予想を立てることの大切さが伝わってくる文章でした。そのため
には,「権威にとらわれない,主体性のある健康な常識が大切なの
だ」という板倉さんの言葉をかみしめたいと思います。また,科学
的という言葉がどういう意味なのかということが,「実証的」とい
う言葉と「合理的」という言葉を使っての説明で,少しは,そして
深い意味で分かったような気がします。しかし,自分の中で,「あ
あ〜そういうことか!」とまだ思えないのが残念です。「発見され
た〈原理〉や〈法則〉を貫こうと思っても,うまくいかない時,科
学的な研究が始まる」と考えていいのかなあと思いますが,どうな
のでしょう?
◆小川 洋「伝えたいことは一つだけ」
 新人教員,高山さんのステキな感性が,小川さんへの高山さんか
らのメッセージから伝わってきました。小川さんが高山さんに伝え
たいことが,高山さんにそのまま伝わっていっているのがその文章
からにじみ出ているように感じます。小川さんの様々な配慮や思い
が高山さんに伝わっているのが,「自分は小川先生のおかげで,毎
日が本当に楽しく,仕事が憂鬱になったことはありません」という
言葉に現れていると思いました。高山さんの仮説実験授業に対する
思いや実践がこれからどうなっていくのか,とても楽しみです。
◆高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった?」
 すごく面白かったです。教科書の違いだけで,点数の差がこんな
にはっきり出てくるんですね。高橋さんが書いているように,日本
の教員はきちんと真面目に教えているのだなあと改めて思いまし
た。「教えられたことはできるし,教えられていないことはできな
い」ということが証明されたというのは,全くその通りですね。だ
から,きちんと教えるのが大切なことだと思われたら,教えるべき
ことがどんどん出てきて,ますます息苦しくなって困るなあと思い
ますが……。順位や点数を上げることが目的にならずに,子どもた
ちの意欲と自信を高めることが教育の目的となるようにしていきた
いものです。そのためには,仮説実験授業が一番だということを周
りに少しずつ伝え,広めていきたいと思います。

16●山田晃靖(福井,小,ふれあい)
◆1.科学の生みの親
 このシリーズで毎回,「科学的とは」ということに新しい発見を
しています。新しい予想は何か突然霊感のようなもので出てくるの
ではないことは,わかっていましたが,「これまでの研究の結果を
もとにしながらもごく自然に,常識的に思いつくものなのです」
「偉大な科学者というものは…空想ゆたかに考えていたからこ
そ…」という箇所に改めて,そうだなと思いました。こういう姿
は,科学者だけでなく仮説実験授業をやっている子どもたちの姿そ
のものですね。
◆2.「○○○で順位が変わっちゃった」
 問題意識を持ち,予想を立てて調べていく,すると結果が明確に
なる,という範例ですね。おもしろいです。なるほどなあと思いま
した。
 今後,故事成句のたくさん載っている教科書の採択が増えるか,
教科書に故事成句の内容が増えるか,国語教育の中で故事成語の話
題が増えるか,従前のままか,どうなるでしょうか。
◆3.「調子よく読んで楽しく覚える」
 楽しく覚える研究が昔からかなりあったんですね。覚えて,覚え
方がなんだか楽しくて,それを使うと役に立ったという体験があれ
ば,暗記の学習はこれからも受け継がれていくと思います。
◆4.「歌って描く略地図」
 私が小学校6年生のとき,担任の先生が,世界地図の略図の描き
方を教えてくれました。根本さんのように基準という視点はなかっ
たですが,子ども心に,こんなふうに簡単に描けるのかと,いたく
感動しました。今でもその描き方を鮮明に覚えていて,現役のとき
は自慢げにそれを教えていました。新しい暗記教材の開発,どなた
かされていますか?
◆5.「国旗から世界が見えた」
 国旗のデザインから各国のいろな事情や国際関係がわかっていく
授業はやっぱりおもしろいですね。大人にとっても楽しい授業にな
ることは間違いないと思います。
◆6.「自信のない自分 自信のある自分」
 大内さんの「初めての2年生」にもA主任の実践が気になると書
いてありましたし,伴野さんも周りの先生たちが気になると書いて
ありました。現役のときの私もそうでした。自信のあるように見え
る人であっても,みんな,周りは気になるんじゃないかなあと,今
は思います。
 仮説実験授業で議論している子どもたちや図鑑を作ってきた「た
つのり君」の話を聞いたり見たりすれば,周りの先生たちもきっと
気にすると思います。うらやましいなと。周りを気にする自分の側
面も大切にしながら,それに流されずに,楽しいことや子どもの素
敵な面を見つける仕事をしていきましょう。

17●長沼麗子(茨城,会社員)
◆「調子よく読んでたのしく覚える」
 知らないものがたくさん紹介されていて,とてもたのしく読みま
した。わたし自身は自分で考えたものもいくつかあり,生徒に教え
ることもあります。ぜひこうした財産は広めていこうと思いまし
た。
◆「歌って描く略地図」
 略地図をさらっとかっこよく描けたらいいなあと思っていました
が,これなら生徒も描けるようになるので,さらにいいなあと思い
ました。歌を歌うのは恥ずかしいですが,プリントにして掲示した
り配付したりしたいです。
◆「科学の生みの親」
 シリーズ名に「高校生に語る」とありますが,おとなにも読んで
もらいたい内容だと感じました。
 理科や科学は学ぶのがとても楽しいものなのに,学校で習うこと
や教科書の内容はちっともわくわくしません。この文章を読んで,
なんだか勇気というか自信が湧いてきました。科学をもっと楽しみ
たいと強く思いました。
◆「思えば遠くへ来たもんだ」
 とてもおもしろいです。そして記憶力がすごいですね。次号も待
ち遠しいです。
◆「自信のある自分」
 「怪しげな未来のために今が犠牲になっては困る」という言葉は
強く心に響きました。子どもたちが楽しく学べるよう,わたし自身
もおもしろがる・楽しみたがる精神で毎日過ごしていきます
◆「伝えたいことは1つだけ」
 高山先生の文章がよかったです。また新人育成教員という仕事に
も興味が沸いてきました。今回で連載終了かと思いましたが,「つ
づく」とあるので次も期待しています。

18●岡田克己(神奈川・小校長)
◆高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 最も印象的だった記事でした。考えてみれば,たった2問で「故
事成語」の理解度を測定しようというのですから,しっかり学習し
たかどうかで差がつくのは当たり前です。逆に,教えたことはそこ
そこ身についているとも言えます。たった15問の出題ということ
を考えれば,そこから導き出される結論にあまり一喜一憂するのか
考えものだったということがよくわかります。平均点の上下に一喜
一憂しないような学力を考えたいと思います。
板倉聖宣「科学の生みの親」
 理屈と事実と常識について,とても分かりやすい例を引いて説明
してもらいました。高校生の頃学んだパスツールホイヘンスがと
ても身近に感じました。科学史って学びたい。
◆大内瑞木「初めての2年生担任」
 爽やかな読後。気負わず子どもと向き合う大内さんに清々しさを
覚えたのはボクだけではないはず。徹底的に子どもに寄り添って共
感的な見方をしているから,子どものよさに気づけたのでしょう
ね。
◆根本巌「歌って描く略地図」
 実践的で,出来栄えにも満足している子が多いという点が気に入
りました。略地図がかけると便利です。こういう使い方があるよっ
ていう例があるともっとやる気がわくと思いました。
◆淀井泉「ボクの生いたち」
 淀井さんの子ども時代の話,とっても興味あります。「集団がき
らいな少年」「夢見る少年」「話を聞けない少年」……不思議な少
年の気持ちは,我々はなかなか聞くことができません。今後,不思
議な少年OBの淀井さんのページに目が離せなくなりそう。

19●西村尚子(山口,会社員)
◆「自信のない自分 自信のある自分」
 いろいろな場面で「これでいいんだ」と思っていても,まわりを
見渡して「本当に自分はこのやり方で正しいのだろうか」と不安に
なるのは,よくあることです。
 伴野さんも,子ども達に対して自信のない自分を意識されること
があると書いてありましたが,伴野さんクラスの「わがまま,まみ
ちゃん」「お子さま,たつのり君」「勉強苦手なもりお君」たちが
いつもと違って,いきいきと授業を楽しんでいるという,その事実
がそのまま真実なのではないでしょうか。板倉先生の「〈怪しげな
未来〉のために現在を犠牲にしてはいけない」という言葉がとても
重厚に響きます。
 現在をたのしくすることこそ,子ども達の未来への意欲につなが
るのだと感じました。
◆「伝えたいことは1つだけ:空見上げて〈新人育成教員〉日記」
 小川先生の指導を受けている新人先生の高山さんは,幸せだなぁ
と思いました。どこの職場でも,尊敬できる上司や先輩がいるかど
うかは,とても重要なことに思えます。
 小川先生のもとで,のびのびとたのしい授業を実践し,また自分
のやりたい企画をすすめていく高山さん。
 せっかく先生になった方が辞めていくという話もしばしば聞きま
す。まず,先生が子どもと楽しむ事が大切だと思いました。
 それには,「たのしい授業」をするしかないですね。たのしさの
輪は広がるのです。多くの先生が,子ども達と授業をたのしむ時代
がくるといいなぁ……。
◆「(高校生に語る〈きみ自身の科学〉)科学の生みの親」
 板倉先生の言葉「みなさんが理科なり科学なりを学ぶとき,数式
や実験テクニックにばかりに気をうばわれずに,うんと大きな空想
をして勉強した方がよいと思います」は,とても大事なメッセージ
だと思います。
 若いときは,自由に空想を広げていきそうですが,その一方でい
ろいろなものに囚われがちになります。いろいろな権威だったり,
それまでの研究成果だったり……と。
 それよりも自分の直感をも大事にし,常識的な考え方を基にしつ
つ,いろいろな可能性を探っていく事の大事さを教えていただきま
した。若い人々に,「小さいことに囚われずに,大きく羽ばた
け!」と言われているようで爽快でした。
 高校生へのこの連載のメッセージは,時代を越えて大事にしなく
てはいけない事だと感じています。


20●池田修二(神奈川,小学校 特別支援学級
◆1.「初めての2年生担任」大内さん
 教師生活5年目の大内さんですが,「悩んだこと・解決したこ
と」という副題の通りに,悩み多き日々が,共感を呼びますね。
 ボス的存在の仁くん,やりにくそうな面倒くさい感じはするので
すが,「優しく聞く」が功を奏しましたね。大体のことには理由が
あるとは思いますが,じん君が大内さんに訳をしっかりと語ってく
れたことが,いいなと思います。
 中には全然喋ってくれず,ただ唸っているだけ,攻撃ばかりする
子もいますので,語ってくれるということは素晴らしいことだと思
います。この関係づくりが難しいですね。たのしい授業をしてくれ
る大内さんだからこそと思います。
 そうは言っても,毎日,気が重いことがあると思います。でも,
授業での活躍もあり,いいことさがしがきっと積み重なっていくと
思います。
 超スローペースの,みーちゃん・さきちゃん・あっくんもそうで
すね。仮説実験授業の中では,子どもたちの思いがけない面を発見
することが多いですね。ノーミソを刺激する授業だからこそです
ね。
 〈にている親子にてない親子〉は生物という身近な存在を考えさ
せてくれますね。それぞれの人生?みたいなものが見えてきます。
その「生」を知ることが感性を育てるような気がします。
 優しく聞くこと真似したいですね。時には,危険防止のために物
理的手段に訴える時もありますが,聞くこと,聞ける存在になるこ
とを教えてもらいました。
 5年目か……私の場合,ちょうど初めての6年生を担任した時だ
な。〈ものとその重さ〉が印象的な1年でした。クラス経営は決し
てうまくいってはいなかったけれど,その子たちが中学生になった
とき,「あの時のように楽しく教えてくれる授業がないんだよ」と
言ってくれたんだ。まだまだ先は長い。頑張ってください,大内さ
ん!
◆2.「自信のない自分 自信のある自分」伴野さん
 未来のために,今を犠牲にしない……特別支援学級を担任してい
ますが,まさに「将来のため」「自立的生活のため」の名のもと
に,シゴキのようなことが行われているのも事実です。
 障害のある子の未来はどうなるのか……確かに気になるし,訓練
的なことも必要だとは思います。何度も何度も訓練して身に着け
る,会得する喜びも大きいものがあります。せめて度の過ぎたシゴ
キはしたくないと思います。
 紙一重のところもあるような気はしますが,実験結果を尊重し,
選択肢を多く持つことが大事かなと思います。
 まみちゃん,たつのりくん,もりおくん。絶対にどこの学校でも
目にする子です。教師にとっては悩ましいです。それらの子たちを
通して教師修行が出来るのですが,一番の教師の仕事は,たのしい
授業をして,どれだけ子どもたちのいいところを発見できるかだと
いう感を強くします。それは大内さんの記事にもみられることで
す。
 まみちゃんの意見に,はっとしました。普段見えない部分が授業
の中で発見できたのですから。感想文を見たら,発見できたという
こともありますね。たつのり君の記事も感動です。
 お父さんの笑顔も目に浮かびますね。夢のある自分を発見でき
る,仮説実験授業のすごさですね。板倉さんの言葉は今読んでも胸
が熱くなります。未来のために今を犠牲にしない教育が常識になる
日を目指して,年は取りましたが,私もその協賛者です。伴野さ
ん,素敵な文章をありがとう!
◆3.「伝えたいことは一つだけ」小川さん
 楽しみにしているシリーズです。104〜105ページの文章,大内
さん,伴野さんの記事に共通していますね。こんな文章を読んで,
胸を熱くしている自分も,思いは同じだと思いました。今,目の前
にいる子どもたちに,たのしい授業を提供していきたいと思いま
す。
 10月号はとてもタイムリーでした。また,元気が出てきました。

21●高木 仁志(愛知・街角かがく倶楽部瀬戸))
◆10月号を読んで,小野健司さんが「調子よく読んでたのしく覚
える」の中で次のように書いていることが心に止まりました。つま
り,「心配事ひとつ」として書かれていたことです。
 それは〈たのしい授業派〉のなかで,これまで積み上げられてき
た〈たのしい暗記の授業〉研究の成果が,はたしてうまく伝わって
いるのかどうか,ということです。たとえば,若い人たちは,
「新・歴史唱歌」や「歌って調べる歴史学習プリント」のことを
知っているのでしょうか。(26ぺ)と。
 そう言えば,根本巌さんの「歌って描く略地図」で紹介された
「略地図を描く」ということにしても,それから口絵で紹介されて
いた〈皿回し〉でも,その「効用」とか「子どもたちの反応のよ
さ」について,はたしてうまく伝わっているのかということを考え
させられました。
◆そういう観点からすると,中村文さんの「国旗から世界が見え
た」という報告から,「ああ,オレと同じように“国旗”から見えた
世界に感動している人がここにもいる」という思いがして,「授業
書のよさがうまく伝わっている」といった喜びを感じさせてくれる
報告もありました。
◆それから,板倉先生の言葉を引いて,教育における「“たのし
さ”の大切さ」をうまく伝えてくれた文にも出会うことができまし
た。伴野太一さんが「自信のない自分 自信のある自分」として書
いてくれていた中にありました。その楽しさを大事にする。教育を
将来の大人になったときの目的や手段として考えるのは間違いじゃ
ないのか,というのがぼくの議論の一つの出発点でもあるのです。
(88ぺ)
と。板倉先生の「教育」に対する根本的な考えをこのようにちゃん
と伝えてくれていると感じることができたのは嬉しいことでした。
◆そして今回,高橋善彦さんの「○○○で順位が変わっちゃっ
た!」では,全国学力調査で一喜一憂することのある「ムナシサ」
に気づかせてもらいました。
 これまで授業における「その“たのしさ”を大事にする」という気
持ちで取り組んできてよかったなあ」と改めて思わせてもらいまし
た。

22●栗原正治(群馬・小,教頭)
 今月号でよかったもの。
◆伴野太一「自信のない自分 自信のある自分──〈未来〉のため
に〈今〉を犠牲にしない」
 伴野さんのような若者(中堅?)にかぎらず,「教育はその子が大
人になったときに困らないように,恥をかかせないようにするも
の」という常識に染まっている学校の中では,いくつになっても流
されそうになります。「〈未来〉のために〈今〉を犠牲にしない」
はいつも思い起こさないといけないですね。
 伴野さんが言うように,「自信のある自分」を感じるのは,授業
書があるからだと思います。授業書は,先生をも育てますね。最高
の教員養成プログラムだといえます。
板倉聖宣「科学の生みの親──理屈と事実と常識と/高校生に語
る〈きみ自身の科学〉」最終回
 どこかで読んだ,でも全く新鮮さを失わない板倉さんの科学論
は,切れ味鋭いです。こうして,原点に立ち返るような文章を掘り
起こしてもらうのもいいです。
◆高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった!? グラフで見る世界」
 全国学力調査の結果に一喜一憂している人もいますが,結局相対
的なものでしか無いのですね。こうして,「できない」理由をはっ
きりと分析してもらえると,「な〜んだ,そんなことか」と思える
と同時に,日本の教育の如何に均質なことかを示してくれています
ね。これもおもしろかったです。
◆大内瑞木「初めての2年生担任──悩んだこと・解決したこと」
 「初めて」でなくても,こう感じることはあるなと思いながら,
でも「初めて」だから新鮮にこうして感じたり,素直に書くことが
できるんだなあと思います。とてもいいです。見えない子どものス
テキな面を発見できるのも授業書を通して。見えないものが見えて
くるのは,仮説実験授業だからですね。授業するのだって仮説実験
だと実感します。
◆小川 洋「伝えたいことは1つだけ──空 見上げて/新人育成
教員日記8」
 何となく,最終回ぽいけど,「つづく」とあったので,この後ど
んな風になるのか,たのしみです。
◆淀井 泉「ボクの生いたち──思えば遠くへ来たもんだ第1回」
 「子どものころの僕は,「かなり変わった子」だったみたい」と
いう淀井少年のこの後がとっても気になります。

23●藤井幹二(大阪,小学校)
◆まずは,大内さんの「はじめての2年生の担任」。やっぱり子ど
もの話をちゃんと聞かないとなあ,と改めて思いました。今,23
年ぶりに灰谷健次郎さんの『兎の眼』を読んでいて,子どもの声を
ちゃんと聞く教師でありたいと強く思いました。
◆高橋さんの資料には,驚き,そしてあとからじわじわと心のもや
が晴れてくるのを感じました。うちの市は光村です。だから高橋さ
んの仮説通りに,故事成語の問題の正答率がよくなく,課題だそう
です。ただしうちの学校は,学力テスト,すごくよかったんです。
今の6年生が4年生の時から,すごく鍛えられていました。故事成
語もプリント学習や調べ学習をしていたようで,正答率は全国平均
よりかなり高かったです。まさしく高橋さんの言う「教えられたこ
とはできる」という結果を顕著に表わしています。それにしても,
分析した人たちが国語Aの故事成語の結果に反応しているのに,予
想を立ててないばっかりに,原因が「教科書」にあることに気づか
ないなんて!
 「点数の増減,順位の変動なんて“先生のせい”でもなく,“子ど
もたちのせい”でもない原因でも起きたりするんだから,いちいち
一喜一憂するのをやめませんか」という高橋さんの文章に同感で
す。

24●長澤弘明(神奈川・児童民生委員)
 ベスト5。
◆調子よく読んで(小野さん)
◆歌って描く(根本さん)
◆伝えたいことは(小川さん)
◆豆乳から(吉竹さん)
◆国旗から(中村さん)
 10月号は授業ですぐに役立てられそうなものと,作ってみたい
ものがあり,読みごたえあり,でした。
 略地図は,教師だけでなく,こうやって書くと便利ですね。〈世
界の国旗〉の授業は,実際に授業する側でなくても,国旗のまとめ
にもなりますね。知って得する知識の一つです。

25●荒川康夫(小学校1年担任)
 10月号で印象に残った記事は次の4つです。
◆大内瑞木さんの「初めての2年生担任」
 じんくんたちとの出会いがいいですね。彼らの個性もおもしろい
し,教科の指導法が均一的になればなるほど,こういう子は目だっ
た存在になります。彼らにしてみれば面白くないことは,やりたく
ない,という個性なのでしょうね。こういう子は最近増えてきたよ
うに思います。仮説のときは,素直に反応したりして,たのしいこ
とには目を覚ましてくれるのですね。
◆小野健司さんの「調子よく読んでたのしく覚える」
 唱え方には日本語独特の七五調がありました。この調子を使っ
て,様々な覚え方が考案されて,世に広まったという実績を積んで
きました。隠れた唱え方がまだあるかもしれません。小野さんの発
掘調査,忘れていたいたものを思い出させるいいレポートでした。
◆伴野太一さんの「自信のない自分 自信のない自分」
 仮説をやっていると,生の子どもたちの意見が楽しくてお行儀と
か躾とかあんまり気にならなくなります。そうしているうちに,若
い先生がしっかり子どもをしつけているのを見ると,自分には能力
が欠けているように思うことが多いです。常識を超えてしまった自
分ではしょうがないものなのです。そういう自分を子どもたちの通
して自信を持てる,といういい話でした。
◆高橋善彦さんの「〇〇〇で順位が変わっちゃった」
 中身もよく知らないのに,順位だけであの県がよくてあの県がダ
メだと騒ぐマスコミや世間を本当にばかばかしく思っていました。
 今回の気になる順位もわずかなことが原因で起きていることが分
かりました。本当に2〜3点の差なのです。マクロ的に見れば大し
た差ではないのです。僅かな差を無視すれば,全国どこでも同じよ
うな点数を取っていると言っていいのです。秋田がいいとか沖縄が
わるいとか,ほんとうにばかばかしくなりますね。
 今回の資料はどんな原因で順位の変化が起こるかを教えてくれる
いい資料でした。

26●宮本明弘(海外科学授業)
◆高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 楽しく読ませていただきました。高橋さんの目の付けどころがさ
すがです。きっと私だったら自分でこんなに話を進めていけたかな
あ。自分の疑問に,仮説を立てながらしかも実験が出来るような資
料を探してきて,見事に決着をつけていく。すごいなあ。仮説実験
授業をしっかりと学んで,私もこういう力をつけていきたいと思っ
ているところです。
◆根本 巌「歌って描く略地図」
 世界地図や日本地図をスラスラ黒板に描けるって,ちょっと教師
にとっては誇れることですよね。憧れます。私が中学生の時の数学
教師。コンパスなんか使わずに,黒板にサッと見事な円を描くんで
す。それだけでその数学の授業が好きになってしまいました。ノー
トもせっせとていねいに描いた覚えがあります。
 また,32ページの「世界の略地図」の描き方と歌詞のところで
は1番からもう私は,自分の思いついた歌で歌ってました。どうい
うわけか,私は「リパブリック讃歌」ではなく「きらきら星」の初
めの8小節「Twinkle,twinkle,littlestar!?How I wonder what
you are!」の繰り返しでした。
1.赤道(Twinkle)真ん中(twinkle)ひきまして(little star!)
2.三角(How I)のせたら(wonder)ユーラシア(what you are!)
3.アフリカ(Twinkle)三角(twinkle) 腰ベルト(little star!)
4.右の(How I)頭に(wonder)アラビアだ(what you are!)
…。
 実は,私は替え歌の元の「鉄道唱歌」や「リパブリック讃歌」は
どうも好きになれないのです。なぜか,そのわけは自分でもよくわ
かりません。歌っていて楽しくないのです。あえて言うなら,なに
か歌わされているって感じ?自然と口ずさんでいたのは「英語版き
らきら星」。「きらきら星」だ。と思って歌と合わせようとしたら
合わない。「きら きら ひかる おそらの ほしよ…。」全然あ
わない。なぜなの…?ああ,「Twinkle, twinkle,  little
star!?」だ!というわけで,私の謎は解決。「日本語版きらきら
星」では言葉の数が少なすぎたのでした。「きら」の2文字に「せ
きどう」。次の「きら」に「まんなか」。「ひかる」には「ひきま
して」の5文字に対応させないといけない。これじゃあ無理だなと
わかったわけです。「Twinkle,(ティンクル)」で4文字。「せき
どう」にぴったり。次の「twinkle,(ティンクル)」の4文字で
「まんなか」の4文字と合う。
「little star!?(リトルスター)」は,「ひきましてー」と伸ばせ
ばこれもぴったりなんです。ああ,そういうことだったんだ。音楽
堪能な方なら何でもなかったようなことだったかも知れませんが,
私には大発見のような気がして,長々と書いてしまいました。おし
まい。
板倉聖宣「科学の生みの親」
 言うことはありません。私はいつも板倉さんの論文を目次で探し
て1番に読みます。1番の楽しみです。板倉論文が載ってなかった
ら,きっとがっかりしてして他の記事にあまり目がいかなくなるか
も知れません。もちろん,「アリがタイなら倉庫」は毎回板倉さん
のミニ論文ですがそれだけではもの足りません。板倉論文の毎月の
連載を希望しています。
◆根本 巌「虹の足下を見た!」
 私には,この手の写真はどうもいつも感動が薄いです。「虫メガ
ネで月の光を集めた写真」「月の光で虹をつくる」…。お話は,み
な感動的です。とてもいいです。なのに写真を見ると,ええっと
思ってしまうのです。なぜだかよくわかりません。自分に写真を見
る感性がないのか,目的意識的にその実験結果を見ていないのか。
その場に居合わせたら,きっと感動的にその写真も見られるので
しょうけど。ちょっと自分が残念です。

27●小野健司(徳島,大学)
 小野の「調子よく読んで…」の感想が気になるとことですが,そ
れはさておき,以下の2つが特によかったです。今回は「はみだし
たの」つきです。
◆中村文「国旗から世界が見えた!」
 たのしい授業記録でした。子どもの考え方は,じつに豊かだとい
うことを実感しました。徳井君の「縦横の比率がまちまちな方が,
国どうしが仲良くなれそう」という発想。すばらしすぎる。それに
反論するアロンソさんの意見。じつに論理的だ。驚きです。極めつ
けは,アロンソさんの〈回教徒は,赤十字旗の十字を気にしていな
い〉と予想した理由(「もし,今も気にしていたら,今も宗教で言
い争っていると思う」70ペ)なんて,間違った予想だからこそ,
逆に今の宗教的な争いの愚かさをついているように思う。ボクもい
ま大学生と《世界の国旗》をやっているけれど,そうした意見はほ
とんど出てこないぞ!う〜〜〜〜む…。
板倉聖宣「科学の生みの親」
 一度ならず何度も読んだことがあるはずなのに,とても新鮮な気
持ちで読むことができました。板倉先生の文章は,その時どきの流
行と関係なく,物事の根本的なことについて書いてあるので,何度
でも読むことができて,そのたびに新しい発見ができる。「古典」
と呼ばれるものは,そういうものなのかもしれないな。

はみだしたの??学力競争とハゲのけんか??
◎高橋善彦「〇〇〇で順位が変わっちゃった!?」
 「どちらの方が禿げているか?」で言い争っていたオジサン2人
に,年配の女性がこう言った。「そういうのを〈五十本 百本〉と
いうのよ」

28●須崎正美(埼玉,定時制高・理,講師」)
◆大内端木さん「初めての2年生担任」
 小さな記事ですが,ピカっと輝いている内容でした。「どんなこ
とでも,どならずに子どもの話を聞くことに徹する」姿勢,スバラ
シイ。そして,子どもと先生との間に授業書,たのしみごとが入っ
て,さらにいい関係になっていきます。また,隣の畑(ベテランの
主任)が気になるけど,自分ができそうだと思える仮説実験授業に
信頼をかけています。これから,この若い先生が成長して行くのが
楽しみです。
◆伴野太一さん「自信のない自分自信のある自分」
 伴野さんも隣の畑(有能そうな若い先生たち)が気になって,自
信をなくしかけました。でも,子どもに寄り添って,授業書を積み
重ねて行くと,〈無力の子〉だと悩んでいた子どもたちが可愛く見
えてきました。良かったですね。
◆小野健司さん「調子よく読んでたのしく覚える」
 「七五調を応用した暗記法の歴史」を知って,なるほどと思いま
した。七五調の文章は昔からあって,それが明治時代になっても教
科書に引き継がれてきたのですね。戦後になったら,教科書からな
くなりましたが,たのしい授業学派に引き継がれています。これか
らもたのしい暗記法が残ってほしいですね。
板倉聖宣さん「科学の生みの親」
 〈「科学」と「常識」の間〉を読んで,「科学」と「常識」の関
係が本当にスッキリしました。自分の「健康で主体的の常識」をも
とにして考えられるので,「科学」は誰にでも分かるのだと思いま
した。「実証的」と「合理的」の関係もよく分かりました。
◆小川洋さん「伝えたいことは1つだけ」
 毎回,楽しみに読んでいます。「伝えたいことはただ1つ,〈た
のしい授業で行くしかない〉」,こう言い切れるのはスバラシイこ
とです。学校現場にいるといろいろな雑音が乱れ飛んでいます。高
山さんもその優先順位を忘れずに,たのしい教員生活を歩んで下さ
い。

29●後藤和哉(徳島,小学校)
◆小野健司さん「調子よく読んでたのしく覚える」
 小野先生の研究はボクにとって興味を惹かれる物ばかりです。そ
うだったのかーと思えることが多く,昔の日本にもすごくおもしろ
いところに目をつけて研究した人がいたんだなーと感心します。だ
から,小野先生の記事を楽しみにしています。
◆根本 厳さん 「歌って描く略地図」
 根本さんのこの記事については冬の大会で知り,とてもおもしろ
かったので自分のクラスでもやっていました。子どもたちの評価も
よく,個人懇談のときに「子どもが冷蔵庫に歌詞を貼って歌ってい
ます」ということも保護者から聞きました。
 ボクも社会の時間に略地図を書いて説明することがあります。す
ぐにかけるようになったので便利に感じています。

30●中村 文(福岡・小学校)
◆「自信のない自分自信のある自分」伴野さん
 いい資料だなって思いました。これは,共感する人が多いのでは
ないかな?とも思います。私も,自信のない自分がいつもあらわれ
ます。宿題していない子を叱ったり,宿題をおわるまで見ていた
り…。
 うちのクラスにR君という男の子がいますが,その子が本当に宿
題全然してこなくて(笑)毎回休み時間にやって提出するという,
宿題がほぼ「やっつけ仕事」みたいになっている? 感じの子がい
ます。「これでいいのかな?あたし,ただ「宿題をやりました」と
いう証拠?だけがほしいのかな?」とかいろいろ考えちゃうことが
あるんです。
 でも,R君,仮説が大好きで,一学期にやった≪空気と水≫も楽
しく受けてくれました。発表もばんばんして。
 そして,この間終わった≪自由電子〜≫の第二部の感想には「い
ろんなきんぞくがあるのはしらなかった。あとてつがさびるのは水
にぬれてかわいたのがさびとおもったけど,この学しゅうをしてわ
かった」と書いてくれました。
 R君,さびのことをすごく気にしていたんですよね。だから,
ずっと授業の中でも「自転車のさびは酸素がくっついてるん
だ!!」ってよく発言していました。
 そういう姿をみると,本当に「あー,《自由電子》をしてよかっ
た」って思いますし,伴野さんと同じように「子ども達がこんなに
わくわくして授業を受けている!!あたしってなかなかやるじゃ
ん」って思うんですよ。
 ただ,自分も板倉さんが書いているような「教育はその子が大人
になったときに困らないように,恥をかかないようにするもの」と
いう常識にとらわれてしまい,「たのしい授業をしている自分と,
学校現場の常識の中にいる自分」が混在しているんですよね。
 この常識を払拭できたらいいのにな…って思うんですが,それで
もどうしても周りの目を気にしてしまっている自分もいます。
 そういう状況だけれども,やっぱり子ども達と過ごせる時間に<
たのしい授業>をしていきたいなと思いました。そういうのを考え
させてくれる資料だったと思います!!
◆「新人育成教員日記8」小川さん
 私,9月に初めて教育実習生を担当することになりまして…。で
も,事前に教頭に「指導案なんかわからないし指導できない!」と
強く懇願したせいか?指導案など実習生が行う授業に関しては教務
にも見てもらえるという状況になって非常にラッキーでした。
 そんな中で,《自由電子》を実習生に交代してやってもらったり
はしていました。小川さんの資料を読んでいると,自分がそういう
立場になった時にどうしたらいいのか?というヒントがあるなぁと
思って読んでいます。
 そういえば,自分が新任の頃の1学期末の保護者会は本当に緊張
して何を話したのか全く覚えていません。とりあえず覚えているの
はものすごく早く終わった?ことくらい。
 こういうメモを書くことなんてわからなかったですもん。最近
は,保護者会(福岡は懇談会と言ってます)資料を作って,そちら
をもとに進めています。懇談会の初めは必ずクラスでやっているこ
とを紹介していますね。「マッキーノ」とか,「ものづくり」と
か,「ゲーム(モルQとかモルカとか)」もやっています。
 こういうことをしたら,結構自分が落ち着くんですよね。余談で
すが,『学級担任ハンドブック』は本当に役に立ちます!
◆「歌って描く略地図」根本さん
 冬の全国大会で発表された時,「おもしろいなぁ」と思って聞い
ていました。世界地図ってあまり書くことがないんですが,みんな
で書いてみるのもおもしろいなって思いながら聞いていました。
 日本地図の書き方も「なるほど!」です。特に「北海道と琵琶湖
を結んで伸ばしたら沖縄」というのにもびっくり!です。
 全国大会後,赤道の位置がえらく下に感じたので根本さんに聞い
たんです。そしたら世界地図を見せてくれて。自分が思っていた以
上に下でした!! ですから,見ているようで見ていないもんだ
な〜と思いました。実は,まだ世界地図を書くことを授業でやって
ないんですが,自動車の学習にも世界の輸出入が出てくるので,そ
のときにやってみよう!と思っています。
◆「科学の生みの親」板倉さん
 今回は,読んでいて,わかりました! ちょうどノーベル物理学
賞で青色発光ダイオードを見つけた研究者の方々が受賞した時期
だったので,あの方達も92ペに書かれていたように「新しい科学
の知識,発見が生まれるためには,これまでの科学の知識以外のも
のがもとにならなければなりません」ということなのかな〜と思い
ながら読んでいました。
 確か,青色発光ダイオードは,研究をしているときに偶然(失敗
して?)できたみたいなことも新聞に書かれていましたが,この研
究も科学の知識を元にしながらやっていのかなぁ……とは思いまし
た。あれ?違うかな??
 「科学的に考える」ことって,本当に仮説実験授業そのものだ
なぁと思います。ただ,「対象と自分(と社会)との関係によって
さまざまなトリックやデマが隠されていることがあるので,それに
のらないように,視野の広い見方・考え方をしなければならない」
(95ペ)という部分に関しては,自分の頭の中ではわかっている
もののどれがデマでどれが本当のことなのか?というのを見つける
のには,まだまだ時間がかかりそうな気がします。うーん。「科学
的に考える」といいながらも,本当はそういう風に考えられてない
のかも?

31●鮫島麻美(鹿児島・中学校理科)
◆小野健司「調子よく読んでたのしく覚える」
 明治時代に七五調で覚えやすくするような教科書があるなんて驚
きました。今の教科書にも応用されたら面白いだろうなと思いまし
た。すごいです。
 今はどんどん進歩してるだろうと思っていましたが,歴史に学ぶ
ことの意義を読んで,他にも教育の歴史の中で昔のものでも,いい
ものがあるんじゃないかと思いました。
◆中村 文「国旗から世界が見えた!」
 中学理科だから,社会の授業書は名前は聞いたことはあっても,
中身は知らないものが多かったけど,この記事を読んで,すごく
《世界の国旗》をしたくなりました!
 こどもたちの様子と授業のすすめかたがわかりやすくて読みやす
かっです(^^)奥が深い!
◆小川 洋「伝えたいことは一つだけ」
 保護者会のすすめかたはいつもすごく憂鬱だったけど,こんな方
法だったら自分にもできそうだなと思いました。
 「楽しい授業で行くしかない」
 楽しい授業が一番ですね。これからも新人育成教員日記楽しみに
しています。
◆高橋善彦「グラフで見る世界◯◯◯で順位が変わっちゃった!?」
 教科書で順位が変わるなんて思ってもみなかったです。まさに見
れどもみえず。そして,高橋さんの何をするにも仮説実験の精神が
すごいです。そして少しホッとしました。
◆根本 巌「虹の足元を見た!」
 写真で見て,ロマンチックだなと思いました。高校の時に物理の
先生が,崖の虹は丸いって言っていたのを思い出しました。虹の足
元も丸い虹も見てみたいです。

32●林 純一(京都,高・大講師)
◆1.高橋善彦「○○○で順位が変わっちゃった!?」
 以前の三木淳男さんの記事もいいなと思っていて,今回の結果が
出たときも同じようなグラフを書いてみようと思っていました。高
橋さんの記事では,視点を変えてみると,新しいことが分かるとい
う典型だろうと思います。
 ほんとに,こんなデータで一喜一憂するのは生産的でないなあと
思います。
◆2.吉竹輝記「豆乳から作る簡単豆腐作り」
 以前から豆腐つくりは何度かやりましたが,なかなかうまく固
まってくれません。吉竹さんの方法はとても簡単でやってみようと
思えます。
◆3.小川 洋「伝えたいことは1つだけ」
 新任の先生に〈授業のたのしさが1番〉ということを伝えるの
は,仮説実験授業を体験してきた私たちにしかできないことです。
小原さんが始めた教職課程を通じて若い人たちに仮説実験授業を伝
えていく仕事とともに,とても大切な仕事だと思います。
◆4.板倉聖宣「科学の生みの親」
 高校生に向けて書かれたこれらの文章は,とても50年前に書か
れたものとは思えない新鮮さを保ち続けています。改めて読んでみ
て,今教えている高校生にも読んでもらいたいと思いました。

33●青木圭吾(奈良,小学校)
 10月号も興味深い記事がたくさんありました。若い人の記事が
たくさんあったのもうれしかったです。
◆「初めての2年生担任」大内さん
 3人の子どもたちの変化に気付かれたようですが,大内さんの
〈子どもの見方〉が変わったような気もしますね。いずれにせよ,
子どもたちのステキな一面に気付くっていいですね。そして,仮説
実験授業を「私にもできそう」って思ってくれるような人がボクの
まわりにもいてほしいなぁ。(なかなか仮説実験授業を見てもらう
機会もないですが…)
◆「調子よく読んでたのしく覚える」小野さん
 ボク自身は,「暗記」というのものが苦手で苦労しました。時に
は,小さなメモを筆箱に忍ばせたり…。でも,この七五調のリズム
にのったら,覚えられそうです!
 どうして,たのしく覚える方法をこれまで誰も教えてくれなかっ
たのか,と悔やんでいます。歴史唱歌のCD…家のどこかにあった
なー。探してみます。
◆「豆乳から作る簡単豆腐作り」吉竹さん
 夏に吉竹さんの《だいずと豆の木》の講座に出て,豆腐作りの紹
介をしていただいて,実際に見せていただきました。やるなら,簡
単においしく!と思ってしまいますが,これなら自分でも,子ども
たちとたのしめそうです。
◆「国旗から世界が見えた!」中村さん
 《世界の国旗》は,ボクも大好きな授業書の1つです。〈何事も
授業書通りに!〉と思って授業をしていたのですが,中村さんは
データを最新版に直して授業をされているのを読んで,驚きまし
た。中村さんの《世界の国旗》が大好きな気持ちが伝わってきまし
た。
 授業記録も読みやすくて,参考になります。
◆「○○○で順位が変わっちゃった!?」高橋さん
 最近は,数字や順位に振り回されないでおこうと思って,全国学
力調査についてはほとんど確認はしてなかったのですが,こういう
切り口で分析をされるのに目からうろこでした。
 そういえば,故事成語なんてほとんど教えてないなー。(去年は
東書でしたが,教科書を教えていなかったのがバレバレです)

34●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆板倉先生の「科学の生みの親」これが一番よかったです。
 〈常識と科学〉では,「科学的に考える」ということについて書
かれていて,「権威にとらわれない,主体性のある健康的な常識が
大切」というところにとても納得しました。直感のことが書かれて
いましたが,私はここでいう直感というのは単なる“あて勘?”では
なくて,そこに“大いなる仮説のある直感”みたいなものだと思って
います。今,「ありのままで」が流行っていますので,意味を考え
させられました(笑)。
 「実証的と合理的」の話では,「〜曲がって見える。なぜだろ
う」と考え,探究するところから科学が始まる」というところにと
ても納得しました。仮説では「なぜ」と問わないというのが常識的
に言われているような雰囲気があり,一般の学校の理科教育の「な
ぜ」に対抗しているようなところがありましたが,考え方には「な
ぜ」が大切だと思うし,前段の話の〈直感〉というところにも関
わっていくと思いました。科学の精神に対立するような教育は罪だ
なあと感じました。
◆小川洋さんの「伝えたいことはひとつだけ」は,いつもながら感
動的とも言える記事でした。保護者会での話す方法もさることなが
ら,新人の高山先生の子ども祭りの割りばし鉄砲を気にしながらも
認め,感心されている小川洋さんが本当にステキです。「たのしい
授業」とその周辺を伝えながら自分もたのしんでいる小川洋さん
は,高山さんには本当によかったのでしょうね。私も東京の先生と
の交流がありますが,新人の先生はその新人育成担当の先生との人
間関係等に苦しんでいる方も少なくないようですから。
 新人育成も“仮説実験”と言われる小川さんのこの「空見上げて」
の資料は,これからの先生にもきっと大いに励みになるし,役立つ
と思います。
◆大内瑞木さんの「初めての2年生担任」はフレッシュでよかった
です。
 まさにこれからの先生が,いろいろ悩みながら「たのしい授業」
に出会って,ベテランの先生の授業も気になりながら,まずは自分
ができるのはこれだということがわかっていくところ,本当に大事
なところです。若い先生はもちろん,ベテランの先生にも読んでい
ただいて,真似できるところを提示できるようにしていただきたい
と思う今日この頃です。
 子どもたちのよさが見えてくる大内先生の気持ちがステキです
ね。そのような授業をすることも大事だと改めて思いました。
◆他にも,根本巌さんの「歌って描く略地図」は,リパブリック賛
歌を使って描く誰でもできる地図に感服です。私も広めていきたい
と思います。
◆淀井泉さんの「思えば遠くへ来たもんだ」もたのしく読ませてい
ただきました。これからがたのしみです。

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