〔仮説社PublicRelations〕No.170

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〔仮説社PublicRelations〕No.170
2014年11月28日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』11月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に2

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 前回に引き続き,11月号についての「おたより」です。今回
は,17人分で,かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2014年11月号(427号)間違いの楽しみ方 ◇◇◇

佐々木邦道(千葉・小学校)
◆1. 林 泰樹「慣性がわかったといえるとき」
 すごい論文ですね。6年生で「力と運動」の授業書をやるという
ものすごいですが,その内容がまたいいです。児童の授業記録と感
想によって,少しずつ,慣性の法則を身につけていく過程が,わか
りやすく書かれていました。そして,途中に引用されている板倉先
生の論文が,この資料を哲学的な物にしています。
 最後が原子論と地動説で終わっているところも良かったです。
◆2. 萠出 浩「火おこしセットの秘密」
 火起こしには,私自身もこだわって,火切り板などを自分でつ
くったことがあります。岩城さんの「火をつくる」大月書店の本を
読んで実践した経験があります。
 しかし,萠出さんの研究は,そのこだわりがすごいですね。
 火切り板の厚さがなぜ重要なのかがこの論文でわかったり,穴の
角度など私自身は,ここまでこだわってつくっていなかったので,
その視点の鋭さに感心しました。萠出さんのセットを購入したくな
りました。
◆3. 木村妙子「アサリの名産地」
 アサリは絶対に千葉だ!って,今でも起こっていた自分の時代遅
れ具合に自分でもビックリ! 確かに,輸入物が多い気はしていま
したが,千葉がこんなに少ないとは…。千葉県の姿で,自然海岸の
消滅と,干潟の消滅のことは知っていましたが,
これほどまでに,アサリが少なくなっているとは知りませんでした。

●長沼麗子(茨城,会社員)
◆「思えば遠くへ来たもんだ」
 教職課程をとることになったいきさつが偶然の重なりでおもしろ
かったです。ありのままの飾らない文章がいい感じです。カード
ゲームの話もおもしろいです。次号も期待しています。
◆「感想と論文の間」
 これまで考えてこなかったこと,そのまま鵜呑みにしてきたこと
がいかに多かったか,気づかされました。
 イタクラ式発想法って目や脳や心のウロコがボロボロ落ちて,そ
のときはなるほどと感じ入るのですが,まだまだ実践に結びついて
いませんこれからもっともっと学んで自分でも発見をし,発信・発
表したいです。
◆「ボクの仕事って何だっけ?」
 非生産的な告発や批判をじぶんもしてきたなあ,と反省しながら
読みました。
 小川さんのように自分自身も楽しみながら新しくちがったやり方
をどんどんやってみて,子どもたちの笑顔,賛同,歓迎が得られた
らそれはいい仕事をした,ということだと思います。
 最近少しくじけ気味でしたがやりたいこと試したいこと,あたた
めていることがたくさんあるので,失敗を恐れずやっていきます。
◆「慣性がわかったといえるとき」
 読むだけで授業の様子がうかんできて楽しい気分になりました物
理の苦手なわたしは力と運動の単元もよくわかっていないのですが
この授業書は興味を持っていや心から楽しんで取り組めます。わか
らないけれど好きになります。
 授業書って,本当に考えられ練られてつくられているのですね。

●実藤清子(埼玉・中理)
◆1「〈慣性が分かった〉」といえるとき」林さん
 私は《もしも原子が見えたなら》について「ものは原子でできて
いる。しかもそれはすごい速さで動いている」という認識を持って
いました。
 しかし,「ものは原子でできている」ということが《原子論》だ
と思っていました。「すごい速さで動いている」ということの原因
について考えてみるということをしていませんでした。
 その原因は〈慣性〉でした。
 その慣性を証明したのが授業書《力と運動》である。という《も
しも原子が見えたなら》との関係を,林さんの文章で知って
「えー!知らなかった」と,興奮しました。
 空気中を酸素や窒素の分子が動き続けられているのは慣性である。
 ガリレオは「太陽のまわりを回る地球の運動の原因,地球の自転
を私たちが感じない原因,空気中の原子・分子の運動の原因,これ
ら原因を〈慣性〉のためである」と解いていました。はじめて知
り,みなさんにもお知らせしたと思いました。
 私が目にした夏の大会資料は多分ここまででした。
 その後の《ものとその重さ》の体重の増減で気になることがあり
ます。
 「常識的には物質の出入り以外にも〈生きている〉ことが,エネ
ルギーを消費し,少しづつ体重は減っていくと思えるのだが,それ
は間違いであることもはっきりする」
 消化によって,食べ物が分解され,また汗や尿や呼吸などでも,
原子分子レベルでの変化を受けます。
 ミルクを飲んだ直後は,ミルクの重さだけ体重は増えますが,そ
の後,上のようなことでほぼ元の体重に戻っていくのでは?
 最後のビー玉には引力しか働かず,「ビー玉がとんでいくのは慣
性だから」とスパッと子供たちがイメージをつかんだのは素晴らし
い!
 《もしも原子が見えたなら》の酸素や窒素の分子に引力は働いて
いるなあ」慣性で飛び回りつつも,地球の表面近く・大気圏にいる
わけが分かった!
 なんだかいい勉強になりました。
◆2「〈感想〉と〈論文〉の間」板倉さん
 今ジェンナーの牛痘の実験を調べています「どんな試みを何回
やっているか」そのこととちょうど照らしあわされて,「僕なんか
〈どこでもそうだ〉という時は,3か所か5か所でおしまいだもん
ね。」参考になります。
 ジェンナーは我が子に何回天然痘接種の試みをやっているか」こ
こが書き手によって違います。
 また「ウソだー!」「確かな認識というのはそういうウソだ!と
叫びたくなるような出会いと「そうだったのか!」という過程を経
て自分のものになっていくんです」にもそうだよな!と共感しまし
た。板倉さんがこういうことを書いてく
れているのがいいです。
◆3 「僕の仕事ってなんだっけ?」小川さん
 たのしい授業誌の告発しないという方針を取り入れながら,わが
身を語る原稿に何だか感心してしまいました。こんな風にして,板
倉さんはじめ〈たのしい授業誌〉の狙いとするところが語られるの
もいいなぁと思いました。小川さんの続きが楽しみです。
 どの原稿も良かったです。

●小野健司(徳島,大学)
◆伴野太一「ハズレたけど たのしかった!」
⇒評価で「1」をつける子どものことが気になる伴野さんの心のツ
ブヤキが印象的だった。これも仮説実験授業の「修行」の過程で現
れる「邪心」の一つなのかもしれない。そうした「邪心」も,仮説
実験的になくしていくしかないのだろう。
◆萌出浩「火起こしセットのひみつ」
⇒「火起こし」を一度もしたことのないボクでも,〈実験的な技術
改良〉のようすについて,たのしく読むことができました。い〈萌
出さんがたのしく技術開発をしている〉ということがよ〜く伝わっ
てきました。特に「〈げんしじん〉に近づけたような気がして,胸
がきゅっと締め付けられるよう」というくだりを読んで,ボクも
キュンとしました。
◆林泰樹「〈慣性がわかった〉といえるとき」
⇒この授業記録は,《力と運動》のすぐれた解説でもある,と思い
ました。特に,「〈ガリレオのお話〉は,そういう役割を果たして
いたのか!」と納得できました。

●高木仁志(愛知・街角かがく倶楽部瀬戸)
 ボクが“間違えることが楽しい”と思えるようになったのはいつご
ろからだろうか。そんなことを,あらためて考えさせてくれたの
が,今月号の◆伴野さんの「ハズレたけどたのしかった!」と,◆
市原さんの「全員が間違えてもたのしい授業」という文でした。
11ページの黒坂さんの「きょうのじっけんはあたりませんでし
た。だけどべんきょうがたのしめてとってもよかったです」という
感想には心から共感する自分がいます。
 そして,25ページに引用された板倉先生の「まだ知らないこと
について予想を立てるのだから間違えるのが当たり前」という言葉
通り,ボクがその「間違える」ことを「当たり前」と思えるように
なったのは,やはり「いつごろからだろうか」と考えてみると,そ
れはボクが『仮説実験授業』と巡り合った頃と言うことができま
す。
 それ以来,ある意味で「間違える楽しみ」を追いかけて30数年
間の教員生活を送って来たような気もしています。しかし,きっと
「間違えてばかりでは楽しくなかったはず」ですから,その裏に
は,あることを知ることによって,「ああ,そうだったのか! オ
レもちょっと賢くなったなあ」と思える体験もはさんできたからこ
そ,その30数年間を仮説に魅せられてきたのだと思います。
 そのような体験の一つが,90ページの
◆林さんの「〈慣性がわかった〉といえるとき
といった体験をした時なのです。 107ページでの黒沢菜穂さんの
感想文はまさにそんな「わかった喜び」を端的に表しています。
 今日はずっと知りたかったことがわかった!! それは,電車の
中でボールを落とすと,ボールは電車の速さについてきて下に落ち
るということから,「慣性」というのを勉強したけど,慣性のしく
みがよくわからなかった。でも,今日,わかった! わからなかっ
たことがわかるとうれしい!
と。
◆そして,145ページで「平野郷」に関して板倉先生自身の「“大
発見”したような気がしています」というお話が紹介されていまし
た。そこでは,「(なかなか解決できないような問題を)ちゃんと
マジメにイイカゲンに扱った。そういうことが,世の中を進歩させ
た。世の中,分からないことが沢山あるのに,そういうイイカゲン
の精神が近代科学をつくってきた」というお話をされています。今
月号では,「間違える楽しさ」や「分かった喜び」と同時に,そのよ
うな「イイカゲンに考えることの大切さ」も併せて考えさせられま
した。

●後藤和哉(徳島,小学校)
◆伊勢革観さん「ボクの〈蒸着〉物語」
 すごく参考になりました。こういった記事があると実際に授業準
備をするときに役に立つなぁと思いました。
他人の知恵を借りるのもいいなと思いました。
◆小野健司さん 「最近,僕のうなった本」
 僕も小野先生と同じで『生命と燃焼の科学史』をとてもたのしく
読ませてもらいました。わくわくしていつもは本を少しずつしか読
めない僕が一気に読んでしまいました。読み終わった後は「もう終
わった」という感じでした。それほど楽しく読む事ができました。
僕は小野先生や板倉先生のおかげで昔の本にすごく興味をもつよう
になりました。そこで紹介される人たちのしたことに感心させられ
たりするからです。
 富塚清の話もおもしろくて,教育関係とは無関係な僕の父親も興
味深く富塚清の記事を読んでいました。

●大内瑞木(千葉,小学校)
◆市原辰徳「全員が間違えても楽しい授業」
 授業書をやっていて,隣のクラスの先生から「選択肢があるのは
ね〜子どもが考えたことにならないんじゃない?」と言われたこと
があります。でも絶対にそんなことはないと思います。選択肢があ
るからこと,色々な意見が出る,子どもが深く考えることができ
る。この資料を読んで再確認しました。
◆小川洋「ボクの仕事って何でしたっけ?」
 日々の実践の中で,ベテランの先生の発想,アイディアはすごい
なと思わされます。当たり前ですけどかなわないなぁと…反面,昼
休みに二年生の可愛い子どもたちとしゃかりきに遊んでいると,自
分が今できることを子どもたちと思いっきりやればいいのかななん
ていう考えも浮かんできます。他者を批判するのではなく,今でき
る実践を積み,たくさんのことを柔軟に吸収できる教師でありたい
と思いました。トランプゲームやってみます!
◆淀井泉「思えば遠くへ来たもんだ」
 自分が教師になるまでの道も遠回りの連続でしたが,その遠回り
が今役に立っていたり,思わぬ良い思いをするキッカケになってい
ます。かるたdeビンゴの誕生秘話面白かったです。ひらめきの発
想素晴らしいですね。

●木村 寛(鹿児島・中学校理)
 今月号もとても興味深く勉強になるものが多かったです。真っ先
に読んだのは林さんの資料です。
 次に,こんな仕事ができるって素敵だなーと感じながら読んだの
が小川さんの資料です。
 萠出さんの研究もすごいなーと感じました。近くに住んでいたら
弟子になって,「げんしじん」に近づきたいなーと感じました。
12月号も楽しみです。
◆林さん 「慣性がわかった」といえるとき
 小学生の討論すごいですね。「直観」と「慣性の法則」が対峙し
ている様子が生き生きと伝わってきました。中野君がスケボーの意
見を言いながら予想変更するところも面白かったです。こんなに予
想変更できる雰囲気があるところも素晴らしいなと思いました。
◆小川さん ボクの仕事って何だっけ?
 子どもたちと楽しさを共有している小川さん,そして小川さんか
ら多くののことを学んでいる高山さんのセンスの良さが伝わってく
る内容でした。
◆伴野さん ハズレたけどたのしかった
 「たのしさ」の視点を与える感想文の紹介,いいですね。
◆市原さん 全員が間違えてもたのしい授業
 市原さんが授業書にはまってしまうのがいいですね。子どもたち
にもその分楽しさが伝わると思います。市原さんが学んだ板倉さん
の間違えることの素晴らしさに関する文章,とても勉強になりまし
た。
◆萠出さん 火起こしセットのひみつ
 萠出さんの火起こしセットにこんなに秘密があるなんて驚きまし
た。「板を持ったときに火が起きそうかそうでないか。直観的にわ
かるような気がするのです」と萠出さんは書いています。まさに<
げんしじん>の感覚がよみがえってきているのかもしれませんね。
◆伊勢さん ボクの「蒸着」物語
 《自由電子がみえたなら》で食べ物をあげたことはありませんで
した。こんな楽しい方法があるんですね。林さんの言葉もいいです
ね。今度チョコでやってみたいです。
◆内山さん 正しいことは実験で決まる
 人権教育の研究事業で《三態変化》,新しい分野での仮説実験授
業,素晴らしい取り組みです。また一つ財産が増えました。

●荒川康夫(小学校1年担任)
◆内山美樹さんの「正しいことは実験で決まる]
 仮説実験授業で人権教育ができる,なんて素晴らしい発見だと思
いました。考えてみれば,仮説実験授業の中では,友だちの意見は
尊重されるし,真実は多数や,声の大きさで決まることはありませ
ん。神が決めることでもありません。実験によって決まるのです。
そのことが子どもたちの優しさや真摯な態度,お互いを尊重するこ
とを引き出すのです。
 「なんとなく」という意見についての関わり方もいいですね。改
めて小原さんの実践家としての素晴らしさを考えさせられました。
◆萠出浩さんの「火起こしセットのヒミツ」
 火起こしの道具についての様々な工夫が分かってよかったです。
特に旋盤を使って円柱形を削り出すところは,圧巻でした。替え芯
という発想もおもしろいですね。
 萠出さんの様々な工夫に感心するばかりでした。
 ただ,55ページの左側の段の下から7行目「成功させるためには
やむ終えない」という表現がありましたが,これは「やむを得な
い」の誤りではないかと思います。
板倉聖宣さんの「〈感想〉と〈論文〉の間」
 板倉さんの文章を読むと,研究者のやっていることが見えてきま
す。「研究しているつもり」でも,みんなが喜ぶような大発見につ
ながらなければ意味がないと言えるのでしょう。
 それにしてもこうした,板倉さんの考えを引き出し記録を採られ
た平賀さんの努力はすごいですね。今後の連載に期待します。
◆小川洋さんの「ボクの仕事って何だっけ?」
 今回心に残ったのは「のりこえる」というスローガンのところで
す。この言葉,学生のときよくつかいました。乗り越えようとして
頑張ってみても,結局お茶を濁したような自作プリントしかできな
かった。先人の発想によく学びよく批判するところからしか新しい
指導法は見つからない,「のりこえる」が目標になってしまっては
ろくなものができないことがよく分かりました。
◆林泰樹さんの「慣性がわかったと言えるとき」
 慣性についてのまとまった授業記録を初めて読みました。慣性と
は何かが分かってくる<力と運動>の授業記録でした。地動説や原子
論を持ち出して解く林さんの論理が,難しいですがわかったような
気になってきました。ありがとうございました。

●岡田克己(神奈川・小校長)
◆伴野太一「ハズレたけどたのしかった!」
 感想を通して伝える〈たのしさの視点〉……いろいろな楽しみ方
があることが,感想をとってみるとよくわかります。逆に楽しみ方
を子どもに教えてもらうという感じ。今は,子どもから学んだ蓄積
があるから,余裕をもっていろいろな感想に対処できる自分がいる
のです。
◆市原辰徳「全員が間違えてもたのしい授業」
 「間違えること」の新たなる発見。仮説実験授業が,単なる一つ
の指導法ではなく,授業科学であり教育哲学であるということを示
しているのは,こういうことなんだろうなあと思います。
◆内山美樹「正しいことは実験で決まる」
 指導案の中の「科学と人権教育について」に書かれていること
は,まさに板倉先生がヒューマニズムとして謳っていることだなあ
と思いました。
 こういう面を知っているからこそ,ボクたちは仮説実験授業に惹
かれるのだなと思いました。
板倉聖宣「〈感想〉と〈論文〉の間」
 昔の文章は,かなり迫力があると思いました。
 読んでいると,当時の板倉先生は,触れるもの皆切り倒すという
感じがしてしまうのはボクだけでしょうか。
 ここまで行ってもらえると,信用する人は本当に信用するでしょ
うね。
◆淀井 泉「思えば遠くへ来たもんだ」
 毎月とっても楽しみにしている連載です。なりたい職業「床山
というのが,相撲好きのボクにとってツボでした。おもしろすぎ
る。更に期待が膨らみます。

●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆板倉先生の「〈感想〉と〈論文〉の間」と
 平賀幸光さんの「イタクラ式発想法講座と私」がとてもよかった
です。
 この話はもしかしたら,実際に聞いたことがあるような気がしま
す。私もこの頃発想法講座に参加していましたので。平賀さんがき
ちんとまとめてくださっていて本当に感謝です。「気になることは
全部調べる」私はここが印象に残りました。私は研究するのは好き
だけれど,どこまでできているのだろうかということです。しっか
りしなくてはと思わせてもらいました。平賀さんの「壁を突き破る
思考の方法」という発想法の定義に賛成です。
◆小川 洋さんの「ボクの仕事って何だっけ?」は,最高でした。
 いつもいつもたのしみにしています。今回も人間トランプなどの
実際に役立つ内容を盛り込みながら,自分の仕事,それも子どもた
ちがたのしみ,それを自分のたのしみにできる自分の仕事。それを
自覚することって大事だなぁと,あらためて感じることができまし
た。「のりこえる」というスローガンの話,とてもよかったです。
いろいろ考えさせられました。
◆市原辰徳さんの「全員が間違えてもたのしい授業」は,若者の勢
いを感じることができ,共感を覚えました。この記事はサークルで
も聞いています。自分が感じることと問題点をいつも持ちながら,
日々子どもたちと過ごしている姿がとても気持ちがいいです。選択
肢に疑問を持つというのも,若者らしさを感じました。若者らしさ
というのは,実際の年齢だけではないので,気持ちの持ちようだと
いうことがよくわかりました。私もまだまだ若者のつもりです。
◆淀井泉さんの「思えば遠くへ来たもんだ」。たのしみの一つにな
りました。カードゲームをいろいろ考えていただき,いつも感謝で
す。人間は単に人柄だけではないと思っていましたが,淀井さんと
接してみると,人柄というのも大事だと思わされます。いい資料を
書いても人柄が悪かったら台無しだと最近感じるようになりまし
た。
◆内山美樹さんの「正しいことは実験で決まる」は,人権教育と結
びつけたところや「なんとなく」の話がとてもよかったです。

●鮫島麻美(鹿児島・中学校理科)
 今月は3つ選びました(^-^)
◆伴野さん「はずれたけど,楽しかった!」
 楽しさの視点を与えるって新しい発想でした。感想文をその場で
読んで,あんな風に紹介できるって小原さんすごいです。私もそん
な風にマネしてみます。さいちゃんの最後の感想うれしいですね!
読んでいるこっちまで嬉しくなりました。
◆市原さん「全員が間違えてもたのしい授業」
 「間違えることはいいことだ」って絵本があるけど,間違える
のってやっぱり嫌かもなって思ったりして,はっきりしないまま
だったけとま,この資料を読んで納得しました。こどもたちの気の
済むまで間違えさせて,最後に真理に到達させる仮説実験授業。す
ごい!考えられてるんだなと思いました。こどもたちが楽しい授業
これからもしていきたいなと思いました。
◆内山さん「正しいことは実験できまる」
 読んでいて仮説実験授業をする内村さんの優しさを感じました。
「なんとなく」を認めることは少し衝撃でした。シンプルな返しだ
けど,その中にこどもの「言わない自由」が大事に生きているんで
すね。

●池田修二(神奈川,小学校 特別支援学級
 11月号のベスト3は次の通りです。
◆1.「正しいことは実験で決まる─《三態変化》で人権教育の公開
授業」内山美樹さん
 12月の人権週間に合わせて,所謂「人権教育」の授業を義務付
けられている学校も多いと思います。いくつか参観もしましたが,
かなりの確率でつまらないものが多かったです。なぜ,つまらな
かったのか……。求められる答えが,あらかじめ見えていて,価値
観も決められているような気がするからです。34pの「科学と人権
教育について」は秀逸でした。仮説実験授業の中で起こることは,
まさに一人一人の子どもをつないでいます。「真理は実験によって
決まる」誰か声高な人の恣意によって決まるものではなく,仮説・
討論を経て,実験によって検証されるもの……まさに民主主義その
ものです。41pの指導主事の言葉もいいですね。「毎日の授業で輝
ける,そんな積み重ねが人権教育となっている」。内山さんの試み
に賛同します。
◆2.「ボクの仕事って何だっけ?」小川洋さん
 楽しみにしている「新人育成日記」ですが,小川さんが育成を通
して,自分の今を伝えてくれていることがいいと思います。自分の
仕事を見失う不安は誰しもが経験していることだと思います。「原
点に帰る」とは言いますが,自分の原点って果たしてなんだろうと
思うと,やはり「たのしさの提供」です。今月号でも,小川さんの
心の葛藤,悩み,指針が汲み取れ,共感を持ちました。
 81pからの文章を読むと,批判・告発・指摘のたやすさとむなし
さを感じることが多かったので,自分の道を切り拓くことで示す生
き方に改めて思いを馳せました。地中に根を這わせ,地上に一輪の
花を咲かせていきたい。そしてまた増やしていきたい。「橋の上か
らでないと見えない景色」を見てみたい。
◆3.「思えば遠くへ来たもんだ」淀井泉さん
 仮説の人の歩んできた道を読むのは大好きです。「はじめての仮
説実験授業」というガリ本がありますが,出会いの瞬間が瑞々しく
描かれています。淀井さんと相撲はなかなか結びつかないイメージ
でしたが,初めて知って,次回も楽しみになりました。

●宮本明弘(海外科学授業)
◆「〈感想〉と〈論文〉の間」板倉聖宣
 毎号楽しみにしている板倉論文。今号もその期待通りのお話でし
た。平賀さんが書かれていた〈壁をつき破る思考の方法〉で,頭の
中の常識の壁をつき破って入ってくる新鮮な発想の矢のようなもの
が,いつまでも頭の中に残り,その感動のため何も整理のつかない
状態でしばらくぼうとしているのが大好きです。本当に目からうろ
こなのです。
 「〈感想〉と〈論文〉の間」という題は,「イタクラ式発想講
座」に長年通い詰め,そして,そこでの板倉さんのお話を記録・編
集してこられた平賀幸光さんがつけたとのことですが,本当に見事
な題名だと思いました。それで,その元になっている『月刊 板倉
式発想法ゼミナール』を読み返して驚きました。とても読みやすく
なっているのです。それに「車の歴史」の話が省かれていて,すっ
きりと整理されている。板倉さんが加筆したにしても,よくこのお
話の部分だけを取り出して編集したなあ,すごいなあと思いまし
た。
 また読みすすんでいくうちに,研究者としての心得を知りまし
た。そもそも,研究とは何かや,文献の読み方をていねいに教えて
くれました。やはり仮説を立て,科学的に考えていくことが大切と
いうことは,これまでも何度も聞いたお話ですが,身にしみてわ
かった感じがします。「学問」のうちは,本当のことは何も見えて
こない。
 私などは,〈間〉どころか〈感想〉にもなっていなかったなあ
と…。そもそも研究の仕方を知らなかった。36年間の教員生活を
終えた今も,研究などできていない。しかし,研究などできていな
くてもやはり毎日の生活の些細なことでもきちっと判断のできる指
針になるようなものは持ちたい。持って判断できたら,どれだけ自
信を持ってこれから先の人生を生きてゆけるだろうと思います。ま
だまだ,自分の考えに自信が持てないです。それに,自分の知らな
いことが多すぎる。だから,まだまだ勉強も続けていきたい。実家
に帰って仮説の本を読んでいたら,母親が「仕事も辞めたのに,ま
だ勉強しとるの?」と言います。88歳になる母親は近頃とみに心
配することが多くなりました。「いや,いや。これは,おれの楽し
みの一つやから,全然,しんどいこともいやなこともないよ。誰か
に言われてやっていることでもないし…」とかなんとか言いながら
話をそらします。「たのしみごとの一つ」とは,なかなかわかって
もらえそうにはありませんから。
 仕事を終えた後も魅力的な仮説実験授業の思想。板倉さんのもの
の考え方。イタクラ式発想法。授業はできないですが,これからの
長い人生を生きていく上での指標にしたいと思います。あと余命は
何年あるのかわかりませんが,退職後の限りある,でも有り余る時
間を利用して思う存分学び,しっかりたのしんで生きていきたいで
す。
 今後も,板倉論文の毎号の掲載をよろしくお願いします。
◆「火起こしセットのひみつ」萌出 浩
 ひみつが満載のお話でした。これほど徹底してセットを作ってい
るとは,思いもつきませんでした。さすがですね。

●林 純一(京都,高・大講師)
◆1.伊勢革観「ボクの「蒸着」物語」
 蒸着にこだわっていろいろな情報を集めてくださってありがたい
です。ボクの情報を採用していただきありがとうございました。
チョコレートも探してやってみたいと思います。
▽兼田博司さんの質問ですが,
 ボクが「金の折り紙」で失敗したのは,「金属テスター」の電極
を強く当てたた時でした。ワニ口クリップではさむようになってい
る「金属テスター」だとワニ口がかんでしまって電球が点いてしま
うかもしれません。これまで,それ以外で紙やすりでこする前に点
いたことはありません。
◆2.市原辰徳「全員が間違えてもたのしい授業」
 「まちがえてもいい」といくら口で言っても,なかなかそうは思
えないものです。しかし,仮説実験授業を体験すると,間違えても
たのしいという経験はみんなが感じることでしょう。教室でも「間
違えたときこそ賢くなっているときなんだからね」と言っています
が,楽しいという経験をしてこそ,それが実感できるのではないで
しょうか。
◆3.内山美樹「正しいことは実験で決まる」
 仮説実験授業こそ人権教育にふさわしいという感覚は,とても新
鮮でした。しかし,板倉先生も行っているように,仮説実験授業は
ヒューマニズムに貫かれていると感じる場面はたくさんあるので,
きっとそう言えるのでしょうね。
▽今月号は,とても読みごたえがあって,じっくり読みたいものば
かりでした。

編集委員ではないですが(2人)

●松田心一(鹿児島)
 今月は,あえて「私好みのベスト3」に絞ってみることにしまし
た。
◆板倉「〈感想〉と〈論文〉の間」
 イタクラ式発想法講座の抄録連載が始まり,とても楽しみにして
います。第1回の今月号もいい内容でした。例えば,テスト問題を
つくるときに,「答えを出すのに関係ない情報をいれると,途端に
正答率が悪くなる」というのは,中学生でも実感しています。選択
肢の数によっても正答率が変わってくるのは,確率的にも当然です
もんね。そんなことよりも一番よかったのは,「(歴史的に)残っ
ている文章というのは,極端なこと,例外的なことが書かれている
ものなんです」の行。ずっと昔,社会の科学系の授業書つくりに関
係して板倉さんからうかがったことがあり,とてもストンと納得で
きたのでした。今回も「文献は書かれた動機をまず疑う」でとって
もナットク。さらにストンと行けました。
◆内山「正しいことは実験で決まる」
 「人権!人権!」と大上段に構えなくても,またそんな言葉を使
わなくても,子どもたちに〈いろんな人がいていろんな考え方があ
ることのすばらしさ〉や,〈民主主義のすばらしさ〉を授業の中で
体感できる仮説実験授業。子どもたちがいつのまにかそうした考え
(思想)を自然に身につけていく仮説実験授業こそ,まさしく本当
の人権教育であることを,内山さんの記事は再確認させてくれるも
のでした。内山さんが指導案に挿入された「科学と人権教育につい
て」の項目がとてもすばらしいですね。
◆林 「慣性がわかったといえるとき」
 小6年生が,こんなにもすばらしく「慣性の法則」を自分たちの
モノにしていく過程に驚きました。林さんのていねいな授業運営
(道具の準備など)の成果もあることでしょう。そして,林さんと
同様私自身も《力と運動》を授業するたびに,〈原子論的世界観〉
がこの授業書にも生かされていることに驚きとともに深く感動して
います。だからこそ《力と運動》もとても哲学的で,世界観に関わ
る授業書だと思えて,とても好きな授業書の1つです。
 ベスト3に絞りましたが,デモ,伴野さん,市原さん,萠出さ
ん,峰岸さん,小川さんの記事もよかったですね。

●川又倫好(茨城)
  11月号が届いて,一番に読み始めたのは,
◆「(イタクラ式発想法講座1)〈感想〉と〈論文〉の間」
 〈論文〉とは,どんなものか,ということ,〈感想文〉段階の論
文がいかに多いか。〈教育論文〉にあまり興味をそそられないわけ
がわかったような気がします。次に,今月号の特集である,「間違
いの楽しみ方」のそれぞれの記事は,とても面白かったです。
◆「ハズレたけど,たのしかった!」
 〈間違い,ハズレ〉が,〈新しく学んだこと〉〈知れて良かった
こと〉に結びつくと,〈たのしい〉になるんですよね。この〈楽し
さ〉に気づいたら,間違いも楽しめると思います。〈授業書〉はこ
うした楽しさを保証していると思いました。また,授業書を受け
る,特に,低学年の子には,〈まちがってもたのしい〉という,こ
うした視点での感想を紹介するのがいいのかなと思いました。
◆「全員が間違えてもたのしい授業」
 板倉先生の『社会の法則と民主主義』の文章を読み返したくなり
ました。
◆「正しいことは実験で決まる」
 「人権教育」としての一面を〈仮説実験授業〉が担えることに気
づかされました。〈仮説実験授業〉がだれにでも参加でき,民主的
に運営できている授業だからと思います。
 最近,町の指導主事の発言にあった「ユニバーサルデザインの授
業」ということば。「仮説実験授業」ははじめから「ユニバーサル
デザイン」だと思ったばかりだからです。
 「仮説実験授業」は,それぞれの人間の選択や考えを尊重してい
るのだから,「人権」を大切にしていますし,「人権感覚」をみが
くことにもつながっているのだと思いました。
◆「ボクの仕事って何だっけ?(空見上げて/新人育成教員日記9」
 楽しめました。文章の後半にある,
 「告発はなぜダメなのか」「のりこえる,というスローガン」,
よかったです。
 残りの記事も,これから読もうと思います。

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ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
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