〔仮説社PublicRelations〕No.174

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〔仮説社PublicRelations〕No.174
2014年12月26日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』12月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に2

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 12月号についての「おたより」です。今回は,16人分で,かな
り長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2014年12月号(429号)紙芝居のススメ ◇◇◇

●●島 百合子(富山・小学校)
◆前の号で紹介されたクルクル回るテントウムシは教室で好評でし
た。ピップエレキバンは薬局で買うと高いけど,アマゾンだと安い
ですねえ。
◆今月号は口絵の写真から楽しませてもらいました。モールで作る
オーナメントかわいいですねえ。
 私はこういったものづくりにたいてい落ちこぼれますので,自分
がつくれるようなら子どもたちとやってみようと思います。
シュリンクシートはおもしろいですね。写真とかコピーできると
さらに活用が広がりそうです。
◆切り紙模様の王冠もやってみたい!
◆木彫木箱はかつて卒業生とやってみました。本当に子どもの作品
とは思えない売り物になるような出来でした。
◆小出さんや◆渡部さんの紙芝居は,授業でとても役立っていま
す。子どもたちの視聴率が全然違います。ありがたく使わせても
らっています。
◆黒田さんの「カレーを作りながら考えたこと」を興味深く読みま
した。
 スパイスから作るカレーは私も作ってみたことがありますが,本
当に「やばい!」と言いたくなるくらいおいしいです。インドでス
パイス料理が毎日食べられているというの分かる気がします。
ちょっとした配合の違いでまったく別の味になるからです。
◆原さんの「世界の広げ方」を,ほのぼのとした気持ちで読みまし
た。そうかあ,こうすれば,車椅子の人でも椅子取りゲームを楽し
めるのですね。目から鱗です。世界が広がるというのは,本当に,
こんなちょっとしたことなのでしょうね。

佐々木邦道(千葉・小学校)
◆1.「高校生の勉強観」
 板倉先生のこの話は,初めて読みました。
 結論の部分,「トランプをやっている生徒を救う方針ではなく少
しでも授業に乗ろうとしている生徒が明るくなるようにしたい」の
方針には賛成です。そして追記に書いてあった「このことがきっか
けで,授業運営法の大切さや仮説実験授業がどんな生徒にも有効で
あることを確認するに至った」と板倉先生は書かれています。せっ
かくこの記事が載ったのですから,今現在,底辺校で授業をしてい
る高校教師の感想やその授業記録などが,今後掲載されることを期
待しています。
◆2.「料理から見える模倣と創造」
 私も料理をするのが好きなので,いろいろなレシピを模倣しなが
ら作っています。そして,基本的にはそのレシピを模倣しているの
ですが,材料がそろわないときや何回か追試した後になって初めて
〈自分なりの工夫〉をして楽しんでいることがありました。黒田さ
んの「コンビーフ」の発見に似ていることは,結構自分もやってい
るような気がします。
◆3.「座席換えにおける政治的配慮」
 以前は,くじ引きで座席を決めたり,男女の座席のみを教師が決
定して自分の座りたいところを男女別に決めたりしていたことがあ
ります。しかし,崩壊クラスを持ってからは,〈教師の意図〉を鮮
明にして座席換えを管理することにしています。ちょっとした人間
関係が授業をやりにくくしたり,人間関係を悪くしたりすることが
今までの決め方でも出てきていたし,崩壊クラスでは特に鮮明に表
れたからです。
 現在は,4月当初に「先生が座席を管理する理由」をみんなに説
明して1カ月に1回,座席換えをすることにしています。4月に意図
を説明しておけば,不平不満は出ません。また,年度末あたりにな
り,人間関係が落ち着いてきていれば,くじ引きなどの方法をとる
こともあります。

●太田一郎(熊本・小,理専)
 本格的に寒くなってきました。東京の方は,初雪が降ったみたい
ですね。それにしても,今回の衆議院議員選挙は,とても重要にな
ると思います。これからの日本の方向性が決まるような気がしま
す。どうなるのかなあ……。知人が社民党から立候補しています
が,どうなるかな? やっぱり自民党が大勝しそうですね。こんな
時代なので,ますます仮説実験の思想を学び,活用できる人を増や
していきたいなあと思います。
◆「シュリンクラべルで遊ぼう」(小池 守)
 ペットボトルのラベルの仕組みがわかってよかったです。シュリ
ンクシートというのが販売されているというのも初めて知りまし
た。他にもいろいろな使い方がありそうですね。
◆「『発明発見紙芝居』開発物語」(小出雅之)
 「発明発見紙芝居」がどうやって生み出されていったのかがよく
わかりました。また,こんなにたくさんの「発明発見紙芝居」が出
来上がっているのだということも分かり,びっくりしました。いく
つかは,活用させてもらっていますが,活用できる幅が広がりそう
でうれしいです。
◆「もし地球が止まったらどうなるか?」(福井勝正)
 林さんの子どもたちへの説明で,そうだよねと思っていたのです
が,マイヤーやホルムヘルツが計算しているように,止まったとき
の熱が地球を溶かし,蒸発してしまうということは考えたこともな
かったので,すごいことを考える人もいるもんだと思いました。で
も,こういう雄大な視点は大事ですね。
◆「いい図工教材って?」(千葉 真)
 黒田さんの美術のプランは,いくつか体験し,子どもたちとも楽
しみましたが,本当に子どもたちが生き生きと楽しく取り組んでく
れます。千葉さんが書いているように本物の教材だと思っていま
す。皆さんにお勧めします。
◆「高校生の勉強観」(板倉聖宣
 「勉強とは黒板をうつすこと」という勉強観があるということ
は,言われてみれば,そうだろうなあと思いました。逆に言えば,
勉強はしたいけど,どうしていいかわからない,だから,黒板をう
つすという行為で勉強をしているということを自分で納得したいと
いうことなのかなと思います。だとすると,仮説実験授業をやり続
けることで,学ぶことが楽しいと思えるようになれば,学ぶことを
自ら求めていくようになるだろうなあと思います。やっぱり,仮説
実験授業は,すばらしいです。
◆「砂糖を熱すると」(斉藤裕子)
 砂糖が黒くなり,ほのおをあげて燃えるという授業書の内容をス
プーンをアルミホイルで包み,その上に砂糖をのせて,アルコール
ランプで熱するだけで再現できるというのは,井上勝さんの《三態
変化》の講座で初めて知ったのですが,ぜひ子どもたちにやってみ
せたいなあと思います。その時が来るのが楽しみです。
◆「世界の広げ方」(原 優里乃)
 「新椅子とりゲーム」って,いいですね! 原さんが書いている
ように「いろいろな子ども・いろいろな人がいるからたのしい」と
思えるようなことは,他にもたくさんあるはずです。その視点で,
いろいろと考えていくと,他にも新しいゲームが生まれてくるよう
な予感がします。
◆「席替えにおける<政治的配慮>」(小川 洋)
 ここまで,席替えについて考えたことはありませんでした。政治
的配慮も少しはしてきましたが,小川さんのやり方は徹底していま
すね。確かに席替えで問題が起こる場合があるというのは,担任を
していたらちょくちょく出会うことです。とても参考になる記事で
した。
◆「笑顔と元気をもらった同窓会」(河野早苗)
 教え子と同窓会というのは,とても楽しいものです。僕の場合,
ちょっと呑み過ぎてしまうのですが……退職した愛ちゃんは,残念
です。就職した学校でいい出会いがあったら,止めなくてもよかっ
たのかもと思ってしまいます。それにしても,仮説実験授業に出
会った子どもたちが,笑顔で生き生きと生活しているのはうれしい
ものですね。河野さんも,復帰できてよかったなあと思っていま
す。
◆「風車の台数と産業革命」(阿部徳昭)
 アルガンランプというのも,初めて知りました。アルガンランプ
や風車から蒸気機関への変化を見ていくことで,産業革命の時代が
どういう時代だったのかがイメージできて,少しずつ,そして確実
に時代は進歩していくものなのだということが実感できました。

●長沼麗子(茨城,会社員)
◆「思えば遠くへ来たもんだ」
 「心の奥底で感じていたような,それでいて初めて知るような発
想」ということばが印象に残りました。わたしも発想の気づきを期
待しながら毎月『たのしい授業』を読んでいます。淀井さんの文章
もそうですが,この手書きのページはあたたかみがあって,具体的
にくわしく書かれているので,毎回なるほどと感じながら楽しませ
てもらっています。次号もどんな内容かワクワクしています。
◆「いい図工教材って?」
 自分が小学生の頃,図工で先生から教わったことは何もありませ
ん。自由というか放任に近い状態で,絵画も工作もひどい作品にし
かなりませんでした。木彫木箱のようなものに出会っていたら,
きっと夢中になって取り組んだことでしょう。
 今は中年になってしまいましたが,早速木彫木箱の授業書を注文
しました。まずは三角彫りをマスターして,コースターからつくっ
てみます。届いた授業書の分厚さにびっくりしてしまいました!
◆教え子からのうれしい便り
 仮説実験授業やたのしい授業を受けた生徒がその後の生き方や職
業にやりがいや喜びを見出していることがすばらしいと思いまし
た。いい授業はずっと覚えていますし,すてきな思い出になりま
す 。先生冥利につきますね。
◆高校生の勉強観
 「勉強とは黒板を写すこと」という思い込みというか勘違いは確
かにあるなあと思いました。勉強したつもりという錯覚を身につけ
てしまった人も,わたしを含め,たくさんいます。教育サービスに
関わる者として勉強のたのしさ・おもしろさを伝えていけるよう考
えたり研究したりしていきます。

●池田修二(神奈川,小学校) 12月号のベスト3です。
◆1.「いい図工教材って?(<木彫木箱>実践を通して考えたこ
と)」千葉真さん
 6年生を担当すると,卒業制作は必須です。私の場合は特別支援
学級ですので,かなりの手助けをします。彫刻刀を使う場合が多い
ので,気を使います。6年生が複数いるときは,個別学習の時に,
順番で指導します。木彫小箱を製作した年もありましたが,結構苦
し紛れに,教師がほとんど完成させたような気がしました。子ども
の力で,どのあたりまで手助けするかは違うけれど,授業書のよう
にプリントを配りながら進める図工の授業には大変興味がありま
す。黒田さんの名前は知ってはいましたが,千葉さんがライブ感
たっぷりに紹介してくれたおかげで,とても目からうろこでした。
もし,この記事を読んでいなかったら,ああ,うまい作品だな。で
もきっと心得のある人しか出来ないだろうとずっと思っていたかも
しれません。小学校6年生の実践は,まさに今真っ只中の人たち
に,光明を与えてくれると思います。今年は私のクラスには6年生
はいませんが,次に6年生を担当した時はやってみたいと思いまし
た。図工観への言及も良かったです。図工もいい教材に出会うこと
なのですね。P53の文章「いい作品は簡単には完成しない」同感
です。手軽にできるものづくりも楽しいですが,このような時間を
かけた作品の魅力もありますね。口絵の写真で作品を見ることが出
来たのも良かったです。
◆2.「席替えにおける政治的配慮(空見上げて/新人育成日記
10)」小川 洋さん
 今は特別支援学級なので,席は教師が決めているけれど,「たか
が席替え されど席替え」ですね。大人の世界との対比が面白かっ
たです。特に職員室やPTAの話。4月の席替えの時,ドキドキし
ます。苦手な人の隣は極力避けたいし,電話のそばもなるべく遠慮
したい,管理職の真正面も苦手(笑)いろいろなことを考えます。
学年で決まるので,ある程度はしょうがないのですが。子どもたち
の席替えは確かに色々なことを考える必要がありそうですね。すべ
てうまくいくことはないけれど,最大公約数的にやる必要はありそ
うです。小川さんの実践から学べる点は大きいです。特に人間関係
は気を使いますね。政治的配慮は絶対に必要です。悩みの種なので
すが,楽しく授業をするためにという大きな目標のために,試行錯
誤したいですね。一日預かって検討する余裕は絶対に必要ですね。
私はほとんどくじ引きでしたが,ある時期からは政治的配慮をする
ようになりました。すぐ移動させず,一日検討してからの発表,大
事だと思います。
◆3.「思えば遠くへ来たもんだ第三回(先生になっちゃった)」 
淀井 泉さん
 いよいよ教師生活がスタートしましたね。板倉さん,たのしい授
業との出会い,佳境に入ってきましたね。次も楽しみです。

●実藤清子(埼玉・中理)
◆1. 「高校生の勉強観」板倉さん
 とつぜん入り込んだ高校の教室。板倉さんがやるのだから当ても
のといっても当て物以上だったと思います。実際に目の前で豆電球
が付くか,予想し実験してくれているのですから,生徒は興味を
持ったと思います。たとえトランプをしていても,その素振りが感
じられないとしても。感想を取るとよかったのではと思います。教
科書にそった授業しか聞く耳を持たないというのは〈ウソだ〉と私
は思います。わからないことをずっと聞いているよりは,ノートを
取る方がまだいいかもしれない。消えていく知識も,ノートに残せ
ば何かつながるかもしれない。しかし,分からない時は見返しもし
ないでしょうが。
 (不可能ですが)主催者の方がこの後,授業書を使って板倉さん
の思いを実験で確かめてほしかった。時間はこの時でないが,坂井
さんとか,今やいくつかの報告も届いている。板倉さんのこういう
冒険精神はすごいなと思います。教育全体を考えているからです
ね。
◆2. 「風車の台数と産業革命」阿部さん
 〈油とあかり〉からアルガンランプへ,風車から蒸気機関へ,そ
の変わり目は産業革命と予想したが,そのころは風車がおおはや
り。「蒸気機関は,風車で豊かになった経済力で開発が進んだので
はないか」という阿部さんのこの仮説・実験,おもしろいと思いま
した。イギリスやオランダは風力が豊かなのですね。日本では水力
が豊かなので水車が発達したのでしょう。
◆3.「〈発明発見紙芝居〉開発物語」小出さん
 紙芝居は短時間でできるし,視聴率も高いと思います。私もいく
つかサイエンスシアターシリーズを紙芝居にして使っています。
「ミツバチの不思議な方向感覚の謎:フリッシュの大発見」「テレ
ビアンテナ物語」などなど。「このまま読むのはややこしいかな」
と思えるものは,紙芝居にすると視聴率が上がるような気がしま
す。作るのも楽しいし,何より自分のねらいがはっきりします。
 私の場合はコピーしたりして空き時間位での仕上げですが,小出
さんのは本格的ですね。板倉さんの「科学者という人間がいて初め
て科学が成立します。ですから,科学読み物というのは人間の物語
なんです」が,印象に残りました。

●高木仁志(愛知・街角かがく倶楽部:瀬戸)
◆小出さんが,23ページで板倉先生の次のような言葉を紹介して
いました。
 「科学者という人間がいて初めて科学が成立します。ですから,
科学読み物というのは人間の物語なのです。自然の物語ではないの
です。自然の物語は自然の本です」
 この「科学読み物というのは人間の物語なのです」という件は,
板倉先生の多くのお仕事から感じさせられることのように思ってい
ます。
◆そして,福井勝正さんは43ページで「もし地球が止まったらど
うなるか?」ということに関して「規模雄大な計算」の話を書いて
くれています。この「規模雄大」なことを考えることができるの
も,やはり極めて「人間の物語」的な気がしています。
◆そういうことを考えていたら,82ページで,原優里乃さんのク
ラスの子が,原先生の授業に対して,「けたちがいの授業をありが
とうございました」とお礼を書いている子がいました。これは,そ
れこそ仮説実験授業の「規模雄大さ」を子どもの立場から指摘して
くれた言葉のように思えて,うれしくなってしまいました。
◆しかし,この仮説実験授業は「けたちがい」であるばっかりに,
生半可なことでは実践を続けることが簡単でないことも確かだと思
います。それで,109 ページで河野早苗さんのクラスだった子
が,教員を続けようとしても,「その楽しさ」を掴み取る前に辞め
てしまったということも分かるような気もしています。教育現場で
笑顔で楽しく務めようとしても,仮説実験授業が「規模雄大」であ
るがゆえに,そう簡単にそのような教師の味方になれなかったとし
ても,仕方のないところもあるように思うのです。
◆淀井さんが120ページで書かれているような「ごめんよ子どもた
ち……。いい先生になるから,もうしばらく待ってくれ……」と言
えるようになるまでには,なにか「タイミング」とか「根性」と
か,向き不向きとか,何かよく分からないものが関係しているよう
な気がしています。
 今再任用で勤めているボクなのですが,今では「我ながら,よく
30数年間教員を止めずに続けて来れたなあ」という気がしている
くらいなのですから。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
◆教え子からのうれしい便り(荒居浩明)
 今月一番よかったのは,これです。仮説実験授業を受けた卒業生
が理科の先生になったり,科学のたのしさに気づいて進路を選んだ
りすることはボクの経験でもあります。しかし,荒居さんのこの教
え子さんのお便りのすばらしいのは,「私が仮説実験授業に魅せら
れた点は,仮説を立てて議論するという部分でした」という授業書
の本質的なことに触れていることです。単に理科の授業ということ
でなく,科学の本質とそれを自分の考え方にいかしていると言うと
ころに感心しました。こういう人がたくさん出てくると,もっとす
ばらしい世の中になるだろうと思います。
◆笑顔と元気をもらった同窓会(河野早苗)
 こちらも荒居さんの記事と対になってよかったです。直接科学に
関わる仕事に就かなくても,それぞれにたのしかった記憶が残っ
て,それが今につながっている実例としてすばらしいです。仮説実
験授業は単なる理科の授業では無いということを実感させてくれま
す。
◆「発明発見紙芝居」開発物語(小出雅之)
 小出さん作の紙芝居(ボクはもっぱらパソコン上のスライド芝居
を使いますが)にこれまでも大変お世話になっています。ふり返る
ととてもたくさんできているなあと思いました。
◆料理から見える模倣と創造(黒田康夫)
◆いい図工教材って?(千葉 真)
 このふたつも模倣することのすばらしさの実例としてよかったで
す。
◆席替えにおける〈政治的配慮〉(小川 洋)
 ボクは席替えはいつもくじ引きを基本にそれとなく政治的配慮を
していましたが,こういうことをきちんと伝えておくことも大事だ
なあと思いました。その根底に流れる教育観を具体的なこうした事
例を通して残しておくことが若い人ばかりで無く必要ですね。

●林 純一(京都,高・大講師)
◆1.小池 守「シュリンクラベルで遊ぼう」
 口絵写真を見てとてもおもしろいと感じました。さっそくやって
みたかったけど,学期末でなかなかできませんでした。ようやく
やってみたら,結構うまくいきました。(写真を添付しました)
◆2.小出雅之「「発明発見紙芝居」開発物語」
 科学読み物を紙芝居にして見せることで,少しでも親しみを持っ
てもらえるような気がします。実際に「科学読み物」を読んでもら
うのはちょっと大変ですね。
◆3.河野早苗「笑顔と元気をもらった同窓会」
 卒業してからもつながっていられるというのはすごくうれしいこ
とですね。いい教材を通じて出会うことで,お互いにとてもいい印
象を持てます。子どもたちから元気をもらうこともたびたびです。
 こんなとき,教師になってよかったとほんとに思えます。

●中村 文(福岡・小学校)
◆ 悪い子になりた〜い(宮地さん)
 私も子どもを兄弟(姉妹も)で担任したことがあります。する
と,たとえば弟や妹を担任したときに,「兄ちゃん(姉ちゃん)
が,『今,何の授業してんの?中村先生の授業楽しいからいいよ
ね』って聞いてきます」と言われたこと結構あります。
 仮説を通じて子ども達とつながれるというのは,本当にうれしい
ことだしましてや自分が疲れたときに,仁美さんのようなことがあ
るのってうれしいよなぁと思いました。
◆「発明発見紙芝居」開発物語(小出さん)
 小出さんが,どうして紙芝居を作るようになったのか?がとても
おもしろかったです。私,本を読む時ってだいたいイメージがふ
わーって浮かんでくるというか・・・,頭の中で映像?が出てくる
ことが多いんです。でも,自分の中でイメージできないのも結構あ
ります。
 ですから,小出さんが『磁石と電気の発明発見物語』を読んで,
紙芝居にするときに実験道具がどんなものかわからない,それを絵
に描くという作業ってすごく大変だったんだろうなぁ〜と思いまし
た。そして,それを調べて資料をもとに書かれるのもすごいですよ
ね。紙芝居って,文章ではなかなかイメージできない部分を補って
くれるので,とてもいいなぁと思いました。
◆もしも地球が止まったらどうなるか?(福井さん)
 「地球が止まったら地球は蒸発してしまう」という事になるとは
知らなかったので,読んでいてびっくりしました。知らなかっ
た・・・。ヘルムホルツの講演内容を読んで,(難しい漢字があっ
て??となりながらでしたが・・・笑)地球の塊は112,000度ま
で熱せられるなんて「そんなことがあるのか!」と思いました。
 「地球が止まったらどうなるのか?」と考えたことがなかった
し,蒸発するなんて考えたこともなかったので,この資料は自分の
中ではかなり衝撃的でした。
◆料理から見える模倣と創造(黒田さん)
 私は料理が苦手です。むしろ料理をしたくない。誰かの作ったも
のを食べる方がいい!・・・です。最初に題名を見て,「料理から
模倣と創造??どういうこと??」と思いました。でも,P.50に,
「たとえ料理に興味があっても,何の知識も技術もないままに料理
を作ることはできない。「自分で美味いものを作ることができ
た!」という達成感,喜びがあったからこそ,僕は料理が好きにな
れたのだ」というところから,美術で,徒弟達が親方の書いたもの
を徹底的に真似る事によって技術を身につけていった話を読んで
「なるほど」と思いました。
 私も好きな人の絵をまねして描いたり,キミ子方式で絵を描いて
みたり,黒田さんの美術のプランを講座に参加して作ってみたりし
たことがあります。でも,できあがった自分の作品を,「ほうほ
う。私もなかなかやるな!」と思う事結構あるんですよね。
 徹底的にまねして作ったら,自分なりの工夫を思いついたと描か
れてありました。
 料理も美術もそれが同じなら,普段の生活でも共通する部分はあ
るなと思いました。
◆高校生の勉強観(板倉さん)
 「勉強とは黒板を写すこと」という勉強観の発見という部分は,
「あ〜!!私もやってる〜」と思っちゃいました。とりあえず黒板
写してて,みたいな感じで教科書授業を進めています。私が授業を
やった気になっている,感じです。
 この間の自分がやった国語の授業研も,自分で言うのも何ですが
ものすごくひどい授業でした。黒板に書いた細かいメモも子ども達
が書き写すみたいな感じでしたし,最終的に子ども達が黒板の内容
を必死に書き写していました。
 やっている自分も息苦しくなってしまい,最終的に「よくわから
んよね・・・ごめん」と子ども達に謝ってしまっていました。そし
て,単なる「あてもの」だと勉強の雰囲気も失われるの内容にも納
得。確かに仮説って前の実験を思い出して考えることがありますも
んね。そして,1円玉,5円玉,10円玉とか調べた後に,1000円
札となると,「1000円札はつく。だってお金だから」となったり
しますもんね。一つ一つの問題があてものみたいになってしまった
ら,それは単なるクイズみたいになっちゃうんだろうなぁ〜って。
 時々,普通の授業でも(教科書の授業とかで),選択肢を用いて
やる事があるんですよね。
 社会の教科書を開いて,「さて,なんでこう書かれているんで
しょう?予想です〜」みたいな感じです。ほんど単なるクイ
ズ・・・というか子ども達の興味をちょこっとひこうとすることだ
けでやっているだけですね。系統性全くないですもん。だから連続
でそういうのをやると子ども達あきますもんね。「だから何?」っ
て。
 「救いたいのはトランプをしている生徒ではない」で出てきた
「ほとんどの先生方は「授業妨害したり全然授業に乗らない生徒を
救う,救いたい」「一応授業に乗ろうとする生徒は,ひとまず放っ
ておく」という方針」というのも,すごくわかります。私もそうな
るときがあります。授業中にうるさい子がいると目についちゃうと
いうか気にしちゃうと言うか・・・。でも,たくさんの子ども達が
授業を一生懸命聞いていることがあるんですよね。そっちを大切に
することって大事だなぁと思います。
◆席替えにおける政治的配慮(小川さん)
 席替え,子ども達大好きですよね。私も小川さんとやり方が似て
いるかな?と思います。かなり政治的配慮をしています。
 席替えのパターンは,イやウをします。イを使うときは,体育で
バスケとかサッカーとか,そういうゲームをする学習の時に使いま
すね。キャプテンを決めて,それぞれチームの力が均等になるよう
に,そしていつも一緒にいる人たちばかりのチームを作らないと決
めて別室でキャプテンと私が一緒に決めたり,キャプテンが先に決
めてその最終チェックを私がしたりして発表する事もあります。で
もほとんどウのくじ引きです。
 政治的配慮としては,
・黒板の字が見えにくい子は前に行く。
・3ヶ月連続で同じ班になった子は,班を変わる。
・いつも一緒にいる人同士が近くにならない。
などは,子ども達に話をしてから始めます。
 女の子のくじ,男の子のくじを作り,黒板にくじの数字を日直さ
んに書いてもらいます。その間に,くじを引く順番を班長さんが代
表となりじゃんけんをして順番を決めます。そしてくじを引く。
 はじめは,机ごと移動せずにまずは自分たちだけでくじで引いた
席に移動します。そして,政治的配慮の部分を私が確認して,(い
つも一緒にいる人同士で変えるのは,身長の関係で黒板が別の子が
見えづらいからなどと言って交代することがあります)そして席替
え終了という感じで今は進めています。
 その後,さすらいのギャンブラーをするので,席替えを一時間で
やっていますね。私も,ほかの方々の席替えの様子など聞いてみた
いです。今回はこんな感じです。
 12月は締め切りが早いのに・・・,遅くなっちゃってすみませ
んでした〜!!

●岡田克己(神奈川・小校長)
◆「高校生の勉強観」板倉聖宣
 板倉先生が,底辺校で授業?! この状況からしておもしろかった
です。そして,そこで板倉聖宣先生が,次々と発見していくこと,
「勉強とは黒板を移すこと」「あてものだとまとめられないから勉
強にならない」「勉強を放棄すると,子どもは明るくなる」,転ん
でもただでは起きないというか,さすがだなあと思った次第です。
◆「世界の広げ方」原 優里乃
 ダメだとあきらめず別の方法を模索する,こういうつもり,そう
いうセンスの磨き方ができるといいなと思っています。小学校の体
育の種目だって,実態に応じてルールや人数,コートの形だって変
えることをしますからね。既成概念にとらわれず身の丈に合わせて
周りをいじくる,こういう「世界の広げ方」って大事ですね。
◆「教え子からのうれしい便り」荒居浩明
 仮説実験授業を受けた子たちが,生きていることに喜びを見出し
たのしく人生を過ごしているという話は,聞いているだけで嬉しく
なります。そして,長らく連絡が取れなかった人も,もしかしたら
見つけられるというフェイスブックもすごいなあ。
◆「風車の台数と産業革命」阿部徳昭
 とても目の付け所のよいと感じる話でした。ランプ→風車→蒸気
機関→あかりと油と,連想してつながっている話題に,ひきつけら
れました。そして,インターネットの威力を見せ付けられもしまし
た。13〜19世紀のイギリスの風車の建造数まで調べることができ
るなんて。
◆「笑顔と元気をもらった同窓会」河野早苗
 同じクラスで過ごしていた子たちですが,十数年経つと,その間
にいろいろなことがあって浮き沈みします。でも,共有した思い出
があればたちどころに十数年前に戻れます。性格や立ち居振る舞い
が変わった子も変わらない子も,その昔かかわった分やはり明るく
元気に生きていってほしいと思います。
◆「“先生”になっちゃった」淀井 泉
 そして,毎月のお楽しみ。新宿で占ってもらった話,あれは授業
じゃない!と,一括された話。そして,より良い授業を求めて教育
を勉強しようといろいろな著書をひもとき,ついに,板倉聖宣に巡
り合うことになりましたね。更に展開が楽しみです。◆伴野太期待
が膨らみます。

●千葉 真(大阪・小学校)
◆(ベスト1)笑顔と元気をもらった同窓会(河野さん)
 同窓会というものをまだ経験したことがありません。経験できる
のかもわかりません。教え子と個人的に食事に行ったこともありま
せん。ですから,卒業生と授業についての思い出話を聞くというの
がとてもうらやましいです。まだ経験はありませんが,仮説実験授
業をし続けることによっていつかそういうことにも巡り合うことが
できるのだろうと思うとなんだかワクワクします。記事に出てくる
愛ちゃんは教職を辞めてしまったけど,教え子が教師になって仮説
実験授業をしてくれるなんてことになったら面白いでしょうね。楽
しい記事でした。
◆(ベスト2)教え子からのうれしい便り(荒居さん)
 これも教え子のことですね。フェイスブックで巡り合うというの
が不思議でした。いわゆるSNSを知らない私にはいまいちピンと
きませんでしたが,巡り合えるのですね。教え子の出世を単に喜ぶ
だけでなく,「生きていくことに喜びを見出し,たのしく人生を過
ごしていることを知ることができたことが,本当にうれしいので
す」という文章は素敵です。教え子の生き方を素敵に思えるって本
当に素敵だと思いました。これまた憧れです。
◆(おまけ)「いい図工教材って」
 自分のレポートです。初めて掲載されました。とてもうれしいで
す。光栄です。教師としてのレベルがまた一つあがったように思い
ます。これからも書いていきます。

●木村 寛(鹿児島・中学校理)
◆千葉さん「いい図工教材って?」
 以前から黒田さんのプランには興味があって,図工音痴の自分に
も満足できる作品ができそうな気がしていましたが,これを読んで
来年は絶対講座に参加しようと思いました。
◆荒居さん「教え子からのうれしい便り」
 こんな手紙もらったら最高ですね。教師冥利に尽きます。普通に
教師やっていたらなかなかないですよね
◆黒田さん「料理から見える模倣と想像」
 料理でも,確実に自分にもおいしく作ることができるレシピと成
功体験があれば好きになれそうです。まずはチャーハン作りに挑戦
してみようかなと思いました。
◆難波さん「高校生にも紙芝居は人気です」
 僕も総合読本の「おくりもの」の話は大好きで,道徳の時間に読
んでもらっていますが,とても好評です。これの紙芝居もきっと中
学生にも好評だと思います。
◆小出さん「発明発見紙芝居」開発物語
 こんなにたくさんの紙芝居が開発されているのに驚きました。多
くの人の協力とアイデアが次々と新しいものを作って行ったのだと
いう開発の歴史がすばらしかったです。
◆斎藤さん「砂糖を熱すると」
 燃焼の授業はほとんどやったことはありませんが,この方法だと
生徒実験も手軽にできて,かたずけもラクそうです。

●荒川康夫(小学校1年担任)
 12月号で印象に残った記事は次の3つです。
板倉聖宣さんの「高校生の勉強観」
 板倉先生が珍しく高校で授業をしたときのことが書かれてあっ
て,興味深かったです。しかも「底辺校」ということで余計に興味
が湧きました。ぼくら教師は話を聞いてない子が多いと本能的にや
る気をなくしてしまうのですが,板倉さんはそうではありません。
どういう子どもたちがどういう反応をするのか,冷静に分析してい
ます。そして,やる気を起こさせるには勉強に興味を持つこの明る
さにシフトして授業を勧めればよい,明るさで惹きつければ,やる
気のない子もつられるようになるだろう,という結論のようです。
明るさがある数を超えればあとはどどっと興味の世界にみんなが
のって来れる気がします。
◆荒居浩明さんの「教え子からのうれしい便り」
 荒居さんのことをFacebookで知り,便りをよこしてくれたお話
です。しかもそのかつての教え子が科学者で,仮説実験授業に興味
を持った生徒だったこと,仮説実験の思想を受け継いでたのしく
やっているとのこと,本当によいお便りでした。
◆小川洋さんの「席替えにおける〈政治的配慮〉」
 席替えは学校の先生ならみんな悩むところです。好きな場所に座
らせてあげたいし,かといってあんまり仲がよかったり悪かったり
するといろいろな問題が起こります。ぼくは最近まで「オールくじ
引き方式」でやってきました。児童のくじに運命をゆだねてしまう
のです。「自分でひいたくじ」なのだから,ということで文句を言
わせないようにしていました。それでも問題は起こります。席の偏
りなどを見て微調整をして「政治的配慮」をしていましたが,最近
限界にきたことがありました。
 そこで今度は小川さんのように,政治的微調整をしてから発表と
いうことにしました。そしてだいぶうまくいっているように思いま
す。
◆阿部徳昭さんの「風車の数と産業革命
 「産業革命」というと,蒸気機関の発明で「一気に」という感じ
でいましたが,阿部さんの記事を読むと,それだけではない下地が
大事だったように思います。灯りの発達と改良で明るさが数倍まし
た夜の仕事と生活,風車の動力を利用した機械の工夫,そうした下
地があってこそ産業が発達した,蒸気機関がそれに火をつけたと言
えるのでしょう。
 様々な人々の工夫と努力が積み重なって産業革命ができたといえ
ると,阿部さんの記事を見て思いました。

●宮本明弘(海外科学授業)
◆高校生の勉強観 板倉聖宣
 文頭で,「20数年ぶりに授業というのをやりました。決して模
範的な授業じゃなくて,それこそ〈研究的〉授業です」と書き始め
たところがすごいなあと,後の文章を読んでいくにつれてわかって
きました。
 今私が,模範的な授業といって一番はじめに思い浮かぶのは,斎
藤裕子さんです。ですから,そういう授業ではないということを板
倉さんは言っているのだと思います。板倉さんは,「20数年ぶ
り」と書いておられるように,普段授業をしていません。ところ
が,私は授業を毎日しています。いや,していました。(今は,今
年の3月で定年退職の身です。)
 板倉さんは自分の授業を,〈研究的〉授業と言って自分の授業を
冷静に分析していきます。その点がとてもすごいことです。私に
は,仮説実験的なものの見方で目の前の問題を解決していくことが
うまくできませんでした。自分の考えに自信が持てなかったので
す。で,とても困難な事態に陥りました。20数年前のことです。
今は,どこがいけなかったのかとか,どうすればよかったのかと
か,今度はこうしよう,または,こうしないでおこうとわりと冷静
に前向きに考えられるように少しはなりました。
 また,授業以外でも,日常起こる問題に仮説実験的に考えること
ができたら,自信をなくさずにさまざまな困難を乗り越えられるの
ではないかと思います。今もなお,仮説実験授業に魅力を感じるの
は,そんなさまざまな困難な問題にどう立ち向かっていったらいい
のか,立ち向かわない方がいいのかなど,これからの人生の指針と
しておおいに自分自身の判断の支えになると思うからです。人生の
さまざまな些細な問題にしろ,その実験結果,自分の考えが間違い
だとわかればすぐに予想を変えていけるように思います。
 板倉論文は,いつも私の考えの支えとなり,または,今生きてい
る人生の目的の1つ「楽しく生きる」のエネルギーとなります。こ
れからも,毎号板倉論文が掲載されることを希望します。
 板倉さんは,最後にこうまとめられておられます。
 「この「授業」をきっかけとして,私は改めて「勉強をあきらめ
たかに見える高校生」に関心を深め,「仮説実験授業は,やはり,
どこの,どんな生徒にも有効である」こと,そして,「仮説実験授
業は,その授業運営法にしたがって行うことの重要性」を確認する
にいたったのです。」
◆いい図工教材って? 千葉 真
 黒田康夫さんの作成されている図工教材は,どれもすばらしいで
す。わたしもいくつか黒田さんに直接教えていただきました。千葉
真さんが「なにより,出来上がった作品がすばらしい。講座が終わ
るころには,木彫木箱を確実に指導できる教師になったと思いまし
た。そして,授業でしたいという気持ちが強くなりました。」と書
かれていますが,私の場合もまさにそうでした。これは,3原色の
キミ子方式でもいえます。本物なんだと思います。以前教師をして
いたときに,図工の夏期研修があって,講師の言うとおり作品を仕
上げたのですが,私の出来映えはもう一つ。満足度もちょっと。そ
して,講座の終わりのまとめのときに,「この教材は今はもう手に
入らないのですが…。」その言葉を聞いたときのアキレタ感はな
かったです。よく言うし,よくこんな人を講師にしたなあと…。再
現性を1つも考えていない。科学で言うと,追試できない。こんな
ことを考ただけでも,黒田さんはすごい!革命的です。応援してい
ます。もちろん,千葉さんのレポートもとてもよかったです。
◆「〈発明発見紙芝居〉開発物語」 小出雅之
 あの紙芝居は,こんなに歴史があったのかと,たのしく読みまし
た。大会などで発表されたりするのをよく見ました。さらなる,紙
芝居を楽しみにしています。
◆ウサギとクマのオーナメント 小川郁美 & 小笠原 智
 今,手元にモールなど材料がないのですが,あったら是非ためし
てみたいなあと思いました。なんか,たのしそうです。
◆「風車の台数と産業革命」 阿部徳昭
 風車の台数を探りながら,産業革命をイメージしていく研究の手
法に納得しながら,あたらしい発見に驚きました。たのしかったで
す。
◆「切り紙模様の王冠」中西 康
 私が,現役の小学校の教師なら,是非明日にでも,やってみたい
図工教材です。子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かびます。

●松田心一(鹿児島)
◆板倉「高校生の勉強観」
 成績の低い生徒たちだけでなく,高い生徒たちも「(5教科の)
授業=勉強は黒板を写すことだ」と,ほとんどの中学2・3年生は
思っているようです。それは中学校に入学後,徹底して黒板を写す
ことを習慣づけられ,定期テストの前後にそのノートを提出させら
れて,「関心・意欲・態度」の評価の一部にされているからでしょ
う。しかも教師の研究授業なんかでも「板書は構造的か」が協議の
柱の一つになったりしています。だから多くの生徒たちにとって勉
強とは,教科書にそった勉強=受験に必要な勉強ということ。「教
科書から外れた授業では,生徒たちは聞く耳を持たない」というこ
と。板倉さんの言われるように,底辺高校の問題だけでなく中学校
でも同じで,構造的な問題だと思います。私は教科書授業のとき全
然ノートを取らせないのです。線引き授業です。そのことで昨年勤
めた中学校で,3年生の優等生グループから担任に苦情が出たこと
がありました。〈ノートは作るもの〉ということで,犬塚著『教師
6年プラス1年』初版本にあったノートの作り方を説明して,
「ノートを作りたい人は作ってよい」ことでクリアしましたが。ほ
とんどの生徒たちは,ノートを取らなくてよいことを歓迎してくれ
るのですが。因みに,「テスト勉強のためにノートを使うか」とア
ンケートを取ったことがあります。「ノートを使う(とか,復習す
る)」と答えた中学生は多いクラスで1〜2割ぐらいしかいません
でした。「授業を聞く」「授業中の友達の意見を聞く」という習慣
はほとんどないようです。仮説実験授業を除けば,ほとんどの授業
がそうなっているんですもんね。
◆小出「〈発明発見紙芝居〉開発物語」
 板倉さんの科学史を中心とした科学読み物は,年に数回授業の中
で取り上げています。内容がとてもわかりやすく平易な文章ながら
読み終えた後の合点や感動を,中学生たちも評価してくれるからで
す。だから紙芝居にすると,今の中学生たちには物珍しさもあって
きっと好評だろうと想像します。私は一度も紙芝居を使ったことは
ないのですが。高校生にも好評だと知って〈さもありなん〉と思い
ました。30年近く前,日教組の全国教研に参加したとき,長野県
進学校だという高校教師が「ノートやレポートの評価にキャラク
ターのゴム印を押してあげると,とても喜ぶ」と発言したことがあ
ります。ホントカイナ?と疑心暗鬼で翌年中学3年生に確かめたと
ころ,ホントだったのです。それ以来,私の定番「評価ゴム印」と
なっています。最近ではほとんどの教師たちがいろんなキャラや
グッズを利用しているみたいですね。だから,高校生も紙芝居を喜
ぶのが想像できます。でもきっと内容によることだけは確かだろう
と思います。小出さんたちがこんなにも多くの紙芝居を作成されて
いることを知り,ぜひ一度中学生にも授業してみたくなっていま
す。
◆阿部「風車の台数と産業革命
 19世紀前半はまだ風車が動力の主力だったとは。その直後に蒸
気機関が主力となっていく様子がグラフと文章からよくわかりまし
た。「風車で豊かになった経済力で,さらに便利な蒸気機関を開発
して,もう一段ジャンプした」の行は特に合点。私の「産業革命
観」をひっくり返してくれました。また,「アルガンランプ」につ
いても初めて知りました。ランプの革命だったのですね。だから夜
蒸気機関を動かくことができた。当時の人々にとっての「照明
欲」は,〈ウムウムきっとソウダロウナー!〉と十分に想像心を駆
り立ててくれました。阿部さんに感謝です。
◆その他では,福井さん,千葉さん,原さん,荒居さんの記事も私
の琴線に触れました。今月号も楽しく学ぶことができました。

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