〔仮説社PublicRelations〕No.186

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〔仮説社PublicRelations〕No.186
2015年4月14日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』3月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に2

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『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,たく
さんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編集
委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ごく
ごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分を
ご紹介させていただいています。
 前回から少し時間が経ってしまいました。すみません。今回は,
14人分のおたよりです。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年3月号(431号)たのしく読んで好きになる ◇◇◇

●高木仁志(愛知・街角かがく倶楽部:瀬戸)
◆四ヶ浦友季さんが91ページで「アンパンマンのマーチが私は本
当に好きなんです」と話しているところを読んで,「あっ,オレと
おんなじだ!」って思いました。
 『たの授』を読んでいて,こんな形で共感したのは初めてのよう
な気がしました。その歌詞とは,次のような歌詞です。
 「なにが君の しあわせ
 なにをして よろこぶ
 わからないまま おわる
 そんなのは イヤだ」
 この歌詞をつくった漫画家の「やなせたかしさん」のことはとて
も身近な人という気がしていたのですが,四ヶ浦さんのことも少し
身近に感じることができるようになりました。
◆118ページには,淀井泉さんのお父さんが好きだったという「植
木等さん」の歌のことが書かれていました。「僕の父はこの歌を聞
くたびに,〈お父ちゃんはこの歌が大好きなんや。お父ちゃんも貧
乏やけど,そのうちなんとかなるだろうって思ってるんや〉と,小
学生の僕に言ってくれました」と紹介してくれていました。その歌
詞とは,「そのうちなんとかなるだろう♪」という歌詞なのです
が,淀井さんが言ってくれているように,その歌詞は確かに「発想
法カルタ」にある“どちらに転んでもシメタ”につながっていたよう
な気がしています。
◆それから,最近ボクは,自分(たち)日本人の特徴的なことがと
くに気になり始めていました。それで,板倉先生が今回の「フリー
メーソン論」の中の73ページで,「無神論のみなぎる日本の科学
史家の私が口に出すのは,キリスト教に逆らいえない西洋人に失礼
なことかも知れない」という表現で,自分(たち)の立場を遠慮気
味に書かれていたのが印象的でした。というのは,これはある意味
で「党派的」な立場の表明だと思うからです。しかし,その「党派
的」な立場を十分生かすことによって,世界的にも科学史的にも時
には大きな成果を挙げ得るということを指摘されているのではない
かと思ったことでした。

●小野健司(徳島,大学)
板倉聖宣ほか「〈理性〉と寛容を目指して」
⇒科学と宗教,政治のあいだに,こんなに密接な関係があるなん
て! 先回以上に,とても驚きでした。「〈寛容の精神〉を大事に
する」ということの意味は,きっと〈それほど日常的に宗教的な環
境にいない日本人〉には,なかなか理解しきれないようにも思いま
す。でも,今の社会においても,とても大事なものだ,ということ
は理解できます。
◆田畑和徳「読むだけでたのしい!」
⇒こういう「国語」の授業,好きです。教育実習生のアユミさん,
ナイスセンス!いい先生になるな,きっと!!
◆小浜真司「いもむし君ストラップ」
⇒こういう〈ものづくり〉学生たち好きなんだよな〜。「きゃ〜!
カワイイ!!」って言うな,きっと。
◆四ヶ浦友季「子どもたちとの幸せな記憶」
⇒学生たちに聞かせたい,と思う内容でした。とくに「気軽にはじ
めてください」のくだりがよかったです。
◆淀井泉「思えば遠くへ来たもんだ」
⇒「大丈夫,大丈夫!」の淀井さんの考え方,とてもステキです。
ボクも,何となくそう思っていたけど,こうして文章にしてもらえ
て心強かったです。こうした考え方って,「仮説教師」の多くに共
通している様に思うけど,長く「仮説」をしていると自然に身につ
くことなのかな?

●肥沼孝治(埼玉,中学校・社会)
 3月号で特に良かったのは,次の3点です。
◆(1)子どもたちとの幸せな記憶(四ヶ浦さん)
 その人が仮説実験授業を出会った頃の話って,「自分自身で人生
を切り開き始めた」って感じがして,興味深いものです。だから,
いろいろな人のその話を聞いてみたいし,自分自身の体験も話した
くなるのが分かる気がします。◆(2)〈予想読み〉の授業(佐藤
さん)
 仮説実験授業を参考に考えた〈予想読み〉の授業プランは,子ど
もにも先生にも大好評だったようですが,どういう教材だったらう
まくいったとか,これからどんどん積み上げていってほしいな,と
思いました。なんといっても国語は,時間数が多いですから…。
◆(3)〈買いかぶり〉というイジメ(小川さん)
 私は「教員の世界にもイジメがある。それを意識できないようで
は,子どもたちのイジメの問題も理解できない」と思っていました
が,小川さんが引用されていた板倉さんの話(40年前のもの!)
には,すでにそのことが登場していて,我が意を得たりと思いまし
た。
 そのほか,◇「震災と〈訪日外客〉の変遷」のグラフ(竹田さ
ん)や,◇「すごくうれしかった話」(村岡さん)も良かったで
す。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
  3月号で良かった記事は,
◆〈買いかぶり〉というイジメ(小川 洋)
 これが一番印象に残りました。
 「買いかぶり」という発想がとても腑に落ちました。他人を責め
るときに,どうしても「どうしてこんなことができない」と思いが
ちです。でも,それは簡単にできることなのか,みんなができるこ
となのか,いやそれ以上にできなくてはいけないことなのか,でき
る必要があるのか,などということを考えもしません。そして,勝
手に作ったイメージで知らず知らずのうちにいじめになっている。
 気をつけなければと思います。
 でも,それ以上に「どうしてこんなことが」と落ち込むことがあ
りますが,よくよく考えてみると,「じゃあ,あなたの人生はどう
なるはずだったんだ?」と自分を買いかぶっていることによること
が大きいかもしれません。そんなときに「買いかぶり」ということ
を思い出してみると良いかと思います。
 これで,ひとまず終わりということで,まとまった形で本になる
といいなと思いました。
◆〈理性と寛容〉を目指して(板倉聖宣・多久和俊明・実藤清子)
 これも大変納得しました。中世暗黒時代というけれど,その時代
だって人々は生活を営んでいたわけだし,いったいどういう時代
だったのだ,というのがちょっと気になっています。そういう時代
を経て「寛容の精神」の大切さをしたたかに実行した人々がいると
いうのは,これからの時代にも大いに関係することですね。続きが
とっても楽しみです。
◆子どもたちとの幸せな記憶(四ケ浦友季)(浜野純一記録)
 この話もよかったです。「自分にとってのしあわせとは何か」を
「自分の心のなかの針が大きく振れたときの感覚」を基準としてい
るというのがステキです。
◆震災と〈訪日外客〉の変遷(竹田かずき)
 これも「なるほど」と思いました。
◆この道のりに感謝(淀井 泉)
 とても共感できました。植木等の歌はボクも好きです。

●木村 寛(鹿児島・中学校理)
◆吉野さん「最後の授業で〈皿回し〉」
 皿回しの授業は前からとても興味がありました。一時期は本物の
皿を布団の上で回す練習をしたくらいです。とても楽しそうです。
◆村岡さん「すごくうれしかった話」
 子どもたちの好奇心はすごいですね。
◆板倉さん他「〈理性と寛容〉を目指して」
 〈フリーメイソン組織の謎〉がとても分かりやすく理解できまし
た。フランスやイギリスの当時の状況も,なんとなくイメージを持
つことができました。とても面白かったです。
◆小川さん「〈買いかぶり〉というイジメ」
 とても面白かったです。同僚にアドバイスを求められたら,小川
さんの真似をしたいなと思いました。
◆四ケ浦さん「子どもたちとの幸せな記憶」
 楽しく教師生活を送っている様子がビンビン伝わってきました。
4月からの新しい出会いが楽しみになりました。とても面白かった
です。

●大内瑞木(千葉,小学校)
◆吉野由起「最後の授業で〈皿回し〉笑顔の連鎖が生まれたよ!」
 小学校現場でも,よく「リーダーの育成」と言われますが,特定
の子をリーダーに育てようと,教師側からあの手この手でアプロー
チすることはあまり好きではありません。皿回しを使ってさりげな
く「リーダーってこんな役割」という話ができる方法,とても良い
と思いました。
◆村岡京子「すごくうれしかった話」
 私もまさに今年度,2年生で同じような体験をしました。虫嫌い
だった女の子が休み時間に夢中でありを探す姿……授業書なしでは
見られなかったと思います。子どもたちの新しい可能性を知らない
間に引き出す授業,4月からも大切にしていきたいです。
◆田畑和徳「読むだけでたのしい!」
 国語の教科書の一番始めに載っている「詩」。初任の時はどう
やって教えたら良いのかわからずに,「詩,苦手だな〜」と思って
いました。今では「読む授業」の方法を知って,1年間のうちどこ
かの授業参観で必ず「詩の授業」をするくらい詩が大好きです。子
どもの反応も良いです。「やねのうえのねこ」,今度やってみたい
な〜と思いました。

●高野 圭(北海道・高校理)
◆吉野由起「笑顔の連鎖が生まれたよ」
 同じ若い方で,しかも高校に勤務されている方という事もあり,
似たような近況のボクにとっては勝手に親近感や「自分だったら」
と思いながらよみました。
 準備不足の中,それでも「やりたい!」と思って行動に移せちゃ
うところや他のクラスが思わずうらやましくなっちゃう事を提供す
ることを,ボクもしていきたいなぁと思いました。
*そっくりマネしてやってみたいなぁと思い,『皿回しで考える』
をいろいろ探しましたが,すでに冊子は在庫なしの表示が。とても
残念です。今回のボクみたいな「マネしようと思ってちょっと調べ
てみたが,自分一人で探す段階で情報量が少なくて途切れた〜!」
というケース,きっと他の人も,たまにあるケースのような気がし
ます。
◆板倉,多久和,実藤「〈理性と寛容を目指して〉」
 サークルでも「寛容」という言葉が話題にあがりました。今まで
30年生きてきて,寛容と言う言葉をほとんど自分の言葉として
使った事がありません(汗)。でも,奥が深くて人にやさしい言葉
のようなカンジ…。
 自分の言葉で「寛容」という言葉をつかえるように,これから続
く連載も読みながら,ゆっくりと考えて行きたいです。
◆四ケ浦友季「子どもたちとの幸せな記憶」
 教師という職業は,「目の前の子どもたちと,気軽にニックネー
ムで呼ぶような親しい関係になれて,子どもたちが成長していくの
を支えて,その成長を喜べる」という言葉は教育基本法や学校教育
法,フツーの教育雑誌にはきっと書いていない言葉だけれど,この
言葉に多くの人が共感したり,「それでいいんだ」と救われる人が
多い気がします。思わず蛍光ペンをひっぱりました(笑)。現場に
いると,「教師観って人によってずいぶん違うなぁ」と感じる事が
あるのですが,四ケ浦さんのような「アタタカイ教師観」に常に触
れていたいなぁと感じました。

●池田修二(神奈川,小学校) ベスト3です。
◆1.子どもたちとの幸せな記憶  仮説実験授業を始めたころ」四
ケ浦友季さん
 「仮説実験授業にめぐりあったころ」というガリ本があります。
この本には私を仮説に導いてくれた井上正規さんの文章が掲載され
ています。
 井上さんには「感想文」と「子どもの気持ち」の大切さを教えて
もらいました。仮説実験授業「ものとその重さ」は私がはじめて
やった授業書です。
 当時,右顧左眄していて何が正しいのか「心の針」があっちへ
行ったり,こっちへ行ったりしていたのです。教員養成の学部では
ない(経済学部)私のつたない授業は,自分自身も苦しいものでし
た。
 一番最初に飛びついたものが「解放教育」でした。しんどい子ど
もたちに寄り添うという言葉は心地よかったのかもしれません。日
課内も放課後も走り回り,子どものうちを訪問し,話を聞き,勉強
を教える熱い教師像を描いていました。中途半端な理解で,革新的
な教育をしているという思い込み,肝心の授業はつまらなかった
し,教室は理想とは相反して,雑然として,荒れる寸前でした。子
どもの気持ちも考えず,自ら自分に対して甘い感じでいたのです。
「俺は駆けずり回っているんだ。子どものために」そんな思いあ
がった教師だったのです。教室の雰囲気は良くなかったです。
 そんなとき,井上さんから仮説の話を聞き,「え,そんな授業が
出来るの?」と驚きつつも,飛びつきたい感じでした。切羽詰って
いたのです。見よう見まねで授業書や実験道具を準備し,5年生と
「ものとその重さ」をやりました。授業記録と感想文も井上さんか
ら教えてもらい,挑戦してみました。授業が終わったら,テープを
聞きながら,手書きで授業記録を書きました。
 最初の体重計の問題から,粘土やおせんべい,水槽の木片……子
どもたちは楽しんでくれました。感想文も評価が良かったです。
 その中に「たのしかったけれど……」というある女の子の感想文
を発見,「教科書はどうするんですか?塾の進度と違ってくるし,
父や母も困っている様子です。出来れば教科書をやってくださ
い」。
 その子に対して,私は無視をしてしまったのです。井上さんにそ
んな話をして,感想文を見せたら,激怒して,子どもの感想文は信
用できるもの,大事にしなければいけない。池田さんの誠意が感じ
られない。子どもの気持ちを考えたことがあるのか!と叱られまし
た。自分に酔っていて,気持ちを考えず,丁寧に対応していなかっ
たのです。
 四ケ浦さんの文章の中に「たのしい記憶に支えられる」という個
所があります。子供の成長を確認するのは,こども自身が授業で,
自信を持ち前向きな姿になれること,同感です。教師の勝手な思い
込みではないのですね。思えば,それ以来「幸せな記憶」は心の支
え,教育活動の支えになってきました。どんなことにぶつかっても
幸せな記憶を思い出すと,冷静に,淡々としようと考えるようにな
りました。
 アンパンマンの歌詞も紹介してくださり,ありがとうございま
す。「なにが君の幸せ,何をして喜ぶ/わからないまま終わる そ
んなのはイヤだ」本当に自分の幸せが何かわかる……確かに難しい
けれど感動の針……心の針が触れた瞬間,その感覚を基準にしてい
く。本当にそうだと思います。あと何年かの教師生活ですが,授業
をたのしみ,自分に自信を持ち,成長を共に喜べる教師でいたいと
思います。素敵な文章をありがとうございました。今は物とその重
さの感想文を読みながら,子どもたちにかける言葉も探せそうな気
がします。
◆2.「買いかぶりというイジメ」小川洋さん
 新人育成日記の連載もひとまず終了とのこと,残念ですがお疲れ
様でした。仮説社から出版とのこと楽しみにしています。新人育成
という立場からのお話に毎号共感していました。人の成長を見守る
仕事もステキですね。
◆3.「震災と〈訪日外客〉の変遷」竹田かずきさん
 シンディ・ローパーのコンサートに行ったとき,2011年コン
サートを中止せず,歌を届けてくれたシンディとともに地球って
色々な国の人が支えあって生きているのだなと感じました。見通し
を持てる,経験を活かし,未来を考える……「タイムアフタータイ
ム」に胸を熱くした記憶がよみがえります。

●鮫島麻美(鹿児島・中学校理科)
◆「読み物教材をたのしくする〈予想読み〉の授業」(佐藤さん)
 おもしろかったです!ただ読むよりも予想するとどうなるんだろ
うと考えると先が楽しみですね。
 いろいろと考えさせられる中でなんだか道徳のプランにも思えま
した。普段は理科しか教えないけれど,こんな授業だったら,国語
が楽しくなるなと思いました。
◆「〈理性と寛容〉を目指して:1700年台の科学とフリーメイソ
ンの科学者たち2」(板倉・多久和・実藤さん)
 夢中になって読んでしまいました。謎だったものが明らかになっ
ていきますね。ミステリーみたいです!
 イギリスとフランスの対立。優位にたとうとしたフランスの,
〈ナントの勅令の廃止〉の決意などについても,読んでいて,納得
していきました。フリーメイソンの組織が結成されてから,どんな
風に科学者たちが国境を越えて活動していくのか興味深いです。
◆「子どもたちとの幸せの記憶」(四ヶ浦さん)
 四ヶ浦さんの大学のときに職業に悩んだ経験すごく共感しまし
た。そして,子どもたちのキラキラした笑顔を見たいというのが素
敵だと思いました。
 読んでいて,自分も〈心の針が大きく振れた瞬間〉をすごく大切
にしたいと思いました。
 アンパンマンのマーチって歌詞が深いんですね。自分にとっての
しあわせって何か考えさせられました。
 やっぱり仮説実験授業を子どもたちとしていたいです。年度も変
わりますが,新たな出会いと前向きにがんばろうと思いました。

●荒川康夫(小学校1年担任)
 3月号で印象に残った記事は次の4つです。
◆田畑和徳さんの「読むだけでたのしい!」
 「読むだけでたのしい」って,ありなんですよね。学期末の成績
用のプリントに追いまくられて忘れていました。最後の国語の授業
にやってみようと思いました。1行の前半を隠して後半を予想しな
がらというのが単純だけど素晴らしい発見だと思います。
◆小川洋さんの「〈かいかぶり〉というイジメ」
 小川さんの「空 見上げて」も最終回になりました。小川さん
(退職再任用)なりの視点で書かれていて毎回とてもおもしろかっ
たです。
 新採用の高山さんも一本だちできるようでよかったですね。とこ
ろで今回の「できてアタリマエ」という買い被り,実体のない期待
なんですよね。ぼくも若い頃「先生若いからできるでしょ」と言わ
れていろんな仕事を引き受けてきました。できるようなトレーニン
グや勉強なしにです。その後若い人が入って来ず,40歳になって
もまだ「先生若いから……」が続いていました。買い被りはホント
にいじめです。実態のない期待は応えないように若い人にはしてほ
しいと思います。
◆板倉聖宜さんらの「〈理性と寛容〉を目指して」
 フリーメイソンのお話もだいぶ本格的になってきましたね。資料
が少ない中,この仕事を進めるのはたいへんなことだと思いまし
た。執筆者には頭が下がる思いです。真実を追求すると「火炙り」
の刑に処せられるなどのキリスト教絶対の社会の中では,プロテス
タントの人々が考えるような寛容の精神が大事であることが分かり
ます。
 寛容の精神が大事だということを広めるために別のヒミツの組織
が必要になったということでしょうか。フリーメイソンが科学や文
化にどんな影響を及ぼすのか,次回がたのしみですね。
◆四ケ浦友季さんの「子どもたちとの幸せな記憶」
 長いお話でしたが淡々としてよかったです。淡々と読んでしまい
ました。子どもたちと仮説実験授業やたのしい授業との関わりで
「たのしい記憶」がいっぱい増えていく,そういうお話ですね。北
海道の小さな学校のお話も聞けました。一番感動したのは、四ケ浦
さんが自分の「心の針が幸せの方向」を向けた方向に行動していっ
たことです。それが強さであり,優しさなんだと思います。

●林 純一(京都・高校・大学講師,理)
◆1.佐藤弘道「〈予想読み〉の授業」
 読み物教材を〈予想〉を作ることによって,子どもたちの興味を
高めることにつながっていくのだろうと思います。自分が授業する
ことはないけど,楽しそうです。
◆2.竹田かずき「震災と〈訪日外客〉の変遷」
 東日本大震災の後の来日した外国人数を見ることで,日本の状況
が外国からどう見られているのかを知ることができておもしろかっ
たです。
◆3.田畑和徳「読むだけでたのしい!」
 やはり教材選びの大切さがわかりました。こういうふうに教えて
もらえる教育実習生は幸せですね。
◆4.四ケ浦友季「子どもたちとの幸せな記憶」
 四ケ浦さんが仮説実験授業を始めて,子どもたちとつながってい
くようすがよく分かってすてきな講演だったことが伝わってきまし
た。

●長崎平和(東京・塾講師)
◆一番よかったのは竹田かずきさんのグラフで見る世界です。震災
の時の話は身近な話題として思わず予想を立てたくなって,グラフ
を見る前に予想を立てました。ぼくも「1カ月くらいで少し落ち着
いたかな」って感覚でした。それは志らくさんと三三さんの落語会
に4月になって行けたからです。3月の落語会は全部延期になって
しまってたので,志らくさんの「長短」と三三さんの「明烏」をナ
マで聞けたときはホッとしたことを覚えてます。
フリーメイソンの話も予想外の展開でおもしろかったです。基本
的な文書がないところから大胆な予想を立てていくところがスリリ
ングでした。ぼくは歴史マニアだけど,ナントの勅令の廃止にそん
な背景があったなんて,ここももうドッキドキで読みました。「歴
史は暗記するものじゃなく推理するもの」とAKB48が出てるEテ
レの高校講座で高橋英樹さんが言ってたことを思い出しました。

●後藤和哉(徳島,小学校)
◆村岡京子さん 「すごくうれしかった話」
この記事を読んで,初任の時にした《足はなんぼん》の情景が蘇
り,「そう ,そう!」と頷きながらたのしく読ませてもらいまし
た。
ボクの時は,隣のクラスでゴキブリが出て子どもたちが「ワー
ワー,キャーキャー」騒いで逃げ回っていました。そこでボクが
「ところで足はなんぼんやった?」と聞くと,クラス全員がすごく
嫌がっていたゴキブリを探しに行き,教室には僕だけが取り残され
るということが起こりました。子どもたちがとても素敵だな〜とす
ごく感動したのを覚えています。
板倉聖宣さん「〈理性と寛容〉を目指して」
 世界史の勉強をしているみたいでした。勉強しているのに嫌にな
らない,とても読みやすい記事でした。いろいろなことが頭の中で
繋がっていく感じがしました。続きがとても気になります。

●松田心一(鹿児島)
◆一昨日だったかネットのヤフーニュースにフリーメイソンの簡単
な紹介があって,フリーメイソンが今でも続いている組織であるこ
とを知りました。
 その発足や趣旨がない不思議な組織に関する今月号の記事も,大
変関心を持たせてくれる内容でした。イギリスの名誉革命は記憶に
ありましたが,フランスの「ナント勅令の廃止」は知りませんでし
た。この二つとフリーメイソンの発足が,〈君主制と民主制を結び
つけて存続させる工夫〉でないかとの板倉さんの指摘は納得できる
ものでした。そして科学の発達に思想・信条の自由がないよりも大
切であると気づいた人たちが,寛容の精神の定着を図ってフリー・
メイソンを発足させたのではないかとの推察も十分に説得力を持つ
と思いました。ますます続きが楽しみです。
◆小川さんの「買いかぶりというイジメ」の指摘は,私の周辺でも
よくみられることで,ほんとにソウダナ〜と合点することでした。
引用されている板倉さんのお話から,子どもを買いかぶり,後輩を
買いかぶり,自分までをも買いかぶる。本当に心しなければならな
いことだと思います。それがイジメだとの指摘もハッとさせられま
した。新人の高山さんが日に日に成長される様子が今月号でおしま
いだそうで惜しい気持ちです。指導教員と新人教員とが素敵な関係
で1年間を通すことができたのは,小川さんのお人柄は当然のこと
ですが,二人の間を取り持つ仮説実験授業やたのしい授業の思想が
あったればこその成果だったのではないかと思います。
◆仮説実験授業の授業法を読み物教材に適応した佐藤さんの実践
に,とても心打たれました。自分が昔うけた国語の授業がまったく
面白くなかったことを思い出しながら,「予想読み」の方法は,道
徳の教材でも実証済みなので,国語教材でも確かめられたことをと
てもうれしく思います。職場の同僚にも紹介したと思います。
◆この1・2年ほど,鹿児島の有名観光地の訪問者やデパートでの
買い物客にアジア系の外国人がかなり多くなっている感じがしてい
たのですが,竹田かずきさんの「東日本大震災前後の訪日外客の変
遷のグラフ」で納得しました。一月ごとのデータではグラフの凹凸
が目立つので〈三ヶ月平均の数〉で描きなおし,予期せぬ大事件が
起きたときに〈見通し〉を持つことを大切な1つとしてグラフをか
いて見ることの大事さを教えてくれています。
◆「読むだけでたのしい授業」(田畑さん)は,やはり取り上げる
紙やお話の教材そのものによることをあらためて感じさせてくれる
内容です。それに『たのしい授業』で積み上げてきたちょっとした
工夫で,その教材が数倍にも楽しくなり教師も子どもも楽しさが増
すことを提示してくれる内容です。「やねのうえのねこ」みたいな
たのしい詩を,見つけ出し,紹介しあえる本誌の役割は,とても貴
重な存在ですね。
 
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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
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