〔仮説社PublicRelations〕No.194

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〔仮説社PublicRelations〕No.194
2015年6月11日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』5月号の反響(後編)
 「編集委員のおたより」を中心に

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分
をご紹介させていただいています。
 今回は,16人分のおたよりを紹介します。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年5月号「だって教科書が気になる」 ◇◇◇


●山田晃靖(福井,小,ふれあい)
 今月号は,教師生活の知恵袋といった感じで,こういう号もおも
しろいです。きっと多くの人が知りたいことだと思います。
◆(1)「フリーメーソン以前の科学者たち」板倉さんほか
 「無常識のまま時代に流された少年時代の話」に続き,戦後4年
目にして明確に持たれた研究課題は今の時代の私たちの課題でもあ
るように思います。
 「自分で考えを深め,実験しつつ,科学者同士で連帯しようと必
死で模索していたのです」……そのためには「研究の自由」と「宗
教上の寛容の精神」を熱望していたというところは,真実を探求す
るには欠かせない背景であることがよく分かります。やっぱり,
「科学」は「教科の理科」以上のものであることを再認識しまし
た。
◆(2)「朝の時間の過ごし方」佐竹さん
 周囲に人がいない朝の時間は考えることができてやっぱり有効で
すね。優先順位のつけ方,定時に帰るための工夫など,参考にした
いことがいっぱい。
 生徒さんたちに「朝の時間の過ごし方−自分の場合−」を書いて
もらってもおもしろいと思います。
◆(3)「ボクの時間の使い方」小沢さん
 やっぱり早朝の時間が一番自分の時間になりやすいですね。疲れ
すぎたり事務仕事に忙殺されていると楽しい授業の準備をするゆと
りも生まれません。
◆(4)「中学数学での教科書・ノートの使い方」山田さん
 「教科書の練習問題は,授業中にはなるべくやらない」とは大胆
な,と思いましたが,問題集にあるからということと時間の節約と
いう理由があることで納得。仮説実験授業の時間の確保のためと子
どもたちができるようになることを主眼に置いており,すっきりテ
ンポよく授業が進み,いいと思います。子どもたちの感想も知りた
いです。
◆(5)「子どもが歓迎する〈あっさり読み〉の授業」木下さん
 パターン化のすばらしさを感じ取れた記録でした。先生があれこ
れ言わなくても,発表する,聞き合うことで,共感が生まれる
「あっさり読み」はおすすめですね。
 実験のできない国語での読み取り授業で,特に研究授業で行なわ
れている,子どもたちに発表させ,話し合わせ,集束させていくの
は,無理があると感じました。
 国語でも,だれでもできる授業はありますねえ。
◆(6)「日本の教師は働きすぎか」由良さん
 やっぱり日本では授業と授業準備にかけることのできる時間がか
なり低いですね。「授業をするにはかなりの準備時間が要る」こと
が知られていない気がします。
◆(7)「〈原子〉との素敵な出会いの機会を!」小原さん
 押し付けにならないように細心の注意を払いながら,先生たちに
仮説実験授業の成功体験を味わってもらい自主的・自発的に取り組
んでもらえるようになった実践記録は,指定校研究の在り方に示唆
を与えます。
 先生も子どもも,楽しさ,やりがい,成功体験,感動がやっぱり
大切です。
 以下,興味深かった論文です。
◆(8)「イキオイをつけて跳ぼう」郡さん
◆(9)「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」池田さん
◆(10)「成層圏で日食を見た!」坂井さん

●高木仁志(愛知・街角かがく倶楽部:瀬戸)
◆3月の28日と29日の二日間,久しぶりに「東日本たのしい授業
フェスティバル」に参加しました。それで,実行委員会代表の福島
昭雄さんのその「報告文」を読みながら,あらためて仮説実験授業
研究会の「夏の大会がこの同じ会場で開かれる」ということに,あ
る感慨を感じています。
 東京での開催が初めてということもあり,今は「いったいどんな
会になるのだろう」という未知の“楽しさ”を楽しもうという気持ち
が大きいです。しかし,今の国内外の“平和”に関する雰囲気がどこ
か不安定な感じが漂っていることに対して,ボク自身にはある「問
題意識」が働いています。それで,この4月から「“仮説実験的認
識と平和”リレー講演会」というものを開かせてもらっています。
幸い,その第1回目の吉田秀樹さんによる「ギリシア史研究」の会
は26名の参加者を得て,二日間にわたる熱心な討議とともに,有
意義に終えることができました。また,その会に向けて作った吉田
秀樹さんの『ミョウバンと原子論の誕生』という本(A5版250
ページ,1200円)も満足のいく仕上がりで順調に手にしてもらえ
る人も増えて来ていることが嬉しいです。
 引き続き6月には「渡辺規夫さん」の会を6・7日の土日に,そ
して27日・28日の土日には多久和俊明さんの講演を予定すること
が出来ています。一人でも多くの方のご参加を期待しています。
 こうして,「言葉」や「思想」というものを大切に考える会の開
催意義が日増しに大きくなっていくことを実感しながら,その
「フェスティバル」の会場を後にして帰ろうと外に出たところ,そ
の会場入り口のすぐ脇に意外ななつかしい“ブロンズ像”と出会うこ
とができました。
 それは,長崎の平和公園にある,あの右手を上に,そして左手を
横に伸ばした“平和記念像”のミニチュア版(高さ3mほど)でし
た。ボクは小学校6年生のとき,その長崎の“平和記念像”の前でク
ラスの記念写真を撮ったことを,今でも忘れないのです。以
来,“平和”というものの大切さを子どもなりに考えさせられるきっ
かけとなった体験だったのです。
 この夏,全国の仲間と会えることと同時に,またその“平和記念
像”と再会できることも楽しみにしています。
 今回は福島さんの「フェスティバル報告」にのみ反応した文とな
りましたが……。夏の大会会場前に「長崎の“平和記念像”のミニ
チュア版」が立っていたことにちょっと感動してしまったものです
から。

●小田富生(和歌山,無職)
 2年目の米作りが始まっています。水害の後の田んぼで,昨年は
石拾いから始まった米作りですが,今年は順調です。来週には田植
えができそうです。
◆さて,坂井さんの「雲の上で見る皆既日食」は,「凄い」の一言
です。皆既日食を求めて,上海,オーストラリア,そして飛行機
で!天気に左右されず,最高のコンディションで見ることのできる
ダイヤモンドリング,これがあるからやめられないのでしょうね。
◆木下さん,◆飯塚さん,◆松本さん,◆山田さんの今月号の特集
は,若い人たちにとってすごく参考になる内容だったように思いま
す。仮説実験授業をするために教科書とどう付き合うかは重大な問
題です。教科書が気にならない人もいれば,すごく気になる人もい
ます。最近は,統一学力テストなどの影響で授業の自由度がかなり
狭められています。タイムリーな特集だったように思います。

●市原靖隆(熊本・中学理科)
 5月号では,教科書が特集されており「そうそう」と納得しなが
ら読みました。
◆ノートに書き写す事が勉強だと思っている生徒が多いし,まとめ
ながら覚えるメリットもあるので「線引き運動」だけでなく板書も
大切だと思っています。そんな中,山田岳史さんの「中学数学での
教科書・ノートの使い方」具体的で良かったです。私もここ2年ぐ
らい,授業後の板書を携帯で撮っています。自動でMacBookに転
送されるので振り返りに便利です。
◆また飯塚英正さんの「ぼくの教科書授業のやり方」は,私(51
歳)にも共感が持てました。私も前時の学習内容を,確認するため
のテスト(毎回5問)を始めました。
 以前,二階堂さんが,ゆとり教育(総合的な学習他)のおかげ
で,不登校や校内暴力が減少したことをグラフで示されていたと思
います。現在は授業時数と内容が増え,「全国学力調査」や「県の
学力調査」での得点競争が激化しつつあります。おそらく,不登校
や校内暴力も増加してくるでしょう。そんな中で「たのしい授業」
は,絶対必要です。
◆坂井美晃さん「成層圏で日食を見た!」
 知らないことがたくさんあり楽しめました。(^^)
◆平尾二三夫さん「消しゴムで原子スタンプをつくろう」
 65pの消石灰の化学式はCa(OH2)ではなくCa(OH)2だと
思います。内容はとても良いです。(^_^;)
◆池田毅司さん「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」
 日本の常識は,あくまで日本だけ。文化の違いを理解するために
も,外国のことを知っていると柔軟に対応できそうです。
 うちの学校はタイの中学校と交流をしているので,「あるもの・
ないもの」という視点で比較するのが一つの束縛になって,とても
良かったです。視点が定まると,違いも見えてきますね。
◆由良文隆さん「日本の教師は働きすぎか?」
 予想通りの結果でしたが,第1位とは…。それにしても授業・教
材研究に当てる時間が少ないというのもなんとなくわかる気がしま
す。
◆グリーンページ,七里有三,綾乃さんの「Into the World」
 前号から楽しく読ませてもらっています。すごい体験をされてま
すね。綾乃さんの視点も面白いです。

●岡田克己(神奈川・小,校長)
◇今月の「だって教科書が気になる」というテーマがとてもよかっ
たです。
 その昔は,「教科書で授業」というと,創意工夫のない授業の代
名詞で,熱意のある先生は,意地でも教科書を使わないで授業をし
ていたものです。が,昨今「教科書も満足に教えられないのか」と
言われ,まずはしっかり教科書を教えることが大切と思われるよう
になったみたいです。
 実際,独創性を気取って教材をいじくり回すよりは,しっかり教
科書に沿って授業をした方がいいことだってあります。
 とはいえ,しっかり教えようとすると意外と時間がかかり,教科
書会社の配当時間で終わることがなかなか難しいという実態もあり
ます。そこで,どう教科書を料理したらいいかというところに知恵
が必要です。
◆飯塚英正「ぼくの教科書授業のやり方」
◆松本敏子「小学校・理科をするときのほんのちょっとした知恵」
◆山田岳史「中学数学での教科書・ノートの使い方」
……は,とても参考になりました。
 ある意味,大胆な活用の仕方。でも,こういうつきあい方は昔か
らの秘伝という感じで,正面切って語られなかったと思います。こ
れから,思い切って教科書に向かえるのではないかと思います。
◆郡 進「イキオイをつけて跳ぼう」
 教科書以外にも,時間,同僚,そして自分,これらも折り合いを
つけていかなければならないので,その辺のもやもやは,この郡さ
んの文章で整理すればいいのだと思います。
小原茂巳「〈原子〉との素敵な出会いの機会を」
 新しい科学教育の流れがいよいよやってくる,という期待感を感
じました。若い先生,60代の先生,それぞれがたのしく教えてい
る姿が,とても新鮮でした。

●木村 寛(鹿児島・中学校理)
◆5月号で1番良かったのは,小原さんの「〈原子〉との素敵な出
会いの機会を!」です。
 1年前に習った「原子論」を使って《三態変化》の問題を考える
ことができた海星君,拍手です。そして小原さんの最後の「感謝の
言葉」も感動的でした。
◆「フリーメイソン以前の科学者たち」板倉聖宣さん,多久和俊明
さん,実藤清子さん
 キリスト教の弾圧にも関わらず,当時主流だった〈アリストテレ
スの力学〉に正面から対立する〈原子論的な力学〉を築いた科学者
たちの存在に感動しました。
◆「ぼくの教科書授業のやり方」飯塚英正さん
 教科書授業で毎時間テストをするやり方でいいですね。しかもプ
レテストまでして……。
◆「日本の教師は働きすぎか?」由良文隆さん
 1週間当たりの勤務時間が世界トップなのに,鹿児島では今年
10月から月に1回の土曜授業が復活します。どうせ復活するなら
「楽しい授業」ができる時間になればいいのになーと感じます。
◆「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」池田毅司さん
 誰一人として先生に怒られている姿を見なかったというのがすご
いですね。校則もなく授業の時間もまちまち,部活もない。国が変
わればこんなに違うのですね。

●太田一郎(熊本・小学校)
◆「子どもが歓迎する〈あっさり読み〉の授業」(木下富美子)
 漢字はマッキーノでドリルしますが,教科書を教えるのは,なか
なか楽しくはできません。最近,担任をしていないので国語をする
ことはほとんどないのですが,点丸読みもそうですが,こんな記事
が出ると子どもたちの笑顔が予想できるので,子どもたちと一緒に
やってみたいなあと思ってしまいます。
◆「ぼくの教科書授業のやり方」(飯塚英正)
 僕は,理科専科の時,マッキーノをして,その言葉の意味を見な
がら,その言葉をそのまま書いてもらうというテストをしていまし
た。これも小テストになるのかな。新しい言葉がどんどん出てくる
ので,自信を持ってもらうためにマッキーノに出てくる言葉の説明
用紙とテスト用紙を同時に配り,マッキーノを書き終えると練習
(テスト勉強)の時間にしていました。そして,マッキーノを4〜
5回したら,テストをします。だから,かなりいい点数をほとんど
の子が採っていました。同じテストを何回もやるというのは,とて
もいい方法だと思います。要は,覚えてもらい,自信をつけてもら
えればいいのですから。
◆「小学校・理科をするときのほんのちょっとした知恵」(松本敏
子)
 知らなかったことがいくつか出てきて,よかったです。石灰水や
ヨウ素液の作り方や色水の吸い上げ実験など,そういう方法がある
のかと思いました。それから,教科書をするときに特に助かったな
あと思うのは,NHKの動画です。本当に使い勝手がいいと思いま
す。たくさんあるので,どれを選ぶかに悩みますが……。
◆「イキオイをつけて跳ぼう」(郡 進)
 郡さんが書いているように,「〈教科書にあることを教えるのが
仕事〉と考える教師が多数派で,〈現場ではそういう雰囲気が以前
より充満している気がする〉」というのは,僕も感じます。子ども
中心主義で考え,行動する教師が減ってきているのかなあ……。子
どもの笑顔が自分の喜びになってほしいですよね。仮説実験授業が
外国で評価され,逆輸入されて広がるというのも,主体的な選択に
はならないと思うので,郡さんと同じようにぼちぼち確実に歩んで
いきたいと思います。
◆「フリーメイソン以前の科学者たち」(板倉聖宣,多久和俊明,
実藤清子)
 その当時の科学者たちがコペルニクスの地動説を支持していて,
その背景として原子論が当然のこととして受け入れられていたとい
うことがよく分かりました。しかし,キリスト教の考えが支配する
中世においては,そのような考えは危険思想であったということで
すから,今後のフリーメイソンの話の展開がますます楽しみになっ
てきました。フリーメイソンの人々は,どうやって原子論をはじめ
とした科学を守り発展させようとしたのでしょう。
◆「〈原子〉との素敵な出会いの機会を!」(小原茂巳)
 東京都理科フロンティア校として《もしも原子が見えたなら》を
中心に仮説実験授業の実践が認められていく様子が伝わってきて,
とてもうれしかったです。それにしても,《三態変化》での原子論
を使っての海星君の発言がすばらしいです。原子論のイメージを豊
かにすることが,どれほど大切で重要なことか。そうした認識が普
通のこととして広まってほしいなあと思います。
◆「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」(池田毅司)
 国が違うとすごく違うなあと思いました。背景に子どもを信頼し
て本当の意味で任せていくという大人の姿勢があるのでしょうね。
日本は,大人があまりにも心配性で,先回りして子どもにとってよ
くないと考えられることを排除していく国民性なのかなあ。郡さん
が書いているような「みんな一緒で当たり前,違っていると居心地
が悪い」という日本の常識も影響しているのでしょうね。
◆「日本の教師は働き過ぎか?」(由良文隆)
 もちろん,働き過ぎですね。不満を表に出すことなく(周りのグ
チはたくさん聞きますが,表には出ませんね),よく働いているな
あと思います。由良さんが書いているように,学校全体が授業を中
心に取り組めるようになったら,もっと楽しくなるのになあと思い
ます。また,教師に余裕が出てくると,大切なことは何かというこ
とについても,主体的に自分の頭で考える人がたくさん出てくるよ
うな気がします。

●中村 文(福岡・小学校)
◆「あっさり読み」の授業(木下さん)
 私,ずっと前から言っていますが(先月の感想にも書きました
が)国語嫌いです。根底にある苦手意識はなかなかぬぐえません。
指導書みてもさっぱりです。「読みのめあて」を立てる,問題提起
の文を見つける,作者の気持ちを読み取る…なんてどうやっていい
のかさっぱりわかりません。しかも,しつこく聞かれてうんざりし
ちゃうし,的外れな事を言ってしまって「あれ? あたしなんかま
ずいこといったかな?」とドキドキすることだってありましたし。
 木下さんのように,「さらっと読んで終わり」というのは真似も
しやすいし,ポイントも押さえていてわかりやすい授業の進め方
だーって思いました。だって,熱心になればなるほど子どもも私も
きつくなってしまうんです。
 国語に関してはどうしても,そういう「しつこく問いただす?」
という先入観が消えないのです。
 木下さんの資料の,「ひとこと感想が物語の山場に多い」という
のがおもしろいなぁって思いました。また,感想を書くときのポイ
ント(視点?かな?)を事前に伝えておくと,子ども達も書きやす
いですよね。
 同じパターンで授業を進めるのは,子どもも私も見通しがつくの
で安心できる進め方だなぁと思いました。
◆中学数学での教科書・ノートの使い方(山田さん)
 実は,中学校の授業の進め方は個人的に興味がありました。
 小学校は結構こちらがうまく時間調節したら,空き時間ができま
す。たとえば,単元10時間のところを,6時間で終わっちゃった
りすることもあります(笑)が,中学校って教科担任制じゃないで
すか?入試もあるし。そう考えると,「どうやって時間を確保して
いるんだろう?」と思っていたんです。
 「要するにこれは」の補足説明,たしかに必要ですよね!絶対値
の言葉で,「0からある数までの距離」と言われても,正直イメー
ジがわかないですが,「+や?の符号をとった数字」となると,
「あーね!」ってなりますもん。
 算数の授業って(地元に帰って知った?というか,これが基本な
のかどうかもわからないのですが),「問題→見通し→めあて→解
く→まとめ」みたいな流れがあるんですよね。小学校だけなのか
な??
 一応,私,形だけまねしていますが,ものすごくさらっと授業を
進めている気がします。あと,教科書に書きこみ欄があるので,そ
こに書いてもらうなどしていますね。ノートに書かない!みたいな
感じです。板書や問題を書くとものすごく時間がかかるので…。
 山田さんも時間をうまく使って教科書授業をされているんだなぁ
と思いました。
◆イキオイをつけて跳ぼう(郡さん)
 郡さんの資料は「そうそうそう!!」と心の中でうなずきながら
読んでいました。
 私,周りと違うことをしていて非難される経験をしたこともある
ので,今では「私楽しい!楽しい!!」という雰囲気は出さずに,
ふつーでいようと心に思いながら過ごしているのです(が,どうも
いろんな人に「なんか違うことをやっている」と知られているよう
です)。それでも,最近は,私より若い先生と組むことが多いの
で,結構「こういうのはあるよ〜」と授業プランなどを紹介する側
になったということもあります。一応,同学年には「こんなこと
やってるよ!」と軽く?伝えますが,興味をもたない先生もいます
ので,そのときは強く勧めないですね。
 だって私,どうして仮説をするようになったか?というと,初任
校で飯田信弘さんに教えてもらって,自分が実際にやってみて「楽
しい!」となったからだもんなぁ。「自分がやってみてたのしい!
だからもっとやりたい!!」みたいな感じです。特に何も考えてな
かった?と思います。
 やり始めていくうちに「教科書・時間・同僚」のハードルがきつ
い時期もあったけど,それでも今も仮説をやっているのは,やっぱ
り「授業で子ども達とのたのしい時間が過ごせることを,私が楽し
みにしているから」でしょうね。
フリーメイソン以前の科学者たち(板倉・多久和・実籐さん)
 今回はですね,なぜ今フリーメイソンの資料がこうやって連載さ
れているのか?というのも,何となく自分の中で「今の社会情勢が
関係しているのかな?」とも思っちゃうんですけども,でもそれは
まだふわっとしたイメージなので,文章に起こせません。
 「キリスト教信仰が絶対」という中で研究を続けていた科学者達
というのは,ものすごく困難だったんだなぁとは思いました。
 私,よくわかってないのですが,たとえば,職員室では明らかに
私少数派だとは思うんです。今の学校は結構自由なのですが,以前
は〈共通理解〉や〈足並みそろえる〉など雰囲気の中で,私,足並
みそろえてなかったですもんね。
 だけど,今,それなりに自分の意見を言えているし,強烈なバッ
シングを受けないのは,それなりに職場の人たちと人間関係ができ
ているからか?とも思うし…。あれ,それとフリーメイソンは違う
かな??あ,ごめんなさい。
◆〈原子〉との素敵な出会いの機会を(小原さん)
 《もし原》が「とてもやりやすい授業書」と紹介されているとこ
ろにびっくりしました。私,《もし原》って敷居が高いのでは?と
思っていたんです。でも,小原さんが言うように「お話中心」で読
み聞かせみたいですもんね。
 そうそう,私の大学時代の後輩であゆみさんという人がいるんで
すけど,私がSNSで《もし原》や授業の事を結構書き込んでいた
んです。そうしたら,『もしも原子が見えたなら』の絵本を読んで
みたくなったみたいで,お子さんに読み聞かせしようと思って図書
館から借りてきたらしいんです。
 自分のお子さん(当時は幼稚園の年長さん)に読んで聞かせた
ら,読み終わった後に「これも原子?」「(水をみて)あー!赤パ
ンツ!!」と言ったり,原子分子の絵を描いていたりしたそうで
す。友達もびっくりしたみたいなんですよ。その年のクリスマス
に,仮説社からモルカを買ったらものすごく喜んだみたいで,ずっ
とモルカで遊んでいたそうなんです。その後,幼稚園の先生にも原
子分子の話をしてたということを,あゆみさんから教えてもらいま
した。
 ですから,《もし原》の授業は,読み聞かせのつもりで授業を進
めてもらえればいいという文章を読んで,あゆみさんのお子さんの
事を思い出しました。
 確かに,《もし原》の授業はお話中心だし,お話聞いて色塗りを
して楽しめますもんね。毎年,「《もし原》が一番楽しかった!」
という感想も聞くので,低学年も高学年でも楽しんでくれる授業書
だと改めて思いました。
 小原さんの原稿から,先生達が子ども達とたのしく授業をされて
いる様子が伝わってきました。私もこの間まで《もし原》を6年生
にしていたので,読みながら「ここの反応,うちのクラスでもあっ
たなぁ」とか,なんども思いました。水を紹介するとき,ほんと子
ども達が「きゃー!!」って叫びますよね。その様子をみている
と,「かわいいなぁ★」と思っちゃいます。
 東京都の「理科フロンティア」みたいなこと,全国で取り組んで
ほしいなぁ。

●北村知子(群馬・中学校,理)
◆小原さん「原子との素敵な出会いの機会を!」
 よくぞ教育委員会が関わっている〈理科フロンテシア校〉の取り
組みで〈原子・分子〉を目玉にし,2年もやったものだなあ,羽村
市やるな〜と思いました。そして,20代の先生や60代の先生の授
業の様子を知り,すごく感激しました。
 小原さんのソフトな人あたりがいいのは間違いないけれど,《も
しも原子が見えたなら》の授業書がそれだけ素晴らしいのですね。
 参考になったのは……
◆飯塚さん「ぼくの教科書授業のやり方」
◆山田さん「中学数学での教科書・ノートの使い方」
◆郡さん「イキオイをつけて飛ぼう」
 仮説実験授業に興味はあるけれど,ちょっとなあ,と迷っている
人にぜひ,読んで欲しいです。
 中学では同じ学年の授業を複数でもっていて,テストは共通でや
らなければいけないので教科書をそれなりにこなさなければなら
ず,うまく世間を渡っていくには大変参考になります。
 興味津々で読んだのは……
◆坂井さん「成層圏で日食を見た!」
 私も,2009年種子島へ,2012年オーストラリアのポートダグ
ラスへ日食見たさに出かけたので,すごく興味がありました。次に
行こうと考えているのは2017年のアメリカです。砂漠に行こう
か,坂井さんみたいに飛ぼうか,選択肢の1つになりました。
◆池田さん「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」
 実は私の家は,スウェーデンハウスです。ですから,大変興味深
く読みました。
 私が過去に勤めていたシドニー日本人学校には各学年に1クラス
ずつオーストラリア人のクラスがありました。
 そこでの体験や現地校を見せてもらったりして思ったことは,日
本の学校はクラス全体での授業が優れているということです。そん
な中でも仮説実験授業はクラス全体で1つの問題に取り組みながら
もクラスの多種多様な意見を交流させて最後に実験で決着をつけ
る,大変すばらしい授業だと思います。
 最後に……
◆小沢さん「ボクの時間の作り方」
 興味がいろいろあって自分の時間が欲しい〜という私にピッタリ
の内容でした。
 ただ,私も朝5時に起きていますが,起きてから洗濯,弁当と朝
食作り,学校に行って朝練(30分走る)で8時になってしまいま
す。でも通勤で車を運転している45分はラジオ英会話,ラジオド
イツ語講座,ラジオスペイン語講座を聞き,30分走っている間は
授業のことを考えているので結構自分の時間になっているかな〜。

●宮本明弘(海外科学授業)
板倉聖宣ほか「フリーメイソン以前の科学者たち」
 板倉さんの「私にしても戦争/軍隊を直接体験したわけではな
く,いまだにこの戦争のことがよくわかっているとも思えないので
す」
 板倉さんでもそうなの?とても頭が動きます。読んでいて,最後
に「ガリレオがリッチについて,古代ギリシアアルキメデスの機
械学を学んだことは,ガリレオにとって幸運なことでした。〈アル
キメデスの浮力の理論〉と古代ギリシアエピクロスの原子論を
知った彼は,当時の大学で主流だった〈アリストテレスの力学〉と
正面から対立する〈原子論的な力学〉を築くことができたからで
す」
 ここの部分がとても気になりました。「機械学」」とか私は初め
て知りました。ついつい文章の一言一言が気になって調べていまし
た。とても,興味がつきません。今回も,とても満足しています。
◆平尾二三夫「消しゴムで原子スタンプをつくろう」
 《もしも原子がみえたなら》をやるときにぴったりな図工って感
じです。もちろん,その前に先生がたのしんで作ってしまいますよ
ね。どんどんノートなんかに押してあげる。とってもたのしそうな
教室の様子が目に浮かんできます。私にはスタンプを押してあげる
相手がいないので,年賀ハガキなんかに押して出してみようかなと
思います。本当たのしそうです。
◆佐竹重泰「朝の時間の過ごし方」
◆小沢俊一「ボクの時間の作り方」
 みなさん,たのしく教師生活をおくられているのがいい。朝早く
起きて自分の時間を作っている。
 以前校長さんに「朝早く学校に来るだけでいいことがあるよ」と
言われたことがありました。教室がたいへんだと,なかなかそんな
気にもなれないのですが,そう言われてちょっと実行してみまし
た。
 子どもたちのまだいない朝の静かな教室で一人準備。とっても心
が落ち着きました。「早起きは三文の徳」と言う諺がありますが,
まさにその通りを実感しました。同僚の先生は,教室に本格的なス
テレオのセットを持ち込んでクラシックを聴きながら仕事をすると
聞き,それも真似したくなりました。私は,音楽の時間に使うよう
にとクラスに割り当てられた学校のカセットデッキで我慢しまし
た。それでも十分満足でした。
◆郡 進「イキオイをつけて跳ぼう」
 はじめ表題を見て,しかもハードルのカットが横にあったので,
体育の話なのかなと思ってずーと読んでいました。最後の最後まで
そう思って読んでしまいました。
 ……そうだったんですね。よく見ると見出し横のカット,先生が
ハードルを飛び越えていました。イキオイをつけて自分のハードル
を飛びこそうと言うわけなんですね。それも最終的には「ま,ぼち
ぼちいこか」という気持ちでね。
 そうですね。自分で決断しないと責任とれませんからね。自分の
責任の取れる範囲で行動するしかありません。でも,仮説へ一歩踏
み出してくれることを歓迎します。声かけてくれたらなんでも相談
にのりますよ。いっぱいしゃべります。きっとまちがいないと思い
ますよ。でも,それを選択するのはあなたですから。もちろん,学
年でやれるようなら,どんどんいろんなものを紹介します。授業書
の印刷もOKです。学年会計で購入できるものはどしどし買いま
しょう。……そんな気持ちで,いつも私は接してきました。若い先
生にいろいろ聞かれるのって,とってもうれしいことですからね。
◆松本敏子「小学校・理科をするときのほんのちょっとした知恵」
 とってもいい知恵です。知らない人にはほんとう,参考になると
いうか助かります。わたしも,理科専科の先生に「石灰水の作り
方」を聞かれて慌てたことがあります。あれって何だったっけと自
信がありませんでした。そもそも,修学旅行で山口県秋芳洞とい
石灰岩でできた洞窟へ入ったとき,中を流れている川に魚が泳い
でいた。え,これって石灰水じゃあないの。アルカリがキツクて大
丈夫なの?なんて当時わけのわからない心配をしてたくらいですか
ら。今は,もうそんな心配はありませんが…。それから,ヨウ素
を作るときもいろいろ調べました。ヨウ素の単体が瓶に入っていた
ように思います。ちょっとした知恵が,ある人にとってはとっても
大きな知恵なんです。
◆七里有三&綾乃「Into the wildそしてボクは仮説実験授業と出
会った」
 今回も面白かったです。次回は,高校から小学校の先生になった
辺りのお話が読めたら個人的にはうれしいです。きっと,小学校の
先生の方がたくさん仮説がやれるからと思うのですが。なぜ,高校
の国語の先生なのかも教えてほしいです。よろしく!
◆カルトクイズにこたえます。  臨時増刊号はこれまでに
    イ.50冊ぐらい
と予想しました。
 仮説社のホームページには「臨時増刊(27)」とありました
が,選択肢の数と合いません。ですから,その倍の50冊ぐらいは
出版されたのかなということで,今回はカンです。
 ちゃんと本を整理していれば,こんな問題簡単なのでしょうが,
今現在,本とともに部屋の中を整理整頓中です。奥さんの至上命令
がでていますから。

●林 純一(京都・高校・大学講師,理)
◆(1)小原茂巳「〈原子〉との素敵な出会いの機会を!」
 小原さんの「理科フロンティア校」での取り組み,楽しみに読み
続けています。《もしも原子が見えたなら》を通じて,若い先生方
がたのしく授業に取り組むようすがうれしいです。きちんとした成
果が上がると自信を持って授業に臨めますね。
◆(2)海猫屋さんの広告
 今年の科学技術週間の「一家に1枚」シリーズは「くすりの形〜
化学構造式を楽しいアートに」ですが,そこに出てくるいろいろな
くすりを「分子模型」にして見せてくれています。ちょっと作って
みたいなあと思いました。
◆(3)坂井美晃「成層圏で日食を見た!」
 口絵の写真もきれいでした。坂井さんのツアー参加記は臨場感が
あっておもしろかったです。
◆(4)由良文隆「日本の教師は働きすぎか?」
 これに関する記事を新聞で読んだ気がしますが,元のデータにあ
たってきちんと比較検討するのはいいなと思いました。これを見る
と,授業とその準備のための時間が短いというのがとても気になり
ます。それに比べて部活動の時間が異常に長いのも問題だと思いま
す。
 そういえば,新人紹介の場で「部活動の指導に全力を挙げたい」
と挨拶する人がときどきいて,「おい,それは違うだろう!」と
ツッコミを入れたくなります。でも,そんな意識で教員になろうと
する人が結構いるんだとすると,それも日本の教育の問題点の1つ
なんだと思えますね。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
 5月号で良かった記事は……。
板倉聖宣ほか「フリーメイソン以前の科学者たち(連載の3)」
 板倉先生の戦争中の話からはじまる今回,「やはりそこに来た
か!」という感じでした。いかにしてデマ宣伝に惑わされないでい
られるか。意見が分かれることがいけないかのような,多数決派に
は従わなければならないかのような風潮が何となく感じられる昨
今,今こそこの研究が重要なカギを握っているような気がします。
 それとフリーメーソン成立以前の科学者たちがネットワークを
もっていたことにも納得しました。科学は聞いてくれる人があって
こそ発展するのですね。
小原茂巳「〈原子〉との素敵な出会いの機会を!」
 この文章もよかったです。若い人,ベテランにかかわらず同じよ
うな成果が出る。授業書のすばらしさが証明されています。この研
究に関わった先生たちが「私が授業をたのしくやれました」とか
「子どもたちが喜んでくれたので,私,びっくりしました」という
感想をもったのもすばらしいです。普通こういった指定校に選ばれ
ると,「終わってよかった」というのが一番の実感です。しかし,
何よりも自分がたのしい,しかもその理由が授業の内容や子どもた
ちの姿だというのですから。教育長さんが言われるように全国に広
まって,当たり前の授業になるといいですね。
◆「(グラフ)日本の教師は働きすぎか?」由良文隆
 ボクの学校でも先生方がとても遅くまで残って仕事をしていま
す。「どうしたら,もっと早く帰れるようになるか」といつも考え
ていますが,これといった妙案は浮かびません。それなので,この
記事もとても興味深く読みました。
◆池田毅司「スウェーデンの高校にあるもの・ないもの」
 ところ変わればというのは,何となく分かっていますが,ボクら
が「常識」と思い込んでいることも,そうでないことも結構あるの
ですね。だから,「これは絶対に譲れない」ということだって,改
めて考え直してみると,たいしたことでない場合もあると思いま
す。つまらないことで,子どもたちや自分を苦しめるのはやめよう
と感じました。

●荒川康夫(小学校1年担任)
 5月号は,「教科書とどう付き合うか」という方法論がいっぱい
でした。印象に残った記事は次の4つです。
◆木下富美子さんの「あっさり読みの授業」
 無理に意見を出させることなく,場面ごとに考えのある人を募っ
ていく,そして短冊に意見が残る。意見をはった模造紙もとってお
いて,最後まで使う。これはお薦めのプランかもしれません。文字
が書けない1年生では今のところ実験はできませんが,ひらがなを
覚えた2学期にはできるかも。やってみようかなと思いました。
◆松本敏子さんの「小学校・理科をするときの〈ほんのちょっとし
た知恵〉」
 理科の専科をするとき以外でも,理科ではやたらと専門的な知恵
がないとできないものが多いです。それをふわっと教えてくれてい
いガイドだなあと思いました。
◆佐竹重泰さんの「朝の時間の過ごし方」
 子どもが来る1時間も前ならば,ずいぶんいろんなことができま
すね。同僚があんまり来ていませんし,子どももいないので気兼ね
なく仕事をすることができます。そして定時に退勤。いいですね。
マネしてみたい。
小原茂巳さんの「〈原子〉との素敵な出会いの機会を!」
 授業記録を読んでいるようで楽しかったです。授業をする先生た
ちも一緒にたのしんでいましたね。見る人たちも同様です。そうし
て分子原子の教育が広まっていく,そんな感じのする素敵な時間を
過ごせて羨ましいです。小原さんが自然と涙ぐんでしまうのも納得
できます。いいお話でした。
板倉聖宣さんの「フリーメイソン以前の科学者たち」
 フリーメイソン以前の科学者がどうしていたのかは気になるとこ
ろです。ブルーノが火炙りの刑に処せられるなどの恐怖の中,それ
でも真理はガリレオなどによって追究されていたのですね。アラビ
アのイスラム教徒によって僅かに伝えられていたアルキメデスの理
論などを頼りに原子論を基本に考え出されたものでした。これをガ
リレオに教えたのが大学の教授でもなんでもない科学愛好家という
ところが面白い。これからのガリレオの研究の連載が楽しみです。

●池田修二(神奈川,小学校)気になった記事を送信します。コメ
ントは後日送信します。
◆(1)「ほんのちょっとした知恵」松本敏子さん
◆(2)「日本の教師は働きすぎか?」由良文隆さん
◆(3)「スウエーデンの高校にあるもの・ないもの」池田毅司さん
◆(4)「中学数学での教科書・ノートの使い方」山田岳史さん

●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆木下富美子さんの「子どもが歓迎する〈あっさり読み〉の授業」
 何度か,本人からお話は聞いていました。ここまでやり方がわ
かってくるといいです。誰もできそうな気がします。読みの授業は
本当に難しいところがあるので,誰でもがこのようにやればいいと
いうものがあると助かります。
 「たとえ教科書のものであっても,自分がこれがいいと選んだ教
材で行なう」というのがよかったです。あきらかにおもしろくない
というものでは,教師自身のテンションがあがりません。「《花と
実》の授業書の中のお話は,とても長くても歓迎された」とのこと
ですが,私も同感です。同じようなことが何度もありました。
 私の友人も,「このやりかた,よかった」って言っていました。
「わかりやすいよね」って言っていました。よい教材で,たのしく
あっさりといきたいです。
◆松本敏子さんの「(小学校理科をするときの)ほんのちょっとし
た知恵」
 これはとてもよかったです。なぜかというと,こういうちょっと
したことで困っている人がたくさんいるからです。下手に教科書教
材の参考書?を読むと,あれもこれもしなければいけないとなって
しまうので,余計にやる気がしなくなります。しかし,このように
言ってもらえると,自分がしてみようと言う気になります。
 私も,テレビを活用することがあります。NHKの番組は,見や
すいので,それもありかもしれません。
 インターネットの活用は,十分注意が必要です(適当に言ってい
るものも少なくないので)が,確かめるにはいいと思います。確認
のために検索したものは,3〜5つぐらいのサイトを見た方がいい
かもしれません。
 「ちょっとした知恵」,これがけっこう役立つんです。特に理科
専科になると,やりたくないなと思っても,抜かせないようなとこ
ろも出てきてしまいます。「たのしい授業」や「仮説実験授業」を
するためにも,そういうところをたのしく乗り切れるとうれしいで
す。とても役立ちました。
◆佐竹重泰さんの「朝の時間の過ごし方」
 おもしろいですね。こういう過ごし方があるとは。私は,若い時
は,毎朝子どもたちと運動していました。朝から走ったり,なわと
びや一輪車の練習をして過ごしていました。雨の日は,体育館で
サーキットトレーニングをしたり,パソコンルームに行ったり,常
に子どもたちと何かをすることを目的として過ごしていました。し
かし,年をとってきてからは,それは激減しました(笑)。
 佐竹さんの優先順位の話など,たいへん役に立ちます。未だに悩
んだりしますので。また,「教科書通りでも,指導書通りではあり
ません」というところが,ポイントです。同感です。
 その他,
◆郡 進さんの「イキオイをつけて跳ぼう」
小原茂巳さんの「〈原子〉との素敵な出会いの機会を」
がよかったです。
◇「だって教科書が気になる」というテーマはおもしろかったで
す。他の教育雑誌ではあり得ないものです。仮説実験授業・たのし
い授業学派の方々ならではです。教科書はあてにならんとは言いた
いけれども,国語や算数ではそうも言っていられません。理科だっ
て,仮説実験授業だけしているというわけにはいかない場面も出て
きてしまいます。
 あくまでも,「たのしい授業がしたい」,いろいろなことを少な
くとも「きらいにさせない」ような工夫は大事です。そういう意味
でも,こういう特集があってもよかったと思いました。

 編集委員ではありませんが
●松田心一(鹿児島,中学理科講師)
◆板倉さん他の「フリーメイソン以前の科学者たち」で,ギルバー
トがブルーノの処刑を憤っていたこと,また彼らとステヴィン,ケ
プラー,ガリレオたちがコペルニクスの地動説を支持し,手紙や本
で情報交換をしあっていたことを知り,とても感銘を受けました。
 板倉さんが訳されたギルバートの『磁石論』の序文は,ブルーノ
の処刑に憤ってた内容であったとは気付きませんでした。訳本が出
版されたときに一度は読んでたはずですが,全く覚えていませんで
した。お恥ずかしいです。目的・意識的に読んでないので当然かも
しれませんね。
 キリスト教界の厳しい弾圧の時代に,彼らが「研究の自由」と
「宗教上の寛容」をどれほど熱望していたことか,そのために「フ
リーメイソンの歴史は徹底的に内密にされた」ということがわか
り,ますます当時の科学史を知りたくなりました。
◆理科フロンティア校の2年目の研究成果を報告された小原さんの
「〈原子〉との素敵な出会いの機会を」もとても感銘を受けまし
た。「まず〈子どもたちの笑顔〉を求め」たという小原さん。《も
し原》による「一点突破」の3つの理由もとてもうなずけました。
根本先生は《もし原》が2回目なのに,〈水分子入りペットボト
ル〉と〈水入りペットボトル〉とを高く掲げてみせるなど,とても
具体的なイメージ作りを提示されています。
 何よりも素晴らしかったのは,有賀先生の《三態変化》の授業の
中で《もし原》で学んだ「原子・分子のイメージ」で注射器の圧縮
を説明しているところです。年齢や性別を超えて,仮説実験授業の
経験が浅くても,こんなイメージ豊かな子どもたちが育ち,授業し
た先生方が満足できる。授業書のすばらしさが決定的ですね。
 「10年先」はやや早いでしょうが,20年後には,小学校の教科
書に原子・分子が登場するかもしれませんね。未来はほんとうに明
るい!!
◆由良さんの「日本の教師は働きすぎか?」で,〈授業の準備の時
間〉が半分以下で,〈授業の時間も平均以下〉であることに,とて
もびっくり。「課外活動も教育の一環」という中学校教育の常識を
変えていくための資料にまちがいなく役立つものと思います。中教
審や文科省の人たちに是非とも読んでほしい記事ですね。小原さん
のフロンティア校の成果ともども。
◆木下さんの「あっさり読みの授業」を読みながら「全く同感」と
いうところが多々ありました。
・良い教材とは〜仮説実験授業の話です。(11ぺ上から5行目〜
6行目)
・私は「熱心に〜終わりです」(11ぺ上から15行目〜16行目)
・みんなの書いたもの〜追うことができる。(15ぺ上から8行
目〜9行目)
などです。内容にもとても感銘を受けました。この方法,もちろん
真似られます。教師が下手な要求をしなくても,子どもたちはきち
んと内容を読み取っています。子どもへの信頼あっての記録だと思
います。
◆私はこの3月,近くの小学校の理科専科を依頼されていたのです
が,職員の異動が予定通りには進まなかったために結局ダメになり
ました。ちょっと残念にも思っていたのですが,今回,松本さんの
「小学校・理科をするときのほんのちょっとした知恵」を読みなが
ら,「小学校の理科専科は自分には無理だな!」と思わされまし
た。
 公立の小学校なので,少しは教科書もしなければならないでしょ
うが,こんなにも細かな準備をしなければならないなんて,予想以
上でした。小学校からの依頼がなくなってよかったです。
◆飯塚さんの「ぼくの教科書授業のやり方」を読みながら,「自分
はもっと手抜きしているなあ」と感じました。私の場合,小テスト
はマッキーノのまとめとしてやってきました。マッキーノの一単元
22〜23語句の中から20個だけ,カードの説明文の方を黒板にマグ
ネットで掲示し,生徒たちは語句をB5の答案用紙に書いていくだ
け。答案用紙も様式を決めて大量に印刷しているので,6〜7回,
多くても10回実施するごとに小テストするのが簡単です。採点も
子どもたち同士や自分で行います。全員分を集めて一応採点ミスの
確認はしていますが,ほとんど間違いはありません。もちろん最初
に小テストをするときに「全員 100点をとってほしいです。それ
が目標です」「通知表の評価のための基礎資料に入れます」と言っ
てあります。毎回90点平均取ってくれます。中学生たちも全然嫌
がりません。高得点を喜んでくれています。

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