〔仮説社PublicRelations〕No.197

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〔仮説社PublicRelations〕No.197
2015年7月9日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』6月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分
をご紹介させていただいています。
 今回は,14人分のおたよりを紹介します。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年6月号「ほめたりしかったり」 ◇◇◇


●池田修二(神奈川,小,特別支援)
◆1.「自然と育つのを待つ」林 泰樹
 長年,特別支援学級を担任して来ましたので,様々な子どもたち
に出会ってきました。経験の中で感じたことは,「学校がその子の
居場所になる」あるいは「どこか居場所がある」ことが大事だとい
う事です。行状だけ見れば,ただ人に迷惑をかけているだけのよう
なお子さんは,ややもすると制止・排除の方向に。
 時にはそんな物理的手段をとることもあるかもしれません。根気
がいる仕事で,しばらく付き合ってみないと行動パターンもつかめ
ません。ただひたすら追いかけるだけの日々が続くこともありま
す。でも,必ずどこかに「お気に入り」の場所・人・時間があるは
ずです。攻めどころはそこかもしれません。超法規的措置が功を奏
すこともあるかもしれません。硬直せず,柔軟な対応が一番かもし
れませんね。一人のスーパー教師(?)マジックなんてなかなかあ
りません。
「育つのを待つ」……いい言葉ですね。教頭さんの言葉にも感激で
す。林さんの学校の温かい雰囲気が伝わってきます。根底に仮説実
験授業をやり続けているという根っこが出来ているので,ヒロ君も
他の子たちも自然と柔らかくなっているのかもしれませんね。
◆2.「子どももお母さんも泣かしちゃった」佐竹重康さん
 岡本さんのような子は気になりますね。自然と注意が多くなる
し,なかなか改善の余地が見られないし,「叱り方」「励まし方」
もむずかしいですね。でも「空気と水」の感想文,なんてすばらし
んでしょう! 表現の方法は変わっている子だけれど,感想文では
授業を楽しんでいる様子が伝わります。表現の方法が不得手の子は
書くことで自分の気持ちをストレートに伝えてくるときもあります
ね。子どもの感想文の裏にあるものは様々で,複雑ですね。
 思うに,人の心……本心はなかなか見えてこないものですね。子
どもだけでなく大人も。気を使いすぎると自分も疲れるし,気を使
わないでいると,気持ちが読めないし,今も毎日あっている人,家
族も子どもも,教師たちも本心はどうだろうと迷路に陥ることがし
ばしばです。でも仮説の授業をやって,感想文を丁寧に読んでいく
と,心が素直に見えてくるのもしばしばです。わからなかったこと
でも,想像できることも多いです。実験によって決着をつける良
さ,自分と相手の素晴らしさを見つけることが出来る仮説の授業な
らではと思います。
 P29の岡本さんのプレゼント,嬉しいですね。素直ないい子な
のですね。お母さんとの面談の記事も,思わず,胸が熱くなりまし
た。親は子どもをやはり見ていると思います。生活することは皆苦
しいけれど,子どもの幸せを願っています。ましてや,授業が楽し
いという子供の姿に親は感激するのではないでしょうか。仮説をや
り続けている佐竹さんが思うように,人の本心はなかなか見えてこ
ないけれど,P31にあるように,人の心を動かす仮説の授業いっ
ぱいいっぱい子どもたちと楽しみたいですね。
◆3.「無気力な子どもたち?」小川洋さん
 すっかり小川さんのファンになりました。高学年の三無主義(古
い!)たしかによく見受けられますね。熱中先生みたいに,熱く向
かうことも苦手なほとんどの教師たちも苦慮するところです。「浮
力」の授業で,そんな子どもたちの感想は無気力どころか,本質的
ですね。木村さんの感想文「実験してみないとわからない」すごい
ですね。一見無気力な感じも決してそうではないのです。後半の教
師に対する問いかけ「あなたは何をしますか」いつも私も問いかけ
ています。答えはある程度わかっているのですが。小川さんの言わ
れるように「意欲」と「自信」をまだまだ失いたくありません。
 他,気になったのは……
◆「子どもがかわいくみえるとき」◆「〈心〉を考えた科学教育」
◆「グラフで見る世界〈インスタント麺の生産の変遷〉のその後」
です。今月号も読みごたえがありました。ありがとうございます。

●小田富生(和歌山・農業/算数工房)
◇田植えも終わり,今日は雨でのんびりです。1年目は,はじめて
の緊張もあって何事も慎重ですが,2年目は,「慣れ」からいくつ
かの失敗がありました。籾を厚く蒔きすぎました。その結果,田植
えで一株の本数が多くなってしまいました。あまりにも多すぎるの
で,根元からハサミで切って間引きをするはめになってしまいまし
た。3年目は,もう少し上手になるでしょう?
◆「感動でつながる〜」(井上勝)
 はじめて〈光と虫めがね〉の授業をした時,教室の天井の蛍光灯
が虫めがねを通して白い紙に映り,外の景色を映したときはカラー
だったことにすごく感動したことを覚えています。ぼくの好きな授
業書の一つでした。
◆「ビーフンすなっく」(日吉資子)
 おいしそうです。「ケンミンビーフン」って有名ですよね。です
が,どこかで口に入れたことがあるかもしれないのですが,ビーフ
ン料理を食べた記憶がありません。一度やってみようかな。
◇カッターの刃を研ぐ話
 ぼくの祖父は大工さんだったらしいです(ぼくが生まれたときに
は,もう亡くなっていた)。そのため,家には大工道具があり,父
がけっこう日曜大工をしていました。当然,カンナなどを研ぐ道具
として砥石があり,それで包丁なども父がよく研いでいました。
 そんな環境で育ち,大人になり,木工の仕事をしている青貝さん
に出会いました。青貝さんの仕事場には,電動の砥石がありまし
た。ですから,刃物類はピカピカに光って切れ味が鋭かったです。
その時に驚いたことが一つあります。カッターナイフの刃も砥石で
研いでいたのです。
 カッターナイフの刃は,「切れなくなったら折る」のが普通なの
ですが,折らずに研ぐのです。いい研ぐ道具があるのですから,研
げばいいんだなとスゴく感心したのを覚えています。
 ここ何年かで,包丁などを簡単に研ぐダイヤモンドシャープナー
が普及してきました。これで包丁を何回かこすると切れ味が復活し
ます。そこで,青貝さんがカッターナイフの刃を研いでいたことを
思い出し,切れ味が鈍くなった刃を折らずに,このシャープナーで
両面をこすってやりました。すると,見事に復活しました。それ以
来いつも,使うときにはまず2〜3回こすってから使うようにして
います。いつも切れ味抜群です。だから,長い間刃を折っていない
ような気がします(これでは,替え刃が売れなくなってしま
う?)。もちろん,ハサミなどもこれで研ぎます。ぼくは,「キ
レールミニ」という小型を机の上にいつも置いています。

●日吉資子(佐賀,小学校講師)
 6月号マイベスト6の感想です。
◆「into the wild 荒野へ第2回」七里有三・綾乃さん
 続きを楽しみ読ませていただきました。仮説を知ったら知ったで
生れ出る悩み…。綾乃さんの応援レターにはシビレました。イイ出
会いに恵まれて,いえ有三さん自身がイイ出会いを次々と引き寄せ
たのかもしれませんね〜。
◆「子どももお母さんも泣かしちゃった」佐竹重泰さん
 楽しい授業ができないと,自分も苦しいです。でも,でも楽しい
授業をしていても,イライラしたりガッカリするようなことはある
わけで。それでも,子どもと楽しい授業の力を信じて,イイところ
を見つけようとあきらめないことが大事なんだな〜と思いました。
◆「言葉がけは否定形より肯定形で」重森幸代さん
 肯定形で言おうと理解していても何度も何度も同じことが続く
と,つい否定形になってしまいがちです。叱らないでいい環境(状
況)をどう作るか試行錯誤しながら,心にとどく言葉がけを心がけ
たいです。
◆「子どもがかわいく思えるとき」伴野太一さん
 授業中も,感想文を読んでも(書いてくれなかったり),どう
思ってくれているのか,かなか気持ちが見えないことはあります。
それでも,大丈夫,あせらないで楽しい授業を続けていけばいいん
だ,ということが,じわ〜〜〜と伝わってくるイイ記録でした。
◆「無気力な子どもたち」小川 洋さん
 不本意な(つまらない)授業をしたら,自分の気持ちに素直な子
どもたちから正直な態度をとられるのはアタリマエ。それはわかっ
ていても,ちょっとトラウマっぽくなることがあります。楽しい授
業をしても,ダメだったらどうしよう…とか。でも,一度でも,楽
しい授業をして子どもたちのイイ笑顔や感想をもらうとちょっと余
裕が持てるっていうのわかるような気がします。少しでも楽しい授
業をやりたいです?
◆「心を考えた科学教育」板倉聖宣さん
 「死んだらどうなるか」というお話,好きです。板倉先生の話を
聞いて〈肝試し〉や〈こわい話〉なども,度が過ぎるのはいけない
という認識を持ちました。子どものころ,こわい話好きでした。若
い頃,某宗教に入らされそうになったとき,その宗教の儀式を怠っ
た人が大変な死に方をしたという例をいくつも聞かされたことを思
い出しました。

●藤井幹二(大阪,小学校)
 今年は6年担任。4年の時,担任した子たちの約2分の1を担任
することに(学年で2クラスなので)。
 昨年,学力テストで好成績をたたき出すために,厳しい授業に,
ハイレベルで莫大な量の課題(宿題など)を課された子ども達。予
想通り(?)数人の男子の反乱から,多くの子どもたちが学習を嫌
悪するようになり,1クラスは学級崩壊状態に。その中で,A君と
いう子の勉強からの逃避,学校のルール無視はひどく,大問題に。
僕はA君を4年で持っていましたが,今年,再度受け持つことに。
 4年の彼はすごく頑張っていて,「できたい!」という思いがす
ごく伝わる子でした。それがわずか1年で,教室に入らない,授業
は平気で抜け出す,空き教室で1人じっと動かず数時間過ご
す……。当然,学校のルールの多くを無視。そんな日々の中,◆林
さんの「自然と育つのを待つ」や,◆重森さんの「言葉がけは否定
形より肯定形で」に,「うんうん!そうだよなぁ!」と感心し共感
しながら一気に読みました。僕なりにA君にとってクラスや学校が
「居場所」になるように,昨年はもめにもめていた友人関係を整理
して,良好なものになるようにしたり,僕自身「第一声はほっとす
る言葉」をかけるようになど,心がけています。そしてたのし授業
を1つでも多くしていきます。

●小野健司(徳島,大学)
◆6月号の特集「ほめたりしかったり」の関連原稿を読んで。
⇒いつも,こういう原稿を読むと,大学教員であるボクは,ちょっ
と疎外感を覚える。「ボクは,こんなふうに学生とはつきあってい
ないなー」「こういう内容の文章は書けないな」と。もしかした
ら,少しだけ嫉妬しているのかもしれない。でも,こんなボクでも
「多面的な評価基準」をもって,他の大学の教員たちとは全然違う
判断をして行動することがよくある。仮説実験授業をしていると,
実際にそうした価値基準の必要に迫られるので,自然と身についた
に違いない。そのおかげで,かなり広い視野で物事を判断する余裕
がボクに生まれたに違いない。その割には,あんまり成長した
な〜,と実感する機会はないが。

●肥沼孝治(埼玉,中学校・社会)
 6月号で特に良かったのは,次の3点です。
◆(1)子どもがかわいく思えるとき(伴野さん)
 腕白坊主の子と担任の「格闘」が描かれていて,笑いながら(伴
野さん,ごめんなさい)読ませていただきました。小学生もなかなか
大変ですね。しかし,仮説実験授業は,そんな腕白坊主たちのハー
トもちゃんとつかんでいることがわかり,大いに安心しました。
◆(2)子どももお母さんも泣かしちゃった(佐竹さん)
 一方,こちらは女子の難しい子を扱っていて,(1)と対にして読
ませていただきました。
 いやはやこちらもなかなか大変です。しかし,こちらも最後は仮
説実験授業でつながりが作れ,しかも彼女の成長にお母さんまで感
動の涙を流してくれました。やはり,相手の心に届くサービスを日
頃しているか,していないかが大きな差になるのだなあと思いまし
た。
◆(3)自然と育つのを待つ(林さん)
 今日本の学校はとても忙しいところになっていて,先生たちの生
活を縛っています。そのことが,『たの授』5月号の裏表紙にも表
れていました。そして,逆に諸外国と比べて授業やその準備にかけ
る時間は不足がち。したがって,それを補うために子どもたちを管
理したり,「怒る」ことが増えているように思います。自然と育つ
のを待つのが大切であることを再確認したいです。また,それを促
すたのしい授業の実践に力を入れたいです。

●河野早苗(広島,小学校)
◆伴野太一さん 「子どもがかわいく思えるとき」
 えいすけ君,かわいいですね。…って,担任していて毎日彼と接
していたら,「かわいい」だけではすまないのでしょうけれど…
(笑)。放課後,学童に行かず教室に戻ってきて,はかりをあれこれ
触って「ばいばい,ばんちゃん」と帰っていくなんて,やっぱりか
わいいです。そして,「〈本当に授業を歓迎してくれるかくれない
か〉はそう簡単には判断できない」というのは,その通りだなと深
くうなずけました。
 そして,こうせい君。ウケねらいで余計なことを言っている彼に
対して,「無視しろ〜!無視しろ〜!!」と,伴野さんが自分で自分を
励ますところ,「わかる,わかる」と,これまたとても共感できま
した。何より,伴野さんがこうせい君の感想に感激しているシーン
がとても良かったです。
 「見た目や自分自身の感情で,その子のことを〈変なやつ〉〈イ
ヤだな〉なんて思ってしまう私ですが,〈たのしい授業〉を通し
て,そういう子を好きになってしまう,可愛く思っている,そんな
自分がイイなぁと思える」というところ,仮説実験授業をやってい
る先生だからこそですね。
◆林泰樹さん「自然と育つのを待つ」
 まず,冒頭の教頭先生のお話がとても素晴らしくて,「仮説以外
でもこういう考え方の先生がいるんだな」ということがとても心強
かったです。そして,教頭先生の「先生たちが気持ちよく仕事をで
きるように」という言葉もうれしくなりました。林さんが書いてい
らっしゃるように,「私たち担任の教師は,子どもたちが一日を気
持ちよく過ごせる」ことを大切にしていきたい,そのためには「楽
しい授業」です。
 また,「多面的な評価の尺度をもつ」ことによって,人間的なあ
たたかさ,明るさ,気楽さがうまれ,そのことが周りの人たちの心
にも響く,というところもとても良かったです。板倉先生の『教育
評価論』にもあるように,学校内では評価の仕方が画一的になりが
ちで,枠からはみ出す子ども(先生も)は「指導」を受けることにな
ります。それでも,「あの子にはこんな面がある」と思えれば救わ
れます。
 私たちが自分自身を振り返る際,「最近の自分はなってない」
「教師としての人間性がなってないから」なんて厳しい見方をする
と疲れてしまいます。でも,「重要なことは自然と育つのを待つ」
「楽しい授業を続けていればいい」という考え方でいれば,ゆった
りとした気持ちになれます。窮屈になっている学校現場で,こう
いった視点のあることが大きな支えになります。多くの人に読んで
もらいたい文章でした。

橋本五郎(元鍼灸師
 国会から目が離せません。憲法学者が何と言おうとも,邁進する
政府ですがめちゃくちゃな論理にあきれています。ただただ,国民
の良識に期待する(平賀さんの「健闘を祈る」の影響です)だけで
す。
◆「(アリがタイなら倉庫)認識を問題にする」を読んで,読み間
違えかな,と思って読み直したところがあります。
 明治の初めの「欧米の国は素晴らしい国だ」「西洋社会は,日本
よりはるかにいい国だ」という認識は間違っていたというところで
す。
 文明も,科学も日本よりはるかに発達していた。だから,積極的
に西洋文明の模倣を始めたのは事実なはずではないでしょうか。鉄
砲や船舶,航海技術と,西洋から学ぶことで近代化できた,という
認識は常識に近いと思っていただけに,え,そうなの?て感じでし
た。
 でも,よく読むと,科学技術ではなく,社会そのものは,日本と
似たり寄ったりだったのだろうか,と考えなおしました。
 それにしても,科学技術の発展と社会の発展には相関関係があっ
て,社会の発展のないところに科学の発展はありえないとも考えら
れます。そうすると,やっぱり,明治の初めの「欧米の国は素晴ら
しい国だ」「西洋社会は,日本よりはるかにいい国だ」という認識
は間違っていたというのは,信じられませんでした。
 しかし,大人を対象にした「経済の法則」教わりたいです。
◆板倉談(平賀編)「〈心〉を考えた科学教育」を読むと,宗教を
否定することなく,霊の存在などありえないという科学的な立場を
明確に主張してることがよく分かります。ややもすると感情的にこ
じれやすい問題を,このような議論の展開で解決できるって素晴ら
しいと思いました。
◆横山「インスタント麺の生産の変遷」で一番驚いたのは,冷凍め
んを加えると,未だに伸び続けていることです。2000年ころの世
界の消費量が40億食だったのが,13年で1060億食だという。便
利さと美味しさのためでしょうか。これからは,原因のようなもの
も考察して欲しいです。

●長崎平和(東京・塾講師)
◆阿部さんの「再会」。いい話だあ!
◆中林さんの「叱り方」。とても役立ちます。以前「生徒さんに生
活指導なんてもってのほか。その子のことをずっと責任持って面倒
見ていくことは我々にはできない。各家庭ごとにしつけや方針があ
るのだから学習面だけ見なさい」と厳重注意されたことがありま
す。違和感を覚えたのだけど,おかげで契約切られました(^^;)。
 「なめられてはいけない。はじめに厳しく」を金科玉条のように
唱える人たちがこの業界にはたくさんいました。
◆林さんの「自然と育つのを待つ」の教頭先生。すごい。こんな管
理職の方もいらっしゃるのですね。すごいなあ。
◆小川さん「無気力な子どもたち」。最後のところに書いてあった
「無気力になるってェのは〈何か本当にやりたいことがあるのにな
かなかできないグチ〉」ってあって,それはスッキリクッキリ納得
しました。
◆板倉さん「〈心〉を考えた科学教育」。「〈科学の知識の教育〉
をやっても,〈科学の考え方を教える教育〉がない」は,もんのす
ごーくうなずきました。ぼくは知識がないばっかりに,ぼくの授業
は歓迎されても運営サイドはぼくを雇おうとはしません(^^;)。
 「日本の仏教が堕落したのは江戸時代」っていうのも初めて知り
ました。「忘却の法則」,なるほど納得です。
◇横山さんの「グラフで見る世界」。110ペのグラフが判り辛くて
こっから読む意欲が減退してしまいました(^^;)。
 カップラーメンはぼくの父が「絶対食べてはならない」という家
令を定めていたのでぼくは食べられませんでした。やっと食べられ
たのは中学生になったときでした。でも袋麺の方がうまいなあっ
てェのが当時のぼくの感想でした。ところが,塾講師になって,夏
季講習などで夜食が欲しくなったとき,中3の少年から「日清の
シーフードヌードルはうまいよ。合わせてコーヒー牛乳飲むとさら
にいい」と教えてもらい,はじめは相手にしなかったけど,「まず
かったら俺が金払うから試しに食べてみなよ」と言われて,じゃ
あってんで食べました。それがうまい!コーヒー牛乳にも合う!そ
れがぼくのカップラーメン元年でした。

●中西 康(三重,小学校)
◆小川「無気力な子どもたち?」
 〈進学塾組が一見無気力になって困る〉という現象はボクにも経
験があります。
 でも,彼らは詰め込み式の勉強で知識があるだけに,仮説実験授
業の楽しさをひとたび理解すると,一気に仮説ファンになってくれ
るような気もしています。ただし,教科書授業じゃ限界はあります
ね。
◆林「自然と育つのを待つ」
 47・48ぺの,ヒロ君を支える子どもたちのエピソードがよ
かったです。
 「自然と育つのを待つしかない」という板倉先生の文章の引用も
よかったです。クラスの子どものことでいろいろ悩んでいる今の自
分に沁みました。
◆伴野「子どもがかわいく思えるとき」
 「子どもを好きになろう」「子どもの可愛さを見つけよう」とい
う「目的(予想)」があるからこそ,感想文を読んだり,その他の
行動を見るということを「実験」ととらえることができるのだと思
いました。つまり,大前提の「子どもを好きになろう」という教師
の気持ちが大事なのでしょう。

●片山 徹(高校,理科生物)
◇「子どもがかわいく思えるとき」(伴野),◇「子供もお母さん
も〜」(佐竹),◇「自然と育つのを待つ」(林)は,みんなきち
んと仮説をしている人たちの原稿だなあと思いました。
 結局,30年以上たのしい授業を読んでいても,きちんと仮説を
してこなかったような気がします。
◆「叱るのが苦手〜」(中林),◆「言葉がけは否定形より〜」
(重森),参考にさせて頂きます。貴重なアドバイスでした。
◆「〈感動〉でつながる〜」(井上)は,《光と虫めがね》をやっ
てみようかなという気持ちになりました。
◆「心を考えた科学教育」は,板倉さんしか本当に書けない原稿で
すね。霊はないし,地獄も天国も無いのですが,だんだん死が近づ
いてくると,やはりむなしいですよね,あとは無というのは。子供
はいますが,孫はゼロで,遺伝子の継承は子どもで終わりですし,
60年生きてきて,何も残してないなと最近痛感する日々です。
 死んでも,教え子の誰も気にしないだろうなとも思います(それ
でいい気もするのですが)。
 最後の感想にふさわしい終わり方ですかね。

●島 百合子(富山・小学校)
◆ほめて伸びるタイプと叱って伸びるタイプがあると言われます
が,私は前者だと思います。おだてられると(?)どんどん高く
登っていきます。「ほめたりしかったり」というのは人間関係の大
きな要因なのでいいテーマだなと思いました。
◆伴野さんの「子どもがかわいく思えるとき」は,「あ〜,あるあ
る!」と思いながら読みました。
 一面だけでは,その子は見えないというのはよく感じることです。
 仮説実験授業や楽しい授業はその子の見えにくい面に光と当てて
くれます。きっと,大人でもそうなのでしょうね。「この人はこん
な人」と決めつけないようにしたいものだと思います。
◆林泰樹さんの「自然と育つのを待つ」は,読んでいて心が洗われ
るような気がしました。ついつい型にはめてしまいがちな日常生活
の中で,思い出したい内容です。
 「とんでもないヤツのことを明るく語るということが多面的な評
価の尺度を持っていることの現れ」
というのは本当にその通りだと思います。そんな職員室や教室は居
心地がいいです。これからも居心地のよい空間を生み出すことので
きる笑って語れる教師になりたいです。
◆同様に重森さんの「否定形より肯定形で」も,大きくうなづくも
のがありました。肯定で語ることは油断していると,つい崩れてし
まいがちです。人は本能的に否定に目がいきやすい生き物だからで
す。土台を修復しながら生きるために,『たの授』などの本を読ん
だりいい話を聞いたりすることは大切なことだなと思います。
編集委員会ニュースの「先生は誰にほめられたいか」の質問には
笑ってしまいました。
 この欄を書いている人の目のつけどころが私はいつも好きです。
先生達は何と応えるだろう?表向きは「子ども」と言うかもしれま
せんね。
 でも,教師の中には上向き(管理職や権利者に褒められたい)横
向き(同僚に認められたい)下向き(子供たちに喜んでもらいた
い)があるような気がします。どの割合が多いのかなあ。仮説をす
る人はたぶん下向きが多いのでしょうね。

●須崎正美(埼玉,定時制高・理,講師)
◆林泰樹さんの「自然と育つのを待つ」
 ほんのりとしたいい記事です。教頭さんをはじめ,用務員さんま
で,子どもに対してこのように「多面的な評価の尺度」を持ってい
る人が多い学校って,すばらしいことす。みんなで1人の子に対し
て,「自然と育つのを見守ってあげることできる」学校に勤めたい
ものです。
板倉聖宣さんの「〈心〉を考えた科学教育」
 唯物論者の板倉さんらしい記事です。しかし,ただの唯物論者で
はなく,人間の精神まで考えている唯物論者です。そして,「宗教
のこともよく研究しているなあ」と感心しました。この話を読ん
で,「科学を押しつけないことは,無神論(非宗教)も押しつけな
いことだなあ」と思いました。
◇佐竹重泰さんの「子どももお母さんも泣かしちゃった…」
 〈叱る〉〈ほめる〉は本当にむずかしいことです。子どもたちの
行動,言動は,どんなことでもそれなりの理由があるのですが,そ
れを見つけることってなかなか大変なことです。でも,仮説実験授
業をやっていると,いろいろな面がよく見えてきます。やはり,仮
説実験授業をやり続けることが,子どもたちを正しく評価できるよ
うになれるかな?
※井上勝さんの「〈感動〉につながる教師と子どもたち」でちょっ
と気になったことがあります。81ぺに(大学の理科教育の授業
で)「景色を壁にうつして焦点距離をはかる」ということが書かれ
てあります。しかし,焦点距離をはかるのに景色を壁にうつすとい
う作業は,ほとんどやらないのではないでしょうか。虫めがねを
使って焦点距離をはかるには,普通2つの方法があります。1つ
は,《光と虫めがね》の授業書の中に書かれているように,平行な
太陽光を虫めがねで焦点に集めて,その焦点から虫めがねの中心ま
での距離をはかることです。もうひとつは,虫めがねを使って物体
(光源)の像を作り,物体と虫めがねの中心までの距離と虫めがね
の中心から像までの距離をはかってから,レンズの公式を使って焦
点距離を求めることです。その物体の代わりに景色であっても構わ
ないのですが,景色とレンズまでの距離を正確に測るのは遠すぎて
とても大変だと思いますし,普通は全くやらない方法だと思いま
す。何かの思い違いではないでしょうか?

●西村尚子(山口,会社員)
◆〈心〉を考えた科学教育
 無宗派無神論の私でも,お正月になると初詣でをし1年の安泰
を祈願したりおみくじを引いては,一喜一憂したりお盆や法事で
は,数珠をもってお経を唱和したりと,宗教的な行事をなにげなく
行っています。
 でも,霊は信じていないし,ご利益も信じていない。原子分子の
世界観が正しいのです。
 しかし,なにかそれだけでは,なんだか少し味気ない。
 そこに答えを出してもらったのが,板倉先生の「〈霊〉とは〈思
い〉である」の一言。
 〈思い〉を大切にすることは大事。無視して良い訳ではない。
「義務的に思い出さなきゃいけない,というんじゃなくて〈思いお
こしたいではないか〉ということです」の言葉。
 なるほど,そのようにとらえたらいいな,と思いました。
◆「インスタント麺の生産の変遷」のその後
 インスタント麺生産の変遷をおもしろく学んだ。
 どんどん伸びている生産量。そこには,常に新しいものの開発と
いう企業努力があるのだなと思った。
 また,安ければどんどん売れるというものではないな,という事。
 人々の味覚は単純ではないんだ。 これは,他の流通品にも言え
る事なんだろうなと思った。
 最近のインスタント麺は乾麺でもまるで生麺のあじわいで,おい
しくいただいたりしている。
 その一方で,昔からの定番のものはずーっと生き残ったりもして
いる。
 そんなものかな,おもしろいな,と思った。
◆「感動」でつながる教師と子どもたち
 始めて,《光と虫めがね》を受けた時,虫めがねを通して映った
蛍光灯の姿にびっくり!しました。
 もちろん〈問題1〉の月の光を集めてみたら・・・の問題のとき
も,月の形になるなんて思ってもみなかったのです。
 だんだんと,虫めがね=レンズ=カメラ という図式が浮かび上
がってくる。
 そんなたのしい授業の一こま一こまを,井上さんが子どもたちと
本当にたのしんでいる様子がひしひしと伝わってきました。
 同じように「レンズ」を教えるにも,仮説実験で教えると,「た
のしさ度」が違う。
 「学ぶ感動」を子どもたちと分かち合ってるような井上さんの,
仮説実験授業に対する信頼と確信の思いを,ずきずきと感じてきま
した。
 
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
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