〔仮説社PublicRelations〕No.202

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〔仮説社PublicRelations〕No.202
2015年8月25日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』7月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(前編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分
をご紹介させていただいています。
 今回は,7月号の反響14人分のおたよりを紹介します。かなり
長文です。紹介が遅くなりすみません。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年7月号「ちょうどいい宿題とは」 ◇◇◇

●河上温知(鳥取・岩魚釣り師)
◆「どうする?宿題」
 「宿題は出すのが当然」と思っている教師や保護者が圧倒的に多
いので,現場ではあまり宿題に関しては問題になっていません。
 子どもたちもふくめて誰もが納得のいく宿題はないかもしれない
けど,やりがいのある宿題やたのしくできる宿題,やってよかった
と思える宿題を考えるきっかけになる良記事でした。
◆「宿題はあっさりと」
 宿題と朝の会の具体的な方法が書いてあるので,悩んでいる人に
は参考になります。星のマークを使った評価は簡単でいいですね。
低血圧で朝は頭がボーッとしている筆者に失礼ながらクスッと笑っ
てしまいました。
◆「たのしい授業のプランに助けられています」
 これまでたくさんのものづくりプランや授業プランが『たのしい
授業』に発表されています。それを読んですぐに実践する人もいれ
ば,読んで終わってしまうだけの人もいることでしょう。
 プランを実際にやってみた人が,「こんなふうにやってよかっ
た。子どもたちがよろこんだ」という報告をしてくれたら,記事を
ながめていただけの人,すっかり記事のことを忘れていた人も参考
になることでしょう。
 筆者の永原真知さんが『たのしい授業』に掲載されたプランを実
際に子どもたちにやってみた報告は,そういった点でもありがたい
ことです。
◆「熱帯夜めっちゃいや」
 ゆかいな暑中見舞いです。こんなハガキを思わずもらったら歌い
たくなりますね。残念なのは歌の紹介スペースが小さくて,楽譜も
歌詞もろくに読めない点です。もう少し大きければよかった。
◆「8月の真夏日は増えているか」
 気象の予測というのはとてもむずかしいところがあります。過去
の統計をもとに現在の気象がどうなっているのか簡単には言えない
のが記事からもよくわかります。こんな感想が言えるのもこのグラ
フを書いてくれた竹田さんのひとかたならぬ作業のおかげと言えま
す。田舎に住んでいるので都会とちがって熱帯夜がほとんどないの
は田舎の強みですね。
◆「今までのボクって一体!?」
 あまりのぶっ飛び具合に驚愕してたのしんで毎月読んでいます。
この行動力があるからこそ,世界中を旅できたんだと思います。閉
塞感の充満している学校にはこんな教師がもっと必要でしょう。
◆「アリがタイなら倉庫269」
 毎回楽しみに読んでいます。研究(授業書つくり)をするときの
こころがまえについてきびしく指摘されている板倉聖宣さんの話を
読むと,「授業書をつくる」ということはどういうことなのかが
ちょっぴり理解できます。

●飯田哲夫(山梨・教育委員会
2. テーマについて
「特集 ちょうどいい宿題とは?」
(1)宿題はあしきもの?
 担任の頃,ぼくは宿題(家庭学習)について悩んでいました。そ
のことを思い出すと以下です。
 第一は,労力の問題。
 小学校の担任は,原則的に,全科目を担当し,毎日の授業をや
る。そのことだけでも手一杯なのに,宿題の課題づくり(プリント
など)と評価(○点けなど)に割く時間はない。
 第二は,格差の問題
 授業では,出来る子,出来ない子の枠を超えて,みんなで楽しく
学ぶことを工夫できる。その中心に仮説実験授業や『たの授』のヒ
ントがあります。しかし,家庭学習では,個人に任されるので,学
習環境の整った子と,そうでない子の格差が生まれる。
 第三は,意義の問題
 そもそも宿題のねらいは,何か。少なくとも無計画に授業をすす
め,残りを子どもに丸投げするとすれば,それは教師の勝手な都合
でないか。そんなふうに考えていた。
 仮説実験授業は予習をしない。「予習はどろぼうのはじまり」と
か板倉さんの言葉があったような気がします(確認していませ
ん)。既習知識で勝負しないから,出来る子,出来ない子の格差が
生まれない。むしろ,生活経験豊かな子,自由に空想(妄想)を広
げる子が活躍する。そこに教師としてのぼくは惹かれていた。だか
ら,宿題はあるいみ敵でした。
(2)宿題から家庭学習へ
      家庭学習は重要だ!
 さて,教務や教頭という立場になってきたころから,全国学力学
習状況調査なるものが学校現場を変えています。この頃から,宿題
という言葉が,家庭学習という言葉に変わってきている感じがしま
す。
 たとえば,全国学テ・ランク上位の県は家庭学習においても相当
な時間をとっている。にもかかわらず,山梨は他県に比べて家庭学
習の時間が少ない。県教委としては「家庭学習時間の増をひとつの
重要課題として取り組むように」とさかんに声を挙げます。
 家庭学習の時間の要素の他に,もうひとつの重要なファクターが
あります。読書時間です。「自ら本に手を伸ばす子」というのも重
要課題となります。山梨はそれほど読書については低くありません
(ちなみに私は昨年まで山梨県学校図書館教育研究会の事務局長で
した)。どうも昨今の学校は,PISAや全国学力テストの数値で
評価される傾向があります。
 整理すると以下です。
 第一に,全国学力学習状況調査が家庭学習(宿題)問題に影響を
与えている。第二に,家庭学習時間と読書時間が学力向上の重要な
要素になっている。
(3)意欲と習慣という問題
 人が自ら学ぼうと欲するのは,何か目的があり,それが明確な場
合があり,その代表は受験勉強であったり,何かの試合やコンテス
トであったりと,競争原理が働く場合かもしれない。
 だが,それ以外に,学ぶこと自体が楽しい,自分の世界を豊かに
してくれるという場合もある。仮説はこちらに近いと思う。前者に
比べ,後者の方が,誰が考えても上等である。
 が,しばしば,理想であって,「勉強なんて面倒なことは,目の
前に人参をぶら下げないとするものじゃない,それが現実だ」とい
う考えが支配的かもしれない。「学ぶことが楽しいなんて建前じゃ
ないか」と考えるのは実際,そういう楽しい学びの経験がないと持
てない認識であるような気もする。
 一方で,人が何かをするとき,何気なく当たり前のようにするこ
とというのがあり,それが当たり前でない人から見ると,「よくで
きるな,感心するな」ということがある。
 習慣という問題である。習慣形成というのは生まれてからするも
ので,これが出来ていないと,何もかも面倒になってしまう。ま
た,それは時代によって変わってくることもある。「泉まで水くみ
に行くのが当たり前だったのに,蛇口をひねると水が出るようにな
れば,水くみなんてよくやっていたな」ということになる。では,
「家事等一切,自動化されれば良いのか」という問題がある。そう
なると何もかも面倒になる気がする。とうとう生きることも面倒に
なりはしないか……と。
 実は宿題という問題は,〈人が自ら学ぶとはいかなることか〉と
いう問題に思われる。そしてその根底には,〈意欲と習慣〉という
テーマがあると考える。
 以上,やや長い前置きを述べ,紙面の感想を報告します。

2. 記事の感想
◆1. 宮地仁美「楽しい参観日」
 絵本や物語の世界は,学校の世界では出しにくい部分がストレー
トに出てくることがあります。小学校1年生に「だっこをしてもら
う宿題」というのも,それにあたるでしょう。
 家庭や地域や,暮らしの中で,当然体験しているとおもわれるも
の〈共通体験〉が基盤になって物事を感じたり考えたりしているか
ら,議論ができたり,話題を深められます。その部分で,学習に必
要な共通体験を,意図的に教師が宿題として課することがある。
 最近は生活体験を書いたり,日記を書いたりという,生活綴り方
は流行らないのですが,昔は,子どもたちに価値ある体験をさせ
て,それを作文に書くという実践も多くありました(今も有意義な
ことであるとぼくは思っていますが)。例えば,家事を手伝って,
それを作文に書くとか。虫を捕まえに行ってそれを書くとか……。
 だから,子どものうちに,ぜひする価値がある,学校外の体験を
宿題に課するというのは意味があると思いました。
 それから,この記事でおもしろかったのは,
 「俺,覚えておきたいから自由帳に書いておく!」って,自由帳
をスゴイ勢いで出して書き出しました。(6ペ)
という箇所で,ここに意欲的に学ぶという場面がよく出ていると思
いました。宿題を考えるとき,学校の学習がこういうふうに個人の
自発的な学習につながり,メモをするという書く習慣がつくという
のが理想的です。1年生でもこういう面があるのだというのが重要
です。もともと人は学びたがりであるという証拠です。
◆2. 小川洋「どうする? 宿題」
 教師の常識も時代で変わってきていて,再任用で新人の指導教官
の古田さんの常識(「みんなができたほうがいいこと」は学校で身
につけられるようにすべき)というのだけど,新井さんにはそうい
う常識が新鮮なのだろうなという感じの対談でした。そこがおもし
ろかった。
 古田さんやぼくなどは,ふつうに「教師としてそりゃあ常識だろ
う」という部分はたぶん「昭和的」で,「平成の教師」には異様に
思われる事態があるような感じです。
 ヒューマニズムに根ざし,子どもを大事にして,ともに学ぶ喜び
を教室で実現するという誇りやプライド,教育の機会均等や平和な
社会国家の形成者の育成という理念が常識として「昭和」にはあっ
た。そのころまでは教師は役人や会社員とは一線を画していた。
 しかし,今日,学校も役所も企業も横並びで,数値による成果主
義と説明責任に追われ,組織マネージメント,経営理論が優先する
世界に変わりました(違和感があります)。
◆3. 広瀬真人「毎日の○○プリント」
 新居さんは「昭和の教師」の典型(良い意味で)であろうと思い
ますが,独自の学習論を持っていたと思います。それが「宿題につ
いての基本方針」かと思います。新居さんらしくゆるぎないもので
す。「昭和の教師の遺産」として登録したいものです。
 その基本方針は意欲(「イヤイヤやっても効果がない」)と習慣
(「毎日続けよう」)が重視され,新居さんらしいのは主体的な工
夫を鼓舞するところ(「キミとキミの家族の頭のみせどころだ」)
です。
 自作のプリントはとても有効で便利だと思いました。実際に,こ
れだと楽しく続けられる結果が出ています。
 〈意欲と習慣〉はどういう関係にあるのかというと,〈意欲〉は
興味や関心に負う部分が多いので,その場が過ぎればなくなる。一
過性であり継続性が弱い。しかし,〈習慣〉の形成の重点は継続に
あります。いやいや強制され形成される習慣もあるでしょうが(そ
れは恐ろしいことですが),楽しく続けることで形成される習慣の
方が良いに決まっていますし,強制がなくなっても習慣が残りま
す。その原理が使われていると思いました。
◆4. 佐竹重泰「宿題はあっさりと」
 「1日を気持ちよく過ごす」ということが小学校の学級担任に
とってどんなに大切なことなのかがわかっているから,「朝の会を
宿題のことでイヤな気持ちになりたくない」,まずこの点を優先
し,佐竹さんなりに工夫されたことが記事になっています。
 佐竹さんも基本的に「〈読み・書き・計算〉はちゃんと学校の時
間の中でやりたい」を常識としています。ここでは教師がいかに宿
題処理を効率的にやるかという観点で工夫がおもしろいです。
 子どもにとって先生が見てくれたというのは外せません。しか
も,何か褒美があったというのが嬉しい。小学生でももしかしたら
大人でも,はんこやスタンプをもらえるというスタンプ効果が有効
です。☆のマークと数字の組み合わせもおもしろいです。
◆5. 吉野由紀「せんせいスタンプ」
 この記事で,スタンプ効果が高校生にも有効,つまり大人だって
嬉しいということがわかります。スタンプをあなどれない。ちょっ
としたことが毎日をすこし嬉しくさせると思いました。
◆6. 永原真知「たのしい授業のプランに助けられています」
 ちょっとしたことが毎日をすこし嬉しくさせるのが,シンプルな
ゲーム。知っていると,便利。「漢字クロスワード」はそのひとつ
だと思いました。こうしたコラム的な記事が,本誌の場合,質が高
い。使える。役立つ。
 「おさるのもんちゃん」も知っていると便利。接続詞の楽しい学
習ということで,授業参観でもOKですね。
◆7. 中西 康「憧れの黄色いヒマワリ」
 個人的な話ですが,三十年近く前,まだキミコ方式が広まり始め
たころ,ほるぷ出版の『三原色の絵の具箱』で,うさぎのレリーフ
をお手伝いしました(後書きに写真も載っています)。キミコさん
の家に出掛け,朝から彫刻刀で……,昼に食べた蕎麦屋のことなど
ぼんやり思い出されます。ぼくは絵が描けた人間かもしれません
が,教える事は苦手。だからキミコ方式でたくさん図工をやりまし
た。自分自身も体験して,描いていて気持ちいいというか,集中し
てしまうというか,部分から全体へという発想の転換,キミコ方式
認識論など,学ぶことが多くありました。
 紹介されている言葉「絵は〈自由に描く〉のではありません。
〈自由になるために絵を描く〉のです」という決め科白にまたやら
れました。
 中西さんが長い間,キミコ方式にひかれて今回憧れのヒマワリを
13時間もかけてやったということに感動します。小さなヒントが
たくさんの教師のちょっとした日々を支えますが,仮説の授業書と
かキミコ方式の大作とかはまた格別のものがあると思います。
 最近は,授業書をきちんとやるとか含めて,なかなかここまで
「やるぞ!」というひとは少なくなっているのかな? どうでしょ
う。教師の自由やゆとりがなくなっている感じをぼくは持っていま
す(残念です)。
◆8. 山路敏英「日本の科学教育の歴史から学ぶ」
 山路さんが理科教師として長く不審を抱いた「どうして,理科の
教科書にはこんなに細かい知識がたくさん詰め込まれているの
か?」という疑問が,「政治・教育思想と科学(理科)教育」とい
う板倉・永田氏の授業書を大学で講義しながら追求された記事で
す。
 仮説実験授業が板倉さんの科学史・科学教育史の研究の上に構築
された点に侮れない部分があり,ぼくもとても信頼しています。
 教育が政治と密接に関わりその影響を受けていることは,歴史を
見ればわかることだ,ということも板倉さんから教えられたと思い
ます。
 ぼく自身は小学校の国語,特に作文教育に関心があり,歴史的な
視点で今を捉え直したい欲求がありました。それは30代半ばに上
越教育大学大学院に2年間長期研修の機会を得て実現しました。主
に作文・綴り方教育の明治以降の歴史を踏まえ,「芦田惠乃助の綴
方教育思想」という修論をまとめました。
 「仰せ出され書」の個人主義は,福沢諭吉の『学門のすゝめ』の
思想と通底している気がします。明治5年の時点ではまだ天皇制が
出てこなかったのでしょう。
 授業書「日本歴史入門」において,明治維新期の急激な人口増加
が,封建社会,身分社会が近代社会になり,職業をはじめ選択の自
由が認められる社会になったという認識があるかどうかということ
がとても重要である気がします(だが,なかなかそういう風に歴史
が捉えられていない)。
 科学教育が重視されていた明治初年の理念が,次第に国家主義
な方向に変貌する。ぼくの専攻した国語教育では,たとえば明治
23年(1900)に「国語科」が成立しますが,その目標は「知徳を
養う」となっています。「国語科」がきわめて国家的な心の教育
(日本精神の育成)を負っていたということがわかります。国語教
育に長く,ぼくは関わってきているのですが,そういう歴史はあま
り知られていないような気がします(国語教育史の研究者にとって
は常識ですが)。
 昨今の国語教育界の現状を見ても(おそらく理科教育界でも),
「言語活動の充実」であったり「アクティブ・ラーニング」であっ
たり,文科省の役人の作った言葉で,教育現場もそこに君臨する教
育委員会も,大学教師も踊らされているという状況があるように思
われます(残念です)。
 教育は時代や政治に左右されています。こういう記事がきっかけ
になり,教育史がもう少し関心をもたれると良いです(だいたいこ
ういう学問分野が今大学では隅っこにおいやられ,経営学,技術論
が主軸になっているのでしょう)。
 その点でも,『たのしい授業』はその編集コンセプトに〈歴史的
にものを見る〉という部分が柱としてあると思います。他の教育雑
誌と一線を画している点ではないでしょうか。
◆9. 板倉聖宣 多久和俊明 実藤清子「もっとも初期のフリーメ
イソンの人びと」
 フリーメイソンが「〈キリスト教と科学研究〉の対立に困惑した
人々の一種の避難所として,〈キリスト教内部の知恵者たち〉が極
秘のもとに設けたもの」という見解にとても興味がそそられる一連
の記事です。
 宗教的なあるいは国家的な圧倒的な圧力に対して,個人がどう立
ち向かうのかという歴史的な知恵として考えると,人ごとでない気
もします(特に最近は)。
 「内部文書にたよるのではなく,自ら仮説をたてて,それを証明
する新しい方法をさぐるより他ない」という仮説実験的探求の方法
で,解き明かされるという点にも興味が湧きます。
 ジェームズ・ブラッドリーという人を初めて知りました。〈太陽
中心地動説〉を4メートルの望遠鏡で観測し,光の屈折という現象
で解明したという箇所を,「電車の中で見る雨」と類比して語ると
ころがわかりやすく読ませてもらいました(こういう説明ができる
かどうかがとても重要であり,板倉さんの授業書づくりの優れた点
はこういうところだなと思いました)。
 以上,今回もおもいつくままに書かせていただきました。よろし
くお願いします。

●長崎平和(東京・塾講師)
◇宿題特集でしたが,学校と塾ではその内容が違ってきますね。
 学校は毎日通うとこだけど,塾は週に1回です,基本。受験生に
なると週3とか4とか,それこそ毎日になってくるけど,基本は毎
日じゃありません。なので,ドリル的なものはどうしても宿題に出
さざるを得ない。英語や数学・算数では,その日伝えた解き方を自
分の中にちゃんとインストールするために,宿題で類題をやってき
てもらうことになる。それをやるとやらないとでは後々違ってきま
す。
 「宿題が家でできないのなら塾で残ってやってきなさい」ってし
ても,そもそも塾は時間が夜遅いので,そうそう残ってもらうわけ
にもいかない。難しいところです。
 14べで小原さんの言葉が紹介されていましたが,これはよく判
ります。ぼくは自分のクラスの生徒さんたちには「宿題はなるべく
個室でやるな。これ見よがしに保護者のいる部屋でやれ。その方が
お互いスマイルになれる」とのべつ伝えていました(^^;)。

●日吉 仁(佐賀・小学校)
◆7月号で,一番好きだったのは,山路さんの「日本の科学教育の
歴史から学ぶ」です。最初の〔問題1〕から予想が外れてしまっ
て,「へ〜っ」という感じでした。ぼくの予想も大学生のみなさん
同様「富国強兵」でした。明治の新政府にとって,富国強兵という
のは,国是と言ってもいいんじゃないかというイメージがあったの
で,学制の根本の精神が「個人主義」に立脚したものであることに
驚きを感じました。自然科学重視ということと合わせて,来月の続
きがとても楽しみになりました。
◆2番目に好きだったのは,板倉先生の「もっとも初期のフリーメ
イソンの人びと」です。ぼくは,高校生の頃,倫理を選択してい
て,教科書などに載っている哲学者などの話を読むのが好きだった
のですが,今回もそんな感じで「へ〜,そんな人なんだ〜」と楽し
く読めました。さりげなく紹介されているホガースの版画「ジン横
丁」が,なかなか衝撃的なのも印象に残ります。
◆宮地仁美さんの「楽しい参観日」もよかったです。参観日に教室
の楽しい雰囲気を感じてもらえたら,保護者のみなさんもうれしい
でしょうね。『しゅくだい』の絵本の読み聞かせとだっこの宿題と
いう組み合わせもいいですね。
◆中西康さんの「憧れの黄色いヒマワリ」は,タイトルが「幸せの
黄色いハンカチ」みたいで(笑)いいですね。いかにもハッピーエ
ンドになりそうな気がします。口絵のところに紹介されている絵を
見て,小学3年生が描いたと思う人はいないのではないでしょう
か。すばらしい出来栄えですよね。「13時間も…」と言う人もい
るかもしれませんが,かけた時間の分だけの価値がある作品ができ
あがるんだなあと思いました。

佐々木邦道(千葉・小学校)
 今回のテーマ「宿題」については,関心のある所でした。
◆1. 毎日の○○プリント
 宿題に関する記事3つの中では,広瀬さんの記事が「自分の考え
方に近いかなあ」という思いで,この記事を1番目に取り上げまし
た。しかし,プリントの準備が大変そうだし,丸付けの時間もとれ
ないことがありそうです。
 私は,メキシコの日本人学校の時には,宿題を全く出さないでい
ました。しかしその後,「保護者への安心料」として宿題を出すよ
うになりました。ですから,出したくて出しているわけではなく,
保護者対策として宿題を出しているわけです。
 そして,最近の定番は,〈1週間の宿題予定表をあらかじめ月曜
にくばっておいて,お知らせする〉という形をとっています。それ
に,宿題の内容はワンパターン。
 1.計算ドリル
 2.漢字書き取り(ドリルから) 3.音読(音読集の詩を読む)
 宿題って,帰りの会とかに連絡するとき「あー,今日の宿題,何
にしようかな…」なんて,考えるのがめんどくさいんですよね。
 ですから,あらかじめ,授業の進度に合わせて,日曜日に計画を
つくっておくんです。これなら,宿題を出すのを忘れることもあり
ませんから。親だって,どんな予定で出されているか,系統的にわ
かっていいと思います(聞いたわけではないけれど)。
◆2 日本の科学教育の歴史から学ぶ
 この授業書案は,『たのしい授業』に載ったときから興味があ
り,この授業書の部分をコピーしてミニ授業書としてまとめたこと
を思い出しました。いつか授業がしたいと思いながら,ファイルに
温めていたことを覚えています(結局,やる機会がありませんでし
たが)。その頃,板倉さんの『日本理科教育史』を読んでいたとき
だったので,問題意識があったのかもしれません。
 そのプランが山路さんによって掘り起こされ,大学での授業記録
付きで,再会するとは思ってもいませんでした。続きが楽しみで
す。

●市原辰徳(東京・小学校)
 最初に,「ちょうどいい宿題とは?」という特集名がとても良い
なと思いました。
 宿題というのは,どこの学校でも当たり前のようにあります。ど
うしてこれほどまでに,宿題を出すことは定着したのでしょうか。
 まず,そこらへんから知りたいなと思いました。
◆「楽しい参観日」宮地仁美さん
 1年生と楽しく過ごしている日々。ほのぼのとした気持ちで読む
ことができました。
 ぼくの中でとてもいいな〜と思ったのが,「覚えておきたい!」
というところの文章です。
 ぼくも今,《花と実》の授業書を5年生と楽しんでいます。宮地
さんも1年生と一緒に楽しんでいるんだな〜と思いながら読み進め
ていました。
 「子房っていう言葉は難しいので,別に覚えておかなくてもいい
んだよ」という言葉に対して,「俺,覚えておきたいから自由帳に
書いておく!」(6ぺ)なんて,とても嬉しいし,学習というのは
こうでありたいと思いました。
 「自分にとって必要なこと,だから覚えておきたい」そんなこと
を繰り返していたら,きっと学ぶことが好きになりますね。
 ◆「どうする?宿題」小川洋さん
 この対話は「宿題をやってこない子がいて悩んでいる」という言
葉をきっかけに始まったとありましたが,この問題で悩まない人は
いないのではないでしょうか。とても良いテーマだなと思いまし
た。
 やはり,宿題を出している以上は,しっかりやってきてほしい。
ちゃんとやっている子がイヤな思いをすることがないようにした
い。……」ぼく自身も,そんなふうに思っています。
 文章の途中にあった古田さんの言葉で,「勉強って〈意欲〉が大
切なのに,家に帰っちゃうとほんとやりたくないんだよね」という
のは,とても共感します。
 ぼくも,やり残したことがあって,家に帰ってからやろうなんて
考えていたのに,いざ帰宅してみると,めんどくさくなっちゃうと
いうのは,しょっちゅうです。学校というのは勉強をするところ
で,他の誘惑があまりないかもしれませんが,家というのは,そう
ではないのかもしれませんね。
 こういったことについて,きちんと話をしておくというのは,と
ても大切なことだと思いました。
◆「毎日の○○プリント」広瀬真人さん
 17ページの下のほうに書かれていたこと,「それまで出してき
た宿題というのは,けっこうやらせっぱなしという感があったから
だと思いました」というのが,とても大事だなと感じました。
 誰だってそうですが,やったことが認められたり成果があったり
するからやるんであって,そうじゃなければやりたいと思いませ
ん。だから,そういう意味で,この問題がクリアできるということ
は,やりがいのある宿題へと近づくのではないかと思います。
 教員もそうなのですが,「これは,やって何の意味があるの?」
ということがしょっちゅうあります。自分が必要でないのに,それ
を一生懸命やるなんてバカバカしいことです。
 「最初は1年生の問題から」というのもすごく良いですね。学年
があがっても,前にやったところでつまずいていたら,その学年の
問題をやるのは厳しいです。特に算数は,かけ算,わり算,たし
算,ひき算といった四則計算がどの程度身に付いているかによっ
て,できる度合いが大きく変わります。
 そういった意味でも,広瀬さんの取り組みは素晴らしいですね。
◆「(夏休みの宿題に)新聞で理科クイズを作ろう」綿貫好晃さん
 ぼくも「自由研究」を出すのが毎年の定番で,それが小学校とか
では当たり前のように思ってしまっていました。
 今回の記事のように,今までの常識を覆してくれるのって,ハッ
と気付かされることがあっていいですね。
 「宿題をやる方も見る側もあまり楽しくない」というのは納得で
す。どうせなら,どちらにとってもメリットがある宿題にしたいで
すね。この理科クイズなら,きっと夏休み明けが楽しみになるなと
感じました。
 全く同じようにとはいかないかもしれませんが,ぼくマネしてみ
たいなと思いました。
◆「おまけの宿題」二宮聡介さん
 ぼくもこういうの大好きです。
 授業参観などでは,家の人と一緒に楽しんでもらえるようにする
のはどうしたらいいかと,いつも考えます。自分がそうなのです
が,誰かの授業を観ていても,すぐに飽きてしまうのです。だか
ら,どうせなら家の人と一緒に楽しみたいと思っています。
 家族のみんなの感想を書いてくれたなんて,とっても嬉しいです
ね。学校でやっている授業の内容なんて,家の人は全然知らない
し,興味もないかもしれません。そんな中で,こうして家族みんな
で楽しめる時間を提供できているってステキなことだな〜と思いま
す。
◆「宿題はあっさりと」佐竹重泰さん
 佐竹さんのすぐにマネできる実践を紹介していただけるのはとて
も嬉しいです。
 「なぜその宿題を出しているのか」という佐竹さんの哲学がとて
もいいなと思います。
 そして,板倉さんの文章にある「宿題をする条件のある家の子ど
もと,そういうものがない子どもがいるからです」というのを受け
て,基本的なことはきちんと学校で教えたいと思っているというと
ころは,とても大事なところです。
 宿題はあくまでもプラスアルファーであって,宿題をやってこな
いから学校の授業で困るようなことになってはいけないなと思って
います。だから,佐竹さんが大切にしていることや実践しているこ
とというのは,とても役立ちます。
 「1日の始まりである朝は,〈一人一人が無理せず気持ち良く過
ごすこと〉が最大の目標になっています」(17ぺ)というところ
は,ぼくも毎日の生活の中で大切にしたいなと思います。毎日のこ
とだけに,教師のちょっとした心がけで,子どもたちの気持ちだっ
て大きく変わります。
 宿題ということをきっかけにして,学校生活で大切なことも学べ
た記事でした。
◆「日本の科学教育の歴史から学ぶ」山路敏英さん
 「はじめに」で書かれている「どうして,理科の教科書にはこん
なに細かい知識がたくさん詰め込まれているのか?」という問題意
識,そして「実際に教科書で授業をしているボクには〈本当に教え
るに値する知識はわずかしかないなあ〉と思えたのです」という実
感,とても納得です。
 学習指導要領という,やらなきゃいけないとされているものがあ
り,それをもとにして教科書は作られている。
 教師として日々授業していると,「教科書にあるものはやらな
きゃいけないもの」という意識になりやすいでしょう。だから,山
路さんのような問題意識をもって教科書というものを見つめ直して
みるという機会は,あまりないように思います。そういった意味で
興味深い記事でした。
 なぜ,今のような学習内容になったのか,そういったことを調べ
るなんていうのは,ボク自身にには無理なことです。たとえば,
「仰せ出され書」の中にある「学問をやらないと一人前になれませ
ん」「学問をしなかったひとは,自分の財産をなくしたり,食べる
のに困ったり,そういうことが起こります」ということ。「ひとり
ひとりが自分のために学問をしよう」ということ。
 今の子どもたちはいったいどんなことを思って学習しているんだ
ろうかと改めて思いました。
 山路さんが紹介してくれた最初の問題意識に対する答えは次号で
明らかになるということで,楽しみにしています。
◆「8月の真夏日は増えているか」竹田かずきさん
 「最近,暑くなったよね〜」と会話の中で出てくることがよくあ
ります。
 「昔はエアコンがなかったのに,夏をどうやって乗り切っていた
んだろうか」なんてことも話題になります。
 地球温暖化だとか,異常気象だとか,そういったことの影響だと
言われています。
 果たして本当にそうなのかということを調べてくれた竹田さんの
記事にとても興味がありました。
 最初の方を読んで,2010年,2012年,2013年はほとんど真夏
日だったなんて驚きました。 やっぱり日本は暑くなっていたの
か〜と思いました。
 グラフを見ると,そんなに差はないようにも感じますが,でも真
夏日や猛暑日が数日増えているというだけでも,それは大きな変化
のような気がします。
 それに,エアコンの温度は1度とか2度とかの違いで,電気代が
かなり違うと聞きます。だから,そういった意味で考えれば,ここ
何年かで,少しでも変わっているというのは,大きな変化のような
気がしました。
 「なんか最近暑くなったよね〜」とか,なにげなく話題になって
いるようなことの中に,実は調べるに値する良いテーマが転がって
いるのかもしれないと感じた記事でした。

●伴野太一(東京・小学校)
 まず今回の〈ちょうどいい宿題とは?〉というテーマがいいなぁ
と思いました。サークルでも度々議論になるのがこの“宿題”ってや
つです。◆小川洋さん(東京)は「たかが宿題…されど宿題」と書
かれていましたが(14ぺ),まさにその通りです。宿題には決定
版!というものはないんじゃないか,というのが私の考えです。今
回のいくつかの記事を読んでも思ったのですが,やはり〈宿題〉と
うのは〈子ども〉に出していながら,その後ろには保護者やその学
校のルールやら一緒に組んでいる人やら地域がらやら…いろんなこ
とが関係しているからです。
 とはいえ,じゃあ何でもアリか! と言えばそうでもなくて,今
回の小川さんや◆広瀬さんの記事を読んで,「やったら小さくても
何かいいことがある」とか,せめて「子どもが苦しまない」とかい
う基本的な考えみたいなものは,決定版がありそうだなぁと感じま
した。でもそもそも宿題ってだれが始めたんだ?日本だけのものな
のかな?
◆扇野剛さん「みのちゃんの結婚式」が好きでした。授業記録もい
いのですが,ああいうサクッと読めるさわやかな資料で仮説(たの
しい授業)の生き方を伝えられるようになりたいなぁと憧れます。
結婚式でのシアワセが「楽しく過ごした何年も前の実験結果」
(57ぺ)と書いていた扇野さんのシアワセが,ふわっと感じられ
るとてもよい記事でした。(抽象的な感想ですが(笑))
◆山路敏英「日本の科学教育の歴史から学ぶ」
 昭島のサークルでも紹介されていたのですが,なんだか題名が固
くてそのときは読めませんでした(笑)。でも『たの授』に載って
改めて読むと,とても興味深い内容でした。授業記録になっていた
ので,自分でも予想して楽しく読めました。学生の頃,こういう教
育の歴史みたいなものを腐るほど教えられたのですが,全く覚えて
いません。そんなの将来何の役にも立たない!と思っていました
が。なのに教師になって,仮説を勉強し始めてから,ちょくちょく
こういうこと(山路さんが書かれていたようなこと)が気になった
り,学習指導要領ってなんだということを調べてみたり…不思議で
す。次回がとても楽しみです。
◆編集部「時間がとまる?!精密ゴマ」
 こういうの,大好きです。教室に,雨の日用に,たまにおもちゃ
を買って置いておくのですが,ほとんどのおもちゃは最初ちょっと
遊ぶとポイなんです。でも〈遊び方〉や〈何が面白いのか〉という
話をすると,たちまち大人気になります。改めて「おもちゃって,
その楽しさを教えられることが重要なんだな」と思いました。そん
なおもちゃの説明みたいに,教室での子どもたちのイイところを互
いに伝えられたらいい先生にな るだろうなぁと思いました。
 とりあえず以上です。フリーメーソンはちょっとまだオレには早
いみたいです。もう少し温めます(笑)。高校の時の世界史が大嫌
いで,何も覚えていないのですが,横文字の片仮名の名前が出てく
ると,とたんにアタマに入らないんです(だれがだれだかわからな
くなる)…明らかに高校の世界史の後遺症なんです…。

橋本五郎(福島・民生児童委員?元鍼灸師
◆山路さんの「日本の科学教育の歴史から学ぶ」を読んで,明治初
年の「学制」の精神は「個人主義が主体になって,富国強兵でな
かった」ことに驚きました。それなら,どこでどう富国強兵になっ
ていったのか,次号からの展開に興味を抱くことができました。
 それから,「選択肢で聞かれなければ,目的意識を持ってこの文
を読まないし,〈そうだったのか〉という感動もなかったと思いま
す」(84ぺ)と,選択肢を持つことの重要性について述べている
ことが印象的でした。
◆中西さんの「憧れの黄色いひまわり」を読んで,キミコ方式の絵
を描いてみたくなりました。だいぶ昔,キミコ方式の講座に参加し
たこともあったのに,絵を描くなどいうことは,まるで縁のない生
活をしてきました。多分,自分で満足できる絵を描くことができな
かったからかもしれません。
 しかし,これほど具体的な指導案が示されていると,自分で読み
ながらでも描けそうな気がしてきました。それに,「キミコ方式の
絵を見ていると心が落ち着きます。いい気分になれます。子供たち
の集中した時間が絵の中に凝縮されているからでしょうか」(60
ぺ)という文にキミコ方式の絵の素晴らしさが凝縮されていまし
た。
◆「もっと初期のフリーメイソンの人々」(板倉さん他)を読ん
で,フリーメイソンの人々といったら科学者だと思っていたので,
いろんな職業の人がいて驚きました。ブラッドリーの業績の中身に
ついては天文学的な専門的な言葉が出てきて理解できませんでし
た。しかし,〈「コペルニクス/ジョルダーノ・ブルーノ/ガリ
オ」に続く地動説の難点を克服することができた〉ということはわ
かりました。そして,自然科学は,人文科学や社会科学と違って,
科学の業績が連綿と引き継がれている様に感動してしまいました。
南京虐殺について未だに存否を含めさまざまな論争が存在している
のですから。

●肥沼孝治(埼玉,中学校・社会)
 7月号で特に良かったのは,次の3点です。
◆1. 宿題はあっさりと(佐竹さん)
 宿題についての提案は何本も載っていましたが,その原則を題名
に表していた佐竹さんのものがいいと思いました。
 私(中学社会)は原則として宿題は出さないのですが,結果が面
白そうなことがあった時,「誰か検索して調べてみて」と誘いをか
ける宿題は出します。
 また,長期休みの時には,負担にならない程度のもの(今日の
ニュースと私のコメント)を出しています。
 40日以上の夏休みの間,社会のことに無関心でいる方がよっぽ
ど退屈すると考えているからです。
 その代わり,内容は,政治・経済・スポーツ・芸能・三面記事,
なんでもOKにしています。
◆2. 憧れの黄色いヒマワリ(中西さん)
 キミ子方式で黄色いヒマワリを描かせたい。
 しかし,ヒマワリは夏の花=忙しくて授業ができない。
 「秋でも開花する種類を発見」するなんて,ホント中西さんの執
念(?)の賜物です。
◆3. バランスペンスタンド(前崎さん)
 もうこれは,子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かぶって感じです。こ
ういうものづくりは,不思議感覚と科学的センスを一挙にプレゼン
トできる楽しい工作ですね。

●長沼麗子(茨城,会社員)
◆バランス ペンスタンド
 早速厚紙を使ってつくってみました。ネットで検索したところ,
ほかにも類似品があり,試してみたくなりました。このようなもの
づくりはおとなもたのしめるので,教育現場でない職場で紹介して
も受けると思います。
◆イントゥ ザ ワイルド
 「干しいも日記」が微笑ましくていいですね。有三さんに夢中に
なっているあやのさんが目に浮かぶようです。
 小学校での有三さんの苦悩ぶりは共感をおぼえました。「ファイ
ト!七里先生!」と声をかけたくなります。「背骨になるたのしい
授業」と「相談できる先輩や仲間」の存在は大きいですね。来月号
も心待ちにしております。
◆時間が止まる?!精密コマ
 脅威的かつ驚異的なコマですね。とてもとても欲しくなりまし
た。動いているのか止まっているのかわからない状態というのも実
際見て確かめたいです。精密機器加工メーカーが本気になってつ
くったそうですが,皿回しや砂時計,万年筆などなどほかにもつ
くっていだたけたら…と,想像するだけでも夢がふくらみます。近
日中にこのコマを入手し,回転時間記録にも挑戦します。
◆憧れの黄色いヒマワリ
 こういうわくわく楽しい絵の授業はいいですね。記事を読んでい
るだけで明るい気分になります。子どもたちの感想文からも,むず
かしいと感じながらも創意工夫し立派な作品に仕上げた喜びと達成
感が伝わってきます。
◇教室でも使える遊び42
 今月はやさしすぎました。考えるのはたいへんでしょうが来月
号,期待しております。
◇その他
 宿題は永遠のテーマです。いいアイディアや工夫を共有し,たの
しい宿題がふえて子どもたちたちに歓迎されるよう知恵を出してい
きたいと思います。

●須崎正美(埼玉,定時制高・理,講師)
◇山路敏英さんの「日本の科学教育から学ぶ」
 『たのしい授業』に載った《政治・教育思想と科学教(理科)
育》という授業書は読んだ記憶があります。でも,「仰せ出させ
書」や「教育勅語」など,難しいことが書かれていたので,ちょっ
とパスした覚えがあります。でも,今回,山路さんに分かりやすく
解説していただいたので,「何だ! こんなことだったのか」と感
動しました。日本の科学教育も初めは,理想が高かったのだと感心
しました。
板倉聖宣さん他2名の「もっと初期のフリーメイソンたち」
 王認学会の会員でフリーメイソンだったという人は,科学者だけ
ではなく,画家,精密機器の職人,小説家,編集出版人と色々な職
種の人間がいたのに驚きました。この人たちはどこかで科学と関係
していたのでしょう。そのころ,王認学会の会員の何割くらいが,
フリーメイソンだったのかも知りたいです。
◆竹田かずきさんの「8月の真夏日は増えているか」
 「真夏日が増えている」と言われていますが,時期によるもの
だったのでしょうか。2〜3年集中して真夏日が多い年が続くと,
そう思われてしまうのかもしれません。実際調べてみないと分から
ないものです。東京以外でも調べてみると,もう少しはっきり分か
るかもしれません。

●岡田克己(神奈川・小,校長)
 「8月の真夏日は増えているか」竹田かずき
 ここ数年の夏の天候は確かに異常と感じていたので,実にタイム
リーに読ませてもらいました。
 今年は梅雨らしい気候で,一概に「昔よりは〜」とは言い切れな
いことを実感しました。
 長期的な統計を取ってこそ,はっきりしたことを物申せるのです
ね。
◆「宿題はあっさりと」佐竹重泰
 佐竹さんの朝の過ごし方は,ボクの好みです。ボクも,朝の時間
を大切にし,やれることは朝のうちに済ませたいタイプです。ボク
のもっているスタンプと同じものがあったのも楽しかったです。
◆「《おもりの働き》のあとでおまけの問題」
 簡単な物づくりは,嬉しくなって作業しています。
◆「日本の科学教育の歴史から学ぶ」山路敏英
 政治・教育思想と科学《理科》教育は確かに『たのしい授業の思
想』の中に収録されていたことまでは覚えていたけれど,これほど
価値のある話だとは思いませんでした。本誌の記事を読んで,改め
てそのよさに気付くことになりました。
◆「憧れの黄色いヒマワリ」
 キミ子方式に夢中で取り組んでいたころを思い出しました。

●小田富生(和歌山・農業)
◆表紙の「指1本で眠らせる手品!」は,少し考えました。目玉を
隠せばよいだろうなとまでは思いつくのですが,指の幅だと目玉だ
けを隠せません。「うーん」と考え込んでも思いつかず,答えを見
てしまいました。上のまつげも隠せばよかったのですね,納得で
す。
◆「バランスペンスタンド」も面白いです。以前,ネットで
「フォークとスプーンの組み合わせのバランス」や「ワインを横に
してうまくバランスをとっているもの」などを見たことがありまし
た。さっそく型紙を厚紙に印刷して組み立てました。意外と簡単に
バランスをとることができました。おもしろいです。いろんな「バ
ランス遊び」がありそうですね。
◇8月に,学童の子どもたち相手に「プラトンボ」を作ることにな
りました。集めていたビデオテープの外箱に,型紙で羽根を書こう
としたのですが,斜め線(折り曲げるところ)も入れようとする
と,これを何十枚も作るのは大変だなあと思い始めました。何かい
い案はないかなと,そこで思いついたのが「のりつきの折り紙」に
プラトンボの型紙を印刷することです。ダイソーには「シールちよ
がみ(12〜16色)」というのがあります。15cm四方に5枚の羽
根が書かれたデータを作りました。そしてちよがみに印刷します。
あとは,裏紙をはずしてプラシートに貼りつけるだけです。羽根を
書く手間が省けるだけでなく,赤や黄,青など各色5枚ずつの羽根
が完成し,カラフルなプラトンボになりました。

●樋口みどり(広島・ヨガ講師)
◆本を開いて一番に目に飛び込んだのが,「脅威の精密コマ」(編
集部)です。3分間も回り続けるとは,よほど軸がしっかりしてい
るのでしょう。興味があります。
◆「どうする?宿題」小川洋さん
 親の評価が気になりますよね〜。私も親の立場で懇談会に出る
と,「宿題,少しでもいいんだけどな」という気持ちと,「でも,
ださないと我が子は勉強しないから,多めの方がいいかなー」と,
気持ちがゆれうごきます。
 お母さんたちの評判も,「宿題出す先生は,いい先生」みたいな
感じですし,難しいです。
 最後の小原さんの言葉がいいですね。
◆「毎日の◯◯プリント」広瀬真人さん
 先生になる人でも宿題がきらいだったんだーと,ホッとしまし
た。資料の中の「宿題についての基本方針」がよかったです。
◆「宿題はあっさりと」佐竹重泰さん
 毎朝を気持ちよくスタートさせる方が,一日がよくなる気がしま
す。また,漢字プリントに一言「うまい」とかかいてあるのが,子
どもにとって,うれしいものですね。
◆「ストローリフト」萠出浩さん
 もっとくわしく知りたいです。
◆「バランスペンスタンド」前崎彰宏さん
 不思議でやってみたくなります。興味あります。
◆「日本の科学教育の歴史から学ぶ」山路敏英さん
 初めは,何だか難しそうだなーと思っていたのですが,読んでみ
たら,山路さんが感動された「ひとりひとりが自分の為に学問しよ
う」というところに私も感動しました。大学生にもよかったと思い
ます。
◆「8月の真夏日は増えているか」竹田かずきさん
 グラフを見て,真夏日はふえてきているけれども,自分が思って
いるほどではないと感じました。現在は1941年の倍程にはなって
いると思ったのですが,意外でした。しかし,「真夏日は30〜
34.9度の幅があるので,同じ真夏日と一言ではいえない」ことに
も納得です。
◆「アリがタイなら倉庫」山田正男さん編
 「なるほどー」でした。「自分の考えから始まる」とか「元々,
何を気にしているのか?」「そういう視点」「筆者と違う価値観」
の話など。ちっちゃい字ですが,発見の連続でした。
 
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