〔仮説社PublicRelations〕No.215

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〔仮説社PublicRelations〕No.215
2015年12月17日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』10月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(後編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分
をご紹介させていただいています。
 今回は,10月号の反響(後編)13人分のおたよりを紹介しま
す。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年10月号「たのしい算数あります」 ◇◇◇

●岡本賢司(徳島・小学校)
◆「ずっとこのやりかたがいい」(出口陽正さん)
 夏の大会の分科会で,出口さんのこの資料発表を聞かせてもら
い,「《図形と角度》をしたい!」と思いました。残念ながら,現
在は理科専科なので,「いつか必ず!」という状況ですが…。
◆「数学の楽しさは証明にある」(板倉聖宣さん)
 ボクは,自分が受けてきた数学の授業から,「証明というのは,
決まったパターンに当てはめて考えること」だと思っていました。
でも,夏の大会の「仮説証明授業」分科会での出口さんや山田岳史
さん(岡山)の発表を聞いて,「証明ってこんなに楽しいんだ」と
感じました。特に山田さんの報告での中学生の姿に,鼻の奥がツン
とするような感激を覚えました。「自分もこんな数学の授業を受け
たかった」と思いました。今,教員になって,仮説実験授業に出会
えたおかげで,子どもたちにそういう授業を実現しうることがうれ
しいです。算数の授業ができるようになったら,「証明」の授業を
ぜひやりたいです。
◆「日にちの読み方のなぞとき」(松崎重広さん)
◆「算数と代数」(入り江洋一さん)
 こういう話を子どもたちにスッとしてあげられるといいなあとい
つも思います。
◆「宇宙ステーションを見てみませんか?」(坂井美晃さん)
 6年生と《宇宙への道》をたのしんだばかりなので,気になりま
した。まだ,国際宇宙ステーションの観察はしていませんが,日暮
れも早くなってきたことだし,ころあいを見て試してみたいと思い
ます。

●中村 文(福岡・小学校)
◆補填にはとっておきの絵本を(高畠さん)
 六年生の子が,三年生の頃に読んだ「デイビッド」君の話を覚え
ているのってすごいですね!!補填に入ったほんの何分間の事を覚
えているのは,その絵本や読み聞かせがとても印象深かったんだろ
うなぁ〜と思いました。
◆ずっとこのやりかたがいい(出口さん)
 ほくと君と出口さんの関わり方がとてもいいなぁ〜と思いまし
た。実は,ほくと君の様な子がうちのクラスにいます。でも私その
子に対してすごく厳しい態度をとってると思うんです・・・。自信
を無くすような言葉かけをしている気もしています。だから,一人
で「ああ,あたし自信をつけてあげたいという気持ちが大きくなり
すぎて,逆に相手を追い詰めてしまったり相手に厳しく当たってし
まったりしてないか?」という事を考えて読んでいました。ああ
あ〜。
 さて,図形と角度の内容ですが,P.12の定義の説明って難しい
ですね。出口さんが書いていた「犬」の説明場面を想像してみる
と・・・わたしも子ども達と同じような感じでした。笑
 ワンと叫ぶ・4本足・ふさふさ・・・あとは,しっぽを振る?と
か??
 その後「犬を言葉で説明しようと思ったら難しいけど,みんな
「ワンワン」「ニャンニャン」など,そうやってイヌとかネコをイ
メージできるようになった→三角形というのは,頂点が3つある閉
じた図形というように言葉で簡単に説明できます」という説明を読
んで,「あー,なるほど!!」と思いました。
 あと,問題1「三角形の角の和のなぞ」での討論もおもしろかっ
たです。てる君(エ)のあの形の三角形,確かに一瞬ぱっと見たら
内角の和が180度になるって思わないですもんね・・・。その後
の証明のお話もおもしろかったです。
 ただ,問題3に関しては,正直よくわかりません(笑)なんで三
角形を四角形とみたり,五角形にみたりしても,内角の和は理屈通
りになってるの??→何度か読み返してもよくわかりませんでし
た・・・。
 資料では,出口さんが「子ども達の様子を見て,思ったことや考
えたこと」が事細かに書かれていましたし,また子ども達の理由や
討論の様子を読んでいるのもおもしろかったです。その場にいるよ
うな感じで読ませてもらいました。
◆日にちの読み方のなぞとき(松崎さん)
 一日(ついたち),二日(ふつか)・・・,確かになんでそう読
むか?といわれると私もわかりませんでした。私,誕生日が5月1
日なんですけど,「へー,そうやって読むものなんだ〜」と,昔か
ら一日(ついたち)と呼ぶことにあまり抵抗がなかったという
か・・・全く疑問にも思っていませんでした(笑)
 あと,二十日(はつか)も,ふと(ふた)+ちと読んで二十日な
んですね!!ということは,二十歳(はたち)もそれと同じような
感じなんでしょうね〜!
◆27年間の停滞(長崎さん)
 資料の中で,けいっちからのお手紙がとても良かったです。すご
くステキなお手紙ですね。あと,落語家さんの話が載ってましたけ
ど,その話もすごくよかったです。
 ここ最近,自分のやっている事にちょっと疑問を持って
て・・・。いや,あの,仮説ではなくて,子ども達との関係につい
てです。
 最近(2学期入って),怒りっぽくなっちゃってて,すこしいら
いらしてたんです。私,なんでいらいらしているんだろ?ちょっと
したことにたいして,ムカってくる感じでした。
 で,この資料を読んで,「あ,私って子ども達を無理矢理集団の
輪に入れているような事をしているから??」と思ったんです。し
かも,そういう風にしないといけないという,勝手な使命感の元
やっていた気がします。あとは,周りは特に何も言いませんが,周
りの目を気にしちゃいすぎて,私が勝手に見えない評価をつくっ
て,それにおびえていたんだろうと思います。
 いつも他の人の言葉にふらふら〜と流されたり,周りの目も気に
しちゃったりしている私です。ほんとかっこわるい。ですが,まぁ
そういうところがあるのが私だし,子ども達への関わり方も気をつ
けようと,改めて気がつけて良かったと思いました笑(てか,いつ
も資料を読んで「はっ!!」として,自分の行動を振り返ることが
多い気がします)。
 嗚呼,かっこいい大人になりたいなぁ〜!!
◆女性のスカート着用率の変遷(板倉さん)
 今は,職場を見てもスカートよりかはズボンが多いと思います。
若い人達もほとんどズボンです。スカートはいている若い女の先生
を,今の学校では見たことないかも!?というくらいです。
 と,考えると私が小学生(1980年後半〜1990年前半)の頃
は,確かにスカートをはいている大人の人をよく見かけました
ね!!資料を読みながら,勝手に「昔ってスカートをはく時代だっ
たのね〜」と,自分でもよくわからない時代区分をしながら読んで
いました。が,資料の最後の方に書かれていた「女性の社会進出」
の文章を読んで,確かにそうかも!?と思いました。制服で言う
と,看護師さんは今ほとんどズボンですもんね。そういや看護師さ
んのスカート姿をあまりみたことないかもしれないです……。
 確かにズボンは動きやすいですし作業しやすいです。
 余談ですが,最近は,スカートの下にレギンスはいて過ごすこと
もありますよね。結構若い人でもスカートの下にレギンスはいてい
る人いますよね。
 個人的な意見ですけど,私は,スカートだけじゃちょっとさびし
いので,何か別の物をはいていると動きやすいです。笑
◆天然物理生活(吉野さん)
 大学時代に仮説に出会えてとてもシアワセだなぁ!と思いながら
読ませてもらいました。ひとり討論会という状況もおもしろかった
です。吉野さんのふわ〜っとしたあたたかい雰囲気が資料を読んで
いてとてもよく伝わってきました。
 あと,感想用紙の挿絵がとても可愛いです。自分がイラストを描
くことが好きなので,「わー,これいいなぁ!」と思いながら見て
いました。たまにそのイラストにいろ塗りされるのも嬉しいですよ
ね〜★次回も楽しみです!!

●荒川康夫(埼玉・小学校)
◆高畑謙さんの「補填にはとっておきの絵本を」
 高畑さんのところでは「お休みの先生の代わりに空き時間の先生
が行くことを補填という」のですね。うちの学校では補教といった
りします。その補填で行った教室で読んであげた絵本のことをこん
なにも覚えてもらえるなんて,とても幸せなことだと思います。ふ
つうの教科書に出てくる話ではなく,選んで行った児童書なのです
から,効果がこんなにも違うのですね。出てきた本を参考にしたい
と思います。
出口陽正さんの「ずっとこのやりかたがいい」
 少人数の担当をされているらしいですね。「ああでもない」「こ
うでもない」と選択肢を議論しながら,みんあんで証明していく,
照明の授業がこんなにも子どもの支持を受けているというのは素晴
らしいことだと思います。最後の問題は,180度も角と考える議論
は,三角形の定義から言ったら,ほんとに屁理屈のように思えるの
で,研究問題とした方がいいと思いました。
◆森下知昭の「歌って覚える算数の授業」
 「もしもしかめよ」の歌がいいと思いました。後半のさびでぐっ
と盛り上がって最後にしまる。この曲のメロディがいいですね。こ
のメロディに合わせて歌詞が組み立てられています。お経のように
唱えるだけではなかなか覚えられないようなことが歌詞になってい
ます。ヒットは曲のおもしろさとと歌詞の素晴らしさですね。
板倉聖宣さんの「数学の楽しさは証明にある」
 冒頭の森毅さんのように「分からなくても楽しければいい」と
思ってました。でも板倉さんはそれは「超能力だ」といいきって科
学者としては許せないのですね。そういえばそれは洗脳にあたりま
すね。そんなことからこの記事をたのしく読むことができました。
 数学も仮説をたてて証明するという,検証ができる,最初の出口
さんの資料の通りだと思いました。
◆吉野由起さんの「天然物理生活」第1回
 始まりましたね。物理研究者志望の大学生のお話。塚本さんとこ
れから出逢って,何か仕込まれていくのかな。たのしい教師生活も
たのしみです。

●高木仁志(街角かがく倶楽部:瀬戸)
 ボクは今「再任用」で小学校2,3年生の算数を主に教えていま
す。他のクラスと進度を合わせながら,教科書の内容をそつなく教
えるというのが毎日の仕事になっているので,その中で「少しでも
楽しく,分かりやすく」教える工夫をしたいと思っています。そう
いう立場からすれば,◆出口さんの「ずっとこのやり方がいい」と
子どもに言ってもらえる機会がもてるような「少人数指導」もいい
なと思うことができました。「よそうがぜんぶあっていて,うれし
かったです」と感想文に書いてくれて,おまけに最後には「たのし
かったです。ずっとこのやりかたがいいです」と書いてもらえたと
いうのは,「いいなあ」と思いました。
 教科書の内容を教えるときには,「できるだけにぎやかに,たの
しく」という気持ちで授業に臨むのですが,◆森下さんの「歌で覚
える算数の授業」の数々の歌は,「もっと早く知っていたかった」
と思いました。いろんなところで使えて,「子どもたちと少しでも
にぎやかに,たのしく過ごしたい」というボクの気持ちにぴったり
だったからです。今は2年生と「九九の歌」を使った授業でたのし
く盛り上がっていますが,そんなたのしい時間を少しでも増やす方
法として,この「歌で覚える算数の授業」はグッドアイデアだと思
いました。
 それから,◆長崎平和さんの「27年間の停滞」を読むと,塾教
師として「仮説実験授業の了見でもって他の授業もやっていまし
た」という姿勢に,再任用で教科書算数などをやっている自分との
共通点を感じることができました。それにしても,「5回も退職」
していて,「そのうち3回はまあ解雇です」なんて,すんなり書け
るところが頼もしいですね。そんな中,小4のときに出会ったとい
う教え子さんから,「学校も塾も含めて,たくさんの先生に出会っ
たけど,恩師と呼べるのは,ジョン君と,もう一人の先生だけ」と
いったメッセージがもらえるなんて,なかなか素敵な先生だったん
ですね。◆富田秀紀さんの「ぶんまわしで絵を描こう」という記事
もおもしろかったです。ボクは3年生で今<コンパス>の指導をして
いるのですが,まさか「葛飾北斎」の絵まで登場させて<コンパス>
を操作するところまでは考えつきませんでした。
◇それにしても,仮説社が高田馬場から巣鴨の方に移転されるとい
うことを聞いて,感慨深いものがあります。何度か立ち寄るたび
に,自分の教育や哲学に関する原点のようなものを学ばせてもらっ
た気がしているからです。今後ともよろしくお願いいたします。

●伴野太一(東京・小学校)
◆今月のマイベスト5
1位「数学の楽しさは証明にある」板倉聖宣さん
→今月はこの文章がよかったです。最初の〈わかる〉と〈たのし
い〉の組み合わせの話が私は前から好きで,『科学と教育のため
に』の中のあそこだけ何度も読んでいたのですが,なぜ1番目が
〈わかって,たのしい〉なのかが自分ではあまりぴんときていな
かったん だなぁと初めてわかり,さらに好きになりました。また
板倉さんの子どもの頃の話の中で「学ぶに値しないことを受け入れ
ることに抵抗感があるんです。それなのに,学校ではそういう知識
をどんどん入れてくる」という所が,読んでいてどきどきしまし
た。あぁ,教師っていうのは教えることや,分からせることを当た
り前のように正義としてやっているのだなぁと思ったからです。子
どもたちの学ばない権利なんて発想は,どこにもないなと。でもこ
れは常に意識していないとすぐに私なんかは忘れてしまいそうで
す。
 私は数学が嫌いで,すごく覚えているのが中学生の頃の「証明」
を勉強したとき,“オレは数学を諦めよう”と思ったことです。問題
がさっぱり解けないから答えを見る。他の算数ならそれを見ればな
んとなくわかるのに,証明は答えを見てもさっぱり意味不明で,そ
れから「証明」と聞くだけで「む〜り〜!!」となってしまいまし
た。
◆2位「算数・数学の授業プラン紹介」高橋善彦さん
→今年の板倉賞に山路敏英さんが選ばれましたが,そのときの「い
いものを紹介する(広める)というのもひとつの研究なんです」と
いう板倉さんのお話をこの資料を読んで思い出しました。仮説の研
究会にはほんとうにたくさんの財産があるのだなぁと感心する一方
で,私のように(研究会の中では)まだ若い人たちにとっては知ら
ないことの方がまだまだたくさんあり,こうしていろんな財産を紹
介し てくださるととても嬉しいし,そこからまた興味がぐんと広
がります。
 という感想とともに,これは私だけが感じるのかもしれません
し,ただの考えすぎかもしれませんが……仮説の研究会の中では
「教科書の授業のことを考える」ということに後ろめたさを感じて
しまう雰囲気があるように思います。「仮説はいいよ」=「教科書
授業はダメだよ」と,それに近いような言われ方を聞くと私は抵抗
があります。高橋さんの資料の最初の部分はなんかそういう雰囲気
に気を遣ってかかれたのかな?(もちろん違うかもしれまんせん
が……)と思いました。素晴らしい資料なので,堂々と「教科書授
業で役立つ」ということで紹介していってほしい資料だと思いま
す。
◆3位「27年間の停滞」長崎平和さん
→「教師の生きがいってなんだろう?」と読者に問いかけてくるよ
うないい資料でした。決して偉ぶるわけでもなく,でもひたむきに
自分の考えを持ってやってこられた長崎さんの姿が想像できまし
た。
◆4位「宇宙ステーションを見てみませんか?」坂井美晃さん
→子供の頃,宇宙とか星とか,本当に全く興味がなかったのです
が,私は《宇宙への道》の授業を受けてから空を見ていろんなこと
を考える瞬間ができました。オレの人生でそんなことが起きたこと
自体にも感動なんですが(笑)この資料を読んで,生まれて初めて
天体望遠鏡ほし〜な」と思いました。“天体望遠鏡”なんてものは
お金持ちの天体マニア少年がクリスマスとかにもらうものという偏
見があったのですが,この資料を読み天体望遠鏡を欲しいと思える
自分に感動しました(笑)最初の口絵の写真が見事でした。
◆5位「光は見えるか」田中一成さん
→そう言われてみれば,懐中電灯で照らしたら途中は光が見えない
よなぁ〜と思いました。それで「空気のない宇宙は暗く,空気に
よって光が向きを変える地球の空は青く見える」というのに
「へ〜!!」と思ったのですが……え?でも壁に光を当てたときの懐
中電灯と壁の間にも空気があんのにじゃあなぜ見えないの?とまだ
よくわかっていない所もありました。しかし〈私の33年の人生
で,一度も疑問に思ったことのないことを疑問に思えたこと〉が嬉
しかったです。授業書のワクワクする問題に出会ったときの感覚で
す。

●久朗津祥江(北海道・小学校)
◆「ずっとこのやりかたがいい」出口陽正さん
 8〜9ぺに出口さんが書いてあるように算数を教えるときに私も
苦手な子に対して「自信をつけさせてあげたい。でも,教えれば教
えるほど自尊心を傷つけたり,学問や教師に反発をいだいたりする
のであれば,やらないほうがいいのでは」と,よく葛藤します。仮
説教師にはそういう人,多いと思います。子どもの〈気持ち〉が最
優先ですから。
 だからこそ,〈授業書〉はやっぱりよくできていると思うのです
ね。
 教師の仕事は「わからせる」ことではなく「意欲と自信」を引き
出してあげることなんだなよな〜と,あらた めて思いました。
◆「27年間の停滞」長崎平和さん
 学習塾の講師で,〈仮説実験授業〉を知ってしまったがゆえにと
きには悩ましい思いをされながらお仕事をされていたのではと推測
します。
 それでも,担当したクラスで年間,ほとんど子ども達がやめない
というのは,会社側(学習塾)に利益をもたらしていたのではない
でしょうか!(^^)!
 最後は「まったく進歩のない俺」と結んでありましたが,どこを
向いているかで前(進歩)と後ろ(後退)は変わりますよね。
 「仮説実験授業にはまったく飽きない」のところ共感です。私も
それがあるから教師を続けてます!
◆「女性のスカート着用率の変革」竹田かずきさん
 私が子どもだったころって,スカートをはいていた方が多数派
だったのか〜と思いました。考えてみると,昔は専業主婦のお母さ
んが今より断然多かったですよね。今では保護者を見てみると,働
いていないお母さんの方が少ないくらいです。
 中1の娘が裏表紙を見て「なんでスカートが『たのしい授業』に
関係あるの?」と質問してきました。「ある現象から社会が見えて
くるのだよ」と教えましたが,こういう〈ものの見方,考え方〉を
よくできるようになったのは,このようようなグラフをたくさん見
せてもらったり,仮説実験授業のお陰です。
 いつか,「グラフで見る世界」をまとめた本がでるといいな〜
(もしかして,企画あります?)
●組合教研で憲法の話題
 そういえば,先日組合の「教育研究集会」なるものがあり,レ
ポートを出しました。
 レポートは組合から学校に「何本か出してー」と割り当てられま
す。みんな「え〜,書くことない〜」と言うので,「じゃあ,私だ
しますよ」ということで,「憲法を学ぼう」というレポートを出し
ました。
 その中で『日本国憲法三権分立』を紹介したのです。1部は2
年前に6年生でやったので,そのときの感想をつけました。
分科会の中で,とても好評でした!「思想を押し付けず事実を伝え
る」というのがよいというご意見もいただきました。
 私のレポート発表の後,伊藤 真さん(弁護士)の記念講演があ
り,その話がすごくより一層わかった!とも言ってもらえました。
 伊藤さんは「立憲主義」について広く伝えたい思いで活動を続け
ているようで,話の中で板倉先生の言っていることと重なるような
ことを言っていました。
 「立憲主義」について広く伝える活動を始めた時に,大学の教授
や弁護士仲間から「おまえ何やってるるんだ?」と馬鹿にされたけ
れど,自分はこれが大切なんだと思ってやりづづけている → 板
倉先生が教育の分野に入ったときにも学者仲間からよく言われたん
ですよね。
 焦らず進めていく→ 仮説実験授業を真理にまで高める研究会と
同じと思いました。
 法案は通ってしまったけど,国民が〈立憲主義〉〈憲法〉を知る
チャンス → 「転んでもシメタ」にするのと同じと思いました。
 講演の結びはこの話だったので,なんだか明るい気分で終わりま
した。そして最後はすごい拍手でずーと鳴りやまなかったくらいで
す。組合教研でこんなことはめずらしい。

●樋口みどり(広島・ヨガ講師)
◆「ずっとこのやり方がいい」(出口陽正)
 〔問題2〕の四角形の概念,知りませんでしたー。それに,三角
形の角の和も,このように学んでいけば,押し付けられた感じはな
くなりますね。
 なんだかわからないけど,三角形の内角の和は180°!って思い
続けてきたけど,どうしてって?考えたことはなかったんです。
《図形と角度》うけてみたいです。
 ほくと君に自身と意欲が芽生えてよかったです。
◆「算数/数学の授業プラン紹介」(高橋善彦さん)
 このように一覧にしていただくと,わかりやすいです。沢山ある
のですね。自分も苦労している〈割合〉のおウラン,興味深いで
す。
◆「折り染め切り紙で花火もよう」(永原真知さん)
 折り染めをするとだけでもワクワクするのに,またきれいな作品
のなると,とてもいいですね。子ども達の作品からも楽しんで作っ
他様子が伝わってきます。みんなセンスがいいですね。
◆「算数と台数」(入江洋一さん)
 なるほどー,ひっかかりやすいところがわかります。
 すっと入っていけない子どもさんには,すごくいいですね!
◆「宇宙ステーションを見てみませんか」(坂井美幌さん)
 一度だけ,あれってうv封ステーションじゃない?と思うものを
見たことがあります,ずっと興味を持ってました。地球からの」距
離も400kmほどなのですね。ぜひ見てみたいです。
◆「27年間の停滞」(長崎平和さん)
 すごーく前に,ご自分の名前がいやだというお話で,板倉先生が
「いい名前じゃないか」とおっしゃっていた記憶があります。私も
最初はペンネームなのかなあと思っていたのですが,その時,本名
と知り,いい名前だなあ,つけられたお父様すごいナーと思ってい
ました。SNSでつながって,27年前の感想を知り得て,やはり仮
説ってそのときにHあ大きく変化しないかもしれないけど,ずっと
心のどこかにあって,生き続ける教育って,ステキです。文章の中
野「確固たるモンがあるわけですから,変わる必要はないわけで
す」というのがいいですね。
◆「数学の楽しさは証明にある」(板倉先生)
 板倉先生が常に「これは学ぶに値するかどうか」を気にされてい
ることにオドロキです。
 自分が小さい頃,そんなことを考えていたら授業についていけな
くなるから,その作業はなしにして,とりあえず,何でもおぼえた
気がします。だから仮説に出会った時に,より,これはすごい!っ
て思ったのかな。
 特に《もし原》は,「これを教えてくれていたら科学が好きに
なったのにー」と思いました。あんなに嫌いだった原子分子の世界
がパッと明るく輝いたかんじでしたよ。だから,《証明》も授業書
でやるときっとたのしいのだろうなと思います。
◆「天然物理生活」(吉野由紀さん)
 とってもたのしみです。今回も読みやすいし,笑っちゃいました。
◆「この明るい感動はなんだ!?」(小沢俊一さん)
 読んでみたいです。

●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆出口さんの「ずっとこのやり方がいい」が一番よかったです。
 この話は,実際の資料を読んだことがありますが,読んでいてと
てもうれしく聞くことができ,笑うことができ,出口さんの数学へ
の思いがすごく伝わってきました。《図形と角度》は何度かやった
ことがあり,友人にも紹介したことがあります。ほくと君,いいで
すね〜。
 中学受験する子にも,好評でした。最近,算数の授業書がどんど
ん出てきて,これからがたのしみな気がします。すべてが,網羅す
ることは難しすぎますが,こういうものが少しでもできれば,算数
もたのしい教科だと思ってくれると思います。学校では現実問題と
してかせない教科なので……。
◆森下さんの「歌で覚える算数の授業」が次によかったです。
 こういう方法でやってどうする?なんて方もいられるかもしれま
せんが,音楽をすすめる私としては,算数でも音楽が少しでも入っ
てくれば,とてもいいと思います。歴史唱歌もあるし,日本地図や
世界地図の歌・かけざんの歌もあるし,たのしく覚えられたらいい
じゃないですか。
 特にいいのは,ちゃんと単元によって分けられているので,その
つど行なっていけばいいなぁと思います。「がい数編」とか,「式
と計算編」とかあるのでととてもいいと思いました。私も,音楽講
座などで紹介していきたいと思います。それぞれの分野でこのよう
に作ってもらえると最高です。
◆高橋善彦さんの「算数・数学の授業プランの紹介」
 こういうのを描いてくれるとうれしいです。どれをやったらよい
か,大事なときに忘れてしまうので,ありがたいです。
◆(故)松崎さんの「日にちの読み方のなぞとき」よかったです。
 身の回りで使われるのに,知らないことってけっこうあるなぁと
いう感じでした。算数の時間に行なうことで,成果を発揮しそうで
す。こういう授業も,ぜひ算数でやりたいです。時間がないかもし
れませんが(少人数制度のせいで……( ̄∀ ̄;))。
◆富田秀紀さんの「ぶんまわしで絵を描こう」,いいですね。ムカ
デの絵が最高です。
 こんな描き方があるとは驚きです。絵の苦手な私にとっては,と
てもうれしいです。絵の描き方の選択肢が増えました。本当にあり
がたいです。野外教室でも使えるかな。
◆入江洋一さんの「算数と代数」いいですね。
 こういう記事を書いてもらうのも,載せてもらうのも,うれしい
です。ちょっとしたことが,けっこう大事なものですから。幾何と
か代数とか,未だによくわからない私ではありますが(笑)。
◆竹田かずきさんの「女性のスカート着用率の変遷」とてもよかっ
たです。
 「社会が変わると,衣服が変わる」ということにつながるのかぁ
と今更ながらわかりました。昔?の方が着用率が多かったのかぁ。
でもそんな気がする。子どもの時,女の子はほとんどスカートだっ
たような(制服ではなく)。

●岡田克己(神奈川・小,校長)
◆「算数・数学の授業プラン紹介」(高橋善彦さん)
 『たのしい授業』も30年以上発行され,ずいぶんと算数・数学
の授業プランの財産も増えたんだなあと感心してしまいました。お
かげで,今まで楽しい思いをさせてもらいました。懐かしい気分を
味わえました。
◆「数学の楽しさは証明にある」(板倉さん)
 「楽しい,わかる問題」「数学の楽しさ」など今まで聞いた感動
的な話が詰まっていて,改めて板倉さんの自由な発想のすごさを実
感できました。
◆「女性のスカート着用率の変遷」(竹田さん)
 職場の女性は,仕事中はジャージなど運動しやすい服装なので,
出勤時の服装を見ていて,竹田さんと同じようなことを考えていま
した。女性らしさの代名詞だったスカートですが,子どもたちの服
装はさらに多様化しています。時代の変化を読み解く一つの指標で
すね。検証するデータを見つけてくる竹田さんもスゴイです。
◆「天然物理生活」(吉野さん)
 これまた,ゆる〜い楽しい連載が始まりましたね。絵文字もかわ
いい。「一人討論会」のくだりの気持ち,とってもよくわかりま
す。毎月楽しみにします。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
◆「ずっとこのやりかたがいい」出口陽
 やはり授業記録はいいです。はっきりと成果が見えます。自信と
意欲がもてるというのが,生き生きと実感できます。
◆「日にちの読み方のなぞとき」松崎重広
 こういう読み物も良いですね。数え方一つにしても,そこに歴史
があって,いろいろな国とのつながりが分かりたのしいです。こう
いう知らなくても良いけど,知っているとたのしいことが今回のよ
うな復刻でもいいですから,もっと読みたいです。
◆「27年間の停滞」長崎平和
 長崎(ジョン)さんはどうして週に数日しか会わない塾の先生な
のに,あんなに子どもたちに慕われるのだろうか。いや,大人たち
にも魅力的な人です。やはりカッコいい大人を目指して,かけ声だ
けじゃなくてカッコいいものを求めて模倣しているのがその秘訣な
のかなあと感じます。カッコいいですよね。
◆「数学の楽しさは証明にある」板倉聖宣
 これは,算数特集と聞いて読みたかった文章です。改めて読んで
も感動しました。

●飯田哲夫(山梨・教育委員会
◆1.出口陽正「ずっとこのやりかたがいい」○算数大嫌いのほくと
君と≪図形と角度≫
 たしか「図形と角度」は出口さんの作られた授業書だった(よう
な記憶が……),と思うくらい授業の進め方でも,原理的な部分を
とても大切にしていると思う。
 言葉の定義ということが,実は数学ではとても需要で,勝手なイ
メージで,また,自分なりのイメージで勝手に解釈してはいけな
い。たぶん僕は文学的というか,情緒的な部分があり,勝手にイ
メージをつなぎあわせる。こういう人は,数学嫌いになる。という
か,数学は,決められた法則で,数を操るだけの学問の印象があ
り,あまり夢中になれなかった。
 だが,今回改めて,そのおもしろさの可能性に気づいた。
 数学は徹底して記号を使い,定義から論理を厳密に進めていく学
問であり,考える,推理する,そういう楽しさのある教科なのだ
が,それだけでおもしろいのではない,と思うようになった。(そ
れがおもしろくて数学がすきという人は少なからずいるだろう)
 一方で,日常生活は,それぞれが都合良く思い込むことで,成立
している。厳密でなく,わたしたちは自分の都合で現実を解釈し
て,生きてる。数学と対照的である。
 で,どこがおもしろいかというと,この日常生活(各自の勝手な
解釈・みんなのイメージ)と数学の厳密な論理がぶつかるところ,
そこに「へー,そうなのか!」という驚きが生まれて,それが改め
て数学的に現実を観ると,こういうことか,となる。
「へりくつだ! ―フーイングの嵐!」のところでそれを感じた。
 それから,もう一つこの記事を支えている出口さんの教育観に共
感した。
「教えれば教えるほど,自尊心が傷ついたり,学問や教師に反発を
いだいたりするのであれば,そのような教材は教えない方がよいの
ではないか」(8ペ)というところ。
 ほくと君の意見を聞いて,全体でやるか,個別でやるか,決める
ところなど,子どもの気持ちを優先しているところ。
◆2.板倉聖宣「数学の楽しさは証明にある」○仮説証明授業の提唱
 板倉さんのこの文章は1993年のイタクラ式発想講座に拠るの
で,以前読んでいるのですが,改めて板倉さんの発想の豊かさを確
認した。
 数学は「厳密にいうと科学ではない」が(だろうなと思いま
す),小中で教えている事柄の多くが,自然科学と考えていい部分
が多く,実験ができる。数学の授業も楽しくなる,と説かれる。
まったくその通りで,「実験」というものは,理論(学説・仮説)
と現実を結び付けてくれて,しかも,現実がまた別の顔を見せてく
れて,そこに論理のすばらしさが実感できる,という仕組みになっ
ている。子どもたちに,理論の大切さ,すなわち学問であったり,
学ぶことの楽しさを実感させることができるので,勉強しなさい,
学ぶことは大切ですよと押しつけを排除しても,彼らの好奇心を喚
起して,自然と子どもたちが学んでいくことになる。実験とは押し
つけの排除そのものである。
 あと,「たのしい」とわかるの関係であったり,「楽しい授業」
の思想の原点も語られている。今回,心に残ったのは,「感動的に
わかる」ことの大切さ。「感動的に伝える」という仕事は,エン
ターテインメントの発想だと気づく。物語をつくる作家も,ある意
味,当たり前の現実を,如何に感動的に構成するか,そこに腐心し
ている。授業書づくりもそこにつながるのかと思う。また,教師は
やっぱり一単元を構成していく,一時間を構成していくのに,如何
に「おっ」とか「あぁ」とかそういう心の動きを呼び起こすことを
考えていく,教材研究・授業研究とはそういうことだと思う。
◆3.長崎平和「27年間の停滞」○仮説実験授業と27年の歳月,
そして教え子からの手紙
 世代的に共感できる記事だった。僕が仮説と出会って32,3年
になる。「歳をとってから失業すると,この国では再就職はかなり
難しい」という現実が,歳をとっても年金で働かなくても安心して
暮らすことの出来ない現実と重なって,「下流老人」という問題も
浮上する。「子どもの貧困」についてすこし関わっていたのだが,
見えないところで厳しい現実が進行している。
◆4.入江洋一「算数と代数」○数学にうまく入門できなかった人の
ための教え方・考え方
 教え方の「秘策」というのは,本当に実際に教えているなかでつ
かむことがある。家庭教師をしていたときに「思いついたやり方」
というのが,なるほどな,と思う。教師というのは公務員が多いけ
れど,役人になってはダメだと思う。先々月に料理人の記事があっ
たが,職人的な部分が重要であると思う。新居信正さんは教える職
人だった。
 算数の発想が,数と数の間に,加減乗除という「働き・ファンク
ション」でつなぐのに対して,数学(代数)「−3y」「+5x」
とそれぞれ「単体・原子」として見ているという発想に転換させる
ことで,子どもの理解がすっと進むというのは,職人の技という感
じがして,なかなか良い記事だと思った。
◆5.藤本真嗣「マグナスティック・フラワー」○リング磁石でキラ
キラ花模様
 とりあえず『たの授』が届いて,子どもたちに紹介できるのが,
紹介したいと思うのが「ものづくり」で,これがある先生とない先
生では,子どもとの距離がだいぶ変わる気がする。磁石のおもちゃ
は3年生の理科でも使える。簡単でたのしい感じがして,やってみ
たくなった。
◆6.森下友昭「歌で覚える算数の授業」○「もしもしかめよ」のメ
ロディーで
 算数・数学も基礎知識が重要で,それを知らないととにかく先に
進めない。出来なくなると嫌いになる。九九は唱えたり,歌ったり
して覚える。だから,算数唱歌も有効だと思った。僕は歴史唱歌
やったことがある。歴史が苦手な子も,それだけで何だか歴史が身
近に感じるみたいだった。算数の授業にこういう場面を挟むだけで
気分転換にもなる。今後こういう○○唱歌はさかんになれば良いと
思う。
◆7.松崎重広「日にちの読み方のなぞとき」○生活に根づいている
昔の数の読み方
 言葉の蘊蓄というのは,まあ学問の王道というか入門というか,
好奇心をそそる。日常の何気なく使うものに対して,改めてその起
源を知ることで「なるほど」となり,もっと知りたくなる。知って
いると話したくなる。林修が朝の番組で「ことば塾」をしています
が,それも同じ。先生が言葉の起源を色々知っているだけで,子ど
もは学びたくなる。それをさりげなく扱うテクニックが必要なの
で,お話になっていると使いやすい。あまり調べたことをこれでも
かと聞かされるのも嫌なもの。
◆8.高橋善彦「算数・数学の授業プラン紹介」○小1〜中3まで,
教科書のこの単元には,この教材を!
 この手の情報は教科等の特集を組んだとき,必ず重宝する。思い
出して,算数は何か使えたっけ,と。やっぱり教科書だけでおして
いく授業はきつい。子どもにとっても,教師にとっても。小学校で
は,各教科で楽しい授業がうまく挟み込まれると楽しい学年・学級
になるだろう。
◆9.宮田秀紀「ぶんまわしで絵を描こう」○葛飾北斎『略画早指
南』を見ながらコンパスで絵を描いた!
 算数でコンパスを使うと,作図したあと,余った時間,必ず模様
づくりなどをする。何だか楽しいな,という感じで。コンパスとか
定規とか,小学生はその操作に慣れないと算数(図形)が苦手にな
る。この北斎のプランを使うと,休み時間とか空き時間や自由時間
に,こういう活動をするし,また,美術教育でも欠かせない北斎
いう優れた画家を知ることにもなる。

●宮本明弘(大阪・海外科学教育支援)
◆数学の楽しさは証明にある(板倉聖宣
 私は子どもの頃〈三角形の内角の和は180度だ〉ということを感
動的に知らなかったから,子どもたちにも,感動的に教えることを
していなかったなあと悔しく思うと同時に大反省もしています。今
本棚から引っ張り出して授業書〈図形と角度〉を見ているところで
す。ああ,教材研究不足でした。子どもたちに申し訳のない教え方
をしてしまいました。私が教えたのは,たしか折り紙に自分の好き
な三角形を描き,それをハサミで切り取った後,三角形の3つの角
を切り取ってから,それをノートに3つの角が1点に集まるように
糊付けする。すると,その角は1直線上に集まる。で,結論〈三角
形の内閣の和は180度だ〉というものです。自分としては教科書の
1ページの説明としては,まあまあかなと思っていたのですが,と
んでもありません。予想もないし,なんの感動もない。ただ教えた
というだけのこと。授業書〈図形と角度〉には遠く及びません。
「「学者が,学問を材料にして誇大宣伝をすれば汚職だ」というの
が僕の見解です」と板倉さんがおっしゃっていることは,学者を教
師に置き換えても十分成り立つことだと思います。
◆27年間の停滞(長崎平和)
 塾講師をしながら,自分の了見を貫き通している長崎さんに感服
してしまいました。5回も退職なんてことは,私には真似ができま
せん。「仮説実験授業を知っている人とそうじゃない人では了見が
ちがうのです」とおっしゃっておられるのは私もその通りだと思う
のですが,勇気のない私には到底できないことです。こうして淡々
と自分の置かれている立場を書かれていること自体がすごいことだ
と思います。
※「「ジョン君」てエッ?なんのこと」と思いましたが,数ページ
わからないまま読んでいて「ビートルズ」と出てやっとわかりまし
た。「仮説実験授業の了見でもって他の授業もやっていました」と
いうところの「了見」という言葉が絶妙に私の心に響きました。早
く再就職の口が見つかることを望みます。
◆宇宙ステーションを見てみませんか?(坂井美晃)
 ふだん星などには興味はあまりわかないのですが,宇宙ステー
ションが「人間が常に6人交替で生活できるくらいなので,サッ
カーグラウンドくらい巨大です」なんてことを教えてもらうと俄然
興味が湧いてきます。でそのさきもすっと読んでしまいました。
JAXAのホームページで観れる時間も調べてしまいました。これで
本日見事に宇宙ステーションが観れてしまったら,最高です。
※一番関心があったのは,口絵の左に写っている天体望遠鏡?で
す。坂井さんの持ち物なんですか。だとしたら,スゴイ!!
あと一つ,見ましたよ。宇宙ステーション「のぞみ」。最初の4〜
5分,探してもわからなかったんです。時計を見るともう見れる時
間の半分も過ぎている!ああ,今日は見損なったかなと思って振り
返ると,光る物体。実に速い。その横をたまたまゆっくりピカピカ
と点滅していく。あれはただの飛行機だな。とすると,あの飛行機
よりも速く過ぎ去っていく物体は間違いなく,宇宙ステーション
だ。ということで,残りわずかの時間を満足顔で過ごすことができ
ました。「のぞみ」は南東の空へ消えていきました。夕暮れ散歩の
買い物帰りの一時でした。イエーイ。満足!
◆算数と代数(入江洋一)
楽しく代数のxやyが頭の中に入ってきました。「「算数」では,
数式を「手続き」と見ているのに対して,数学(代数)では各項を
代数計算上の「原子」として見ているように思います。」というと
ころがなるほどと思ったところです。また,こういうちょっとした
ことだけど,とても目からウロコのような記事が載ることを期待し
ています。
◆日にちの読み方のなぞとき(松崎重広)
 楽しくなぞときのように読めました。これもタイトルに書かれて
はいなかったけれど,新総合読本なのかなと思いました。
◆ずっとこのやりかたがいい(出口陽正)
 とてもいいお話でした。もし私が子どもの頃に仮説実験授業を受
けることができていたらどんなに幸せだっただろうなと今思いま
す。素直な私はなんの感動もなくいろいろなことを覚えすぎまし
た。だから,子どもにもあんまり感動をもって教えられなかった。
残念!学校の授業全部が理科方式(仮説実験授業)なら教師も子ど
も平和でいられるのにね。「ずっとこのやりかた」は無理だとして
も出口先生との勉強は忘れることのできないものになったと思いま
す。で,《図形と角度》の解説つき授業風景を読みながら,やっぱ
り仮説実験授業はいいよなあ。定年退職後も仮説実験授業ができる
のなら,また働いてもいいなあと思ってしまいました。
◆算数・数学の授業プラン紹介(高橋善彦)
 小学校・中学校で教えられた経験のある高橋さんならではのプラ
ン紹介でした。困った時にぜひ参考にしたいページです。ただ,そ
の時にそのページがあったことを覚えているか少々不安になりまし
た。算数・数学特集があった時には是非ページの先頭に入れていた
だきたいと思います。


編集委員ではありませんが

●松田心一(鹿児島)
◆板倉さんの「つまらなく知ってしまったおとなには〈ばかばかし
い〉と思えることが少なくないのです」という言葉に,ハッとさせ
られました。〈ばかばかしい〉とまでは思わなくても,ほんとうは
そこに感動的に知ることができたチャンスがあったのに,その機会
を逃してしまったことがとても悔やまれます。が,そういう自分の
ような学習者(こどもや大人)を生み出さないためには,授業の内
容を新たに作り直すしかないのだと,しみじみと感じています。
「〈学者が,学問を材料にして誇大宣伝をすれば汚職だ〉というの
がボクの見解です」という言葉にも,板倉先生の学問への厳しさ責
任について考えさせてくれました。板倉さんの「数学の楽しさは証
明にある」は数学教育や授業一般について,とても考えさせてくれ
る内容でした。
◆分かっていること,わかってしまっていることをわかりやすい文
章にして人に伝えるには,新たな問題意識と見る視点があれば感動
的に伝えることができることを示したくれたのが田中さんの「見え
る光」です。小学生から大人まで十分に読み応えがあり,知ること
で光について深められるどころか,世界を広げてくれることを味わ
うことができました。とてもいい内容です。
◆算数が苦手だった私が小学時代に一番苦労したのが「積」と
「商」の区別。×算と÷算でどうしてダメなの?と,いつも思って
いました。ですから歌にして覚えるのも私のような子どもには良い
と思いました。森下さんの「歌でおぼえる算数の授業」の内容は,
それぞれの学年で使えるほどに網羅されていて,先生方には大いに
役立つに違いありません。また,小野さんの「〈たのしい暗記の授
業〉研究成果は,はたしてうまくつたわっているのかどうか」のご
指摘を検証した内容になっているのもいいですね。
◆学力向上だけが声高に叫ばれる昨今の学校で,算数・数学はその
最先鋒の教科でしょう。それだけに教科書から離れることは,校内
の目,保護者の目といった環境の中ではなおさら難しいご時世で
す。そんな中にあって,一時間でも算数や数学の楽しさを味わって
ほしいと願う先生たちに,高橋さんの「算数・数学の授業プラン紹
介」は小中学校のすべての学年に対応してあるので,とても役立つ
内容ではないかと思います。
◆実験は一つもなく読み物のようなたんたんと流れていく数学の授
業書を,子どもたちが楽しいと思ってくれるのは,「教師の常識的
直観に反することなのかもしれません」との出口さんの言葉。仮説
実験授業のたのしさを味わいつくしている出口さんならではの言葉
だけに重みがあるな〜と感じました。たんたんと流れる授業も内容
次第では,感動的であることを仮説証明授業や仮説実験授業は証明
してくれているのだと,あらためてそのすばらしさを感じさせてく
れました。ほくと君の変容ぶりに感動した出口さんの「ずっとこの
やりかたがいい」でした。
◆若き女性の物理の先生。ボクが高校生だったら,これだけでも授
業をたのしみだな〜。退職後育休代替で勤めさせていただきなが
ら,中学校も女性の理科の先生が増えているなあと感じていまし
た。まさしくリケジョの活躍時代ですね。吉野由紀さんの「天然物
理生活」シリーズをこれから楽しみにしています。
◆「ぶんまわし」ってはるか昔,大学の図学とかいう課目で習った
ような気がしています。が,小学生にこんなに楽しくコンパスの使
い方として授業を創造された富田さんに感嘆。ムカデを描くには相
当な根気が入りそうです。それに個人的には好きな動物で貼りませ
んから私だったら描かないだろうけど,子どもたちの中には描き上
げる子がいて感動しました。もっといろいろな図が開発されると,
初級→中級…,などと創造できそうですね。富田さんの「ぶんまわ
しで絵を描こう」は独創的な授業でした。
◆2003年の3年間,女性のスカート着用率がもっとも低いのはな
ぜなのでしょうか。何かファッション的な流行があったから? そ
れとも経済的な理由? 「経済が豊かになると女性のスカート丈が
短くなる傾向にある」と昔なにかの経済コラムで読んだ覚えがるの
ですが,ほんとかな〜? いつもながら竹田さんの「女性のスカー
ト着用率の変遷」のグラフも楽しく読めました。
 
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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
スにお寄せくださいますようお願いいたします。
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