2017年01月10日のツイート

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〔仮説社PublicRelations〕No.245
2017年1月10日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』12月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(後編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


みなさま,あけましておめでとうございます!
2017年が始まってもう10日も経ってしまいました。仕事が始まる
と早いものですね。慌ただしくてミスしそうですね。
ということで,新年早々「毎週金曜日発行」のお約束を破ってしま
いました…申し訳ございません!翌営業日ということで,どうかセ
ーフにしておいてください…すみません。


◇◇◇ 2016年12月号(No.457)ここから世界へ ◇◇◇

編集委員12月21日現在35人の評価
*行頭の数字は,その記事について言及(プラスの評価)している
編集委員の数です。
*感想の書き方は形式がきまっていません。「(1)○○」などと
タイトルの前に数字が書かれていても,それは「一番よい」などと
いう意味とは限らず,しばしば「読んだ順序」だったりします。
*とりあげてくださる原稿の数も,決まっていません。序列を明記
している方もいらっしゃいますが,「もっとも気に入ったもの1編
のみ」とか,「ベスト3」とか,「役立ちそうなもの全て」とか,
人によってさまざまです。
 
言及した人の数と◆筆者「題名」,一覧
30◆松田心一「多数決に優先すること」
20◆福嶋祐子「この初めての授業が,とても好きです」
14◆吉田秀樹「エピクロスの学校はどこに?」
13◆森田光徳「たのしい思い出は《空気と水》で」
12◆池田毅司「青年が見た〈自分の国〉像 再び」
12◆林 泰樹「原子論的な考え方の魅力」
11◆相川智彦「NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をして
  きました」
8◆山路敏英「受験生を励ます年賀状」
4◆島 百合子「ライスケーキ」
3◆広瀬真人「若狭湾での生活」
1◆仮説社「『足算』広告」
1◆「12月号の特集」
1◆高橋善彦「はらぺこあおむし

以下
おたより


25●品川美里(群馬・中学校,理科)
◆青年が見た〈自分の国〉像(池田さん)
 日本はまだ比較的平等な国と考えている人が多いし,私自身も,
そう考えているんだなと思って面白かったです。
 外国の映画をみるときに,この知識があると,もっと面白くみら
れると思いました。最近,韓国映画が面白くて,よく見るのです
が,日本より,親とか家の影響が強いと思うと,感慨深かったで
す。
◆この初めての授業が,とても好きです(福嶋さん)
 福嶋さんが原発事故から,海外にボランティア行くと決めたとい
うことに,びっくりしました。福島事故のときのことを思い出しま
した。私はそんなこと全く考えなかったので,いろいろな人がいる
んだなぁと思うとともに,福嶋さんはすてきだなぁと思いました。
 バングラディッシュの子たちも楽しそうで,運営がちゃんとして
るんだろうなぁと思いました。
◆多数決に優先すること(松田さん)
 他の先生と対立しても,子供の気持ちや権利を守るのがすごいと
思いました。最終的に,対立していた先生方とも,心が通じて,よ
かったです。私も基本的人権を守りたいなぁと思いました。
◆あと,「仮説会館の予定」(143ページ)をみて,仮説会館に行
ってみたいなぁと思いました。

26●長崎平和(東京・塾講師)
◆相川さんの「NASAでの授業」の話。思わず「いいなあ」と呻い
たのは,「教師の言うことを生徒が聞く」形式ではなく,課題に対
して生徒たちがどう解決していくかをディスカッションしながら授
業を進めること」のところ。仮説実験授業のように討論の落とし所
で「実験がある」のは大切で,「実験なしのディスカッション」は
嫌いなんだけど,でも「教師の言うことを生徒が聞く」だけを今の
ところでは是とされているので,それがうまくできないぼくは「授
業がヘタクソ」と上に評価されて個別授業しかさせてもらえません
(^^;)。だから「いいなあ」と(^^;)。
◆ヘヴィー級だったのが松田さんの話。
 先生たちが団結して生徒さんを修学旅行に行かせないってあるん
ですね。ビックリ。
 子どもたちにももちろん人権はあるし,先生たちにもそれぞれ人
権がある。なにか問題が起きると先生が必ず保護者から,保護者た
ちから,地域の人たちから叩かれる。それもつらいし,修学旅行に
行かせてもらえない生徒さんもめちゃくちゃつらい。
 色々考えさせられるお話でした。
 最後のシーンで,定年退職されるときに件の中学の先生たちから
花が届いたのは「うわー,ちゃんと評価していた人たちもちゃんと
いたんだ」とわかって「よかったなあ」と思いました。前々々職の
塾を解雇されて7年経つけど,こないだ中3の男の子から「ジョン
先生,◯◯学院にいたでしょ?」と訊かれて驚いたことがありま
す。彼の友人がその塾に通ってて,ぼくがいた頃の同僚さんがぼく
の話を今の生徒さんたちにしてたらしいのです。見てた人は見てた
んだなあ。思わぬところでレジェンドになってたみたい(^^;)。

27●日吉 仁(佐賀・小学校)
◆林泰樹さんの「原子論的な考え方の魅力」が,一番よかったで
す。江戸時代のお米の消費の話は,ぼくも知っていてその論理の明
快さに胸がすくような思いがしました。しかし,「原子論的に考え
て正しい」「原理的に正しい」ということを手掛かりにするものの
見方・考え方で,子どもたちの行為を判断することは,ぼくには十
分にできていないなあと感じました。まだまだ目に見える出来事や
行動に捉われてしまうのです。11月号の松木さんの資料を例とし
て挙げてくれたのもとてもよかったです。自分が今受け持っている
クラスの子どもたちの気持ちが,なんだかわからなくなったような
気がしていたけどスッとしました。
◆森田光徳さんの「たのしい思い出は《空気と水》で」もよかった
です。外国からの転校生,しかもその子が不登校気味になるなんて
「ガーン」という感じですよね。「日本語がわかる」を最優先にす
るのではなく,「授業がたのしい」を最優先にして,そのための手
立てを取るという判断がすばらしい。「日本語がわかる」の部分を
いろいろなことに置き換えることができて,応用がききますね。ナ
ラ君が,《空気と水》を楽しんでくれて本当によかったです。
◆福嶋祐子さんの「この初めての授業が,とても好きです」もよか
ったです。まず,日本からバングラデシュへという決断力がすご
い! 旅行なら研究会か日本の温泉で十分というぼくには,とても
考えられない決断です。若いっていうのは勢いがありますね。
 子どもたちの反応が,日本もバングラデシュも変わらないのがい
いです。テロ事件なんかが起こると,その国のイメージがなんとな
くマイナスになってしまうけど,こうして授業を楽しむ子どもたち
の反応を見るとうれしくなります。
◆相川智彦さんの資料は,スケールが大きくてビックリ。「NASA
でも仮説実験授業の紹介をして好評だったんですよ」なんて聞いた
ら,ゴチャゴチャうるさい事を言う人も態度が変わったりして
(笑)。プラトンボを飛ばしている子どもの様子が,自分のクラス
の子とよく似てて笑えます。ホントにどこでもいっしょですね。

28高木仁志(愛知・アトム出版)
◆今月号でまずボクが一番に読んだのは,吉田秀樹さんの「エピク
ロスの学校はどこに?」でした。
 2000年以上前と言うと,わが日本の国は,まだ国という形をな
していない。そんなはるか昔にあったという「エピクロスの学校」
を本気で捜している吉田さんから,ある“ロマン”を感じさせられま
した。結果的に見つからなかったというのも,それはそれで「実験
結果」としての価値があったと思いました。
 そんな「はるか昔」のこととは違った,◆福島祐子さんの「バン
グラデシュの子どもたち」との仮説実験授業の記録は,今現在,こ
の同じ地球上に共に生きているバングラデシュの子どもたちや先生
たちの「仮説実験授業」への生き生きとした“反応”が読み取れて,
うれしくなってしまいました。子どもたちが,実験のあとで「いぇ
ーーーーい!」と喜んでいる瞬間の映像を,東京での研究会で見せ
てもらったのですが,「どこの国の子どもたちも同じなんだ!」と
いう,新鮮な感動を味わわせてもらったことが,忘れられません。
 そんな,今の世界の青年達の〈自分の国像〉を知らせてくれた,
◆池田毅司さんの「青年が見た〈自分の国〉像再び」という報告か
らは,住本健次さんの25年前の報告からのある“変化”が読み取れ
てうれしかったです。今現在の,世界の「政治」や「経済」や「教
育」の全体像を見ていくための,よい資料となりました。
 そこで見えてくる「日本の社会は比較的,平等な社会であると言
えるかもしれない」ということの「恩恵」のようなものを,九州の
田舎から出てきたボクとしては感じるところがあります。今年,
65才で第2定年を無事迎えることができるところにも,そんな感慨
を持っています。
 そして,そんな田舎者のボクが,この歳になった今,自分のこと
を「原子論者」と自覚できるまでに学ばせてもらった「仮説実験授
業」に改めて感謝しています。そんな思いで,◆林泰樹さんの「原
子論的な考え方の魅力」という文章を読ませてもらいました。その
中で,林さんは「〈目に見えないものを重さを手がかりに追求して
いく過程〉は,思わず興奮してしまうようなドキドキ感に満ちてい
ます」と書いています。
 その「重さ」に注目することで,エピクロスの〈原子論の世界〉
に惹かれ続けているのが吉田秀樹さんなのです。ボクは今,そんな
多くの人たちの「原子論」に目を向けた研究成果から,改めて「原
子論教育」のたのしさを切り開いてくれた板倉先生の“お仕事”のあ
りがたさを感じています。これからも,その“お仕事”から,しっか
りと学んでいきたいと思っています。

29●長澤弘明(神奈川・民生児童委員)
 12月号では,仮説実験授業が国際化したなあと感じました。
◆「多数決に優先すること」がもっとも印象に残りました。松田さ
んのように生徒側に立つ校長は少ないのではないでしょうか。とも
すれば多数決で個性的な生徒を排除してしまうことのほうが多い気
がします。ちょっとちがいますが,現役のとき,学級通信を出さな
いで欲しいと同僚の先生に言われたことを思い出しました。教師と
いうのは何でも統一したがるんですね。
◆ライスケーキ
 炊飯器でつくるといえば「カマ・デ・ショコラ」を想い出し,こ
れは12月の「わくわく科学教室」で作ったところ好評。「ライス
ケーキ」も自宅で作ってみて,「わくわく科学教室」でもとりくみ
たいです。

30●小谷内 寿信(富山・小学校)
◆相川友彦さん「NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をして
きました」
 JAXAのHPから資料をダウンロードして拝読いたしました。
 読んでいるだけで,ワクワクしました。私も追試をやってみたい
と思いました。
◆島 百合子さん「ライスケーキ」
 島さんは,こういった身近にあるものをちょこっと使っておいし
いものを作るところがすばらしいと思います。
 きっと普段から見る目が一般的な人とは違うんだろうなぁって思
いました。
 理科教師がDIYショップはもちろんスーパー,お土産物屋に行っ
てものを見る目が一般的なお客さんとは明らかに違うように。
◆松田心一さん「多数決に優先すること」
 全面的に松田さんの考え方に賛成です。板倉先生がおっしゃるよ
うに「自然法」を無視した民主主義はあり得ないと思います。
 具体的な事例があり,多くの先生方や管理職の先生方にも読んで
いただければ,多くの子供たちがこれまで以上に学校での居心地が
よくなるだろうなぁって思います。
 毎回,松田さんの原稿を大変楽しみにしております。
◆林泰樹さん「原子論的な考え方の魅力」
 林さんの原稿にも,松田さんと同様に子供たちや周りの人に対す
る愛情が毎回感じられます。なんて人間的なんだろうって読むたび
に思います。
 クラスの中で授業中に起こる小さないざこざの多くは楽しい授業
がその場で展開されているならば,自然と解消されると私は自信を
もって言いたいです。むしろ,その小さないざこざを授業中に取り
上げるなどする方が,教室に嫌な雰囲気が立ちこめて,当の本人は
もちろん,多くの子供たちにとって嫌な時間となることでしょう。
そういうことがあるクラスって,結構こういった解決方法がよく取
られているようで,子供たちは授業を心から楽しめないんだろうな
ぁって思います。
 最後あたりにあった「真理を明らかにする」の部分は,ちょっと
私の考え方とは違います。原子論的には真理は一つなのでしょう
が,人間的には私は真理は一つではないと思っています。嫌な態度
を見せる子供も,甘える子供も,目の前の現象に嘘はありません。
全てその時,その場で表現する子供の心理なのだと受け止める方が
自然なのではないでしょうか。以前,仮説社の竹内さんから次のよ
うなメールをいただいたことがあります。
 「『偏見をもたないような教育』というのは賛成ですが,難しい
と思っています。せめて,『自分が偏見をもっていることに気づけ
るような教育』ができたらいいなあと思っています。
 それに,なんというか,「味わいのある偏見」というのも,ある
ような気がしています。
 つまり,『個性』というのは,ある種の偏見と関係があるような
気がしているのです。
 『だれでも偏見があるのはあたりまえ』で,『いろんな偏見が,
たくさんの友だちとの交流のなかで,新しい価値観をうみだしてい
く』ようなことになるといいなあと私は夢想しています」
 つまり,目の前に見せる子供の姿をどう受け止めるのか,その時
に受け止めている自分も真実の自分だし,受け止め方を変えられる
ようになった自分も真実の自分だと言うこと。私の中では「仮説=
偏見」のようにも感じます。
 もっとも,目の前の子供の悪い姿を見て「こいつは悪いやつだ!
きっと大人になっても悪いやつ!どうしようもないやつだ!」なん
て偏見で見続けると,その子もそう見られていることを感じていく
はずですし,逆に「こいつは今は悪いそぶりをしている。でも,そ
れはしょうがないんだ。こいつなりにいろいろと悩んでいることが
あるのかもしれない。少しでも寄り添ってやれればいいなぁ」とい
った偏見で見続けるとその子はそのことを少しでも感じることでし
ょう。

31●西村尚子(山口・会社員)
◆多数決に優先すること
 何を大切に考えていくか,とても重要ですが時によっては,とて
も難しい問題です。
 特に管理職となり,采配を任された時は難しい選択を強いられる
ことになるのでしょう。
 ここでは問題児を修学旅行に連れていくかという問題ですが,職
員全員から拒否の意向を聞いての,「参加させる」という決断でし
た。
 職員の方々の拒否の気持ちもわかるだけに,よほどの信念を持っ
ていないと貫けないな,すごいなと感じました。
 しかし,「真理は多数決では決まらない」という板倉先生の言
葉。「民主主義的原理に優先して基本的人権がある」という言葉。
 得てして,基本的人権を無視して多数決の結果に委ねがちなこと
がたくさんあるように思います。そこを,取り違えないように考え
ていかなければいけないなと思いました。
エピクロスの学校はどこに?
 紀元前500〜600年頃には,すでに豊かな文明を持っていたギリシャ
 しかも,原子論を確立し,地動説の証拠を明らかにした科学者た
ちもその頃のギリシャにはいたという事実が,あらためて驚くべき
ことでした。
 ギリシャで始まった古代オリンピックは,競技大会というだけで
はなく,その間だけは戦争をストップさせるという目的も持ってい
たと聞いたことも思い出し,ギリシャの文化の深さ,発達の凄さに
思いをはせることができました。
 世界の中のあらゆる文明と,そしてその後の文明同士のぶつかり
合いも気になってきました。
◆受験生を励ます年賀状
 山路さんを先日テレビでお見かけしました。女性タレントの中学
時代の恩師としてでした。
 山路さんらしく「勉強ができなかったのは,バレーが忙しいから
だよね」と言われていたとのこと。
 そんな山路さんの優しさが見えてくるような年賀状の文面でした。
 「たかが受験されど受験」「どっちに転んでもシメタ」というキ
ーワード。
 目の前の受験で頭がいっぱいになり,緊張している子ども達の心
をほっと和ませてくれるような年賀状だなと感じました。

32●荒川康夫(埼玉・小学校)
 12月号の記事で印象に残ったのは次の5つです。
◆山路敏英さんの「受験生を励ます年賀状」
 この時期にはとてもいいテーマですね。受かった人もそうでなか
った人もそうでなかった人にも「どっちに転んでもシメタ」の考え
方を使って子どもに寄り添って励ます,という姿勢がいいです。丁
度この文章を読み終えた頃,山路さんのテレビ出演と言う「できご
とが起こりました。タレントのノラさんが中3時代の担任で,山路
さんの「芸能界を目指すノラさんを励ます」という言葉がありまし
た。そのとき結局芸能界にはいかなかったのですが「向いていると
思う」という山路さんの言葉がとても励みになったようです。将来
の夢につながったのだと思います。励ますって難しいけど,いいも
のですね。
◆森田光徳さんのたのしい思い出は〈空気と水》で」
 ネパールからナラくんという子が転校してきました。日本語や日
本の友だちに慣れなくて,いやあな日々を送っていました。日本語
を教える係の森田さんは「日本語を覚えることよりもたのしい授業
を経験することが重要」だという仮説を立てて,《空気と水の》の
授業をしました。たのしい問題には言葉の壁を越えてのめりこんで
くれるものなんですね。真剣に授業を受け,意見を発表する(選択
肢を選ぶ》ナラ君の様子がでてきました。やがてナラ君はインター
ナショナルスクールに転向しましたが,日本の学校でのこの経験は
くきっと何かの役に立ってくれることでしょう。
◆吉田秀樹さんの「エピクロスの学校はどこに」
 吉田さんはギリシアでもっともっといろんな体験や発見をしたは
ずなのに,中心に書かれていたのは,このタイトルとアンティキテ
ィラのことだけでした。他にももっと書きたいことがあったと思い
ますが,何回かに分けて連載したらどうかと思いました。
 でも「エピクロスの学校」が跡形もないこと,古代の文章を頼り
にそれを探すというのは「謎解き」のようでスリルがあっておもし
ろかったです。プラトンの学校には記念館まであってはっきりして
るのに,エピクロスの学校はどこにあったかもわからないというの
は,すごい差ですね。でもだいたいこのあたりだと見当をつけると
ころは勉強と目的意識を持った吉田さんならではですね。
◆福嶋祐子さんの「この初めての授業がとても好きです」
 福嶋さんは教員採用試験に2度落ちたのですが,せっかく落ちた
のだから何か役に立つことをしようとジャイカ青年海外協力隊
応募したということに驚きました。そして羨ましいなと思いまし
た。そして本当に約2年間バングラディシュに行ったのでした。こ
こまでのバングラディシュに行くまでのいきさつがすごくおもしろ
いです。行ってから,仮説実験授業をするチャンスに恵まれ,また
その内容が子どもたちをひきつけたのでした。バングラディシュの
先生が「やってみたい」と思うほど心を引き付けてしまいました。
若い人はいいなあと本当に思いました。感想文を書いてもらってそ
れを読んでいる福嶋さんも想像できて,とってもいい話だと思いま
した。
◆松田心一さんの「多数決に優先すること」
 いろいろ問題を起こしそうなミウラ君を修学旅行に連れていくこ
とに反対する教師集団と,行きたがっているミウラ君を連れていき
たい校長先生,結果的には子どもの気持ちを優先させて,いろいろ
条件を付けさせながら,反対を押し切って連れていったのですが,
……教師集団の(多数派の)決定よりもミウラ君の気持ちを優先さ
せたことは素晴らしいことであったと思います。それは2年後の定
年退職の時,バラバラの学校に散っていった当時の担任の先生たち
に,あんな素敵なお花とメッセージをもらえたことが証明していま
す。

33●宮本明弘(京都・海外科学授業支援)
◆多数決に優先すること(松田心一)
 タイトルを見て,まず最初に読みたい記事だと思いました。とて
もいいお話でした。「板倉さんの言葉に感銘する感性を身につけさ
せ,勇気と決断力を培ってくれたのは仮説実験授業です」と松田さ
ん。この言葉がとても素敵でした。未だに十分身につかない私は今
もこうして日々学んでいるという状態です。多数決に優先すること
の次に出てくる言葉は私が読む前に予想していた言葉とほぼ一致し
ていてホッとしたのですが,松田さんのような発想がなかなか当た
り前のようにできない自分がまだまだだと思ってしまいます。
◆青年が見た〈自分の国〉像 再び(池田毅司)
 以前に読んだことを思い出しました。参観の懇談資料として保護
者に配ったような記憶があります。住本健次さんの記事を読みたく
なったので『たのしい授業』1993年12月号を探して見てみまし
た。すると,「調査した国の中で,〈身分・家柄〉を重要と考える
人がもっとも少なかったのは日本でした。このことは,現代の日本
の社会が世界でもっとも〈身分や階級による差別の少ない社会〉で
あることを示しているのかも知れません」と書いてありました。当
時の私は,日本は学歴差別やその他さまざまな差別の激しい国と思
っていたのですが,この資料や板倉さんのお話なども聞いてとても
民主的で差別も少ない希望の持てる国だと思えるようになりまし
た。それからは私の理解もずっと今まで〈身分や階級による差別の
少ない社会〉という認識です。今回,新しい資料を見て感じたこと
は多少の変化はありますが,まだまだ日本は「個人の努力」「個人
の才能」の報われる身分や階級による差別の少ない社会だと再確認
できました。それにしてもお隣の国韓国の変化には目を見張りま
す。これからも池田さんの言われるように「今後日本社会がどのよ
うに変化していくのか,さらに注意深く見守っていきたいと思いま
す」。と同時に,近隣の国々の様子も知りたいものです。
エピクロスの学校はどこに?(吉田秀樹)
 まずは,36年間も古代ギリシアに興味を持っていろいろ調べて
こられた吉田さんに感謝です。 古代ギリシアの話など夢物語と思
っていた私は,吉田さんのおかげで古代ギリシアがうんと身近に感
じることができるようになったのです。特に吉田さんのエピクロス
の話が大好きです。エピクロスというと吉田さんに出会うまでの数
少ない私の知識では「快楽主義」の提唱者というなんだかいかがわ
しいものだったのですが,全くの誤解でした。「快楽主義」を「た
のしいことを最優先にする主義」と考えればどうってことはなかっ
たのです。まるで「仮説実験授業学派」ですよね。そう気がつくと
仮説実験授業のルーツに出会えたような気持ちになり,心踊ってし
まいました。ああ,私もギリシアの旅に行きたかったなあ。とりあ
えず,『古代ギリシアへの旅』を読んで我慢することにします。そ
して,『ギリシア旅行報告集』の発行が楽しみです。
◆この初めての授業が,とても好きです(福嶋祐子)
 海外で授業をすると,子どもたちの認識はほとんど変わらないの
だとつくづく思うようになりました。というか人間の認識はそんな
に変わるものではないのだ。特に科学を教える仮説実験授業ではそ
う感じるのかもしれません。それにしても,福嶋さんは短期間で現
地の言葉ベンガル語を覚え,子どもたちと楽しく授業ができていま
すね。子どもたちの意見もしっかりと聞けてすごいなあ。
◆原子論的な考え方の魅力(林 泰樹)
 林さんの「クラスの中に困ったことが起きていても,その目に見
える現象だけに惑わされず,「楽しい授業を続けているのだから,
子どもたちの毎日はいいものであるはずだ」と思えるのです。そう
すれば,不安や心配事があったとしても,自信を持って楽しい授業
を続けていけます」という力強い言葉に圧倒されました。林さんの
ようにしっかりと原子論的なものの見方考え方を身につけていくと
そのように自信を持ってそう言えるのだ,すごいなあと。林さんの
ようにもっと自分に自信を持って仮説実験授業をしっかりとやれる
ようになりたいです。
◆たのしい思い出は《空気と水》で(森田光徳)
 日本語学級で日本語を学ぶことは当たり前のことですが,でもそ
れはやはり手段であり,何かの目的の為に学ぶのだと強く思いまし
た。《空気と水》を学びながら,日本語が身についてくれば最高で
す。
NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をしてきました(相川
智彦)
 NASAと聞いただけで驚きです。私の知らないところで,どんど
ん仮説が広がっていっているのですね。
◆(残ったご飯も美味しく食べよう)ライスケーキ(島 百合子)
 とても作ってみたい料理でしたが,我が家にはミキサーがありま
せん。残念! 家庭科室にはミキサーなどは用意されているのでし
ょうか。以前の学校では,牛乳パックで和紙づくりをするため用に
ミキサーが数台置いてありました。あればチャレンジしてみたいで
す。
◆なお,今回一番気に入ったのは,口絵にあった「はらぺこあおむ
し」です(本文140ぺの高橋さん紹介のものづくり)。『たのしい
授業プラン図工・美術2』でさっそく調べて読みました。とてもた
のしそうな実践ですね。低学年でやってみたいです。

34●伴野太一(東京・小学校)
 圧倒的に松田心一さんの原稿がよかったです。アタマが刺激さ
れ,読みながらいろんなことを考えることができました。
 今月のベスト3
◆三位 福嶋祐子さん「この初めての授業が,とても好きです」
 この資料を読んで,初めて〈バングラデシュ〉が“バングラディ
ッシュ”でないことを知りました(笑)←笑ってますが,自分の中
ではかなり衝撃でした…。本編もよかったのですが,私の感想はお
そらく外の方の感想と同じです。なので私は,特におもしろかった
最初の部分についてお伝えしたいと思います。
 はじめの部分というのは,〈私が青年海外協力隊に入ったわけ〉
のところです。東日本の震災から放射線を学び,「それを伝えなき
ゃ」という思いで現地に向かう福嶋さん。そういうふうに考えて行
動が起こせる人っているんだなぁと感心しました。自分の大学生の
時を思い出すと,それとは比べられないほど視野の広さが違うな
ぁ〜と。でも現地入りしたら現地の様子もさることながら自分の活
動の無力さを痛感して…,じゃあその後ど〜なったのかな,と読ん
でいくと通訳の方から〈青年海外協力隊〉のことを教えてもらい,
教採を落ちたことがキッカケでまた行動に移すという。もうここま
でで1つの資料が書けるくらい面白い話でした。「できる」と「や
る」では大違い,行動に移すことで新しい世界がどんどん開いてい
くということも福嶋さんから教えていただきました。
◆二位 森田 光徳さん「たのしい思い出は《空気と水》で」
 随分前に,サークルで発表したのを覚えています。前なのにすご
く覚えているのは「ナラくん」という仮名のネーミングセンス(な
んでナラくんやねん!!)の衝撃だけではありませんでした。
 「わかる」から「たのしい」に予想変更をした森田さんの選択肢
が正しかったというのが,とても分かりやすく書かれている資料で
した。板倉さんの「分かる」と「楽しい」の優先順位の話を思い出
しました。教師の側から考えると,まだ圧倒的に「分かる」の方が
優先順位が先ですが,親から見たらきっとほとんどは「たのしい」
が上なんじゃないかなぁと予想します。その食い違いがどこかにあ
るのではないか。と感じました。
◆一位 松田 心一さん「多数決に優先すること」
 いつも昭島サークルに行っているのに,松田さんの講演の日だけ
学校があり,夜からしか参加できませんでした。とてもスバラシイ
講演だったとサークルの方に聞いていたので,『たの授』に載って
嬉しかったです。
 これを読みながら,いろんなことを考えました。子どもの権利も
大切だけど,あの場合「外の先生達の権利は何だろう?」「三浦君
以外の子どもたちの権利ってなんだろう?」,そんなことをアタマ
に浮かべながら最後まで読みました。また,以前『たの授』にも載
っていた犬塚さんのお話を思い出しました。「タバコを吸う生徒達
への指導について,共通理解という名目で厳しく取り締まろうとす
る先生たち」に,「ちょっとまって」と声を上げる犬塚さんの言葉
です。学校というところは色々な価値観があって,それを学ぶ場だ
というようなことが書かれていて,とても共感しました。
 やはり少数派が多数派に分かってもらうということはとても難し
いんだなぁということも思いました。中一夫さんの『戦争を終わら
せた人々』の中にも書かれているように,正しい(と思っている)
ことでも,それが少数派のとき,いかに多数派に上手に伝えるかと
いうことは,タイミングや伝え方が並大抵ではないということで
す。
 校長先生という立場から書かれた文なので,読者の私は校長先生
目線で読めて,そこが新鮮です。同時に,じゃあ学年の先生目線で
このことが書かれていたら私はどう思うのかなぁとも思います。
〈他校の例を前例として考えられない先生達〉というのも,校長先
生の立場から考えたら「そーだそーだ!」と思うし,いやぁ学年の
先生からしてみれば「たった1つの事例で法則になるわけでな〜
い!」なんて思ってしまうかもしれません。そういう意味で,本当
に楽しく考えながら読むことができました。
 そしてこの資料のスバラシイところは(←なんだかとてもエラそ
うですが…),最後にそんな学年の先生達から退職祝いに花束が贈
られてくる場面があるところです。お互いに分かり得なかった部分
はあると思いますが,お互いが思っていた以上に伝わった部分があ
ったからの結果なんだということが分かるからです。読み終わった
ときに,校長先生に対しても,学年の先生達に対しても,それぞれ
の温かさが伝わってくるスバラシイ資料だと思いました。

35●岡田克己(神奈川・小学校長)
◆今月号は,松田心一さんの「多数決に優先すること:ある校長の
体験ーー群れに紛れて我を忘れないために」が,強烈に心に残りま
した。校長の毅然とした経営力とはこういうことを言うのかと,ハ
ラハラドキドキして読みました。毅然とした経営とはいうものの,
組織の中の人たちの理解なしには事は進みません。どうやってその
辺を折り合うのかは,決してやさしいことではありません。
 また,時々の方法は,どちらが結果的によい方向に進むのかも簡
単にはわかりません。ここに書かれているような子のようなことは
よくあることでもあるけれど,決して簡単に収まるものでもありま
せん。少しずつ,策を講じて様子を見て,次を予想してまた新たな
修正案を行うことの繰り返しになると思います。よい結果が出れば
これで事は進みますが,その時々でどう転ぶかわからないのが児童
生徒指導の問題です。
 ただ,民主的な手続きや,みんなの総意よりも大事にしなければ
ならないことがあることも,我々は自覚していなければならないの
だなあとしみじみ思いました。久しぶりに,「最後の奴隷制として
の多数決原理」(板倉聖宣『社会の法則と民主主義』所収)を味わ
いました。松田さんのとった行動は後でその真意がわかるというよ
うなことです。ということは,孤立したり,時には反発されて大変
だったりしただろうけれど,私たちに勇気を与えてくれる決断だっ
たと思います。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
*メルマガ編集部よりひとこと*
以上,後編をお届けしました!

「申し訳ありません」をよく使うからか,小一の娘まで謝るときに
「申し訳ありません」と頭を下げるようになってしまいました。無
意識に家でも多用している模様…。気をつけます。

次号は『たのしい授業』2017年1月号の反響(前編)をお届けし
ます!
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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
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