〔仮説社PublicRelations〕No.228

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〔仮説社PublicRelations〕No.228
2016年5月7日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』2月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(後編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,た
くさんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編
集委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ご
くごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分
をご紹介させていただいています。
 今回は,2016年2月号の反響のおたより(後編)を紹介しま
す。11人分です。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年2月号「宇宙線を見よう」 ◇◇◇


●市原辰徳(東京・小学校)
 「学校経営と病休」というテーマが興味深かったので,関連する
3つの記事について感想を書かせてもらいました。
 教師として,たのしく生きがいをもって毎日を過ごしていきた
い。子どもたちと,笑顔で過ごしたい。良い職場関係を築いていき
たい。……誰もがこう思っているのではないでしょうか。でも,現
実には,教職員,子どもたち,保護者とうまくいかずに悩む人はと
ても多いでしょう。理想と現実のギャップに戸惑う人はたくさんい
るだろうと思います。
 そういった意味で,2月号の記事はいろいろと考えさせられまし
た。自分だったらどうすればいいのか,自分には何ができるのか,
自分にもいつどういうことが起こるかなんて分からない。いつもと
違った視点で物事をとらえる良い機会となりました。
◆「仮説実験授業に学んだ学校経営」松田心一さん
 続きがとてもたのしみでした。今月号も「校内研修」というテー
マで,興味深いものでした。
 校内研修というのは,あまり歓迎されていないイメージがありま
す。「やると決まっているからやるもの」であったり,「プラスア
ルファでやらなきゃいけない大変な仕事」であったりするような気
がします。それは,今までの教員生活の中で実際に自分が実感して
きたことです。
 それだけに,松田さんがどんな実践をしているのかワクワクしな
がら読みました。
 「同僚が講師の校内研修」という取り組み。自分の学校の先生が
講師になるという実践は,新しい視点でとてもおもしろそうだと思
いました。同じ学校の人に紹介するというのは気恥ずかしい感じも
しますが,同じ学校だからこそ,気楽に聞けるという良さもあるな
と感じました。
 「全員参観の研究授業」というのも驚きました。「そうかぁ。中
学校では,研究準備を見に行かないという人も結構いるのかぁ」と
いうことを改めて知りました。小学校の場合だと当たり前のように
全員が見に行っていて,来ない人の方が珍しいですが,中学校だと
教科担任制だけに難しいんですね。
 「校内授業参観週間」という取り組みもすごくいいなぁと思いま
す。かしこまって見に行かなきゃとなると,誰も行く気にならない
と思いますが,いつでも気楽に行けるとなると,「ちょっとな
ら…」という気持ちがわいてきそうです。
 週に1回,校長からのお便りがあるというのもありがたいだろう
なぁと感じました。ぼくも以前の校長で,週に1度,職員向けに,
「週案に寄せて」という文章を出してくれている人がいました。他
の人はどうか分かりませんが,ぼくにとってはそれを読むのがたの
しみでした。やはり,考えを知れたり,いいなぁと思うものを紹介
したりといいのは,良い交流になる気がします。
 ぼくも自分が学んだことについての資料を書いてサークルに持っ
て行きたいなぁと思っています。
 「責任の重さ」というのは,まさにその通りだなぁと思います。
教職員でも保護者でも,「校長が何と言ったか」ということに関し
ては,とても敏感です。多くの人が,校長になったらこの責任問題
で大変だということは分かっているんだろうと思います。
 でも,そのあとの松田さんの文章で魅力も感じることができまし
た。大変だとイメージばかりが先行する校長という職ですが,今ま
で「こういったところがたのしいんだ」という話は,あまり聞いた
ことがないような気がします。
 いろいろな人たちとの出会いが書かれていますが,確かに一番の
窓口になっているのが校長で,校内でも校外でも,代表になって話
をしているような印象があります。
 学校経営と企業経営という話も,興味があります。成功している
企業は,いったいどんなことをしているのかというのは,多くの人
たちの関心事です。その証拠に本屋には,自己啓発本がたくさん並
んでいます。それだけニーズがあるということでしょう。その中か
ら,松田さんが実際に学んだことを仮説の考えに当てはめて解説し
てくれているのが,とても分かりやすくていいなぁと思いました。
 仮説の考え方から学び,それを当てはめて,見事に実践している
松田さん。ぼくも,これからさらに仮説を学び,その考えを現場で
活かしていけるようにしたい。そう思いました。
◆「〈病休〉という選択肢」松島太郎さん
 記事を読んで率直に感じたことが,「他人事ではないな」という
こと,「元気になって良かった」ということでした。
 まず,異動してすぐに6年生の担任,安全主任というのは,いっ
たいどういう学校なんだろうと思います。いきなり6年生の担任を
やらせるなんて,あきらかにうまくいっていない学校だし,校長の
力がない証拠だと思います。
 学校が荒れてるならそれなりの手立ちをちゃんと考えてほしい。
よそから異動してくる人に,いきなり大変な役割を押し付けるなん
て,校長や学校体制に問題があるのではないでしょうか。
 正直,病休ですんで良かったのではないでしょうか。授業妨害,
立ち歩き,手紙回し,授業開始に全員揃わない,黒板には落書き,
ものは飛び散る,机は倒れる……こういった状況のとき,自分だっ
たらいったいどうすればいいのかと悩むだろうと思います。
 「休むという決断」というところで,驚いたことが2つありまし
た。
 1つは松島さんがここまで思い悩んでいて,大変な状況だったな
んて思わなかったということです。わりと,たんたんとしているよ
うに感じていたのですが,今回の文章を読んでビックリしました。
 もう1つは,中さんや小原さんの助言でした。「病休をとるのも
選択肢の1つ」と言っていて,自分を守ることを一番に考えるべき
だよと,この時から話していました。
 ぼくはてっきり,どうやったらうまくやっていけるみたいなアド
バイスがあると思っていたので,「休むという選択肢」が出された
とき,「それもあるのか」とハッとさせられました。中さんは現状
をしっかりと分析して,その後どうなっていくかという予想も考え
たうえで,いろいろと助言してくれていました。
 小原さんは,「前向きに病休を考えましょうや」と言って,「病
休をとったらやるといいこと」についてアドバイスをくれていまし
た。これまた驚きました。「病休ってのは,心も体もまいった状態
だからとるものなのに,そのときにどんなことをしたらいいかを考
えているなんて斬新だな」と感じました。
 今月号に載った文章には,その結果が載っていたように思いま
す。中さんと小原さんの助言と予想は,見事に当たっていたのでは
ないでしょうか。
 病休をとる→まずは回復する→仮説関係のたのしいことに没頭す
る→また教師をやりたいという意欲がわいてくる→見事に現場復帰
するという流れ。
 あのとき無理していたら,もしかすると大きなダメージを受けた
り,教師をやめていたりといった可能性だってあるかもしれませ
ん。そういった意味で,今回の松島さんの「病休という選択肢」は
多くの人にとって,希望を与える内容であったはずです。
 同じようなことでツライ思いをしている人はたくさんいるはずな
のに,どうやって過ごしてきたのかは分からないままになっていま
す。松島さんにとっては書きづらいこともあったかもしれません
が,こういったことを詳しく知れて良かったです。
◆「仕事を休んで得たこと」河野早苗さん
 「えっ!?河野さんが!」と驚きました。学校で大変だという資
料は読んだことがありましたが,一年間仕事を休んでいたというの
は知りませんでした。
 河野さんといえば,仮説の会でもいつも熱心に実践されている方
で,お話させていただいたときも,優しくて丁寧な方だなぁという
印象でした。その河野さんがお休みされていると知り,ますます他
人事ではないと感じました。
 誰でも苦しい状況に突然置かれることがある。その中には,自分
でできることもあれば,できないこともある。自分ではなんともし
ようがない環境的な要因については,いろんな選択肢をもとにして
考える必要がある。その中で,休むというのも大切な決断の1つだ
ということが分かりました。
 ある程度元気になってきたら,次にやることは自分の意欲を高め
るという流れは,松島さんと同じなんだなと思いました。というよ
り,人間としての本能的な部分なんですね。
 自分がたのしめることがあるというのは,元気に意欲的に過ごし
ていくうえで大切だと実感しました。そういった意味では,日頃か
ら自分の趣味やたのしみごとがあるというのは,とても重要なこと
ですね。
 誰かの笑顔を大切にして生きること。たくさんの人たちに支えて
もらっていると実感して生きること。
 当たり前の毎日が実はとても感謝すべきことなんだなぁという気
持ちをもって生活していくこと。
 こういったことを,今回の文章から学ばせてもらいました。

●長崎平和(東京・塾講師)
◆やっぱり「〈病休〉という選択肢」でしょうね。仮説実験授業
や,〈たのしい授業〉をやってても,そういう状況になってしまう
こともあるんですね。今まで仮説実験授業をやっててもうまくいか
ない場合,「その人が仮説実験授業の運営法をどこかで守っていな
いんじゃないか」という指摘もあって,たしかにそういうところも
あるかもしれないけど,「どう考えても運営法は破ってないよな
あ」と思えるのにうまくいかない場合もあるんじゃないだろうかと
思ってました。今回やっとそういう具体例を紹介してもらったみた
いで興味深かったです。
 最後の方で,「どれだけ頑張っていても,防ぎようのない悪い巡
り合わせが突如としてふりかかることもあります」とありました
が,ホントにそういうときってあるよなあと思いました。そんなと
きに〈休む〉という選択肢をとると,「意気地無し」「根性無し」
と,他人に言われるのではなく自分でそう思い込んでしまうのが1
番怖いことなのかもしれないとも思いました。
 ぼくは非正規雇用なので,〈休む〉という選択肢すらないんです
けどね(^^;)。
 「授業ができる幸せ」という言葉がここんとこぼくの中のはやり
言葉です。不採用がずっと続いてまったく授業ができない期間が長
く続いたときもあったので,今はちょっとでも授業ができることが
ありがたくてたまりません。
◆手書きのページの吉野さん。 かよまる(池田佳代さん)に入っ
てもらって吉野語を翻訳してもらってる現場にぼくも何度かいたこ
とがあるので,あの頃のやりとりが思い出されて「ぷぷっ」って吹
き出してしまいました。吉野さんの描いた細胞の絵(ミジンコもど
き?)は今でもスマホに保存してあります (^^;)。おもしろすぎ
て。

佐々木邦道(千葉・小学校)
◆(1)病休という選択肢(松島太郎)
 病休になった人のこのような資料は,今までなかったと思いま
す。書く意欲も湧かないでしょうから…。しかし,統計資料を見て
みると,まだまだ多くの方が休職している事実がありますし,千葉
大学で一緒に研究していた保坂教授の統計によると,千葉県も例外
ではありません。
 私は「初任者のモチベーション変化」を現職教員の修士論文
テーマにしたので,今回のこの資料は,とても興味深いものでし
た。私自身も「崩壊クラスとどのように向き合ってきたか」に自分
自身の体験をまとめてあるので,興味ある方にはこの本を手にとっ
て欲しいと思いました。
この記事は,いろいろな先生方に参考になると思いました。
◆(2)仮説実験授業に学んだ学校経営(松田心一)
 前回同様,内容の濃いものでした。校内の研修を楽しいものにす
るための,「校内の先生の得意とするものを紹介し合う方法」は,
私も実践していました(研究主任のとき)。先生方の得意分野を共
有できる環境は,教員世界でとても大切です。
 最後の「人には年齢に応じた初心がある」という言葉は,私も胸
に刻みたいと思いました。
◆(3)私の研究史と発想法(板倉聖宣
 「ひと」から離れたことで,一気に「日本歴史入門」の構想が広
がったこと。それに関連した,「人口を中心にした歴史の見方」が
どういった経緯でまとまってきたのか…以前にもどこかで読んだこ
とがあるのですが,ふり返りながら,自分がその当時感動して読ん
だ板倉論文のことが思い出されました。生類憐れみの令と江戸時代
の農民は何を一番食べていたか?を知ったときは,目から鱗が落ち
た記憶があります。
 こういった,研究史を振り返ることは,自分の仮説実験的認識を
振り返る上で,とても貴重な資料です。
◆(4)君は宇宙線を見たか
 梶田さんがノーベル賞を取った時期なので,ピッタリの話題で
す。以前にもたのしい授業に掲載されたことがありますが,興味は
あっても,実際に霧箱ってどういうものだ? と実感が湧かないで
いました。そして,体験講座に出てみて,その感動が「ズドーン」
と伝わってきました。今回のこの記事を読んだ人も,私と同様「興
味は湧いたけど,今一歩イメージが湧かない」と感じられていた
ら,是非,各地の体験講座などで,霧箱を作ってみてください。宇
宙線を目の当たりにしたとき,世界観が変わりますよ。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
◆仮説実験授業に学んだ学校経営(松田心一)
 前回から続きをたのしみにしていました。
 自分なりに予想を立てながら読んでいきましたが,予想したとお
りのことが書いてあり,仮説実験授業を知ったことから発想できる
原則は同じなのだと感じました。例えば,「校長と他の先生の違い
は何か……それは〈責任〉」ということ。それと同じことを,ボク
もつい先日,あるところで答えています。
 それはおそらく,〈責任〉という言葉だけの問題じゃ無く,「仮
説実験授業/授業書から学んだヒューマニズムを実現して,子ども
たちや先生方がたのしく生活できるための決断と責任をどうとる
か」という具体的な行動に関係することだと思います。
 ボク自身管理職を仮説実験的にたのしめているので,大いに賛同
できる記事でした。
◆〈病休〉という選択肢(松島太郎)
◆〈病休ってなにナニ?〉勝手にQ&A(松島太郎)
◆仕事を休んで得たこと(河野早苗)
 いきなり,衝撃的なテーマでした。
 でも,いろいろ自分だけじゃどうにもならないときも有り,そん
な時には一時休止という選択肢があるということも知っているだけ
で,壊滅的な状態から抜けられると思います。何となく言い出せな
くて,後ろめたい感じをいだいてしまうことも,こうしてちゃんと
まとめてもらえると,「ガマンして耐えるしか無い,でも耐えられ
ない状態」に他の選択肢を示してもらえてよかったです。
ユニバーサルデザイン?なチョコフォンデュ(松口一巳)
 食べ物系のもの作りは,たいへん歓迎されて盛り上がるけど,気
になるのは食べられない子の存在です。「だから,やらない」でな
く,解決策を探す見本としてよかったです。
◆絵本論文をかく?!(吉野由起)
 「論文」というカッコいい響きに酔いしれて,誰も読まないよう
な文章を平気で書いてしまう傾向が学校現場でもあります。でも,
大切なのは「自分が伝えたいことがあって,それがたぶん世の中の
何かの役に立つだろうという見通しがあって書く」ことでしょう。
ならば,その人なりの表現方法も当然あるのですね。何のために文
章を書くのかということをたのしく考えることができました。
◆アリがタイなら倉庫「いろんな人が支えてくれた」(板倉聖宣
/山田正男筆)
 「俺は周りの人たちにめぐまれたなあ」という板倉先生の言葉
は,同時に「仮説実験授業は,人間をまとめるのに役立つんだ」と
いうことの証明でもあると思います。〈周りの人たちのおかげ〉を
意識できるということが,その人が優れた発想が出来るということ
なんじゃないかと感じました。

●荒居浩明(神奈川・小学校)
 今月号で一番よかったのは二つ。一つは,松島太郎さん,もう一
つは,松田心一さんの記事です。
◆松島太郎さん「〈病休〉という選択肢」
 この話は,すごいです。多くの悩める先生方に読んでいただきた
く思います。
 「産休」をとるというのは当たり前のことであるのに対し,「病
休をとる」というのは,たいへん勇気のいることであり,うしろめ
たさが残るような気がしてしまいます。
 しかし,実際に起こってしまった状況を素直に認め,今後のこ
と,自分が生き残ることを考えたときに,「病休」というのは,と
ても大切なものではないかということを,この記事は教えてくれま
す。
 授業でもクラスでも,これさえやっていれば絶対に大丈夫だと思
うものがあれば,それはうれしいことですが,そういうものさえ通
用しない状況があるということを知ることも,生きていくためには
必要なことだと考えさせられました。
 それと同時に,「〈病休〉という選択肢」を持つことができた松
島さんの選択を喜ぶと同時に,それを選択肢に入れてもいいと教え
てくれた方々にも,私からも感謝したい気持ちでいっぱいです。何
度も読んで,何度も涙が出ました。本当によかったです。感謝!
◆松島太郎さんの「病休ってなにナニ?」も,とてもいいです。健
康な人も,ぜひ知っておいてほしいと思います。いつ自分にくるか
わからないことですから。
◆河野早苗さん「仕事を休んで得たこと」
 この記事もとてもよかった。特に,「転んだ時の光景」のところ
がいい。「自分がその状況に置かれてみて,初めてわかることがあ
ります」,ここがいい。
 私も「首の椎間板ヘルニア」をしたときに,今まで誰よりも元気
だった自分が,顔を上に向けることもできなくなることの恐怖。復
帰後,とても得意だった器械体操,その中のただのマットの後転を
するのでさえ怖くなったときの気持ちを思い出しました。あのと
き,はじめて? マットで回るのを怖がる子どもたちの本当の気持
ちがわかりました。
◆松田心一さん「仮説実験授業に学んだ学校経営(下)」
 前回に引き続き,たいへんたのしみにしていました。
校内研修・全員参加の研究授業・たのしい授業を広めたい気持ちと
行動・校長と「責任」・校長になってみての視野の広がり・そし
て,「子どもによる授業評価」を進めること,つまり「子どもに聞
く」ということの大切さが,このような場でもしっかり生かされて
いることのうれしさを感じました。
 松田さんは,校長職をもたのしんで行なうことができたんだなぁ
と,しみじみ感じ取ることができました。
 「人には,年齢に応じた初心がある」……いい言葉です。
 まだまだ自分にやれそうなことがある。そういう気持ちになれた
ことに感謝です。
◆「○×ゲーム」・・・佐竹重泰さん
 いつも佐竹さんの資料をたのしみにしています。
 「○×ゲーム」はよ〜く知っていますが,「逆○×ゲーム」は知
りませんでした。ていねいな説明の仕方が,佐竹さんの文のステキ
なところでもあります。いつもありがとうございます。

●日吉 仁(佐賀・小学校)
◆松田心一さんの「仮説実験授業に学んだ学校経営」が今月もよ
かったです。ぼくが今行っている学校の校長先生はとってもいい方
で,「職員が気持ちよく過ごせるように」ということにすごく気を
配られる方なのですが,そのおかげで職員室の雰囲気はとてもいい
し,先生方も楽しそうです。そうなると,子どもたちにもいい影響
が出ているなあと思うのですが,松田さんもまさにそんな感じで
「この校長先生のもとなら,気持ちよく仕事ができるだろうなあ」
と思えますね。ぼくは校長になろうとは全く思わないけれど,仮説
実験授業を学んだ方が校長になってくれると,もう少し子どもたち
にとって過ごしやすい学校が増えるんじゃないかと思うので,ほか
の方にはどんどんなっていただきたいです。
◆松島太郎さんの「〈病休〉という選択肢」は,一気に読んでしま
いました。決断の速さがよかったなあということを強く感じます。
適応障害うつ状態」で休むという決断は,「もし自分だった
ら…」と考えると相当に重い決断で,誰かの後押しがないと自分で
は決められないという気がしました。インフルエンザで休むのさえ
申し訳ない気がしますから,クラスがうまくいかなくなり,精神的
に参って…となるとなおさらです。休むまでの流れが早かったの
は,松島さんの判断もあるけど,周りで見ていた方の判断もよかっ
たなあと思います。そういう意味でいい人が近くにいてよかったと
思いました。
◆また,松島太郎さんの「病休のQ&A]もよかったです。とても
具体的でわかりやすいです。できれば,参考にせずに済むのがいい
んだけど,もしもの時は参考にさせてもらいます。
◆河野早苗さんの「仕事を休んで得たこと」は,「病休」というマ
イナスに思える出来事からもプラスを見つける「転んでもシメタ」
の精神がいいなあと思いました。「休んだからわかったこと」もあ
るという考え方が,前向きで好きです。あまり考えずに軽々しくモ
ノを言ってしまうぼくは,河野さんの言葉にちょっと反省させられ
ました。「それぞれの決断に対して,結果を引き受けるのはほかの
誰でもない当人。軽々しく“どうしてあんな選択をしたんだろう”な
んて言うのは失礼」という言葉,肝に銘じておきたいです。

●上澤篤司(東京・小学校)
◆松田心一さん「仮説実験授業に学んだ学校経営(下)」
 1月号を読んだときから,続きが気になっていました。
 今回は研修についてが冒頭にあり,特に注目しました。
 OJTについて強く言われるようになってきましたが,「やらされ
ている」と感じる人も多いと逆効果です。一方で,松田さんの学校
で行われた方法は,正に,《たのしい校内研修》という様子が伝わ
ります。しかも,すぐに真似できそうです。
 「同僚が講師の講座やディベートの時は,年休を取る人が一人も
いなかった。」との記述が,一番の確実な評価だったんだろうなと
感じます(それまで,こう言うときに必ず休む人がいたというのも
驚きですが…)。
 また,校内研修に招かれたとき,「子どもに聞く」というアドバ
イスをされたという点,ハッとしました。当たり前のことのようで
すが,私たちはこの一番簡単で確実な方法を忘れてしまいがちで
す。そして,無駄に(?)そして真面目に時間を長く費やすことが
多いです。
 「仮説実験授業で学んだ」と書かれていますが,正にこうしたこ
とが成果なのだと感じます。「実験的にはっきりしていないこと
を,さもベストであるかのごとく指導する人…」これは恐ろしい話
ですが,勢いに飲まれて反論できないことがありました。
大事ですよね。
◆松島太郎さん「〈病休〉という選択肢」
 「松島さん,よくこうしたことを率直に書いてくださった」とい
う感謝の気持ち。そして,仮説社さん,この記事だけでも貴重です
が,よく特集としてまとめてくださった。感謝の気持ちでいっぱい
です。
 周りを見ると,もはや教師の世界で,「自分には全く関係がな
い」と言いきれる人がいないのではないかと,ずっと思っていま
す。
 また,それは「自分の力量を上げる」ということだけで避けて通
れる話だけでもない気がしています。
 人や環境と出会うタイミングや相性も大きいと思います。だから
こそ,管理職だけでなく,学校に勤務する職員全員が想像力を働か
せていく必要があるのではないでしょうか。
 今回は淡々と事実を書いている文体だからこそ,読ませるものが
ありました。きっと,書けないことも多くあったと思いますが,こ
れからの教師は,当該の教員としても,周りでサポートする側とし
ても,今回の記事を読んだ人と読まない人では意識が大きく違うの
ではないのでしょうか。
 最後の「先生,久しぶり!」という項,なるほど…と思いまし
た。
 拍子抜けしてしまうようですが,子供の一面を捉えた描写だと思
いました。こういうことを知っていることも大事ですよね。
 河野さんの記事で,すごろくにある「一回休み」としているの
も,なるほどなと思いました。
◆松口一巳さん「ユニバーサルデザイン?なチョコフォンデュ」
 小学校では特に子供たちのリクエストが多く,確実に評価される
ことが分かっている食べもの作りも,アレルギー問題で躊躇するこ
とが多くなりました。
 これからは,今までの研究結果に加え,こうした「ユニバーサル
デザイン」「アレルギー対応」の食べもの作りも研究していく必要
があると強く思います。
 松口さんの諦めなかったガッツと,保護者に何度も確認したとい
う丁寧な対応に拍手を送りたいです。ありがとうございました。

●北村知子(長野・中学校,理科)
◆「君は宇宙線を見たか」が最もインパクトがあった記事です。
 眞理子さんに霧箱の作り方をおしえてもらってから3回ほど中3
の授業でやりました。
 その時,一番考えたのが霧箱を出してくるシチュエーションとい
うか,ストーリーでした。
 授業では「原子の構造を見る」という設定でやっていましたが,
ミューオンが実際に見られるんだから,そうですよね,〈宇宙線
ですね!
 ここ数年,多田 将さんや村山斉さんの宇宙もの(素粒子もの)
の本に凝っていたり,去年の梶田さんのノーベル賞に感動たりして
いたので,「お〜,こんなストーリーで霧箱出すか!」と感心しま
した。
◆次は,「仮説実験授業に学んだ学校経営」です。
 先月もいいな〜と思って読んでいたのですが,今月もすごくよ
かったです。
 特に「優秀教員表彰制度」導入に意見を求められて,松田さんが
答えた意見に感動しました。
 優秀な教師は誰にとって優秀か,教師の仕事とは何か,はき違え
ている人が多い気がしますが,松田さんは原則に立ち返ってきちん
と説明しているところがよかったです。
◆そして板倉さんの「私の研究史と発想法」。
 《日本歴史入門》が生まれた経緯が分かりました。

●岡本賢司(徳島・小学校)
◆「仮説実験授業に学んだ学校経営」(松田心一さん)
 先月のつづきで,たのしみにしていました。
 校内研修の改革って,中学校ではなかなかたいへんだろうなと想
像します。小学校では原則的に全員参加ですが,徳島の場合は指定
研究を受けていると,それ一辺倒になりがちです。ボクは勝手に自
分の書いた資料を配ったり,勝手に授業公開したりしていますが,
学校によって反応の具合はさまざまです。
 「視野が広がる」というのも,「立場が変わるからこそ」という
感じがします。数年間に1年間だけ組合の専従役員をしましたが,
その時に経験したことはまさにそれだったと思います。
 でも,ボクにとっては「仮説実験授業をすること以上に大切にす
べきものはない」という確信が強まりもしました。それに,「県で
たった一人しかできない仕事をしちゃったのだから,管理職なんか
にならなくてもいいな」という感じにもなりました。松田さんや,
徳島の仁木さんのような生き方もあるなあという選択肢はもちなが
らも,あと10年の教員生活を〈授業する立場〉ですごす道を選び
ました。これまでに,管理職になれる機会は何度もあったけれど,
やっぱり授業をしつづける道を選んで正解だったみたいというのが
現在のボクの心情です。
◆「私の研究法と発想法」(板倉聖宣さん)
 これまたたのしみにしていました。
 やはり,板倉先生にとって「『ひと』と縁を切ることはとても苦
しいこと」だったのですね。その後の〈社会の科学〉への研究の広
がりは,まさに「どっちに転んでもシメタ」と言えるものだったの
でしょう。「ひとまず終わり」ということですが,またこの先をた
のしみにしています。
◆「(天然物理生活 第5回)絵本論文をかく?!」(吉野由起さん)
 「絵本論文」というのがおもしろいです。思いついた塚本さん,
その形で論文を仕上げた吉野さん,そして,それを認めた大学院の
関係者の人々,どなたもすごくておもしろいなあと思います。
放射線放射能のことはずっと気になりながら,分からなすぎて
挫折したままになっています。それで,今回の山本さん・小林さん
の2つの資料もまだ目を通せないままです。

●荒川康夫(埼玉・小学校)
 2月号は力作ぞろいですね。なかなか読みごたえがありました。
印象に残ったのは,次の4つです。
◆松島太郎さんの「〈病休〉という選択肢」
 転任していきなりの6年担任,1学期の反応がわるく,夏休みが
終わってもそれは変わらず,子どもの気持ちがどんどん離れ,精神
的にも「うつ状態」,ついに病休……という道を選んだ松島さん。
 自分のことのように思えて,身に詰ま