〔仮説社PublicRelations〕No.229

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〔仮説社PublicRelations〕No.229
2016年5月7日
http://www.kasetu.co.jp/
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』3月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,たく
さんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編集
委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ごく
ごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分を
ご紹介させていただいています。
 今回は,2016年3月号の反響のおたよりを紹介します。21人分
です。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2015年3月号「未来へ一歩前進」 ◇◇◇


●河上温知(よしのり,鳥取イワナ釣り師)
◆「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」田辺守男
 入学式の前にかかってきた保護者からの電話対応に田辺さんの誠
意がよくあらわれていました。こういう場合はやっぱり日ごろの生
徒や保護者に対する意識が自然にあらわれるものだと思います。
 さらに新入生の不安をどうしたら取りのぞくことができるのか,
具体的な方法(出会いのメッセージ)がわかりやすく書いてありま
す。
 学級通信にどんなことを書いているのか,実用的な面でもマネで
きるようになっています。
 自分ではいいと思っているやり方も,実はそれほど自信があるも
のではありません。田辺さんは,現場の教師の日ごろのなやみとか
不安を自分の例を示しながら書いているので説得力があります。
◆「笑顔ですすむ保護者会」木下富美子
 簡単なことのようですが,「定刻に来た人を大事に」というのは
ほんとに大切なことです。
 木下さんも田辺さんと同様に「こんなふうにしたら保護者会がう
まくいきますよ」と報告しています。もちろんそのままマネをして
もうまくいくとはかぎりませんが,少なくとも具体的にどうすれば
いいのかが書いてあるので,とりあえずはできるところをマネて
やってみればいいのでしょう。
◆「天然物理生活」吉野由起
 『たのしい授業』を読むとき,最初にこの連載を読んでいました。
 米国に行って物理教師学会で「だるま落とし」の発表するなん
て,おどろきました。「何でもやってみよう」という精神が吉野さ
んにはあるのでしょうか。今回で連載がおわってしまうことをとて
も残念に思いました。
◆「出会いのとき,大切にしたいこと」小原茂
 新学期は子どもも教師も同じように「不安と期待」が入り交じっ
た複雑な思いに駆られることがあります。そういう気持ちは何年教
師をやっていてもおきがちです。
 子どもたちといい関係で新学期をスタートするには,それなりの
準備と心がまえが必要です。
 講演記録なので,まるでその講演を聴いているかのように気楽に
読めました。
 しかし,新人教師はもちろんのこと,すべての教師に読んでもら
いたいと思わせるほど濃い内容でした。

橋本五郎(福島・民生児童委員)
◆林「子どもの気持ちがわかる教師への道」を読んで,まず,「表
面的には怒っているけれど,その裏にある笑顔が隠しきれないとい
う,なんとも愛すべき表情です」という文学的な複雑な笑顔の表現
に驚き,どんな素敵な表情だったのだろう,としばし立ち止まって
しまいました。そして,読んでもらって雅美ちゃんが泣きそうに
なってしまったという『森の中の海賊船』を一度読んでみたいと思
いました。
 偶然にも小原さんと同じところを引用していましたが,同じとこ
ろを引用しながらも,そこから引き出されるものって違うというこ
ともわかりました。林さんの,新たな価値を生み出すという世の中
の一般的な創造的な仕事と同じように,教師の仕事も「人の価値を
発見する」ことだという説明は説得力がありました。
◆吉野「天然物理生活」は,最初に読みました。一人でアメリカま
で行き学会の発表を聞き,ついには,アメリカの学会で研究成果を
発表してきたんですね。すごいです。
◆兵庫「休むこと,戻ること」を読んで,妻が病休した時のことを
思い出しました。復帰に向けたトレーニングなど受けていれば,ま
た違った道をたどったかもしれないと思いました。これは,本当に
兵庫県独自のものなのでしょうか。「先生の代わりはいても,自分
の代わりはいない」いい言葉です。体調を考えて産休前に勧められ
た息子の嫁さんに教えてあげるつもりです。
◆小原「出会いのとき,大切にしたいこと」は,「どんなクラスを
持ったって暗く考えることができる」が良かったです。逆も真な
り,だからです。
 初めはそう思いました。しかし,そう簡単でもないのではない
か,と思い至りました。
 「騒がしいクラスの一歩前進も,おとなしいクラスの一歩前進
も,同じ」というところを読んで,何か違うと思いながら,何が違
うのかがわかりませんでした。そしてわかったのが〈仮説実験授業
をやっている先生だから,そう言えるのであって,仮説実験授業を
知らない先生には,特にクラス運営などに自信のない先生には,
「騒がしいクラスの一歩前進も,おとなしいクラスの一歩前進も,
同じ」と思うことはできない〉と思ったからです。

●肥沼孝治(埼玉,中学校・社会)
 3月号で特に良かったのは,次の3つの記事です。
◆(1)出会いのとき,大切にしたいこと(小原さん)
 子ども達が生き生きと躍動してくれる〈たのしい授業〉が,決定
的に大事。
 そのことを小原さんは,板倉さんの「子どもの気持ちがわかる教
師」への道(『仮説実験授業の考え方』所収)から引用し,強調さ
れていました。また,同号の林さんの同題の文章でも引用されてい
ました。至言だと思います。
 きっと,仮説実験授業に関わる先生たちが素敵なのは,そういう
ことを実感していられる方が多いからなのでしょう。
◆(2)超多忙な新学期に〈たのしさ〉を(田辺さん)
 先日,田辺さんの「退職記念授業」の会に参加してきましたが,
話の中の中1の生徒たちと《浮力と密度》を楽しんでいました。
 裏表紙の「今月の問題?」もちょうどその問題でしたね。そのク
ラスとの出会いの様子がイメージできて,とても良かったです。そ
してそれは,どのクラスでも同じ条件であることも学びました。
◆(3)京子ちゃんとミノル少年(松本さん)
 川合京子さんといえば,松本キミ子さんの協力者として名前を
知ってはいました。しかし,どんな方だったのか,松本さんの文章
を読むまで知りませんでした。
 松本さんの悲しみは想像に難くないでしょう。私とは,ほぼ同年
齢の方だったようで,一度お話がしてみたかったです。

●藤井幹二(大阪・小学校)
 真っ先に目に留まり一気に読み切ったのは,兵庫華子さんの「休
むこと戻ること」。改めて病休制度等の情報を知れて,とても有り
難かったです。教育委員会の人が「やめたらだめですよ」と言った
セリフに,個人的にいろんな光景を思い出して,胸が熱くなりまし
た。あとお医者さんが言っていた「お金がきっかけで元気がでてく
る」というのもよ〜くわかります。そして,「仮説実験授業をした
い」そのために「元気になり,学校に行こう」という考え方に思わ
ず「うん,うん,そうだよなあ」と思いました。
◆また,新学期に向けて木下富美子さんの「笑顔ですすむ保護者
会」が,即戦力で,とても心強かったです。木下さんの言う通り,
保護者が知りたいのは「自分の子どもの日頃の様子」です。このこ
とを知っているものの,今まで,イマイチ効果的な手が打てなかっ
たのです。そこで今回木下さんが紹介されている,(1)最初の5
分間の絵本の読み聞かせや,(2)B4 のコピ一用紙にキ一ワ一ド
を書いて,方針などを説明し,掲示することなど,4月にすぐにあ
る保護者会でしたいと思いました。あと,(3)「食と聴」の話
や,(4)グループに分かれての30秒から1分以内で,教師が用意
したテーマでのおしゃべりもとてもいいので,是非,してみたいで
す。

●実藤清子(埼玉・中理)
◆(1)「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」田辺さん/◆(1)
「笑顔ですすむ保護者会」木下さん
 教員生活の中で,小原さん,山路さん,田辺さん,木下さんの新
学期対策研究会に参加したことがあり,私にも新しい見通しが持て
たように思います。降りかかってくる年間計画,評価観点,テスト
問題,新学期の過ごし方など未知の事柄に対しての研究があればこ
そでした。大事でしたね。こういう研究。おかげでずいぶん楽にな
りました。それらの成果を生かした〈田辺さんのラストイヤー〉楽
しみです。
 木下さんの保護者会のやりかたも助かりますね。とにかく具体的
一例をもつことが安心を作ってくれます。
◆(2)「天然物理生活」吉野さん
 塚本さんとの研究生活,とてもおもしろいです。「アメリカ物理
教師学会」の雰囲気も分かります(イラスト,分かりやすいで
す)。ストロー吹き矢やだるま落としに,反応があるというのはう
れしいですね。
◆(3)「たのしい教師でいれたかな?」佐藤さん
 佐藤さん,仮説実験授業を続け,いろいろ学びを取り入れなが
ら,素敵な〈卒業論文〉までたどり着いた事,おめでとうございま
す。よかったですね。やっぱり現場の記録は感動的です。山との両
立がすごい!

佐々木邦道(千葉・小学校)
◆全般的に「子どもの意欲を喚起して,子どものすばらしさを表出
させる仕事が教師だ」という主張に共感しました。
◆(1)笑顔で進む保護者会
 保護者会はとても大切な時間。親の理解が深まれば,学級経営も
スムーズになる。
 しかし,この保護者会は保護者が嫌い。退屈でつまらないもの。
私が娘の懇談会に出てもそう感じた。もっと先生方は,保護者会の
楽しみ方を学ぶといい。
 私は,前もって「保護者会の内容」を宣伝することにしている。
その中には「ミニ科学実験講座」の案内も入れている。
 木下さんの記事は,若い先生だけでなく,すべての先生に読んで
もらいたい。
◆(2)出会いの時,大切にしたいこと
 プラス思考の見方がいいです。最初の出会いは偶然なのだから,
その後の楽しい未来を予想できるような出会いが大切であること。
おもちゃの話はとてもいいですね。
 遊び方を知らなければ,そのおもちゃのすばらしさもわからな
い。子ども達も,自分らしく躍動してみなければ子どもの良さもわ
からないですから…,だから私は「子どもと先生の間に〈ものを置
く〉をいう表現をしています。
 間におくものこそ〈楽しい授業の財産〉なのですから。
◆(3)子どもの気持ちがわかる
 林さんの話にも「おもちゃの話」が出ていました。このたとえ話
は,肝に銘じておきたいです。

●小田富生(和歌山・農業)
◆春らしい表紙がなかなか良かったです。
◆不思議なコマ「タオレネード」(口絵,146ぺ)はネーミングも
素晴らしいし,「倒れない」というのもすごいです。原理的には
「逆立ちゴマ」と同じなのかな?と勝手に解釈していますが,それ
にしても面白いです。ず〜と昔,逆立ちゴマのことを調べたとき
に,「ふつうは〈重心は低い方が安定する〉のですが,回転するコ
マは重心が高い方が安定するんだ」ということがわかりました。当
時,逆立ちコマを真っ二つに切ると底に鉛があるのを見つけること
ができ,その通りだなと納得したことを思い出します。
◆新学期を迎えるための特集も良かったです。和歌山は4月になら
ないと新しいことは始まりませんが,他府県では今の時期にもう新
学期の体制などが内定しているとこもあると聞きます。タイムリ
だと思いました。

●樋口みどり(広島・ヨガ講師)
 3月号,どれも読み応えがあり,教師をしてなくても,生きてい
くうえで,役に立つなあと思いながら読みました。
小原茂巳「出会いのとき,大切にしたいこと」
 「教師の一番の仕事は,目的意識的に自ら何かをしてあげて,子
どもたちに喜んでもらう,その時の子どものスバラシサを発見する
ことだと思う」というのは,仮説実験授業を知っているからですよ
ね。何も方法がなければ難しいと思うんです。だから,仮説実験授
業がもう少し広まればいいなと思います。
 また,お金をもらってる方だから「先に好きになってみせる」と
いうのに,うなずきました。確かに〜。
 小原さんの文章というのは,年齢を知らなかったら,もっと若い
人のものだと思えます。とっても初々しい感じがするのです。
◆木下富美子「笑顔ですすむ保護者会」
 保護者会は保護者だけでなく,先生方もドキドキなんですね。私
は保護者の立場だけしか知らないのですが,「では,子どもさんの
家での様子を一言ずつ」とか先生に言われると,「何を言おうか,
これを言うと子どもに怒られるかな」とか,「これを言ったら(お
母さん方の情報交換すごいですから)めんどうなことになるな」と
か,色々考えてしまいます。ですので,何かお題をもらったり,先
生に子ども達のことを話してもらったりする方がラクでいいです。
◆日吉資子「ぷちデコタルト」
 口絵を見て,カワイ〜!と思いました。
 作り方で,「紙コップを逆さに置き,餃子の皮→アルミカップ
順」というのがちょっとわからなかったのですが,口絵を見て納
得。カップだけでもおいしそうです!
◆荒瀬実紀「なぜ先生になりたいのか」
 思いがつまった,勢いのある文章でステキです。
 “いい子”でいることに必死の荒瀬さんが仮説実験授業に出会って
夢中になって,入門講座に行き,やっぱり先生になりたいと思われ
たこと,運命の出会いですね。
 荒瀬さんが「自分も捨てたもんじゃない」と思えたこと,それも
仮説実験授業のいいところだと思います。荒瀬さん,がんばってく
ださいね。
◆林 泰樹「(子どもの気持ちがわかる教師への道1)教師の仕
事って…」
 再度板倉先生の文章も読めるし,その文章に対しての林さんの意
見もいいです。次も楽しみです。
 「自分に理解できないものに興味をもつ人々の存在に気づかなく
なってしまうのです」という文が印象的でした。確かにうっかりす
ると自己中心的になってしまいます。いつも外から自分を俯瞰して
見ることができるといいと思います。
◆吉野由起「だるま,アメリカで発表する!!」
 毎回とても楽しみにしていました。吉野さんが楽しんでどんどん
つっぱしって塚本さんがハラハラするようす,とても楽しかったで
す。楽しいことって,人を動かすのですね。お二人におあいしたこ
とはないのですが,目に見えるようです。

●飯田哲夫(山梨・教育委員会
 定番の特集ですが,自分も何度も利用させていただいたので,必
要な情報ですね。
 まず,3月号の記事で一番心に残ったのは,◆(1)林泰樹「子
どもの気持ちがわかる教師への道」でした。
 これは連載になっているようなので,楽しみです。自分自身の教
師としての経験から浮かぶエピソードを,板倉さんの文章から引用
して意味付けているスタイルで,『たの授』の読者なら,だれもが
心の中でしていることでしょう。大切な事がすっと心に落ちるよう
に書かれていると思いました。
 表面的に,第一印象だけで,子どもを捉えない(決めつけない)
という姿勢が,仮説の先生には多くあります。そこでこれまでの基
準だと,手がかかってはみ出してしまう子が,たのしい授業で活躍
する。今月号に登場する小原さんもキミ子さんもその達人と思われ
ます。
 何でなのかな〜,と考えると,この背景には板倉さんの教育観が
あるのだなと思います。それに気づかせてくれる記事です。
 「教師の仕事も『人の価値を発見する』という創造的な仕事なの
です」と林さんは書いています。板倉さんの「子どもの価値の発見
の方が(おもちゃなど商品)見つけるのはずっと大変だとも言える
のです。私たちはうっかりすると『こんな子どものどこがいい
の?』と叫んでしまったりするようになります」という文章に呼応
する形で述べられています。
 重要なのはこういう美しい話が「抽象的な話どまりで,現実的に
はほとんど意味をもっていない」ということで,「私たちは,仮説
実験授業,楽しい授業を通じて,子どもたちの一人ひとりの素晴ら
しさを発見する道を開いてきました」ということ。では,どうすれ
ば発見できるのか?
 「子どもの価値は,その子どもを躍動させてはじめて発見できる
ものです」と,ここに落ちるわけです。
 子どもたちを躍動させるのが授業であり,活動させることができ
る授業をすることが教師の仕事である。その仕事の目的は,「ひと
り一人の素晴らしさ」を見つけて,認めるということだと再認識さ
せてくれました。
 特集は「未来への一歩前進」でした。新年度を前に,定番の特集
と思います。さて,内容は期待通りのものでした。
 年度末の3月25日あたりに人事異動発表があり(山梨では),
転任等の学校が決まります。そして4月1日に各校の公務分掌が発
表されます。ここで,「はい,あなたは何年生のどのクラスの担任
です」などと決まるわけです。
 心の準備もできないまま,前年度までの子どもの様子を引き継
ぎ,たぶん作成されている名簿をチェックし,年度始めの職員会議
中の二三日のあいだ様々な準備をします。このなかには直接子ども
に関わらない事務的な書類等が多くあり,何時までに○○を出して
くださいと,様々な担当から連絡が入り,それに追われます。
 そのような慌ただしさのなかで,一番後回しになりがちなのが,
子どもが登校して直ちにある学級開きの準備──担任の自己紹介か
らこんな学級にという話話などであったり,学級だよりであったり
します。子どもにとっては前者が,保護者にとっては後者が,「今
度の担任の先生は……」という第一印象を形成する重要なもので
す。だから本当はここに手をかけたい。
◆(2)田辺守男「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」
 第一に「学級開きや学級だよりを大切にしましょう」という記事
でした。
 『のほセン日記』の山路さんの言葉では「だけど! 出会いが大
切!」となります。その山路さんの言葉は,田辺さんの「学級担任
カレンダー,4月」がヒントになっているとのこと(複雑な構造で
す)。
 もう一度,田辺さんの言葉で引用するとこの記事の主題は次にな
ります。
 「年度初めは事務仕事より,イイ出会いと楽しい先入観を大切
に」です。
 これに尽きるでしょう。
 ここで紹介されていることは,もう何度も検証済みの実践です。
だから,効果がないわけがない。ぼくもかつてマネさせていただ
き,その効果を実感しています。マネしながら,次第に自分らしい
オリジナルを加えて行くと,自分なりの学級開き,学級たより第一
号のかたちができてきます。
 初めての人は,とにかくここに出ていることをマネしてみてくだ
さい。学級たよりもそのまま掲載されているので,模倣しやすい。
マネして使ってみて,いろんなことがわかると思います。まず,基
本的に子どもも保護者も安心します。先生に心を開こうとします。
ここからスタートであろうと思いました。
◆(3)木下富美子「笑顔ですすむ保護者会」
 保護者との出会いも,重要になります。やはり,この先生には心
を開いていいんだなと思ってもらうことが第一歩です。
 工夫されている点は,わかりやすい,保護者目線で作成されてい
ることです。そのノウハウがつまっていました。木下さんも何度も
試みた中でつくられていると思いました。感心させられたのはやは
り基本的な次の考えです。
1.定刻に来た人を大事に
2.クラスの方針や考え方の説明は掲示する
・学校に来る3つの目的 ・私が怒る3つの場面
・おうちの人におねがい?2つの漢字
3.保護者には子どものいいところを知らせる
4.クラスの様子がわかるアンケート
5.保護者同士が気楽におしゃべりできる時間を
このなかで,1,5はぼくがはっきり意識してやってなかったこと
でした。
 以上はほぼベストの内容です。ぜひマネしてみて欲しいと思いま
した。
 従来の保護者会はやはり1.たいつく 2.わかりにくい 3.上
から目線というマイナス要因で構成されていますので,いくら先生
が 1.まじめそう 2.誠実そうであっても,3.結局,子どもの
心も親の心もわかってくれない人となってしまいがちでした。この
反省に基づくでしょう。
 第一歩がしっかり前に向けば,次第に子どもや保護者が応援して
くれるようになり,そういう態勢が生まれればシメタです。逆にな
ると,信頼関係を築くには必要以上の労力を要するということにな
ります。
◆(4)小原茂巳「出会いのとき,大切にしたいこと」
 第一印象を大切に,信頼関係をつくろうとする記事のあとに,小
原さんの記事はうまく入ってきます。いくら大切にと思っても,教
師自身の心の中で,不安や不満がたまっていては,その後,明るい
滑り出しはできない。
 「どっちに転んでもシメタ」は究極のことわざですが,そういう
発想が持てるように書かれています。
 というか,同じ物を見ても,それをどう受け止め,次にどうつな
げるか,プラス思考に導くには,子どもや人間,自分という存在を
どう認識するかが問われています。自分の思い込みのなかでマイナ
ス回路にはまらないように,基本的な発想をまとめています。
 出会いの最初の印象で落ち込む前に,むかつく前に(まあ,がっ
かりしても頭に来ても,それはそうだよね,でもさぁ〜という感じ
で)したたかに,ブレないで楽しい授業をしていくための教師のサ
ポートという記事でした。
 小原さんも何度も検証した中で考えを伝えているので,とても参
考になります。相手に(素直な)気持ちをどう伝えていくかという
視点で読むと発見が多い
記事なのかなと思いました。
◆(5)松本キミ子「京子ちゃんとミノル少年」
 久しぶりにキミ子さんの記事を読みました。型破りなキミ子方式
を考案しただけあり,その人の見方,人生の捉え方は,本質的で独
自のものがあります。それがそのまま文章にも出てきます。昔,
30年も前でしょうか,兎のレリーフの仕事を手伝いに自宅を訪ね
たのを懐かしく思い出します。
 それにしてもミノル少年はどうして口を開いたのでしょう,と考
えさせるところが味噌です。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
◆「出会いのとき,大切にしたいこと」小原茂
 学校現場では,年度初めというと「黄金の○日間」とか「鉄は熱
いうちに打て」とか,何だか「熱すぎてついて行けないなあ」と感
じてしまう言葉が飛び交います。
 でも,小原さんの書かれているようにいいイメージをもってもら
うということを第一にすると肩ひじの張らない子どもの気持ちに
添った,それでいて自分もいらつかない出会いができると思いま
す。はじめの出会いをアイスブレイクと考えるのもステキです。そ
のときに,子どもたちに対して関わっていく基本が次の林さんの文
章です。
◆「教師の仕事って…(子どもの気持ちがわかる教師への道:板倉
聖宣さんの本を読みながら考える①)」林 泰樹
 「子どもの価値は躍動させてはじめてわかる」という言葉がすば
らしいです。
 まず,子どもが「躍動」する働きかけをしてみないと価値は見え
てこない。自然科学だって,目的意識的に働きかけないと見えてこ
ないのと同じです。躍動するような働きかけなくして,勝手な思い
込みで判断してはいけないですね。小原さんと引用している板倉さ
んの文章が同じなのもつなげて考えられて良かったです。基本的な
考え方が同じだと,全く別々に書かれたのに,共通点が出てくるの
ですね。
 「自分が元気」でいることの実例として次の2つがあるなと思い
ます。
◆「なぜ先生になりたいのか 仮説実験授業に出会う前と後」荒瀬
実紀
 生徒の時に学校教育から離れたのに,先生になりたいというの
は,不思議なことです。けれど,「仮説実験授業に関わっている自
分が好き」という言葉で納得できました。仮説実験授業は受けてい
る子どもだけでなく,授業している先生にも自信を与えてくれるも
のなのだということを改めて実感しました。
◆「たのしい教師でいれたかな?:子どもたちのうれしい〈卒業論
文〉」佐藤朗子
 シスターベアトリスさんの「たのしい教師であってほしい」とい
う言葉を大切にして授業を続けてこられた佐藤さんが結論として
「けれど,輝かせてもらっていたのは,本当は私の方だったのかも
知れません」と結んでいます。「たのしい教師」というのは,たの
しませる教師でもあるけれど,まず自分がたのしんでいられる教師
であるのかも知れません。
 そして,子どもといい関係を作るための具体策が示されているの
も,『たのしい授業』ならではです。
◆「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」田辺守男
◆「笑顔ですすむ保護者会:私がやっている5つの工夫」木下富美

 すぐにまねができる実践例が出されているのは,忙しい学期末,
初めにはありがたいです。
 田辺さんの配布物の実例や木下さんの具体的な保護者会の流れな
ど,すぐに使えるものを提供していただけるのは良いです。

●日吉仁(佐賀・小学校)
小原茂巳さんの「出会いのとき,大切にしたいこと」,いいです
ね。肩ひじ張らず,無理をせず,でも大切なことについてはきちん
と伝えているところがとてもいいと思います。子どもたちに対して
ネガティブなことを考えることってありがちだと思うのですが,そ
う思う自分を否定しないところもとてもいいです。思ったり考えた
りすることは仕方がないので,その思いにどう対処するかをきちん
と話してくださっているところが,さすが小原さんという感じで
す。お話を聞いた人も,きっと気が楽になったんじゃないかなあ。
◆日吉資子さんの「ぷちデコタルト」は,子どもたちと一緒に楽し
みました。簡単だし,おいしいし,大好評でした。職員室の先生方
にも大評判。1週間後,2回目にトライすることになっています。
ぼくはグラノーラって好きでもなんでもないのですが,これが入っ
ていると味に一気に高級感が出る気がします。一押しです。挿絵が
資子さんのイメージを捉えていて,そこもとってもよかったです。
◆荒瀬実紀さんの「なぜ先生になりたいのか」を読んで,すぐに先
生になってほしいなあと思いました。先生や学校にマイナスイメー
ジがあったのにもかかわらず,仮説実験授業を通じて先生になりた
いと思っているのなら,それだけでいい先生になれそうです。自分
がされた嫌なことはきっとしない,弱い立場の子に暖かい対応がで
きる先生になれるんじゃないかなあ。仮説実験授業を早く子どもた
ちと楽しんでほしいです。
◆佐藤朗子さんの「楽しい教師でいれたかな?」もよかったです。
仮説実験授業をする教師の想いが,中学生にしっかり伝わってい
て,授業で先生と生徒がお互いに泣けるってすばらしいなあと思い
ました。

●長崎平和(東京・塾講師)
 3月になってバイト先の塾で受験生が大量卒業しました。すなわ
ち生徒数が激減しました。ぼくは中3を持たせてもらえなかったの
で影響ないと予想してたけど,ところがどっこい。受験生を担当し
ていた正規雇用の先生たちが,ぼくが担当していた生徒さんをご
そっと持ってって,ぼくの授業がほぼなくなりました(^^;)。3月に
なってまだ数回しか仕事してません(^^;)。今月の収入だけではたな
賃が払えないという,まるで志ん生落語の世界に入って参りまし
た。いよっ!
 『たの授』3月号の感想です。
◆ぼくが仮説実験授業に入っていくキッカケは,かつて『たの授』
に載った小原さんの文章がキッカケでした。あれから28年経ちま
したが,小原さんの了見はあの頃とほとんど変わっていないこと
が,今月号の小原さんの文章を読んで思いました。それがなんだか
たまらなく嬉しかったです。なぜだだろう。
 新学期での出会いの印象は生徒さんも先生も「お互い様」ってェ
のが。小原さんらしくて読んでてニヤリとしました。そして「生徒
さんを好きになるには,生徒さんを躍動させること」ということに
「至極もっとも!」と思いつつ,「でも塾でそれやるとまーた叩か
れるな。もっと仕事減らされるな」と思って,途端にしょぼんとな
りました(^^;)。まあ塾に限らず,そういう環境は至る所に厳然とし
てあるのかもしれませんが。

●須崎正美(埼玉・定時制高・理,講師)
 時間がなかったので,よかった記事名だけを送ります。
小原茂巳さん「出会いのとき,大切にしたいこと」
◆林泰樹さん「子どもの気持ちがわかる教師への道」
◆田辺守男さん「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」
◆木下富美子さん「笑顔ですすむ保護者会」
◆佐藤朗子さん「たのしい教師でいれたかな?」
 以上です。

●中村 文(福岡・小学校)
◆卒業式でのうれしい涙(海老澤さん)
 離任した前任校の卒業式に行けるなんていいなぁ〜。私も行ける
なら行ってみたかったなぁ〜・・・と思いながら読んでいました。
 教えた子が海老澤さんに声をかけたり卒業生が気がついて手を
振ってくれたり……。それを読んでいるだけで,自分もその場に
座っていたらそれだけで泣いちゃうだろうなぁと思いながら読んで
いました。
 私の事ですが,昨年の3月に前任校の子達が卒業式を迎えたんで
す。ですから,その子達に祝電を送ったんです。
 卒業式後,前任校に電話して「卒業おめでとうございます」と6
年生の担任の先生に連絡したら,「文ちゃんの祝電披露のとき,式
の途中で子ども達が跳んでいっちゃうくらい喜んでた」という事を
教えてくれました。それを聞いただけでこっちも涙が出そうになり
ました。それだけで泣きそうになるんですから,もし卒業式に参加
ていたら大泣きしていたと思います。
 最後の文章,「主体的に仮説実験授業を選んだボク,現在も仮説
実験授業をやり続けているボクは,本当に『幸せな教師である』」
というのは,私も同じだなぁと思いました。
◆超多忙な新学期に〈たのしさ〉を(田辺さん)
 4月って本当に忙しいです。どの学年でも同じですよね。忙しい
ですけれども,「出会いは大切!」という事は,『たのしい授業』
を知ってからはものすごく意識して取り組んでいる気がします。そ
して,田辺さんが書かれていた「学級開き」は,東日本たの授フェ
スティバルで以前教えてもらった事があります。私はずーーっと田
辺さんと小原さんに教えていただいた定番をやらせてもらっていま
〜す。しかも出会いのメッセージもそのまま使わせていただいてい
ます(笑)。
 そして最近では,若い先生にも「こんなことしてるよ〜」と教え
ることもあります。
◆笑顔ですすむ保護者会(木下さん)
 「保護者会」(懇談会)は,私もどう進めていいのか分からなく
なることがあります。一方的に私がしゃべって終わることもあっ
て・・・。
 読み聞かせ,とてもいいですね!! 私,大体前半にクラスで
やっているゲームをしていたんですけど,人数集まらないとゲーム
できないんです。時間通りに来た人が少なかったらゲームもできな
いですもんね・・・。
 クラスの方針(学校に来る3つの目的・私が怒る3つの場面・お
うちの人にお願い)などは,すごくストレートでわかりやすいなぁ
と思いました。私,どうしても「こんな事をします」などの紹介
(?)が多くなりすぎて,最終的に文章が多くなってしまう事があ
るんです。簡潔にまとめて伝えるとすごくわかりやすいので,4月
の懇談会でやって見よう!と思いました。
 クラスの様子が分かるアンケートや,保護者同士が気楽におしゃ
べりできる時間などはすごく参考になりました!特に,保護者同士
が気楽におしゃべりできる時間は(感想の最初にも書いています
が),私が一方的にしゃべっておわりということもあるので,こち
らもやってみよう!と思いました。
◆出会いの時大切にしたいこと(小原さん/高野さん)
 すごくおもしろかったです!!お互いの第一印象,私もアンラッ
キーなことがあります。でも,子どもも大人も<第一印象はお互い
様>というのはまさにそうだろうなぁと思います(笑)。
 4月大丈夫かな〜??今からドキドキしています。どんなクラス
でもシメタは,その通りだなぁと思いました。暗く考えると本当に
キリがないですもん。
 小原さんが書いていた〈自分が受け持った過去のクラス〉と〈今
のクラス〉を比べること・・・これは,私が以前うまくいかなかっ
たときにこういう思いが原因の1つだったんじゃないかな?と思い
ます。ですから,最近はそう思わないよう3月の下旬から気持ちを
リセットするように心がけています。
 実は私,(今受け持っている)子ども達がまだいるときに教室の
荷物を片付けちゃうんです。子ども達にも一緒に手伝ってもらった
りして。でも,意外とこれが自分の気持ちをリセットする上ですご
く必要なことになっていまして・・・。ですから,けっこう気持ち
が3月後半はすっきりしていることがあります。
 そして,子ども達の出会いを〈これからどうなるか〉という,<
未来をどうするか?>という気持ちを持つことって大切だなぁと思
いました。
 47ぺに書かれていた,知的刺激を受けた時の楽しみ方は本人が
決める・・・というのは,私もついつい忘れちゃうなぁと思いまし
た。どうしても,活発に意見を言う子やすごく喜んでいる子に目が
いっちゃって。静かにいる子達をみて「あれ?楽しくないのか
な?」と思っちゃう事がけっこうあるんです。でもその後の感想を
読んでみると,「あ,楽しんでくれていたんだ」と思う事もありま
すね。で,見た目で判断することは気をつけようと改めて思いまし
た。
 教師の役割の項目は,読んでいて「私こういうこと思ってる!」
という事が書かれていてどきっとしました。
 私,すねちゃうことあります。「もういいもん!!子ども達が
こっちを見てくれなくてもいいもん!」って。
 実は,ある女の子が卒業式前に「あーあ,隣のクラスの先生が良
かった」とつぶやかれたことがありました。その女の子とは,私は
けっこう話していたんですけど,でも,かなり怒る事もありまし
て。ですから,その言葉に対して,「なんでこんな時期にいうんだ
よ!」と心の中でぶちってキレていたんです。ほんと大人げないで
す。そのときの私の気持ちは,「あー,もうやだやだ!もう知らな
い!」ってなっていました。すねてましたね(笑)。
 でも,最後の先生へのメッセージに「ものづくりや授業が楽し
かった」と書いてくれていたんです。なんか,今思うと少しでもそ
うやってすねていた自分が申し訳なくて・・・。反省です。
 やっぱり,「好きになろう好きになろう」という無理に思うよ
り,小原さんが書いてた仮説実験授業をやって見る→そして子ども
も私も楽しさを共有できる事って本当に素晴らしいなぁ〜と思いま
した。
◆なぜ先生になりたいのか(荒瀬さん)
 「仮説を通じて,自分を大切にしていこう!」という気持ちがと
ても伝わる資料でした。
 私も,どちらかというと自分の性格がどんな性格かな?と思い返
すと,実は欠点しか思い浮かびません。
 昨年の6月に,長崎で中一夫さんの会に行ったとき「長所を短所
にかえたいやき」というカードゲームをしたんです。
 5〜6人で自分の短所と思うカードをとっていって,あとでひっ
くり返すとそれは長所になるというようなゲーム(?)をやりまし
た。
 自分の短所ばかりを取っていったら,他の人よりもかなりたくさ
んになっちゃったんです。「あたし,短所だらけだ〜!!」と言っ
たら,中さんが「短所は,いつも自分の中で繰り返して考えしまう
から常に意識しているんだよね。だから,逆に自分の長所は繰り返
して考えないから意識していないんだよ」と言われたとき,「あ!
そうか!」と思いました。
 私もいつも短所ばかり気にしちゃってるし,「ここ変えたいな」
とか「気が利かない部分があるから,私わがままなんだな。性格悪
いと思われるんだな」とか,そういうことを繰り返して考えちゃい
ますもん。でも,見方を変えると,それが自分だし長所にもなるん
じゃないかな?とも思いました。まだまだ自分の短所とのつきあい
方には慣れないですけれども,荒瀬さんが書いていたように,仮説
を通じて「私も捨てたものじゃないな」と思える事はあるなぁと思
いました。そして,仮説と出会ったことで「私は私でいいんだ
なぁ」と少しでも思えるようになったかな?と思います(残念な事
に,毎回思えるわけではないのですが・・・やっぱり短所にばかり
目が行くことはあります)。自分が仮説実験授業という授業を,自
分でその授業を選んでやっているのも自分の良さかなとも思います
し。そんなことなどなど,読み終わった後いろいろ考えていまし
た。とてもよい資料です!!
◆たのしい教師でいれたかな?(佐藤さん)
 個人的には,92ぺに書かれていた「私の人柄とか,話のおもし
ろさとか,そういったものではなく,私の授業?仮説実験授業を受
けて先生になりたくなったという美紀さんの論文は,私自身がたの
しんで授業をしている姿を見せることができたように思えて,とて
も嬉しかった」というところはすごく好きでした。
 この3月のPTA会報誌は6年生特集だったんですが,そこに,
担任に内緒で子ども達が先生へのメッセージを書いてくれていたん
です。その内容は,ほとんど授業やものづくりのことでしたが,
「それがとても楽しかった!」という事が書かれていて,それを読
んで「私の性格とか関係なく,私のやった事を楽しんでくれて本当
に良かった〜」とうるうるしてしまいました。
 佐藤さんの資料からも,生徒さんからの生の声が聞こえてきまし
た。読んでいて,私もうるうるしちゃいました!!こんなステキな
卒業論文を読んだら,そりゃ泣きますよ〜。

●岡本賢司(徳島・小学校)
◆目次を見てまず目についたのは,徳島の荒瀬さんの資料です。
サークルに来てくれている若い人の文章が掲載されるというのは,
自分のことではないのに,なんだかとてもうれしいです。4月か
ら,ご自身の母校に育休補助として臨時教員(助教諭,他県では
「講師」と呼んでいるのでしょうか)で1学期間の勤務が決まった
そうです。「何が普通か」という議論は脇に置いて,普通じゃない
人も普通の人も,さまざまな人が学校にいて,それぞれの「らし
さ」を出していけたらいいのになあと思うことがよくあります。か
く言うボク自身も,決して「普通」の教員ではないようですが…。
◆次にページを開いたのは,「子どもの気持ちがわかる教師への
道」(林泰樹さん)です。
 いつも林さんの資料を読んでは,我が身を振り返らされたり,真
似をさせてもらったりしています。今回も,「楽しい授業を待つ子
どもたちと,板倉さんの精魂込めて作った授業書との出会いを作る
仕事こそが,ぼくの仕事です」という最後の一文を,コンピュータ
のメモに打ち込んで記録しました。

●中西 康(三重・小学校)
◆林「教師の仕事って」
 今年度は「自分の担任する子どもたちの躍動を上手く見つけるこ
とができなかったなあ」と反省。
 109ぺ「楽しい授業を待つ子どもたちと,板倉さんの精魂込めて
作った授業書との出会いを作る仕事こそが,ぼくの仕事です」と林
さん。
 4月から新しく担任する子どもたちとの生活への期待がふくら
む,ボクにとって嬉しい記事でした。
◆松本「京子ちゃんとミノル事件」
 ボクは25年前からキミコ方式を学び実践していますので,キミ
子さんの著書にたまに登場する川合京子さんのお名前は存じ上げて
いましたが,実際にお目にかかったことはありませんでした。この
記事を読み,京子さんの魅力を感じることができましたし,キミ子
さんの京子さんへの思いが伝わってきました。生前にお会いした
かったなあ。
◆吉野「天然物理生活」
 物理の楽しさを仮説実験授業から学んだ吉野さんの連載を毎回楽
しみにしていました。
 最終回のアメリカでの発表の話もドキドキワクワクがあって良
かったです!

●上澤篤司(東京・小学校)
 今の時期にピッタリな企画をありがとうございます。教室の原点
を考え直すきっかけになりました。
◆田辺守男さん「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」
 田辺さんの4月に関係する文章はたくさん読んで,マネをさせて
貰っています。小学校でも参考になることが多くあります。感謝し
ています。
 定番ネタをしっかり自分のものにしておくことで,自分も子供も
安心して出会いの時期を過ごすことができます。それに合わせて,
今回の記事は保護者対応のトラブルからも,様々なことを感じ,前
向きに考えられている様子が,私にとって勉強になりました。ま
た,「朝読書の本の連絡を忘れた」なんてことからも,〈シメタ〉
を見付けようとする気持ち,ありませんでした。徹底しています。
勉強になりました!
小原茂巳さん「出会いのとき,大切にしたいこと」
 「仮説実験授業をしていると,子供の良さがよく見える」という
のは自分でも何となく感じています。仮説実験授業の大きな魅力の
一つだと思います。こうした文章を読むことも多くありました。で
も,今回ほど,そのことの理由を解説してもらえた文章は初めてで
した。
 「教師の一番の仕事は何かと考えると,目的意識的に教師が自ら
何かをしてあげて,結果,子供たちに喜んでもらう,そのときの子
どものスバラシサを発見することだと思うんです」
 この言葉,書き写し,机の前に今,貼っています。
◆荒瀬実紀さん「なぜ先生になりたいのか」
 教員目線と,子ども目線の両方からじっくり浸って読むことがで
きた文章でした。荒瀬さんが感じたようなちょっとした言葉,教師
として私も言っていたことが在ったかと恐ろしくなりました。それ
と同時に,私もまた,子どもの頃にこうしたことを感じていたこと
を,まざまざと思い出しました。何度も振り返りたい文です。
そして,それでもまた,教師になりたいと思ったというところ,応
援したいし,そう感じた人こそ良い教師になれるんだろうなと感じ
ました。自分の子どものころの感情を思い出しながら,私も新しい
春を迎え,準備しようと思います。

●荒川康夫(埼玉・小学校)
◆荒瀬実紀さんの「なぜ先生になりたいのか」
 不登校の生徒だった荒瀬さんが,どうして先生になりたいと考え
るようになったか?
 それはたのしい授業,仮説実験授業との出会いからなのだという
ことがよく分かります。たのしいからこそ,感動する授業だからこ
そ,してみたいと思うものなのです。そうしていろいろなサークル
や人との出会いを積み重ねて仮説実験授業をしたいと思うように
なった,そのことがよく分かる画期的な資料だったと思います。
◆海老澤良弘さんの「卒業式でのうれしい涙」
 子どもの感想文を読んでうれしくなって,生き生きしてたころの
自分を見つめなおし,感想文を書いてくれた前にいた学校の卒業式
に顔を出すという話。小さいころの涙の話から始まって,今の自分
の涙について考えるといういいお話でした。
◆田辺守男さんの「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」
 30数年の教師生活からのよりすぐった,新学期のお勧めものが
たくさん出てきました。
 ぼくは小学校だけど,たいへん参考になります。新学期の初々し
さを保存しながらたのしさを進める。授業以外のことも学級開きと
か,たくさん出てきます。何より生徒への「自信が持てる」ような
呼びかけがいいですね。
◆木下富美子さんの「笑顔で進む保護者会」
 保護者会をたのしく進めるためのヒントが簡潔にまとめられてい
ます。
 いちばん感心したのは,トヨタかんばん方式ではありません
が,フリップで自分の主張の要点をまとめて発表,以後は黒板に磁
石で貼っておくという所に目がいってしまいました。とかくパソコ
ンでプレゼンするということが思い浮かんできますが,ぼくは暗い
部屋が苦手で直ぐねむくなるので,このフリップ方式は「紙芝居」
のようでいいなと思いました。

岩本洋二(栃木・中学校,数学)
小原茂巳さん「出会いのとき,大切にしたいこと」
 タイミングよく,4月からの新しい生徒たちとの出会いとうまく
やっていくための方法や教師の役割など,参考になります。
◆田辺守男さん「超多忙な新学期に<たのしさ>を」
 定年退職を控えた学級担任の「学級開き」忙しい中にも,「出会
いを大切にする田辺さんの思い」が伝わりました。


編集委員ではありませんが
●佐竹重泰(東京・小学校)
 とてもいい記事がいっぱいあって,感想を送りたくてしょうがな
くなりました。
◆林泰樹さん「教師の仕事って…」
 すごく良かったです。今までに何度も読んでいるはずの板倉先生
の文章ですが,林さんの記事であらためてその素晴らしさを発見す
ることができました。そして,教師の仕事の素晴らしさにも気づく
ことができました。「教師という仕事は,人の価値を発見する仕事
なんだ」という言葉にしびれました。林さんの文章はいつも柔らか
くて発見があって大好きです。
◆海老澤さん「卒業式でのうれしい涙」
 こういう話が僕は大好きです。とてもいい話だなぁと思います。
◆田辺さん,◆木下さん,◆小原さん,◆佐藤さんの各記事は,
サークルで読んでいますが,こうして『たの授』に載ると,またと
ても素晴らしく思えます。こういう記事はとても役に立ちます。
◆荒瀬さん「なぜ先生になりたいか」……僕も荒瀬さんと同じよう
な気持ちを今でも持っているので,とても共感できて感動しまし
た。いつか,先生になった荒瀬さんの文章が読みたいです。
◆兵庫さん「休むこと,戻ること」もとても役に立ちます。
◆それから,仮説社の135ぺの板倉さんの言葉がついた「仮説実験
授業の勧め」もとってもいいですね。
 4月号も楽しみしています。

●松田心一(鹿児島・元校長)
◆佐藤朗子さんの「たのしい教師で入れたかな?」に,討論につい
て「自分の意見を人に押しつけるのではなく,人の意見も聞き,そ
れを取り入れたり,仲間の大切さを学びました」と書いた中学生の
感想に感動。また,川島君の「一人で予想を立てることを続けよう
と思います」,吉野さんの「先生の授業を通して〈私も先生になり
たい〉と思うようになりました」の感想も,とても素敵でした。佐
藤さんの3年間の仮説実験授業が如何に素晴らしいものであったか
が察せます。「輝かせてもらっていたのは,本当は私の方だった」
と結んでいる佐藤さんに心からのエールを贈ります。
◆小・中学校時代の教師の言葉で傷つき,学校や授業嫌いになった
荒瀬さん。大学で小野先生の講義やわくわく教室の手伝いなどを通
して仮説実験授業と出会い,「自分も捨てたものではない」と生き
ることに自信を深めている姿は,自信をなくしている若い人たち
勇気を与えてくれます。ぜひとも勧めたい内容です。セルフレ
リューション(自己変革)が素晴らしいです。板倉先生の『子ども
の変革と仮説実験授業』に出てくる「変革という言葉」を実証して
いますね。
◆木下さんの「笑顔ですすむ保護者会」は,保護者会の運営に悩ん
でいる若い教師たちにぜひとも勧めたい内容です。イエ,年配の教
師たちも惰性で続けていたりします。木下さんは,緊張したり堅苦
しくなりがちな会を,和やかで楽しいものにする方法をそのままマ
ネできる内容として紹介されているのがいいですね。
◆新年度の始まり子どもたちはもちろん教師にとっても,とても楽
しみで緊張する出会いの季節です。実際にそのようにしていくには
具体的な方法がないと,願望ばかりが先行し,すぐに愚痴に変りか
ねません。田辺さんの「超多忙な新学期に〈たのしさ〉を」は,多
くの教師たちに勧めたい内容と方法が紹介されていてとても役立つ
ものです。
◆同じく新学期の出会いについての小原さんの講演記録も,内容豊
富でした。小原さんらしく,教師の本音が率直に語られていて,子
どもとの出会いを大切にする思想性と方法論に満ちた内容で,これ
もまた多くの教師たちに勧めたいです。
◆林さんの「教師の仕事というのは〈人の価値を発見する仕事なん
だ〉と思えてきて,あらためて,その素晴らしさに感動します」と
いう言葉,なんと素敵な言葉でしょう。これが単なる自分だけの思
いや美辞麗句でなく,仮説実験授業という学校のメインである授業
を通して学び身についているのです。板倉さんの「子どもの気持ち
がわかる教師への道」が紹介されていますが,上記の小原さんの講
演でも引用されています。お二人の共通の引用に,板倉先生の言葉
の素晴らしさとともに,お二人の真摯な学びの姿勢に心打たれまし
た。
 
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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
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