〔仮説社PublicRelations〕No.234

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〔仮説社PublicRelations〕No.234
2016年7月7日
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★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』5月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(前編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,たく
さんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編集
委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ごく
ごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分を
ご紹介させていただいています。
 今回は,2016年5月号の反響(前編)のおたよりを紹介しま
す。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2016年5月号「教師のための整理術 ◇◇◇


●中西 康(三重・小学校)
◆市原さん,◆高野さん,◆山路さん,◆小沢さんのどの記事も楽
しく読めました。
 今の自分は,
 1. あまりモノを増やさない。
 2. 「置き場所」を決める。
 3. 使ったら,必ず「置き場所」に戻す。
でやっています。
◆萠出「木をノコギリで切り倒すには」
 萠出さんのこういうお話,大好きです。クラスの子どもにも読ん
であげようと思いました。
◆林「子どもの気持ちがわかる教師への道」
 6年生の子どもたちと平賀さん作のプラン「空気の粒と真空」を
やっています。討論が好きな子たちが多くて,毎回楽しくやってい
ます。
 そんななか,直感派が活躍すると,がぜん授業がたのしくなります。
 「直感派=すぐれて主体的な生徒」という板倉先生の捉えが素晴
らしいですね。
◆日高◆佐竹「めちゃぶつけ」
 ボクは,これに似たゲームを,「コート=内野は正方形。外野あ
り」でやっています。
 アウトになったら外野に行く。
 自分を当てた子がアウトになったら,自分は外野から内野に戻れる。
 外野からも内野の子をねらうことができる。
 原理的には,最後の一人が残るまでのサバイバルゲームとなりま
す。だから,ゲームの名前は「天下一」。
 ただし,「天下一」にはなかなかなれません。また,様子を見て
笛を吹き,ゲームをリセットさせます。
 ボクは,サークルの先輩,飯嶌先生から教わりました。

●飯田哲夫(山梨・教育委員会
 5月号の特集は,「教師のための整理術」でした。小学校は全教
科担任が原則で,1年から6年まであります。年度が替わると,担
当が変わり,使える資料としまっておく資料とそれが整理する間も
なく,空き部屋に段ボールごと積み込まれ,あの授業書はどこだっ
た? あの実験器具は? と引っ掻き回す。夫婦で小学校勤務を
30年以上続けると,もうものすごいものになります。退職してか
ら片付けても,一年以上かかりそう。取っておいても使えるものは
一部で,結局残りを捨ててしまうしかない。それに退職したら,必
要がなくなってしまう……。ということで,身につまされる特集で
あります。
◆市原千明「〈もの〉の整理についての研究」
 《私が必要とするものは,「ものを捨てる方法」ではなく,「た
くさんのものを分類整理し,必要なときにすぐ取り出せるシステム
作り」だということがわかってきたのです(13ぺ)》
 この部分がとても重要だと思いました。このことは実は,学ぶと
いうことと深くつながっているのだと気づき,ふと連想されたの
が,授業書の「花と実」であったり,「足はなんぼん」でした。
 わたしたちは,植物や動物について,雑多に知っているのです
が,その知識の倉庫はくちゃくちゃです。そこに一つの視点をもと
に,すっきりと分類整理させてくれると,くちゃくちゃの雑多な知
識が,すっきりと整理されます。何かを学ぶということは,整理と
深く関わっているのではないでしょうか。
 その意味で,<ものの整理と学習>という視点で,編集するもの
また面白い特集になりそうです。
◆林 泰樹「がんこな子」子どもの気持ちがわかる教師への道3
 林さんの記事は変わらず良質なものでした。しかも,今回は授業
記録を読むという地味だけどとても重要な部分で説かれています。
子どもの認識がどう変化するか,人間が物事を知るとは,認識を変
えるのはどういうことなのか,この部分が取り上げられているとこ
ろが,まず重要です。仮説実験授業をしたら,必ず授業記録を起こ
していました。ひとり一人の予想や理由の変化を読み解くことがで
き,授業中は見えない,気づかない子どもの心の変化,認識の変容
がわかります。仮説実験授業は授業記録を採ることを勧めています
が,とても大切です。仮説が単なるクイズの授業ではないことがわ
かります。その深さが。
 今回,やはり感心したのは,板倉さんが,「原理を機械的にあて
はめた」,「教科書的な理屈の押しつけ」をすんなりと受け入れて
しまう,ある意味器用で,優等生的な態度に対して,「素朴な自分
の経験に由来する」「直観」を決して侮っていなくて,それを「勝
れて主体的な生徒」と捉えている点です。
 真理を押し付けてはいけない,という態度が貫かれている点で
す。林さんは,
 「押しつけをしない」ということの一つの側面には「直感的な判
断を尊重する」ということがあるわけですが,その先には,「科学
の論理を自分のものにする」というさらに大きな課題があります。
(115ペ)
といい,板倉さんの文章を引いてきます。ここがとてもストンと落
ちました。
・直感的な判断を覆すには,さらに有力な直感的な判断が出現する
必要があり,いかに理路整然とした議論でも納得させられない。
・常識的論理や直観的判断よりも,科学上の概念をもとにした科学
の論理がすぐれているのだと,身にしみて感じさせるような体験を
与え,科学的判断の方が勝れていると気づかせる努力が必要であ
る。
 板倉さんはこの2点を説いています。
 ぼくはこの部分を読んでいて,安保法案と憲法の問題について考
えていまし た。自衛隊の海外派兵をどう捉えるか,軍隊を持つこ
とが必要なのか,周辺隣国の危険な状況から直感的に再軍備を必要
と捉えるのか,安保法案自体は憲法以下の法体系で論理的に破綻し
ているという意見もあるなかで,論理と直観とさまざまなものが交
錯するなかで,今後どうなっていくのか。
 ここは科学的判断ではないが,政治的判断ですが,国民の判断が
どう下されるのか注視したいと思います。

 あと,すぐ使える記事として,村岡京子「たけのこドッジボー
ル」,岩口孝浩「やっぱりたのしいダンボールオセロゲーム」もよ
かったです。萌出浩「木をノコギリで切り倒すには」はミニ授業書
になれそうな感じです。
 今月は以上です。よろしくお願いします。

●河上温知(よしのり,鳥取イワナ釣り師)
◆特集 教師のための整理術
 今月号の「教師のための整理術」は,たいへんよい企画だと思い
ます。
 若いころはそれほどモノはたまらないのですが,年を重ねるごと
にモノに囲まれた生活になってしまいます。片づけなきゃと思って
も何かのきっかけがないとできません。
 今回の特集はとくに仮説実験授業をやっている人たちの整理術が
書いてあって,興味深く読むことができました。
◆市原さんは「家の建て替えをきっかけに整理をした」ということ
ですが,事前の準備がよくできていて,とても参考になります。
◆高野さんは授業に際して,準備や片付けの時間をいかに短くし
て,「メンドクサイ」という気持ちをへらし,気持ちよく授業がで
きる方法を披露してくれました。
◆山路さんも必要な実験道具類をすぐに取り出せる方法を,改良を
かさねてあみだしておられます。
 3人とも誰もがマネできるすばらしい実践です。
 単発でおわらずに継続して毎月(あるいは数ヶ月ごと),だれか
の整理術を紹介するコーナーとかにしてほしいです。
◆モヤモヤするからやめられないスッキリするからたまらない(小
原茂巳)
 もやがかかった状態で登山をしているとき,しばらくするとだん
だん視界がよくなって景色がはっきりしてくることがあります。す
ると,それまでの登山の疲れがふきとび,爽快な気分になることが
しばしばあります。
 小原さんは,仮説実験授業を受けている人の気持ちをみごとに表
現しています。読んでいるこちらもすっきりした気分になりまし
た。
◆スピードスライムもち(又吉理奈)
 たべもの記事はカラー写真とともに紹介されると自分でもやって
みたくなります。どんな味で,どんな「もち」なのだろうかと興味
がわいてきました。しかも簡単で準備に手間暇がかからないのがい
いですね。
◆3Dホログラム(編集部)
 さっそく透明プラスチック板を加工してつくってみました。まる
スマホの上に小宇宙があるようです。
 よくこんなことを考える人がいるものだと感心しました。

●藤井幹二(大阪・小学校)
 今月号で真っ先に読んだのが,
◆(1)高畠さんの「キヲツケ!!しかなかったころから……」。
 読んでいくうちに,教師1年目の頃を思い出した。タクオ君ほど
じゃないけど,とにかく毎日ゴソゴソして落ち着まかないノンちゃ
んに僕はイライラしていた。高畠さんも書いてたけど,手段のない
僕はノンちゃんの素敵を発見できず,注意ばかりの日々。ついに全
校集会で,ゴソゴソし,まわりに迷惑をかけてるノンちゃんに,僕
はブチ切れて,列から引き出し,厳しく叱責をした。
 その時のノンちゃんの僕をにらみつける顔を今でも鮮明に覚えて
いる。
 多分,このままいったら僕とノンちゃんの関係は修復不能の最悪
な結末を迎えたと,当時も簡単に想像できた。僕の場合は,ノンち
ゃんを列から引き出した時から2か月後に仮説実験授業を始めて,
ノンちゃんの素敵を発見できた。不思議なもので,仮説実験授業を
し始めてから,僕とノンちゃんの関係はグッと良くなった。もちろ
ん褒めることはあっても叱ることはなくなった。
 そんなノンちゃん,今じゃ四条畷学園小学校の先生をしていま
す。もし「たのしい授業」という手段がなかったら……今でも背筋
が凍ります。そんなことを一気に思い出した記事でした。
◆あと,(2)日高さんの「めちゃぶつけ!」。
 楽しそう! 早速体育でしてみます!

●樋口みどり(広島・ヨガ講師)
◆萠出 浩さんの「木をノコギリで切り倒すには」
 今から40年位前,テレビでマンガ「トムとジェリー」が3本
組,30分くらいで放送されていました。その2本目に,クマの木
こりがノコギリで木を切り倒すシーンがあったのです。ちゃんと両
側から切っていたと思います。切り株の形がどのようだったかは憶
えていないのですが,マンガとあなどってはいけませんねえ。
◇「教師のための整理術」はいくつかありましたが,どれも参考に
なりますね。道具はかさばりますし,2つの授業書で使うものもあ
ります。思い切って整理するとスッキリすると思います。その中で
も,……
◆小沢俊一さんの「モノたちとの出会いと別れ」は,私も1ヵ月程
前に『人生がときめく片付けの魔法』を読んで,かなり片付けたの
で,おすすめです。
 実験道具の整理とは少し違うかもしれませんが,まず洋服類がか
なり片付きます。それから書類。その本を読んだら,やってみよう
と思える,そしてできるから不思議。売れてることがよくわかりま
す。
◆又吉理奈さんの「スピードスライムもち」はとても簡単にできそ
うでいいですね。私がまだ河野先生といっしょに「わくわく」をし
ていたなら,おやつコーナーで作ってみたいです。
小原茂巳さんの「モヤモヤするからやめられない,スッキリする
からたまらない」は,仮説実験授業を受けたときの気持ちが題名に
端的にあらわれていますね。帯刀彩代さんの感想,「間違えてはず
かしいという気持ちがなく,なんで?という気持ちの方が強い」と
いうのがとてもわかります。
 最後の小原さんの言葉,「科学を自分のものにする,それが科学
を学ぶ喜びであり,仮説実験授業の魅力」……そうですね。科学を
学ぶ喜びということ,大切だと思います。
◆日高きく代さんの「めちゃぶつけ」も,◆村岡京子さんの「たけ
のこドッジボール」も,球技が得意な人ばかりでなく,みんなが楽
しめそうなところがいいですね。これなら私も参加したいです。
◆高畠 謙さんの「〈キヲツケ!!〉しかなかったころから…」の中
の余裕の循環に納得です。
 「授業がたのしい」ということが学校生活の中で余裕を生む最大
の要因になりうるということ,当然ですよね。ほとんどの時間が授
業という学校生活では,それが一番です。部活が楽しいとか給食が
楽しいとかなどとは比べ物になりません。「授業が楽しい」,いい
ですね。
◆林 泰樹さんの「(板倉聖宣さんの本を読みながら考える)がん
こな子」,毎回楽しみにしています。
 板倉さんの言葉をさらに具体的に解説してくれていますが,その
解説に林さんの子どもに対する優しさが伝わってきます。
 「すぐれて主体的な生徒」を教師は「ものわかりのわるい生徒」
「教科書に書かれていることを素直にうけいれられない生徒」とマ
イナスの評価……
「学校というところ」には,それを許容するだけの懐の広さが足り
ないのです。(114ぺ)
 こういう気持ちでいてくれる先生って,どれくらいいるのですか
ね。学校に一人でもいてくれるといいのですが……。次も期待して
います。
◆島百合子さんと,◆木村妙子さんの「山路敏英『理科教育法入
門』を読んで」も面白かったです。島さんの子どもの頃の思い出,
ヨウ素液のことは,わかりまーす。木村さんの「見かけで人は判断
できない」って? その一言も気になります。『理科教育法入
門』,読んでみたくなりました。
◇山田正男さんの「アリがタイなら倉庫」終了したのですね。残
念。何か,山田さんのコーナー,またつくってほしいです。
◇『たの授』を読むたびに,どうか先生方が「たのしい授業の思
想」を持ってほしい,持つことができなければ,せめて,それに触
れてほしいと思います。そうすると,ご自分も楽になると思うのだ
けど……

●実藤清子(埼玉・中理)
◆(1)「モヤモヤするからやめられない。スッキリするからたま
らない」小原さん
 大学生を相手に《ものとその重さ》の授業を続けている小原さ
ん。大学生でも(こそ)仮説実験授業の授業書は魅力的なのだ!と
感心しました。学生の感想文の中のモヤモヤという気持ち,なるほ
どと思いますし,すっきりという表現も授業を受けている中での言
葉だと思いました。仮説実験授業が大学生の共感を得ていること素
晴らしいと思います。
◆(2)「実験道具どう保存する?」山路さん
 「次回の準備はラクチン」のために,本当にそうです。私は箱の
大きさはいろいろでしたが,考えは同じ。「次はこれをやろう」と
決まると,休み時間に道具を段ボールからサッと出すのを楽しみに
していました。
 でも《電流と磁石》や《燃焼》などは,放課後ゆったり準備しま
す。準備も楽しいのです。私は給食の配膳台3つ+αに準備物を1
時間分ずつかごに並べ,不足分を少しずつ補いながら授業に備えて
いました。配膳台に並ぶと,一目瞭然で補充しなければならないも
のが分かり便利でした。
 従って,転勤すると,余りの給食配膳台の調達から始まりまし
た。理科準備室には縦に長く配膳台と実験道具が並びました(配膳
台がなければワゴンなども便利です)。配膳台だとそのまま理科室
に運び込むこともできます。 
 みなさん,それぞれ工夫しているのだと思いました。
◆(3)「子どもの気持ちがわかる教師への道」林さん
 《ばねと力》の西川さんの記録は確かに興味深いです。『仮説実
験授業−授業書《ばねと力》による具体化』との対話を通じて,て
いねいに子どもの気持ちを追っているからです。西川さん,林さん
の解読でなるほどなあと納得します。
 中学1年生は《ばねと力》が好きでした。授業書がよく考えて作
られていることに感心します。

●栗原正治(群馬・小,教頭)
◇「教師のための整理術」というテーマでした。ボクも整理をしな
ければという気持ちはあるのですが,なかなか決断できず実行に移
せていません。本や資料や授業書のための道具などがあちらこちら
に点在しています。 
「何とかしなければ」と思っているだけで片付きません。そこで今
回の特集は,ちょっと興味がわきました。読んで感じたことは,結
局,方法よりも一歩踏み出すきっかけが必要と思えました。
◆「モヤモヤするからやめられない,スッキリするからたまらな
い」(小原茂巳)
 授業書の途中の問題で「モヤモヤ」が残ってしまうことがありま
す。日常生活では,もやもやさせておくのが嫌で押しつけ気味に説
明をしてしまいます。しかし,授業書の場合は,問題とお話を進め
ていく内に,やがてスッキリとするとい う見通しが立っているた
めに,「次回をおたのしみに」と言えるのが良いです。
 小原さんも書かれているように,「意欲を喚起するモヤモヤ」な
ので,このモヤモヤもあとに来るスッキリを引き立てるための布石
とも言えます。
 でも,教科書の授業をはじめとして,学校,時には人生そのもの
においても,先が見えない,あるいは先の見通しが立たないため
に,「モヤモヤ=速やかに解消すべきもの」として,無理矢理解決
にもっていったり,そこでやめてしまったりしてしまいがちです。
 授業書のように見通しがはっきりしたものならば,一時のモヤモ
ヤでさえたのしい。これは,モヤモヤするものに出会ったときの発
想法につながるなあと思えました。
◆「子どもの気持ちがわかる教師への道」(林 泰樹)
 ボクは個人的に,《ばねと力》は大好きで,思い入れのある授業
書です。でも,この場面の授業では,これまでのバネの実験を繰り
返してきているのだから,「力の原理を適応して考えられるように
なってほしい」と考えてしまっていました。しかも,この授業記録
では,子どもたちによる力の原理を使った見事な説得がなされてい
ます。しかし,それでもなお「はりがねがのびるとはおもわれな
い」という子に対して,板倉さんは「主体的な人間」という評価を
しています。これには,「ボクもまだまだだなあ」と思わされまし
た。
 「学校というところは,それ(理屈と自分の気持ちが折り合わな
い)を許容するだけの懐の広さが足りない」という林さんの言葉
も,いつも意識していないといけないなと思いました。これは,授
業だけで無く,人に接するときに大切なことだと思います。「がん
こな子」が科学の論理をどう受け入れていくのか,次回がとてもた
のしみです。
◆〈片づけ〉について考える(高野 圭)
◆実験器具,どう保存する?(山路敏英)
 これは,片付けをうまくやる方法であると同時に,時間のマネジ
メントの考え方でもあるなと思いました。

橋本五郎(福島・民生児童委員)
◆「モヤモヤするからやめられないスッキリするからたまらない」
(小原さん)が良かったです。授業の中でのモヤモヤを大切にし
て,それをスッキリさせたいという欲求にまで高めていました。
 しかし,日常の大人の生活の中では,モヤモヤを感じたとしても
深く追求するまでもなく素通りし,モヤモヤを感じたことも忘れて
しまうのが常だと思います。それではいけなかったのです。我々大
人も,漠然としたモヤモヤを言葉を使って形ある姿にする必要があ
ると思いました。
 「〈問題の意味が分かる〉というのは,授業をやる上でほんとの
根本的なこと」についても,そうだったのか,という感じでした。
今までは,問題意識が芽生えたら,迷わずその答えを探そうとして
いました。そう思っても,問題意識そのものも忘れてしまうことが
多かったのです。問題意識が芽生えたら,問題意識そのもののこと
を,その意味も含めてよく考えるべきだったのかもしれません。
◆「整理術の特集」も,良かったです。ひょっとしたら,整理術を
取り上げられたのは初めてですか?,そんな気がしました。今回の
は,主に物の整理術でしたが,情報の整理術,頭の中の整理術も取
り上げて欲しいです。物と情報の整理術,頭の中の整理術は,切っ
ても切れない関係だと思うからです。
 ここまで書いてきて,「モヤモヤしたものがスッキリする」のス
ッキリと,「ものが整理されてスッキリする」のスッキリは,脳の
中では同じなのではないか,と思いました。だから,同じ特集の記
事として扱われてる,と。
◆「がんこな子」(林さん)も良かったです。「力の原理を公式的
に当てはめただけの意見と直感的に考えた意見とでは,優劣がつけ
られない」というところです。これに対して<原理を機械的に当て
はめてもダメなんだ」とも受け取れるコメントです>と書いていま
すが,原理を機械的に当てはめて考えることが多かったような気が
して,このところが気になったのです。
 そして,今の政治の世界でも安保や憲法に関して「かみ合わない
議論」が繰り返されているのではないか,と思ってしまいました。
 それにしても,「理屈ではわかっていても,感覚として納得でき
ない」という意見のBさんのような存在は驚きでした。Bさんのよ
うに意外と感覚を大切にしている人って多いのだろうか,と思って
しまいました。共産党が嫌い,とか,中国人は,朝鮮人は,という
時,感覚としてそう判断して,なかなか自分の意見を変えられない
人たちが。
 それに対して「自身の常識的論理や直観的判断よりも科学の概念
を元にした科学の論理の方がいかに優れているものであるかという
ことを身にしみて感じさせるような体験を与え,科学的判断を常識
や直感の上におかせるように努めなければならない」ということに
納得することができました。

佐々木邦道(千葉・小学校)
◆(1)がんこな子
 法則を適用するか直感を適用するか…仮説実験授業の神髄である
ところのことが明確に書かれていてとても良かったです。〈優れて
主体的な生徒〉を私も往々にして,なんで法則を適用しないんだ!
と思ってしまったことがあります。
 今,燃焼の授業書をやっているのですが,お話でいくら定着をは
かろうとしても,見た目で直感的に判断したい児童がかなりいま
す。それが,同類の問題を重ねることによって,ようやく法則の方
を信じたくなるように仕組まれている授業書。そういったとらえ方
を,もう一度思い出させてくれた記事でした。
◆(2)「木をのこぎりで切り倒すには」
 私は都会育ちで,木を切り倒すところなど見たこともないし,興
味関心も持っていませんでした。しかし,萌出さんの問題提起でノ
ーミソが働き出し,「木の重さでのこぎりが動かなくなる状況」を
想像することができました。そして,くさび形に切っておく知恵が
いかに大切かをノーミソ実験で確かめることができました。本当に
切っているところを見てみたい気分になりました。
◆(3)「タケノコドッジボール
 ドッジボールは,良いアイディアですね。コートに変化を持たせ
ていること,当たってもすぐに終わらないこと,段階があるこ
と……これらによって,ボールにさわる機会が増えることは,とて
も良いと思いました。
 それに対して,めちゃぶつけ…私も小さい頃やっていました。
「当てられた人が当たったら復活できる」というルールは知りませ
んでした。ソフトバレーボールでやると痛くないし,女子でもでき
そうです。しかし,佐竹さんも書いていましたが,仲間を作ってパ
スをし合いながら,一人を攻撃する児童も出てくるので,ルールの
確認が必要です。

●日吉 仁(佐賀・小学校)
◆市原さんの「ものの整理についての研究」は,最初の書き出しに
爆笑しました。似たり寄ったりとは,このことです。「大会の売り
場で買ったものづくりの材料40人分セット」の件は,まさに思い
当たる人がいっぱいいるのではないでしょうか。
 きっかけがないと,なかなかできることではないけど,今回の特
集は,高野さん,山路さんの資料も併せて,きっかけにできるかも
しれないなあと思いました。山路さんの実験道具の保存などは,次
に授業をした後にすぐに参考にできそうです。
◆日高きく代さんの「めちゃぶつけ」は,名前だけ読むと相当激し
そうだけど,子どもは大喜びしそうですね。ぼくのクラスは12人
しかいませんが,どうなるのかやってみようと思います。実際にや
ってみた佐竹さんの資料が載っているのもいいです。ものづくりな
どもその資料を書いた人のものだけでなく,それを実際にやった人
の資料もいっしょに載っていると,一層いいかも…と思いました。
◆小原さんの資料を読んで,全国で行われている入門講座などのこ
とを考えてしまいました。講座の中で「もやもや」と「すっきり」
を感じてもらえたら,きっと授業書のよさが伝わるだろうなあと思
ったのです。そういうことを意識して,自分の講座を考えてみたい
と思いました。
 
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仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
スにお寄せくださいますようお願いいたします。
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