〔仮説社PublicRelations〕No.235

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔仮説社PublicRelations〕No.235
2016年7月7日
http://www.kasetu.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』5月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(後編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


『たのしい授業』について,毎月,主に編集委員からですが,たく
さんの感想をいただいています。でも,『たのしい授業』の「編集
委員会ニュース」欄で紹介できるのは,スペースのつごうで,ごく
ごく一部。そこで,このメールマガジンで,そのほとんどの部分を
ご紹介させていただいています。
 今回は,2016年5月号の反響(後編)のおたよりを紹介しま
す。かなり長文です。
 なお,「おたより」は原則として原文のままです。表記などは統
一していません。


◇◇◇ 2016年5月号「教師のための整理術」 ◇◇◇


●肥沼孝治(埼玉,中学校・社会)
 5月号で特に良かったのは,次の3つの記事です。
◆(1)モヤモヤするからやめられないスッキリするからたまらな
い(小原さん)
 長い題名ですが,なるほどなあと思いました。確かに仮説実験授
業が子どもたちに支持されるのは,この2つの気持ちの動きに大き
く影響されていると思います。いやいや子どもたちだけでなく,大
学生もそうなのだという報告は,すごくよくわかりました。もちろ
ん私もそうです。
◆(2)「もの」の整理についての研究(市原さん)
 5月号は「教師のための整理術」が特集されていますが,どの方
もなかなか上手にやられているようで参考になります。
 私は仮説実験授業が好きな上に,担当教科が社会科で「もの」の
多さでは引けを取らないと思っています。最近ではあきらめて,
「整理は難しい。使わないものはどんどん捨てる。また欲しくなっ
たら買う」,この作戦でやっています。
◆(3)木をノコギリで切り倒すには(萠出さん)
 木の切り株の絵を描く時,水平に切ったように描くことが多い
し,実際にそんな大きな木でなければ,それで済むようです。しか
し,ある程度の太さになってしまうと,それができません。
 萠出さんは,目の付け所がなかなかするどいですね。

●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆今月号でもっとも私にとって役に立った記事は,小沢俊一さんの
「モノたちとの出会いと別れ」です。
 私は,片付けるのがたいへん苦手で今まで何を試してもダメでし
た。最初だけはいいのに,あとはどんどんたまる一方(笑)。また
うまく整理が出来ず,毎回探すことになるはめに。そんな中でやっ
と見つけた方法が,小沢さんの記事でした。もちろん『人生がとき
めく片付けの魔法』という書籍の影響なのでしょうが,まず私個人
ではこの書籍は読みません。小沢さんの紹介だからこそ,その意味
がわかりました。どなたかが紹介してくれるというのはやる気が起
きます。今少しずつ実践中です。
やっぱり,「ときめくかどうか」という視点がおもしろい。感情の
問題もあるかもしれませんが,片付けが少しですがたのしくなりま
す。私にとってはたいへんうれしい方法です。
漫画も笑えました。
◆そして,同じ片付けの記事では,山路敏英さんの「実験道具,ど
う保存する」も。
 山路さんが明星大で保存しているのを見て,ものすごくきれいで
まとまっていることにとても感心していましたが,自分にはできな
いものと考えていました。
しかし,このように記事になると,やっとその方法や哲学が分かっ
てきた気がし ました。山路さんでも,保存の失敗があったという
事実がうれしいです(笑)。かなり具体的でよくわかりました。最
後に,ホームレスの方々のことが書かれていたのが,とても暖かく
感じました。みどころが違うなぁと感心してしまいました。
◆大きな記事でよかったのは,小原茂巳さんの「モヤモヤするから
やめられない スッキリするからたまらない」です。
 私が仮説実験授業をはっきり知ったのは,大人になってからでし
たが,やはり授業記録(郡 進さん《生類憐れみの令》,若松透さ
ん《燃焼》)を見ながら,自分が授業を受けている気分になり,
「エ〜ッ」とモヤモヤしたり,進んでいってスッキリしたりの連続
でした。そういうことの繰り返しで,科学が大好きになる自分がい
るのを実感したのを思い出させてくれました。
仮説実験授業のこのモヤモヤ感とスッキリ感があるのがいいんだな
ぁとあらためて感じさせていただきました。ありがとうございまし
た。
◆とてもおもしろかった記事は,高畠 謙さんの「〈キヲツケ!!〉
しかなかったころから」です。
 「キヲツケ」というのは,私の元同僚の女性の先生がものすごく
嫌っていて,学校は軍隊じゃないんだよと言っているのを思い出し
ます。当時は意味はわかりますが,そこばかり強調されていて,そ
の先生のクラスが卒業式のときにものすごいだらだらしているを見
ているのは気持ち悪いものでした。「そのままの君で」というのも
ちょっとここでは違うなぁと思ってしまいました。
 結局,仮説実験授業をはじめとするたのしい授業があって,いろ
いろな子のステキさが見えてきて,はじめて言える言葉だと気が付
くのですが,高畠さんもそこに気が付いて,マエダ君を例に気が付
いていく様が,読んでいてとてもうれしいものでした。
 でも,クセで思わず「キヲツケ」とまだ言ってしまう自分がいる
のも事実(笑)。
◆初めて知ったことと言えば,村岡京子さんの「たけのこドッジボ
ール」です。
 『たの授』でも,いろいろ紹介されるドッジボールの方法。じつ
は,私は複雑なドッジボールは見ただけでやりたく(やらせたく)
なくなってしまうのです。あ〜,めんどくさいと思ってしまい……
(^-^;
 しかし,「たけのこドッジボール」は,なぜかやる気が起きまし
た。たのしく感じたんです。特に授業でやるには。
 改良の「ライザップ」も今の旬ですから(笑),たのしくできそ
うです。ライザップと言うだけで,鍛えることがたのしく感じるの
はおもしろい。
◆やっぱりなぁと思ったのは,横山裕子さんの「出会いの授業でエ
ジースティック」です。
 百戦錬磨(笑)の横山さんが紹介してくれるものは,ぜひみなさ
んも行なってみる価値があると思います。ちょっとどきどきする出
会いの演出としては,危険もなくとってもよいと思います。おすす
めです。
◆やってみたいのは,又吉理奈さんの「スピードスライムもち」。
 ごめんなさい。まだやってませんが,絶対やりたいと思いまし
た。はやく実践したいと思います。

●須崎正美(埼玉・定時制高・理,講師)
◆市原千明さんの「〈もの〉の整理についての研究」
 我が家も,「〈いつか〉のために取っておきたい山のような〈も
の〉」に占領されています。それで,市原さんの記事に真っ先に飛
びつきました。そして,我が家も建て替えたばかりなのです。とて
もそのアイデアに感心しました。今までいろいろな整理法の本を読
んだのですが,これが一番できそうかなと思いました。それでも,
これからいろいろな箱を用意し,作らなければと思うと,まだハー
ドルが高いかな?
小原茂巳さんの「モヤモヤするからやめられない スッキリする
からたまらない」
 この記事を読みながら,大学生の討論のすごさに感心しっぱなし
でした。大学生もそれぞれ,自分の頭で考えると,ここまで討論が
できるかと驚きました。これも,授業書のスバラシサでしょう。そ
して,それはまた,小原さんが授業運営法を忠実に進めていること
によると思います。
◆林泰樹さんの「子どもの気持ちのわかる教師の道」
 『仮説実験授業――授業書《ばねと力》によるその具体化』は,
今までに何度か読んだことがあります。でも,林さんが指摘してい
る西川さんのクラスの授業記録に注目したことは一度もありません
でした。林さんは,「〈衝撃を受けた〉授業記録というのは他にあ
りませんでした」と言っていますが,それのスバラシサに目をつけ
た林さんに感服を受けました。毎回,毎回,林さんの記事には衝撃
を受 けています。

●岡本賢司(徳島・小学校)
 今年は9年ぶりに「教務主任」の仕事がなくなり,学級担任に戻
ることもできて,とても新鮮な気分で仕事をすることができていま
す。
◆「子どもの気持ちがわかる教師への道」(林泰樹さん)
 昨年度の3学期,林さんが紹介している『仮説実験授業:授業書
《ばねと力》によるその具体化』を開きながら,6年生の子どもた
ちと《ばねと力》の授業を進めたことを思い出しました。自分の授
業のことをすっかり忘れて,思わず読みふけって真夜中を迎えるこ
ともたびたびありました。これまでに,《ばねと力》をするたびに
何度も開いていますが,以前に引いた線の上にまた線を重ねること
もあれば,以前は読み流していたところが新たに気になることもあ
り,手放せない一冊です。林さんの文章を読みながら,「もう一回
読み直そう」と思いました。
◆「モヤモヤするからやめられない スッキリするからたまらな
い」(小原茂巳さん)
 この文章を読みながら,先日子どもたちと《燃焼》の授業をして
いたときのことを思い出しました。燃やしたスチールウールが重く
なる実験をして,「重くなる」という結果が出たあと,子どもたち
が「なんでだろう?」としきりにつぶやいているのです。授業が進
んでいくなかで,「ああ,そういうことか!」となるのですが…。
小原さんが最後に書いている,「〈モヤモヤ〉があるからやめられ
ない! そして,やがてはみんなで〈スッキリさわやかに〉科学を
自分たちのものにすることができる。それが,科学を学ぶ喜びであ
り,仮説実験授業の魅力なのです」に納得です。
 今月は,この2つです。
 整理と収納については,ボクはかなり恵まれた環境にあるせいか
もしれません。
 もしよろしければ,新年度も編集委員をさせてもらえたらうれし
いです。
 では,またよろしくお願いします。

●上澤篤司(東京・小学校)
 「仮説実験授業」「たのしい授業」に関わる教師の悩みにスポッ
トを当ててくれている今回の特集,すごく良いです!有り難いで
す。
 「物は少ない方がいい」「紙袋1袋でいつも異動する」という人
もいますが,荷物は「実弾」です。
 教師としての幅を広げようとすれば,いろいろなタイプの子供た
ちに出会っていけば,確実に荷物は増えていきます。
 今回の特集を完結編ではなく,多くの方のアイディアを交流して
いけたらいいなと思っています。
 住んでいる地方や校種,学校でのスペース,物の種類によっても
様々な環境の違いがあると思います。
 できれば,これだけで増刊を作っていただけたら有り難いです。
(ほんとうに!)
◆市原千明さん「『もの』の整理についての研究」
 「もの」の整理について取り組まれたきっかけがよく分かりまし
た。日々忙しい毎日を過ごしていると,引っ越し等のきっかけがな
いとこうしたことはそのままになってしまうと思います。
 市原さんは,その大きなきっかけを機に,いろいろな方のアイデ
ィアを取り入れ,リバウンドしない,整理法を徹底的に追及された
様子がよくわかりました。
 我々の荷物で最も多い紙資料は,収納が簡単な割に量が多くなる
と検索しにくくなります。
 「投げ込み式」BOXがとても参考になりました。
◆山路敏英さん「実験道具,どう保存する?」
 僕も荷物の収納にはこだわりを持っていますが,山路さんの荷物
の量とこだわりを拝読すると「まだまだだった…」と感じました。
 「根菜類の段ボール」「『たたむ』から『広げる』の発想」「簡
単なラベル」「ノリやセロテープの保存期限」
など,細かいようで見逃していた,とっても大切な指摘をいただき
ました。
 「手品と書かず,マジックと書くと生徒からも同僚の目からも安
心」「処分の仕方」など,山路さんのユーモアある文章がいつも大
好きです。
◆村岡京子さん「たけのこドッジボール
 同じ号の「めちゃぶつけ」や「ダンボールオセロ」は実践したこ
とがあり,双方大好評でしたが。
 この,「たけのこドッジボール」は初めて知りました。
 「身近な学校の同僚から聞いたちょっとしたアイディアの中に,
一生使えるネタがあった」ということはよくあります。
 こうしたことも,もっともっと記事で広めていってほしいと思い
ます。
 ドッジボールって,熱狂的に喜ばれるからこそ,その後ろに隠れ
る,「本当は喜んでいない子」に配慮する必要がとてもある気がし
ます。
 たけのこドッジボールは,「どの子も」に配慮したいいアイディ
アだと感じました。
 名前も親しみやすいですよね。実践してみます。ありがとうござ
いました。

●伴野太一(東京・小学校)
◆萠出 浩「木をノコギリで切り倒すには」
 ”勉強する”というのは,新しい知識を獲得することもあります
が,それと同じくらい,もしくはそれ以上に楽しいのは「新しいも
のの見方を獲得する」ということだなぁと思います。そんな勉強を
仮説と出会ってからというもの,同じ研究会の方々から学ばせてい
ただきました。この資料もそんなことを思いました。切り株なんて
これまで33年間興味もまったくなかったのに(笑)林や森に行っ
たら,切り株を見てみようと思います。
◆市原千明「〈もの〉の整理についての研究」
 こういうことを特集する教育雑誌が『たのしい授業』だと思いま
す。すごく面白く,よ〜し整理してみよう!と思えました。サーク
ルや大会等で山ほどたまっていく資料ですが,数年前「スキャンス
ナップ」という機械を買いました。両面の資料を1秒でスキャンし
てデータにしてくれるものです。それを使って今は資料を整理して
います。保存という観点ではデータ保存は寿命が短いのですが,捨
てたくないけどあまり読まない,見ない資料が山ほどあるので,そ
ういうのはいいなぁと思います。あとはこのデータをどのようにす
れば,電車に乗ったり暇な時間にすぐ見れるのか,それが課題で
す。でも本当に大事なものや,ものづくりなどのすぐに使いたい資
料たちはやはり紙ベースでの保存が一番だと思い,今回の資料を参
考にしたいと思いました。また学校の職員室や教室も,夏休みゆっ
くり整理してみようと思いました。
◆高野 圭「メンドクサイを乗り越えるあれこれ」
 この資料を読んだときから,『たの授』に載るよこれ,と高野さ
んに伝えていました。やはり私の目はスゴい(笑)。ものづくりの
めんどくささというのは,意外に多くの人の共通点だと思います。
やるのは楽しいけれど,準備がなぁ…後片付けがなぁ…と,ものづ
くりをしない人…つまりオレか,と思いました。そこを哲学してい
て面白い資料です。
◆小沢俊一「『人生がときめく片づけの魔法』を読んで」
 面白く読ませていただきました。片付けに「トキメキ」かぁ…。
私もトキメキはわからないかもしれませんが,「あぁそうか,整理
や片付けをするには自分の中に何かルールを作る」ことが重要なの
かと思いました。○年間使っていなかったら捨てるとかいうルール
なら合理的に捨てられますね。あと罪悪感を「ありがとう」という
気持ちにして捨てるというのも,勉強になりました。
◆日高きく代「(めちゃめちゃぶつける!?ボールゲーム)めちゃぶ
つけ」
 日高さんにサークルで紹介していただき,それ以来ちょくちょく
体育館でやっていて定番ゲームになりつつありあす。このゲームの
良いところは,当てられたらおしまいではなくて,自分が復活した
いがために,自分のことを当てた人が当てられるのを期待して,自
然とみんなを応援しているという所です。普段の人間関係とは別の
所で,応援しているのを見ると,なんだかいいなぁと単純に感じて
しまいます。
◆佐竹重泰「めちゃぶつけはとってもたのしい!」
◆村岡京子「たけのこドッジボール
 低学年にとっては最初,ドッチボールはルールもわからない子が
いて,やっとルールを理解しても次はボールが投げられないという
「あるある」を,解決した素晴らしいゲームだなぁと思いました。

●長崎平和(東京・塾講師)
 そういえば,ぼくも「ごんぎつね」は,っていうか,新美南吉
小説が苦手です。でもよく教材で扱われるんだよなあ。なんでだろ
う。
 「抑える」に似た言葉で塾業界では「締める」って言葉もありま
す。「今日は締めていきましょう」とか授業前会議で教室長からお
達しがあったりしました。つまりは「恫喝しろ」ってことです。そ
んなの疲れるからぼくはやらなかったけど,だから職場で浮きまし
た(^^;)。
 『たの授』5月号感想です。
◆「めちゃぶつけ」,懐かしい!
 昭和40年代後半の東京葛飾あたりの小学校では「めちゃぶっ
け」と呼んでました。ふつうにドッジボール用の球でやってたな
ァ。あれ授業では1度もやらなかったけど,いつの間にか休み時間
にやってたなァ。ゲームもスマホもなかったあの頃は遊びの開発に
は長けてましたね,ぼくらガキどもは。
◆市原さんの「整理」の話。「大きさに合わせて分類整理」という
のが「これは素晴らしい!」と思いました。写真付きでその経緯を
読んで,見てくうちに,なんか頭の中ですっきり感が爽やかに生ま
れてきました。
 解雇されてすべての実験道具や書籍や書類を自宅に引き取って以
来,うちは他人様をお招きすることは未来永劫かなわない状況にな
ってます。いつか市原さんのやり方でスッキリしたいなあ。……い
つかって言ってる時点でダメそうだけど(^^;)。
◆高畠さんの「キヲツケ??」の話
 そういえば号令するのが大好きな先生がやたらいたなと読んでて
思い出しました。
 「たのしい授業によって生徒さんたちにも,先生にも,余裕が生
まれる」というのはとても共感できました。
 他の講師からは「あいつ集中力が無さ過ぎ」と煙たがれる生徒さ
んたちが,ぼくの授業だとなんだかんだ愉しくやってくれるのも,
こっちが「この子をなんとかしなきゃ」って短期的な思いに迫られ
てないからかもしれません。
 よく,「今のうちにこれができなきゃ,受験で大変なことになる
よ」と言って生徒さんにやらせようとする人がいます。その人が厳
しい人ならその子は一見集中します。でも実は「集中してる演技」
だったりすることが多かったりします。
 相手がぼくだと,ぼくは「今できないと後々しんどいかもだけ
ど,今やりたくないんじゃ仕方ねェ」という態度をとります。する
と,何人かは不安になってきて,「ジョン〜,これどうやったら解
けるの〜」と向こうから言ってきたりします。多分こんな講師は少
数派だし,保護者からは逆に不安がられます。「もっと厳しくやっ
てくれないなら転塾させます」と言われたりします。だからぼくは
その職場で浮きます(^^;)。周りの大人が実は1番余裕がないのでし
ょうね。短期的に生きている。

●荒川康夫(埼玉・小学校)
 5月号で印象に残った記事は次の4つです。
◆萠出浩さんの「木をノコギリで切り倒すには」
 木を切り倒すには,ノコギリを入れたい側の反対側に「受け」
いう切れ込みを入れるということを初めて知りました。これはとて
も理にかなった方法です。確かに,一方にノコギリをただ入れるだ
けでは,木の重みでノコギリが動かなくなってしまうでしょう。こ
れも言われて見て初めて気がつきました。こういうことが伝統的に
受け継がれているのですね。技術の素晴らしさを感じた報告でし
た。
◆高野圭さんの「〈片付け〉について考える」
 準備も片付けも時間がかからないという高野さんのものづくりに
興味を持ちました。科学クラブの後で片づけをするのは確かにたい
へんでした。でもクラブの時間に喜んでくれるお子さんを見ると,
クラブの後の掃除は全然気になりませんでした。クラブの後はたい
てい会議がないので子どもたちの表情を思い出して,にやにやしな
がら掃除をしている自分がいました。でもそれはクラブだからこそ
で,高野さんのように同じ内容で何クラスもやらなければいけな
い,授業の時間の中で行わなければならないとなると話は違ってき
ます。片付けまで見通した授業の時間を計算しなければなりませ
ん。この方法ならうまくいくかもしれないなあと感心してしまいま
した。今年は図工専科なので高野さんのやりかたがとても 参考に
なりました。
◆高畠謙さんの「『キヲツケ?』しかなかったころから…」
 「気をつけ」は未だにぼくも利用しているところがあります。
 大勢の子どもたちの気持ちを一つにするための符牒です。タクオ
君が一瞬それにのってくれるのは,都合のいい合図でした。でも長
持ちしない。その後教えた,似たようなマエダ君は少し違っていま
した。たのしいと思って提供した授業には乗ってくれるからです。
興味や関心を引くにはそれしかないことを知っているからです。マ
エダ君のことが可愛く思えるとともにタクオ君のことが切なく思い
出されますね。みんな「たのしい授業学派」の人はそうなのではな
いでしょうか。
◆日高きく代さんの「めちゃぶつけ」
 めちゃぶつけ,これは遠い昔子どもの頃にやった覚えがありま
す。「めちゃ…」というこのアナーキーな言葉に魅力を感じていた
はずなのですが,やり方をまったく忘れていました。
 そのルールも,◆佐竹重泰さんの「めちゃぶつけはとってもたの
しい」によって確認することができました。今年は担任がなくて体
育も持てないぼくですが,何かの機会にやってみたいなあと思いま
した。ありがとうございました。

●岡田克己(神奈川・小,校長)
 「教師のための整理術−片付けについて考える」という特集,教
育雑誌っぽくないけれど,ある教師にとっては切実な話題,とても
よかったと思っています。
◆市原千明「「もの」の整理についての研究」
 市原さんと言えば,莫大なおもちゃを財産として抱えていること
はうわさで知っていました。その方が,本格的に整理について考え
実践したというのがとても好奇心をくすぐりました。
 参考文献も挙げられていましたが,ボクは『「超」整理法』にず
いぶん学びました。まねできそうなことは積極的に学びたいと思い
ます。
◆高野 圭「〈片付け〉について考える」
 自分のやりたいことをスムーズに実行するための執念に脱帽。
 ただ,ここまで子どもにサービスはできないなあというのが実感
です。やりたいことは,子どもの片づけもセットにしたいと思って
います。
◆山路敏英「実験器具,どう保存する?」
 物の整理・保存について,根源的な問題として真摯に取り組んで
いる,そして結果を出している辺りが山路さんらしいと思いまし
た。そして,最後に書かれている「ホームレスの人の手押し車の荷
物」の話,ボクも同じようなことを考えたことがあります。
◆小沢俊一「モノたちとの出会いと別れ」
 よもや,小沢さんから「こんまり先生(近藤麻里恵さん)」の名
前が挙がるとは,それがまずビックリ。でも,「ときめく」をキー
ワードにして整理をするというのは,一つの発明だと思います。だ
から,世の中の整理下手の人たちの共感を得ることができたので
す。
◆高畠 謙「「キヲツケ!!」しかなかったころから…」
 「キヲツケ!!」という言葉,改めて考えるきっかけになりまし
た。何気なく使っている言葉,学校用語だったり,学級内ルールだ
ったりしていないか,ときどき気にしたいです。
◆萠出 浩「木をノコギリで切り倒すには」
 萠出さんの,根源に立ち返って実験するシリーズという感じの話
でした。いつも「ナルホド」と感心させられます。

●久朗津祥江(北海道・小学校)
 近ごろのたの授の記事,斬新ですね。良いと思います。
 2月の病休といい,今月の整理術といい,教師の日常に関わるこ
とだけど,あのようにキチンとした形でレポートされていなかった
ですものね。今まで。
◆今月号で良かったのは,山路さんの記事です。我が家も実験道具
箱が増える一方。家を建てる時にその保管部屋を作りましたが,置
く場所がなくなってきました。それは,箱の規格がバラバラなの
で,デットスペースができてしまうからでもあるのですね。山路さ
んが全ての箱を同じ規格にしているのは流石だなーと感心しまし
た。しかも,お金をかけず,画用紙にちゃちゃと表示を書いて貼る
だけ。時間もかけない。やっぱり,山路さんはデキル男です。
◆市原さんの話も面白かったです。沢山の本を読むところは,やっ
ぱり〈研究の人〉という感じです。
 「投げ込み式box」作ってみようと思ってます。(小沢昭一的こ
ころにフフと笑ってしまいました)
◆林さんの文章はいつも,知的でかつ読みやすいなぁと思います。
久しぶりに目にした,「ばねと力によるその具体化」はやっぱりい
いですね。授業でも授業以外の場面でも教師は理屈でお説教…のと
ころは耳が痛いです。最近,それで失敗したばかりです。何だか,
余裕がない近ごろのワタシ…。忙しすぎて,変な方向に行っちゃい
そう。と思い,「そうならないように,ならないように」と自分自
身に言い聞かせていましたが,言い聞かせるより,名文を読んだ方
が早い。林さんの文章(板倉先生の文章)を読んで,あらためて,
道しるべを確かめたような気分になりました。

岩本洋二(栃木・中学校,数学)
◆「もの」の整理についての研究 市原千明さん 
 大変参考になりました。
◆実験道具,どう保存する? 山路敏英さん  
 どちらも,サイズを考慮したうえでの保管がカギですね。あと,
使わないものをいかに捨てるか。なかなか思い切れない自分がいま
す。

●中村 文(福岡・小学校)
◆木をノコギリで切り倒すには(萌出さん)
 間伐や木を切り倒す映像は見たことはあるのですが(5年生の社
会で林業の事にも触れるので,そういう教育系番組で見たことがあ
るという程度です),切り株にまで目を向けていなかったなぁ〜と
思いました。萌出さんが描いていたように,「切り株=真っ平ら」
というイメージがあったので,「そうじゃないんだな」と思いまし
た。
◆「もの」の整理についての研究(市原さん)
 今までこのような資料を読んだことがなかったので,自分の中で
「ものの整理」を意識していなかったのかもな〜と思いました。
 私,仮説を初めてから道具や本など,とにかくものが増えてきて
います。学校でも,「文先生荷物多すぎ!」と若い先生に笑われち
ゃうこともあります。それは家の中でも一緒で,これ以上荷物を増
やしたら部屋はどうなるの?という状態にもなっています。私の家
の荷物は飽和状態になりつつあるので「これ以上増やさないで」と
家族にお願いされることもあります。
 市原さんの資料では,「分類整理する方法」をわかりやすく説明
してくれているし,写真にも収めているのでとてもイメージしやす
かったです。特に「投げ込み式A4ボックス」はいいですね!!そ
の中にぽんっと入れられるのがいいなぁと思いました。
◆古殿式〈シダ型〉わたあめの作り方(志田さん)
 手ぴかジェルが燃料になるのはすごいですよね。これ,以前春の
たのしい授業フェスティバル(おそらく2〜3年前かな?)で実際
に志田さんから教えてもらってみせてもらったんです。手ぴかジェ
ルが燃料というのにびっくりしました。頭の中では,「そりゃアル
コールだもん。つくよね」とは分かっていても実際に火が付いてい
るのをみて,びっくりしました。志田さんのわたあめ機は,身近な
道具で作られているので,100円ショップに売っている材料でわた
あめが作れるのはおもしろいなぁと思いました。
◆モヤモヤするからやめられないスッキリするからたまらない(小
原さん)
 《ものとその重さ》の問題5から問題6はクラスでやっていても
ものすごく盛り上がります。特に問題6(1)は,相当盛り上がり
ます。私のクラスも,小原さんの学生さんのように圧倒的にア.
100立方センチメートルになるという予想が多かったです。
 (しかし中には選択肢にエ.全く予想がたたないという文面を見
て,「こうい う選択肢があるのが怪しい」と思う子もいるみたい
です…。)
 実験をしたとき,子ども達も学生さんと同じようにびっくりした
り不思議がったりしていました。子ども達も「なんで!?」となっ
ていましたもん。学生さん達の様子が,自分のクラスの子ども達の
様子と同じなのでおもしろいなぁと思いながら読みました。
 その後の「ものの体積と重さ」のお話の中で,大豆と米を合わせ
ることも実際にみせると感動的ですよね。問題6での実験が大豆と
米のイメージと同じになるんです。頭の中でイメージできちゃうん
ですよね。液体が粒(原子)にみえちゃいますもん。これは大人も
子どもも感動する内容だよなぁと思いました。
 仮説実験授業って,本当に「感動的に学べる」ところがたくさん
あるんです。実験の結果を見てもそう思う事もありますし,お話を
読むことで感動的に学べる事って結構あるよなぁと改めて思いなが
ら資料を読んでいました。
 p.81に書かれていた「〈一つだけの実験終了後に教師は「この
実験の結果からこれこれの事がわかりましたね」などと長々と説明
してはいけない〉」「仮説実験授業では,一つぐらいの実験ではい
ちいち実験後の説明はしてはいけない」という文章は,ほんとそう
だなぁ〜と思います。特に,《ものとその重さ》の第2部では,そ
のことを強く感じられるなぁと思います。一つの実験だけでは一般
的な法則は身につかないですし,たった一つだけ実験をやってみ
て,その後教師が「法則はこうだ!」と押しつけて教えても法則は
身につかないですもんね。だって,赤ちゃんの実験でも,頭の中で
は法則(重さは足し算できる)があるけれども,「それは人間でも
法則が成り立つの?」と大人でも子どもでも悩みますもんね。
◆「キヲツケ!」しかなかったころから・・・(高畠さん)
 現在タクオくんや,マエダ君のようなお子様A君を担任していま
す。私の初任の頃を振り返ると,「楽しかったけど結構大変だっ
た」という思い出があります。
 私は,初任の年の3学期から仮説をはじめるようになったのです
が,最初の頃は手立ても全くなかったんです。そして,子ども達と
の関わりにも全く余裕がありませんでした。ですから,そんな何も
手立てがない初任の頃と比べると,今は高畠さんのようにA君との
関わり方にはすこしだけ心に余裕があるかな?と思う時がありま
す。
 A君,他の授業でもほとんどノートも取らないし,ふらふらと立
ち上がることもあります。先ほど「少しだけ心に余裕がある」と書
いていたものの,私とても短気だし子ども達に優しくない面もある
ので,ムカっときちゃう。そして「もー!!ちゃんとやって
よ!!」ってなっちゃうこともありますが・・・。
 そんなA君,4月はじめに私にそっと「先生,先生は今までの先
生とは違う。クラスが楽しい」と言ってくれました。また《もし
原》の感想にも「激楽しい」と書いてくれました。《もし原》の色
塗りもこちらが「塗ってね」と言ったら「あー,めんどくさい」と
いってぐちゃぐちゃに塗っていたのになぁ・・・。こういうところを
思い出しながら,p.103の余裕の循環の文章を読んでいました。
「授業が楽しい」事は,学校生活の中で余裕を生む最大の要因→教
師の余裕にもつながるというのは私もそうだなぁ・・・。
 
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
スにお寄せくださいますようお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔仮説社PublicRelations〕仮説社 販売部(荒木)
hanbai(アットマーク)kasetu.co.jp
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-14-5 第一松岡ビル3F
TEL 03-6902-2121  FAX 03-6902-2125
仮説社HP→http://www.kasetu.co.jp/
Facebookhttps://www.facebook.com/kasetusya/
You tubehttp://www.youtube.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━