〔仮説社PublicRelations〕No.243

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔仮説社PublicRelations〕No.243
2016年12月28日
http://www.kasetu.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★目次★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

『たのしい授業』12月号の反響
 「編集委員のおたより」を中心に(中編)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


みなさんこんばんは。
「たのしい授業12月号の反響」,前編に続き中編です。今回も12
人分紹介させていただきます。
同じ日にドドドっとお届けすることのないよう,このメルマガに
『たのしい授業』1月号のもくじも載せようと思ったのですが,あ
んまりにも長くなるので結局分けてしまいました。
長くても一回で届くのと,同じ日に二回メルマガが届くの…………
どちらが良いでしょう……。


◇◇◇ 2016年12月号(No.457)ここから世界へ ◇◇◇

編集委員12月21日現在35人の評価
*行頭の数字は,その記事について言及(プラスの評価)している
編集委員の数です。
*感想の書き方は形式がきまっていません。「(1)○○」などと
タイトルの前に数字が書かれていても,それは「一番よい」などと
いう意味とは限らず,しばしば「読んだ順序」だったりします。
*とりあげてくださる原稿の数も,決まっていません。序列を明記
している方もいらっしゃいますが,「もっとも気に入ったもの1編
のみ」とか,「ベスト3」とか,「役立ちそうなもの全て」とか,
人によってさまざまです。
 
言及した人の数と◆筆者「題名」,一覧
30◆松田心一「多数決に優先すること」
20◆福嶋祐子「この初めての授業が,とても好きです」
14◆吉田秀樹「エピクロスの学校はどこに?」
13◆森田光徳「たのしい思い出は《空気と水》で」
12◆池田毅司「青年が見た〈自分の国〉像 再び」
12◆林 泰樹「原子論的な考え方の魅力」
11◆相川智彦「NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をして
  きました」
8◆山路敏英「受験生を励ます年賀状」
4◆島 百合子「ライスケーキ」
3◆広瀬真人「若狭湾での生活」
1◆仮説社「『足算』広告」
1◆「12月号の特集」
1◆高橋善彦「はらぺこあおむし

以下
おたより


13●橋本五郎(福島・民生児童委員)
◆今月号は,一人の生徒のために,校長先生が先生方と対立する
「多数決に優先すること」が圧巻でした。多数を背景にして校長に
迫る先生方の圧力にも怯まず,一人の生徒を守った校長の姿勢が素
晴らしかったからです。最後に,校長に迫った先生方から花束を贈
られたというのも,印象的でした。校長先生の心が通じて良かった
です。
 正確な言葉は忘れましたが,「真理は,勝つ」という言葉を思い
出しました。そして,「多数決に優先することがある」ということ
は,一つの真理なのだ,と痛感しました。板倉さんの言葉を読みな
がら。
◆「エピクロスの学校はどこに」も,吉田さんの問題意識と感動が
伝わってきて良かったです。ヘラ神殿の柱,写真で見てもすごいの
だから,その前に立ったら,それはそれはすごかったでしょうね。
たとえ一部でも,今青い空にそびえていることも,考えてみればす
ごいことだと思いました。あんなにズレていても,倒れないのが不
思議です。
 最後に,「今のアテネには,エピクロスに関する確実な情報がな
い」という大きな発見をしたというのも,なるほどと思って読ませ
ていただきました。
◆「ネパールから転入生がやってきた」は,日本語学級に30人も
いるということに驚きました。それだけ,日本も国際化しつつあ
る,ということなのでしょうか。転入生にも,仮説実験授業が歓迎
されたようで,当たり前のことですが,そこに,仮説実験授業の普
遍性を見ることができました。
 この授業記録で「またまちがえてくやしそう。でも笑顔でした」
というところが気になりました。多くの場合,間違えたり,反論さ
れて悔しい時は,笑顔はなく,面白くないことが多いと思います。
この違いはどこから来るのだろう,と疑問に思えたからです。自分
なりに考えた結論は,「真理に至る認識過程の一環かどうか」の違
いです。

14●中村 文(福岡・小学校)
◆受験生を励ます年賀状(山路さん)
 小学校に勤務しているのでクラスのほとんどが受験生になると言
うことはないのですが,この年賀状の内容がとてもあたたかい内容
だなぁと思いながら読みました。実際にもらうと気持ちがほんわか
しちゃうなと思いました。
 その中に書いてあった「たかが受験/されど受験」や「たかが就
職/されど就職」という言葉がとてもいいです。私は浪人したこと
もあるし,福岡に戻りたくて採用試験を何度も受けたこともあるの
で,この文章を読んで「長い人生の中で,確かに〈どっちに転んで
もシメタ〉という事はある」と思いました。あ,でも渦中にいると
きはそれがわからずに落ち込んでしまうこともありますけれど
も・・・。自分の経験談になってしまって申し訳ないですが,「どっ
ちに転んでもシメタ」は,後から気がつくという感じだなって思っ
ています。
 甥っ子が今年受験生なので,甥っ子にLINEでこの文章を送っち
ゃいました。
NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をしてきました(相川
さん)
 SEECという研究発表会があるということを知りませんでした。
ですから,これまで仮説実験授業研究会の方々がこのSEECで発表
していることも知りませんでした。ですから「以前からSEECで発
表をしているんだ」と言うことに,単純に「すごいなー」とびっく
りしました。
 アメリカの子ども達も日本の子ども達と同じように「プラトン
ボ」の授業を楽しんでいる様子が書かれていて,改めて「楽しい事
って,国に関係なく共通して楽しいんだろうな」と思いました。
 個人的になるほどと思った文章があります。それはp.14に掲載
されていた「日本とちがって感情をそのまま出す事に抵抗がないよ
うで,予想やプラトンボ作りをほとんど子ども達と同じかそれ以上
に楽しんでくれました」というところです。
 日本人ってやっぱり感情をそのまま出す事に抵抗があるのかな
ぁ。私はどっちだろう?と思いました。
◆たのしい思い出は《空気と水》で(森田さん)
 森田さんが,1.授業が楽しい→2.学校が楽しい→3.学校に来る
ようになるという考えに変更しものづくりや仮説実験授業に取り組
まれた事がとても素晴らしいなと思いました。
 仮説を通じて,ナラ君に対してのイメージも変化していくこと
も,とても素敵ですね。仮説の授業をしていくと子ども達の良さが
見えてくるから,授業をしている私たちも嬉しくなっていきますも
んね。
 ナラ君が問題8と問題9で間違えたあと,問題10で正解して
「やったー!」と日本語で喜ぶ姿がとても良かったです。思わず
「ナラ君がやったーって日本語で言っている!」と嬉しくなりまし
た。このことは森田さんにとっても,とても感動した出来事だった
のではないかなと思いました。
◆この授業がとても好きです(福嶋さん)
 《空気と水》の授業記録を読んで,予想分布が私のクラスとあま
り変わらないので,「科学の基礎的なことについての予想分布っ
て,国とか地域によって大幅に変わるということはないのだろうな
ぁ」と,改めて思いました。確かにそうですよね。日本でもたくさ
んのクラスで《空気と水》の授業をされているけれども,さほど分
布は変わらないですもんね。
 資料の中で福嶋さんが日本に帰国する前,マンションに住んでい
た方の言葉……「人を殺すなんてイスラム教はしてはいけない事に
なっている」という部分がとても印象的でした。なぜなら,私のク
ラスの子達の中にも,「イスラム教って人を殺していいの?」と考
えていた子がいたからです。
 現在私のクラスで《世界の国旗》を行っています。そのときに,
クラスの子達が「イスラム国って国なの?」とか「イスラム教って
怖い。だって人を殺すでしょ?」と,イスラムに関してあまりいい
イメージを持っていない子がいました。ですから,バングラデシュ
の方のように「イスラム教は人を殺していいとかいってはないんだ
よ」と説明したことがありました。イスラム教徒が多いバングラ
シュにすんでいる方も同じように考えているのだな。むしろそう考
えている人の方が多数派だと思うのに,過激な考え方がどうしても
クローズアップされちゃうよなぁと思いながら読んでいました。
◆青年が観た〈自分の国〉像再び(池田さん)
 中卒と大卒以上の賃金格差は,日本は比較的格差が少ない方とは
知らなかったので,グラフをみてびっくりしました。特にアメリ
って,こんなに格差が大きかったのですね。
 しかし,資料を読んでいてわからなかった事があります。それ
は,p.72の「個人の努力」や「個人の才能」を選ぶ青年の割合が
大きく減っている事と連動しているというところです。
 p.73の「個人の才能」が重要のグラフでは減っていることがわ
かるのですが,「個人の努力」のグラフはそんなに減っているので
しょうか?? アメリカ・イギリス・日本においても,1988年と
2013年のグラフを見ていても同じくらいか,さほど変わっていな
い様に見えるのですが・・・。もしかして,グラフがちがうのでしょ
うか?
(p.72中程の文章〈これは「個人の努力」や「個人の才能」を選
ぶ〉を,〈これは「個人の才能」を選ぶ〉にすれば,意味がわかり
ます)
◆多数決に優先すること(松田さん)
 板倉先生の文章の中にある,
 「〈民主主義だから〉といっても,また〈みんなの望んでいるこ
とだから〉といって,やたらに法律や規則を作ってはならないので
す。〈民主主義的な手続きをさえ守れば何を決めてもいい〉という
ことはないのです」
……こういうことは,現場で起こりやすいことだなと思いました。
 たとえば,世の中には「算数テストの点数が悪かったら居残り勉
強をする」というシステムがあります。「子ども達にとって学力を
上げるいいこと」として,校内研究の一環としてそれが入っていた
りします。こうしたシステムは,私がもし子どもだったらイヤだ
な・・・と思います。「そのほうが勉強が進む」という根拠もわかり
ません。でも,私のように考える人はすくないのでしょうか。松田
さんの文章を読んでいて,そんなことも考えてしまいました。
 私は自分がたのしいと思うことを優先的に考えてしまうようで
す。仮説実験授業も「自分が楽しいから授業をしたくなる」ので
す。そう思う度に,私って本当にわがままだよなぁと思うのです
が,それでもやっぱり自分が楽しいと思える事をやりたくなる気持
ちはなかなか抑えられないのです。
 でも,もしかして,仮説実験授業が「これはみんなの望んでいる
ことだから」となり,「学校でのきまり」や「仮説をやらねばなら
ない」という風になってしまったら大変です。それってもしかし
て,私がいやがっている居残り勉強と同じように,相手には押しつ
けになっちゃうのかな? 
 松田さんの文章から大幅に話がそれてしまっているようで申し訳
ないですし,この事に関しては全く結論も出ていません。うーん。
考えすぎなのかな?

15●山田晃靖(福井・ふれあいスクール)
 自閉症の作家の方の番組(NHKスペシャル)を何気なく見てい
ました。その中で,杉山登志郎医師(浜松医大)が,「脳は損傷部
位があるとそれを補完しようとする,それのは脳の喜ぶことをすれ
ばよい」と言われていました。
 たのしいことをするって,医学的にも有効なのだと思いました。
◆(1)多数決に優先すること
 管理職と先生たちのこういう関係の記録を読んだのは初めてで,
少しドキドキしました。管理職が三浦君を参加させない,先生たち
は参加させたいという関係のものなら,ありそうですが。結末も衝
撃的。〈私は椅子に座ってしばらくの間,両手で顔を覆っていまし
た。〉その気持ち共感します。
 〈他校の失敗例に学ぶこと,民主主義に優先するものとしての基
本的人権,集団よりも何より個人が優先されるべきであることを考
えた〉,深く頷き考えさせられました。
忘れられないレポートになりました。
◆(2)子どもの気持ちがわかる教師への道9 原子論的な考え方
の魅力
 直接的な証拠がなくても物質不滅の原理から考えれば分かる,原
子論から考えてみる,原理的なこと(原理的なことはだれにとって
も納得できる)に立ち返って考える,こういうことは,自然科学の
現象,社会の現象の真相を見出したいとき忘れてはいけないことだ
と思います。
 子どもの困った状態を考えるときも同じで,〈楽しさは生きる原
動力〉という原理に立ち返って考えたいものです。
◆(3)エピクロスの学校はどこ?
研究物語はとても興味を引きます。エピクロスが現代のギリシャ
は評価されていない?あまり知られていないのでしょうか?
現代のギリシャ国民は,自国で芽生えた民主主義と科学について,
どうとらえているのでしょうか。ギリシャの学校では教えられてい
るのでしょうか?
◆(4)この初めての授業がとても好きです
 バングラデシュの子どもたちの感想が溌剌としていました。バン
グラデシュでも歓迎されることは間違いないと思って読みました。
 バングラデシュでは,指導要領のようなものがあるのでしょう
か?普段は,きびしい授業なのかな?
《空気と水》は,初めての仮説実験授業に向いていると思います。
◆(5)受験生を励ます 年賀状
 〈年寄りの担任は若者のがんばりを励ましたくなる〉〈長い人生
「どっちにころんでもしめた」は必ずあるのです〉に共感します。
返事は来なくてもいいけれど,出して励ましたいんだという気持ち
がわきあがってくるんですね。担任である自分の気持ちに素直に従
うってことは,重要なんですね。
◆(6)NASAプラトンボと仮説実験授業の紹介をしてきまし

相川さんの挑戦に敬意を表します。授業書,授業プラン,ものづく
り等々のたくさんの実践と見直しの積み上げが,世界の人々にとっ
ても財産であることを改めて認識しました。
◆(7)2足のわらじ 若狭湾での生活
 この青少年施設は,私の居住地の小浜市にあります。現役のとき
何度も引率者で利用しました。カッターにも何回も乗船しました。
 仮説の広瀬さんという方が,職員で,滋賀から来られていること
は知っていました。しかし,直接お会いして話す機会はありません
でした。
 〈大変過ぎるデビュー戦〉大変お疲れ様でした。海上での乗船活
動は大変緊張しますね。それでも楽しく充実した日々を当地で過ご
されてよかったです。
 秋にはここの主催事業の科学実験教室があり,若狭たのしい授業
の会のメンバーも講師を務めていました。

16●小川直恵(長崎・中学校理科)
◆多数決に優先すること:ある校長の体験ー群れに紛れて我を忘れ
ないために(松田心一さん)を読んで
 我が長崎諫早仮説サークルから校長先生が誕生!
 先日の校長試験選考の結果,長崎諫早仮説サークルから初の校長
先生が誕生しました。
 彼は小学校の先生ですが,教頭さんとして自宅のある場所を離
れ,単身赴任を経験して今年晴れて校長試験に合格しました! 合
格の報がメーリングリストで流れる中,これからも仮説で学んだこ
とを頼りに校長をやっていきたいと心強い言葉を聞き,そんな校長
先生が長崎に一人でも誕生したことを心から喜んでいます。そし
て,『たの授』の松田さんの文章が話題になったのは言うまでもあ
りません。
 さて,私は松田さんの文章を読みながら「すごい校長先生だな
ぁ」と思いました。だって,普通は保身に走って,何事も起こらな
いように方策を立てて行動しようするものだと思っていたのです。
それなのに,子供の心に沿って,子供を信じて修学旅行に連れて行
く決断をした校長さん。とにかく小さな出来事はあっても,全員無
事に,時間通りに,最大限の気を遣って引率をするのですから,そ
れは大きな冒険だったと思います。
 私も特にこの1ヶ月半はストレス連続の毎日です。でも,「子ど
もに聞く」「一緒にできることをやっていく」「少しずつわかって
もらえる人を増やして協力してもらう」など,仮説で学んだことを
生かしながらやっていきたいものと思っています。
 松田さんのように学校を運営する立場にはありませんが,「群れ
に紛れて我を忘れないために」,あるいは,「子どものために」と
いう大義名分を振りかざして本当に「子どものためかどうか怪しい
こと」を迫ってくる人たちや,ただただマニュアルにこだわる人た
ちとも冷静に,そして無理をせず,自分が大切だと思うことを見失
わないようにして関わっていきたいと思っています。

17●肥沼孝治(埼玉・中学校社会)
 12月号で特に良かったのは,
次の3点です。
◆(1)エピクロスの学校はどこに?(吉田さん)
 長年の吉田さんのギリシャ研究が,いよいよ実を結ぶ時がきまし
た。『オリンピックと平和』も良かったし,今回のギリシャ旅行で
も大きな成果が!
 昔の人は「石の上にも三年」と言いましたが,吉田さんの場合は
ギリシャの上にも三十年」!?
◆(2)子どもの気持ちがわかる教師への道(林さん)
 林さんの連載はとても心に響くものがあり,何回も感想を書いて
いますが,今回の「原子論的な考え方の魅力」も良かったです。林
さんの連載が,単行本にまとまる日を待ち望んでいます。
◆(3)たのしい思い出は《空気と水》で(森田さん)
 仮説実験授業をはじめとしたたのしい授業には,国境はないんだ
なあと改めて思いました。その後ナラ君はインターナショナル校に
転校したとのことですが,たのしかった記憶は決して消えないこと
でしょう。
 このほか,◆「この初めての授業が,とても好きです」(福嶋さ
ん)や,◆「多数決に優先すること」(松田さん)など,12月号
はクリスマスのプレゼントのように,たのしい記事が満載の号でし
た。

18●小山重美(山形・小学校)
◆「多数決に優先すること」(松田さん)
 秀逸でした。読み物としても,どうなるのかドキドキしながら読
みました。自分にも,〈内容よりも,校長の言うことだから反対〉
といった時が以前はあり,これを読んで反省しています(いまさ
ら)。松田さんの校長話,もっと読んでみたいです。
◆「受験生を励ます年賀状」(山路さん)
 さすが山路さんです。もらった生徒たちはうれしいでしょうね。
金スマ」も見ました。生徒たちのこれからを温かく応援する姿
勢,改めて大切にしたいと思いました。
◆「若狭湾での生活」(広瀬さん)
 突然の異動で自然の家,大変だったんだと思うのですが,これか
らの展開が楽しみです。
◆「子どもの気持ちがわかる教師への道」(林さん)
『歴史の見方考え方』,もう一度読み直してみようと思います。

19●須崎正美(埼玉・中学校理科)
◆福嶋祐子さん「この初めての授業が,とても好きです」
 バングラデシュについてはほとんど何も知りませんが,福嶋さん
の授業記録を読んでみると,バングラデシュの子も日本の子もほと
んど違いがないように思いました。もっと仮説実験授業が世界の子
どもたちに広がっていけばと願っています。
◆吉田秀樹さん「エピクロスの学校はどこに?」
 長年の吉田さんの「古代ギリシャ」への強い思いを感じさせる,
ギリシャ旅行記でした。「エピクロスの学校」が見つからないとい
う大きな成果を得られて旅だったと思います。早く『ギリシャ旅行
報告集』も読みたいです。そして,さらに,研究が広がっていくこ
とを願っています。
◆池田毅司さん「青年が見た〈自分の国〉象再び」
 25年前に住本健次さんの「青年が見た〈自分の国〉象」を読ん
だとき,とても衝撃を感じたことを記憶しています。それから25
年後,この記事を読むと,世界はずい分変わったなあと思いまし
た。
◆松田心一さん「多数決の優先すること」
 久しぶりに重く感じる記事でした。20〜30年前,どの中学校に
も超元気な子たちが何人もいて,毎日一緒に飛び回っていた時期を
思い出しました。松田さんが学校の中で孤立無援になっても,子ど
もの気持ちに寄り添おうとする様子がよくわかりました。ただ,内
容があまりにも具体的で詳しいので,たとえ登場する人名や学校名
が仮名でも,松田さんの名で書かれていたら,松田さんの周辺の人
や関係者にはほとんど察しがついてしまうように思います。できた
ら,松田さんの名前も仮名の方が良かったのではないかと思いまし
た。以前にも仮名で高校の先生が書かれた記事のことを思い出しま
した。ちょっと気になりました。

20●木村直子(大阪・小学校)
◆松田心一さんの,多数決に優先することについてです。
 義務教育であっても(健康上の理由以外で),修学旅行に参加し
たいという児童生徒を,修学旅行に行かせないということができる
のか!
 小学校では,そんなことはないと思うのですが,中学校では結構
あることなのですか? それとも地域性??記事を読んでいてそこ
がずーっと疑問でした。
 どんな児童生徒であろうと,授業を受ける権利があるように,修
学旅行もいけるのでは? というか,修学旅行に行かせるために教
師たちは努力しなければいけないのでは?と思ってしまう記事でし
た。
 何はともあれ,その時の生徒は修学旅行に行けてよかったです
ね!

21●佐々木邦道(千葉・小学校)
◆(1)多数決に優先すること(松田さん)
 これは大作です。とても読み応えがありました。わたしも,崩壊
クラスを持ったときに山中君(仮名)の気持ちがつかめずに苦労し
ました。その反抗的な態度と,しぐさ,暴言に閉口していたので
す。その時の様子が,この記事を読みながら,重なってきました。
 松田さんが最後まで「多数決の原理」よりも,〈基本的人権〉を
優先して考えた末,春夫君の気持ちを捉えることができたこと。そ
して,その基本的人権を認めてもらいたいという気持ちをことばで
表現できず,「反抗的態度 」で,無意識のうち?に訴えていた春
夫。
 わたしの場合の山中君にとても重なりました。春夫君が自分の部
屋に,松田さんとのツーショット写真を飾っている事実を読んだと
き,胸がじーんとなりました。そして,数年後に送られてきた同僚
のお祝い。
 基本的人権が多数決に優先するという〈本当の民主主義の原理〉
を再確認できました。
◆(2)青年が見た〈自分の国〉の像(池田さん)
 とても興味深いアンケートです。1988年の住本さんの資料は記
憶にありません。でも,このようなアンケートを継続してとること

 意味深いと思います。しかし,アンケートの質問項目が少し変わ
っていたところが残念でした。直接比較できませんから…
◆(3)バングラディッシュ(福嶋さん)
 わたしがメキシコの日本人学校に行ったとき(今から26年
前),実はわたしも,ある仮説を胸に,成田空港を飛び立ったので
した。
 その仮説とは「楽しさは世界共通」。わたしも,昔の茶箱(とて
も大きい箱)13箱の自分の荷物には,仮説実験授業の教材と
ものづくりの道具が8割入っていました。メキシコには,何も教材
がないと思ったからです。そして,日本で受け入れられた
たのしい授業をメキシコ人相手に実践したい!まさに,今回に福嶋
さんの目的意識は,26年前のわたしの気持ちに重なりました。

22●荒居浩明(神奈川・小学校)
◆今月号は,国際的に仮説実験授業が認められ,子どもたちからた
いへんな支持を得るということが,よくわかる特集でした。先日も
友人と「日本人よりも,開発途上のようなところの方が,もっと広
まる可能性を秘めているのかもしれないね」という話をしました。
そういう意味で本当によかったです。
◆「たのしい思い出は《空気と水》で……」森田光徳さん
 この話は,数年前に実際にサークルで発表したのを聞いていたの
で知っていましたが,たった一人の子でも,本当に喜んでくれるこ
とがわかったうれしい話でした。異国へきてたいへんな子に,たの
しい授業をしてあげられるって本当にステキな話だと思います。
◆「この初めての授業が,とても好きです」福嶋祐子さん
 この記事は感動しました。バングラデシュの子どもたちが,仮説
実験授業をたのしい授業を,ものすごく歓迎してくれている様子
が,記録からも感想からも本当によくわかりました。事件が起こら
ず,もっといることができたら,さらにたのしい授業を広められた
んだなぁと,残念な気持ちです。でも可能性を思い切り示してくれ
たこと,最高です。バングラデシュの子たちの笑顔最高です。
 それにしても《空気と水》という授業書は,仮説実験授業の中で
も最も支持を得られ,やりやすい授業書なんではないかと思いま
す。だれでもいつでもどこでもできる授業書というのもすごいなぁ
と思います。
◆「多数決に優先すること」松田心一さん
 衝撃の事実としかいいようがない話です。ふだんは,心無い管理
職の言うことに反発心を覚えることが多かったのに,今回は全く正
反対。しかし,子どもたち優先で考えることに関しては,全く同
じ。つまり立場の違いではなく,何を優先して行なうかの違いであ
ることがまずわかります。
 三浦君が,コーチョー先生を信頼していたい気持ちもとっても伝
わってきました。やはり,一人の子の人格を本当に認めていたんだ
ということがわかったと同時に,「真理は多数決では決まらない」
ということが,事実を通してよくわかりました。また反発していた
担任の方々も,本当は校長先生の言うことをもっともだと思ってき
たんだというオチがあるところ,本当に感動的でした。
 読みながら,いったいどうなってしまうのだろうと,ハラハラド
キドキしながら読むことが出来ました。本当にいい仕事をしました
ね。こういう校長先生がたくさんいたら,日本の学校はもっと変わ
るだろうなぁ。
◆「エピクロスの学校はどこに?」
 これはよかったです。吉田さんの「ギリシャツアーの報告会」を
聞きに行ったので,よりたのしく読み進めることができました。ギ
リシャがよくわからなかった私にとって,吉田さんの研究は心の支
えになります。
 目的意識を持って旅に出かけ,予想し仮説を立てて次へ進むっ
て,本当にたのしいでしょうね。まさに「至誠,天に通ず」という
場面もあり,それも目的意識があったからこその結果なんだと感じ
ました。
 まだ未完成のところや,アンティキテラの機械のこと,吉田さん
の仮説がこれからどのように実証されていくのとてもたのしみで
す。次のギリシャツアー,いつあるのだろう?
◆「2足のわらじ」広瀬真人さん
 先日,百合学院のフェスティバルのときに,広瀬さんと直接話す
機会がありました。生物好きなど,その他も,私ととっても近いも
のがあることも知り,うれしかったです。
 自然の家の体験,いいです。私もそういうところに行ってみたい
です。そういう場所でもやはりサービス業としての大切さを知るこ
とができたのが収穫だと思いました。次回もとてもたのしみです。

23●濱岸君夫(石川・中学校)
 よかった記事は
◆1. 多数決に優先すること
 こんな子どもを守り抜く校長先生は素敵ですねぇ
◆2. 年賀状
 目の前のことを,がんばれと言いながら,もっと長い目で人生を
見るもう一人の自分というものを教えてくれる がよかったです

24●藤井幹二(大阪・小学校)
◆池田さんの記事「青年が見た〈自分の国〉像再び」が興味深く,
一気に読みました。特に驚くというよりは,「そうだろうな」と強
く思ったのが,社会に出て成功するのに重要なこととして「身分・
家柄・親の地位」を選んだ割合がもっとも高いのが「韓国」という
ことです。韓国ドラマは,大阪では地方局で朝から昼ごろまで何本
も放映されています。特に歴史ものは人間ドラマが壮大で,ついつ
い毎回録画をして見ています。一方で,それらのドラマの根底には
常に「生まれによる差別」があります。そのことは,今回の韓国大
統領の数々のスキャンダルという事件からも,明らかに見てとれま
す。特にコネが幅をきかせてる国なのかな?と,報道を見ていて感
じます。
◆そして,今月号で最も心に残ったのは,松田さんの「多数決に優
先すること」。
 三浦君への対応の仕方を自分が実際に担任したらどうするだろう
と思いながら読みました。また〈他校の失敗例から学ぶことの大切
さ〉は心に響きました。確かに修学旅行へ行かせない理由はない
し,行かせなかった場合,その後の関係は相当厳しいことは想像で
きます。「子どもの生命や人権に関することについては,何より優
先させて守る必要があるのではないか」とは常に肝に銘じて教師を
しなくては,と強く思いました。
 
               ……… 以下次々号へ! …… 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
*メルマガ編集部よりひとこと*
中編でした。残るは11名!
どんな感想が出てくるのか,どうぞお楽しみに。

お次は『たのしい授業』2017年1月号のもくじをお届けします!
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
仮説社のメールマガジンをお読みくださいましてありがとうござい
ます。弊社発行の月刊誌『たのしい授業』や書籍をお読みくださっ
ている読者のみなさまや,仮説実験授業を実践,あるいはこれから
実践してみたいと考えている方などに,弊社の新刊情報を少しでも
早くお知らせできたらと思い,このようなメールマガジンを発行し
ています。そのほかにも,『たのしい授業』の情報,新しい実験器
具やおもちゃの情報もいち早くお伝えできればと思っています。当
メールマガジンへのご要望などございましたら,下記メールアドレ
スにお寄せくださいますようお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔仮説社PublicRelations〕仮説社 販売部(荒木)
hanbai(アットマーク)kasetu.co.jp
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-14-5 第一松岡ビル3F
TEL 03-6902-2121  FAX 03-6902-2125
仮説社HP→http://www.kasetu.co.jp/
Facebookhttps://www.facebook.com/kasetusya/
You tubehttp://www.youtube.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━